JPH05175032A - Ni−Cu−Zn系フェライト焼結体、それを用いた積層インダクタ、複合積層部品および磁心 - Google Patents

Ni−Cu−Zn系フェライト焼結体、それを用いた積層インダクタ、複合積層部品および磁心

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JPH05175032A
JPH05175032A JP3355307A JP35530791A JPH05175032A JP H05175032 A JPH05175032 A JP H05175032A JP 3355307 A JP3355307 A JP 3355307A JP 35530791 A JP35530791 A JP 35530791A JP H05175032 A JPH05175032 A JP H05175032A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のNi−Cu−Zn系フェライト焼結
体は、焼結が、空気より酸素濃度の低い雰囲気中で行わ
れたことを特徴とするものである。 【効果】 Ni−Cu−Zn系フェライト、特にNiO
量が多く、ZnO量の少ない高周波領域(30〜70MH
z )用の組成においては、低酸素濃度雰囲気で焼成する
と、フェライト焼結体の密度、比抵抗が向上し、Q特性
が高くなる。これは、フェライト焼結体の比抵抗が向上
することにより、フェライトの磁気損失中の渦電流損失
が小さくなるためと考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ni−Cu−Zn系フ
ェライト焼結体、それを用いた積層インダクタ、複合積
層部品および磁心に関する。
【0002】
【従来の技術】Ni−Cu−Zn系フェライト焼結体
は、積層インダクタ、複合積層部品、および磁心等に使
用される。
【0003】積層インダクタは、セラミック磁性体と、
内部導体とから構成されるものである。また、複合積層
部品は、セラミック誘電体層と内部電極層とを積層して
構成されるコンデンサチップ体すなわち積層コンデンサ
と、セラミック磁性層と内部導体とを積層して構成され
るインダクタチップ体すなわち上記積層インダクタとを
一体的に形成したものである。
【0004】このような部品は、体積が小さいこと、堅
牢性および信頼性が高いことなどから、各種電子機器に
多用されている。
【0005】これらの部品、例えば、複合積層部品は、
通常、内部導体用ペースト、磁性層用ペースト、誘電体
層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを厚膜技術に
よって積層一体化した後、焼成し、得られた焼結体表面
に外部電極用ペーストを印刷ないし転写した後、焼成す
ることにより製造される。この場合、磁性層に用いられ
る磁性材料としては、低温焼成が可能であることからN
i−Cu−Znフェライトが一般に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ni−Cu
−Zn系フェライト焼結体を用いた電子部品の磁気特性
の向上を図ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明によって達成される。 (1) 焼結が、空気より酸素濃度の低い雰囲気中で行
われたことを特徴とするNi−Cu−Zn系フェライト
焼結体。
【0008】(2) 酸素濃度が0.5〜10%の範囲
の雰囲気中で、焼結が行われた上記(1)のNi−Cu
−Zn系フェライト焼結体。
【0009】(3) 上記(1)のNi−Cu−Zn系
フェライト焼結体の原料が、46〜49mol%のFe
2 3 、37〜48mol%のNiO、6〜10mol
%のCuO、4mol%以下のZnO、および1000
