JPH05171393A - 耐湿食性に優れた溶融Al系めっき鋼材 - Google Patents

耐湿食性に優れた溶融Al系めっき鋼材

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JPH05171393A
JPH05171393A JP34522091A JP34522091A JPH05171393A JP H05171393 A JPH05171393 A JP H05171393A JP 34522091 A JP34522091 A JP 34522091A JP 34522091 A JP34522091 A JP 34522091A JP H05171393 A JPH05171393 A JP H05171393A
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JP
Japan
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corrosion resistance
dip
hot
steel
plating
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Withdrawn
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JP34522091A
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English (en)
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Hirohisa Seto
宏久 瀬戸
Tetsuaki Tsuda
哲明 津田
Yasuhiro Yamamoto
康博 山本
Junichi Uchida
淳一 内田
Kunihiro Fukui
国博 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融Al系めっき鋼材において、加工性を低下
させずにめっき層自体の耐湿食性を向上させ、自動車排
気系部品に好適な材料を提供する。 【構成】 Si:0.1〜15%、Mn:0.1〜10%含有し、残部が
Alおよび不可避的不純物よりなる、溶融Al系めっき層を
有する、溶融アルミニウム系めっき鋼材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車排気系材料、特
にマフラー等として好適なアルミニウム(Al)系めっき鋼
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車排気系部品、特にマフラー
では、排気ガスの結露・凝縮水による内部の湿食が問題
とされてきた。この結露・凝縮水は、排気ガスに含まれ
るSO2 、NO2 、CO2 などが溶け込んでいるため、腐食性
が極めて強く、マフラー材料には耐湿食性が要求され
る。
【0003】マフラー材料として、かなり古くから、溶
融Al−10%Siめっきが使用されてきた。Al−10%Siめっ
きは、高温加熱時に起こるFe−Al合金層の発達やFe中へ
のAlの拡散がSiの添加により抑制されるため、高温での
耐酸化性に優れ、凝縮水環境中で優れた耐湿食性を有す
るからである。
【0004】しかし、近年、排ガス温度の上昇や、触媒
適用による凝縮水の組成変化等により、マフラー内部の
腐食環境が変化し、通常の冷延鋼板を母材とする溶融Al
−10%Siめっき鋼板では十分な耐食性が得られないよう
になってきたため、より高度の耐湿食性を持たせるよう
に、マフラー材料の高級化が望まれている。
【0005】このため、例えば特公平2−50979 号公報
に開示されるような、母材の耐食性を高めた溶融Al−10
%Siめっき鋼板や、フェライト系ステンレス鋼を母材と
する溶融Alめっき鋼板が開発されている。このような母
材を工夫したAl系めっき鋼板では、Al系めっき層自体の
耐食性は従来のAl系めっきと同等であるが、めっき時に
形成されるめっき金属と母材Feとの合金層が耐食性向上
に寄与すると言われている。
【0006】従って、溶融Al系めっきにおいて、めっき
層自体の耐食性を向上させるための検