〜3000ppmのCoOからなる組成である上記
(1)または(2)のNi−Cu−Zn系フェライト焼
結体。
【0010】(4) 原料が、更に不純物として、Mn
Oを1000ppm以下、P2 5 を100ppm以下
含んでいる上記(3)のNi−Cu−Zn系フェライト
焼結体。
【0011】 (5) 上記(1)乃至(4)の何れか
のNi−Cu−Zn系フェライト焼結体で形成された磁
性層を備えている積層インダクタ。
【0012】(6) 上記(5)の積層インダクタ、お
よび積層コンデンサを備えている複合積層部品。
【0013】(7) 上記(1)乃至(4)の何れかの
上記(1)のNi−Cu−Zn系フェライト焼結体で形
成された磁心。
【0014】
【作用】本発明のNi−Cu−Zn系フェライト焼結体
は、焼結の際、大気より酸素濃度が低い雰囲気中で熱処
理される。
【0015】Ni−Cu−Zn系フェライト、特にNi
O量が多く、ZnO量の少ない高周波領域(30〜70
MHz)用の組成においては、低酸素濃度雰囲気で焼成
すると、フェライト焼結体の密度、比抵抗が向上し、Q
特性が高くなる。これは、フェライト焼結体の比抵抗が
向上することにより、フェライトの磁気損失中の渦電流
損失が小さくなるためと考えられる。
【0016】従って、本発明のNi−Cu−Zn系フェ
ライトを用いて、積層インダクタ、複合積層部品、磁心
を形成した場合、高Qの電子部品を作成することができ
る。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。 <フェライトの組成>本発明で用いるNi−Cu−Zn
フェライトに特に制限はなく、目的に応じて種々の組成
のものを選択すればよいが、例えば、NiOの含有量
は、37〜48mol%、CuOの含有量は、6〜10
モル%、ZnOの含有量は4mol%以下の30〜70
MHzの高周波のものとすることが望ましい。30MH
z以下の周波数の場合には、効果が顕著でなく、一方、
70MHz以上であると、共鳴が生じ、(磁界の変化に
追随できないために、磁化に基よしなくなり)透磁率、
Q特性が極端に低下する。また、Q特性のピーク周波数
とその値からCoOを1000〜3000ppmの範囲
で含んでいることが望ましい。更にまた、原料には、不
純物としてMnO、P2 5 を含んでいてもよいが、M
nOが1000ppm、P2 5 が100ppm以下と
なるようにすることが望ましい。それぞれ、上記値以上
であると、Q特性が低下してしまう。
【0018】<焼成>焼結の際の熱処理は、空気より酸
素濃度の低い雰囲気中で行われる。このときの酸素濃度
は、0.5〜10%の範囲が望ましく、特に5%付近が
望ましい。0.5%より低い酸素濃度では、フェライト
焼結体の密度、比抵抗の低下により、Q特性も低下す
る。これはFeOの生成やCuOからCu2 Oの相変化
などが原因と考えられ、空気中焼成よりQ特性が悪くな
る。
【0019】10%より、高い酸素濃度では、空気中焼
成に比較し、フェライト焼結体の密度、比抵抗に顕著な
改善が見られないためQ特性はあまり変わらない。
【0020】<積層インダクタ>第1図および第2図に
は、本発明の積層インダクタすなわち積層型インダクタ
の好適例が示される。
【0021】積層型インダクタ1は、磁性体層2と、導
電体層3とが交互に積層一体化されて構成されるチップ
体10を有する。
【0022】そして、導電体層3はパターン状に形成さ
れるとともに、隣接する導電体層3は、第2図に示され
るように、互いに導通しており、これによりコイルが形
成されている。
【0023】さらに、このチップ体10の表面には、導
電体層3と導通する外部電極5が設けられている。
【0024】チップ体10の外形や寸法には特に制限が
なく、用途等に応じて適宜選択すればよいが、通常、外
形はほぼ直方体状の形状とし、寸法は(1.0〜5.
6)mm×(0.5〜5.0)×(0.6〜1.9)mm程
度とすればよい。
【0025】積層型インダクタ1の磁性体層2の材質と
しては、Ni−Cu−Zn系フェライトを使用する。N
i−Cu−Zn系フェライト焼結体は、低温焼成材料で
あり、このような磁性層を用いたとき、本発明の積層型
インダクタは焼成時液相の生成が無く、しかも電気抵抗
の点で、より優れたものとなる。
【0026】この他、CoOが1000〜3000pp
mの範囲で含まれていることが望ましい。更にこの他、
MnOが1000ppm以下、P2 5 が100ppm
以下含有されていてもよい。それぞれこの範囲である
と、Q特性向上の効果を発揮する。
【0027】このような、フェライト系の磁性体層2
は、後記の導電体層用ペーストと800〜950℃、特
に850〜900℃の焼成温度にて同時焼成して形成で
きる。
【0028】磁性体層2の焼成後の厚さには特に制限は
ないが、通常ベース厚は、250〜500μm 程度、導
電体層3、3間の磁性体層厚は、10〜100μm 程度
とする。
【0029】導電体層3の材質としては、従来公知の導
電体層材質は何れも使用できる。
【0030】例えば、Ag、Cu、Pdやこれらの合金
等を用いればよいが、このうち、AgまたはAg合金、
特にAgが好適である。
【0031】Ag合金としては、Agを95重量%以上
含むAg−Pd合金等が好適である。
【0032】このような導電体層3は、後述するように
導電体層用ペーストを塗布した後、焼成して形成される
ものである。
【0033】この際、通常は、脱バインダ等によって導
電体層3内部に、空孔が形成されることが多い。
【0034】導電体層3は、第2図に示されるように、
磁性体層2内にて、通常スパイラル状に配置され、その
両端部は一対の各外部電極5、5に接続されている。
【0035】このような場合、導電体層3の巻線パター
ン、すなわち閉磁路形状は種々のパターンとすることが
でき、また、その巻数、厚さ、ピッチ等も用途に応じ適
宜選択すればよい。
【0036】なお、導電体層3の厚さは、通常5〜30
μm 程度、巻線ピッチは、通常40〜100μm 程度、
巻数は、通常1.5〜50.5ターン程度とすればよ
い。
【0037】また、外部電極5、5の材質については、
特に制限がなく、各種導電体材料、例えばAg、Ni、
Cu等あるいはAg−Pd等のこれらの合金などの印刷
膜、メッキ膜、蒸着膜、イオンプレーティング膜、スパ
ッタ膜あるいはこれらの積層膜などいずれも使用可能で
ある。
【0038】外部電極5、5の厚さは任意であり、目的
や用途に応じ適宜決定すればよいが、通常5〜30μm
程度である。
【0039】<積層型インダクタの製造方法>次に、本
発明の積層型インダクタの製造方法について説明する。
まず、磁性体層用ペースト、導電体層用ペーストおよび
外部電極用ペーストをそれぞれ製造する。
【0040】<磁性体層用ペースト>磁性体層用ペース
トは、通常の方法で製造すればよい。例えば、フェライ
トペーストを製造するには、所定量のNiO、ZnO、
CuO、Fe23 等のフェライト原料粉末をボールミ
ル等により湿式混合する。用いる各原料粉末の平均粒径
は通常0.1〜10μm 程度とする。
【0041】こうして湿式混合したものを、通常スプレ
ードライヤー等により乾燥させ、その後仮焼する。これ
を通常は、平均粒径が0.01〜0.1μm 程度になる
までボールミル等にて湿式粉砕し、スプレードライヤー
等により乾燥する。
【0042】得られた混合フェライト粉末と、エチルセ
ルロース、アクリル樹脂等のバインダーと、テルピネオ
ール、ブチルカルビトール等の溶媒とを混合し、例えば
3本ロール等で混練してペースト(スラリー)とする。
【0043】この場合、ペースト中には各種ガラスや酸
化物を含有させることができる。
【0044】なお、フェライト粉末のほか、各種磁性粒
子を用いることも可能である。
【0045】<導電体層用ペースト>導電体層用ペース
トは、通常、導電性粒子と、バインダーと、溶剤とを含
有する。
【0046】導電性粒子の材質は、従来導電体層用ペー
ストに用いられるものであれば特に制限がなく、金属や
金属酸化物等の焼成後に金属になるものを用いればよ
い。
【0047】この場合、金属成分としては、Ag、C
u、Pd等の1種以上を含む金属単体、あるいはこれら
の合金が好ましい。
【0048】そして、特にAg、Ag合金、これらの酸
化物が好適である。
【0049】また、導電性粒子の形状には特に制限がな
いが、ほぼ球状の形状が好ましい。また、導電性粒子の
平均粒径Dは、0.1〜1μm 、特に0.1〜0.4μ
mであることが好ましい。
【0050】前記範囲未満ではペースト化が困難であ
り、また、印刷に適切でない。
【0051】前記範囲をこえると高密度の導電体層を形
成できない。
【0052】この場合、本発明では導電性粒子の粒径分
布がシャープなものを用いることが好ましい。
【0053】具体的には、導電性粒子の平均粒径をDと
するとき、D/2〜2Dの粒径の粒子が、全体の30重
量%以上、特に40重量%以上存在することが好まし
い。
【0054】ただし、あまり大きくするのは困難である
ため、30〜60重量%、特に40〜60重量%とする
ことが好ましい。
【0055】前記範囲未満では高密度の導電体層を形成
できない。
【0056】なお、導電性粒子の粒径は、SEMにて観
察し、粒子の投影面積から円換算して算出すればよい。
【0057】<バインダー>バインダーとしては、例え
ばエチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等
公知のものはいずれも使用可能である。
【0058】また、バインダー含有量は、通常1〜5重
量%程度とする。
【0059】溶剤としては、例えばテルピネオール、ブ
チルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使
用可能である。
【0060】溶剤含有量は、通常10〜50重量%程度
とする。この他、総計10重量%程度以下の範囲で、必
要に応じ、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル等の分散剤や、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ブチルフタリルグリコール酸ブチル等
の可塑剤や、デラミ防止、焼結抑制等の目的で、誘電
体、磁性体、絶縁体等の各種セラミック粉体等を添加す
ることもできる。
【0061】このような各組成物を混合し、例えば3本
ロール等で混練してペースト(スラリー)とする。
【0062】この場合、本発明の製造方法では、導電性
粒子が過不足なくペースト内に分散されるように混練す
る。
【0063】具体的には、ポリエチレンテレフタレート
等の基材上に、混練後の導電体層用ペーストを塗布し、
塗膜の最上面を2000〜10000倍のSEM像に
て、観察したとき、塗膜の最外面に導電性粒子が存在し
ない領域の面積比が20〜60%、好ましくは30〜5
0%、特に好ましくは35〜45%となるまで混練す
る。
【0064】この場合、塗膜最外面とは、導電性粒子の
平均粒径Dの1〜5倍程度の領域である。
【0065】前記範囲未満あるいは前記範囲をこえる
と、間隙6内にて、導電体層3が占める断面面積比が8
5%をこえ、また、磁性体層2と、導電体層3との接触
率が50%をこえ、また、導電体層3の空孔率が50%
をこえる。
【0066】このような所望の分散性を有する導電体層
用ペーストを得るには、例えば3本ロールのロール間
隙、粘度、混練時間等を適宜調整すればよい。
【0067】外部電極用ペーストは、前記の導電体材料
粉末を含有する通常のペーストを用いればよい。
【0068】このような磁性体層用ペーストと導電体層
用ペーストは、印刷法、転写法、グリーンシート法等に
より、積層される。
【0069】そして、所定の積層体寸法に切断した後、
焼成を行なう。
【0070】焼成条件や焼成雰囲気は、材質等に応じて
適宜決定すればよいが、通常下記のとおりである。
【0071】焼成温度:850〜950℃程度 焼成時間:0.5〜5時間程度
【0072】また、導電体層にCu、Ni等を用いる場
合は、非酸化性雰囲気とし、このほか、Ag、Pd等を
用いる場合は大気中でよい。
【0073】<複合積層部品>本発明の好適実施例であ
る積層セラミックLC複合部品を図3に示す。
【0074】図3に示されるLC複合部品20は、セラ
ミック誘電体層21と内部電極層25とを積層して構成
されるコンデンサチップ体CTと、セラミック磁性層31
と内部導体35とを積層して構成されるインダクタチッ
プ体ITを一体化したものであり、表面に外部電極51を
有する。なお、インダクタチップ体IT自体は、上記積層
インダクタ1のチップ体10と同じであってよいので、
ここではその説明を省略する。
【0075】<コンデンサチップ体>コンデンサチップ
体CTのセラミック誘電体層21には特に制限がなく種々
の誘電体材料を用いてよいが、焼成温度が低いことか
ら、酸化チタン系誘電体を用いることが好ましい。ま
た、その他、チタン酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合
酸化物、あるいはこれらの混合物を用いることもでき
る。また、焼成温度を低下させるために、ホウケイ酸ガ
ラス等のガラスを含有させてもよい。
【0076】具体的には、酸化チタン系としては、必要
に応じNiO、CuO、Mn34、Al23、Mg
O、SiO2 等、特にCuOを含むTiO2 等が、チタ
ン酸系複合酸化物としては、BaTiO3 、SrTiO
3、 CaTiO3 、MgTiO3 やこれらの混合物等
が、ジルコン酸系複合酸化物としては、BaZrO3
SrZrO3 、CaZrO3 、MgZrO3 やこれらの
混合物等が挙げられる。
【0077】<内部電極層>本発明において、内部電極
層25を構成する導電材に特に制限はなく、Ag、P
t、Pd、Au、Cu、Niや、例えばAg−Pd合金
など、これらを1種以上含有する合金等から選択すれば
よいが、特にAg、Ag−Pd合金などのAg合金等が
好適である。
【0078】<構造>LC複合部品1のコンデンサチッ
プ体2は、従来公知の構造とすればよく、外形は通常ほ
ぼ直方体状の形状とする。そして図1に示されるよう
に、内部電極層25の一端は外部電極51に接続されて
いる。
【0079】コンデンサチップ体2の各部寸法等には特
に制限はなく、用途等に応じ適宜選択すればよい。
【0080】なお、誘電体層21の積層数は目的に応じ
て定めればよいが、通常1〜100程度である。また、
誘電体層21の一層あたりの厚さは、通常20〜150
μm程度であり、内部電極層25の一層あたりの厚さ
は、通常5〜30μm程度である。
【0081】<外部電極の導電材>本発明のLC複合部
品1の外部電極51を構成する導電材に特に制限はな
く、例えば、Ag、Pt、Pd、Au、Cu、NiやA
g−Pd合金などのこれらを1種以上含有する合金等か
ら選択すればよいが、特にAg、Ag−Pd合金などの
Ag合金等が好適である。また、外部電極51の形状や
寸法等には特に制限がなく、目的や用途等に応じて適宜
決定すればよいが、厚さは、通常100〜2500μm
程度である。
【0082】<LC複合部品の構造>本発明のLC複合
部品1の寸法には特に制限がなく、目的や用途等に応じ
て適宜選択すればよいが、通常(2.0〜10.0mm)
×(1.2〜15.0mm)×(1.2〜5.0mm)程度
である。
【0083】<磁心>
【0084】<磁心材料>磁心材料としては、本発明の
フェライト焼結体の材料組成を用いる。
【0085】<磁心の製造>本発明の磁心を製造するに
は、まず、材料として、上記の本発明のフェライト材料
を用意する。これらの主成分は、磁性材料の最終組成と
して前記の量比になるように混合され、原料として供さ
れる。これをスプレードライヤー等にて80〜200μ
m 程度の径の顆粒とする。そして、これに適当なバイン
ダー、例えばポリビニルアルコールを少量、例えば0.
1〜1.0wt%加えて成型する。
【0086】次いで、この成形品を通常、大気圧下、脱
バインダのための初期焼成として400〜500℃の範
囲内の所定温度まで、例えば60℃/hr程度の昇温速度
で徐熱する。次いで酸素濃度を0.5〜10%の範囲で
制御した雰囲気化において、所望の焼成温度850〜9
00℃まで50〜300℃/hrの昇温速度で徐熱し、そ
の温度で一定時間、好ましくは0.5時間以上保持す
る。
【0087】その後の冷却工程は、酸素濃度0.5〜1
0%の雰囲気化で冷却速度100−〜500℃/hrで常
温まで冷却する。以上の焼成方法により、高密度、かつ
低損失という極めて高性能な特性が得られるものであ
る。
【0088】次に、本発明の複合積層部品のより好まし
い実施例であるチップインダクタおよびトロイダル形状
の磁心について説明する。なお、本明細書においては、
チップインダクタで効果を特定できるので、複合積層部
品についての実施例は省略する。
【0089】<実施例1>先ず、最終組成で、Fe2
3 が47mol%、NiOが44mol%、CuOが7
mol%、ZnOが2mol%となるように原料を混合
し、同時にCoOを2000ppm添加した。なお、フ
ェライトに含まれるMnO量は500ppm以下、P2
5 は全く含まれない原料を用いた。原料の混合は、ボ
ールミルを用いて湿式混合する。
【0090】続いて、この混合によって得られた混合物
を乾燥し、700℃において仮焼を行った。仮焼材は、
ボールミルを用いて粉砕し、最終粒径が0.1〜0.3
μmの粉体を作成した。
【0091】得られた粉体をトロイダル形状であるT−
5形状に成型した。この成型品を焼成温度870℃で2
時間焼成して磁心を作製した。焼成条件は、図4に示し
たように、AIR中で脱バインダのための初期焼成を行
い、続いて焼成雰囲気の組成を、表1−A、1−Bに示
すように、大気(AIR)〜N2 の範囲で変えて本焼き
を行い、10個のサンプルを作製した。
【0092】一方、上記粉体にバインダを加えて混合し
ペーストを作成し、このペーストを印刷法にて4532
−4.5Ts形状とし、これを、T−5形状と同様(表
2−A、2−B参照)に焼成を行い、10個のチップイ
ンダクタのサンプルを作製した。これらのサンプルにつ
き、収縮率、焼結密度、比抵抗、μi、Q、温度特性を
測定し、あるいは計算した。その結果を表1−A、表1
−B、表2−A、2−Bに示した。
【0093】
【表1−A】
【0094】
【表2−A】
【0095】内部に用いた導体はAgとした。
【0096】上記の表から分かるように、焼成雰囲気の
酸素濃度が空気のそれより低いとき、特に0.5〜10
%のとき、Qが磁心において118.0以上となり、ま
たチップインダクタにおいて57.9以上となり望まし
かった。
【0097】<実施例2>最終組成で、Fe2 3 が4
7mol%、NiOが45mol%、CuOが6mol
%、ZnOが2mol%となるように原料を混合した原
料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、10個の
磁心のサンプルと、10個のインダクタのサンプルを作
製し、実施例1の場合と同様にQ等を測定あるいは計算
した。その結果を表1−B、2−Bに示した。
【0098】
【表1−B】
【0099】
【表2−B】
【00100】この組成の場合も、実施例1のときより
は多少落ちるが、上記の表から分かるように焼成雰囲気
の酸素濃度が空気のそれより低いときQ特性の向上が見
られた。特に、0.5〜10%のとき、Qが磁心におい
て110.0以上となり、またチップインダクタにおい
て61.0以上となり望ましかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型インダクタの一例を示す断面図
である。
【図2】上記積層型インダクタの一部破さい平面図であ
る。
【図3】本発明の複合LC積層部品の一部を切り欠いて
示した斜視図である。
【図4】本発明の焼結体の焼成条件を示す図である。
【符号の説明】
1 積層型インダクタ 2 磁性体層 3 導電体層 5 外部電極 10 チップ体 20 複合LC積層部品 CT コンデンサチップ体 IT インダクタチップ体 21 セラミック誘電体層 25 内部電極 31 セラミックス磁性層 35 内部導体 51 外部電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結が、空気より酸素濃度の低い雰囲気
    中で行われたことを特徴とするNi−Cu−Zn系フェ
    ライト焼結体。
  2. 【請求項2】 酸素濃度が0.5〜10%の範囲の雰囲
    気中で、焼結が行われた請求項1のNi−Cu−Zn系
    フェライト焼結体。
  3. 【請求項3】 請求項1のNi−Cu−Zn系フェライ
    ト焼結体の原料が、46〜49mol%のFe2 3
    37〜48mol%のNiO、6〜10mol%のCu
    O、4mol%以下のZnO、および1000〜300
    0ppmのCoOからなる組成である請求項1または2
    のNi−Cu−Zn系フェライト焼結体。
  4. 【請求項4】 原料が、更に不純物として、MnOを1
    000ppm以下、P2 5 を100ppm以下含んで
    いる請求項3のNi−Cu−Zn系フェライト焼結体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかのNi−Cu−
    Zn系フェライト焼結体で形成された磁性層を備えてい
    る積層インダクタ。
  6. 【請求項6】 請求項5の積層インダクタ、および積層
    コンデンサを備えている複合積層部品。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4の何れかの請求項1のN
    i−Cu−Zn系フェライト焼結体で形成された磁心。
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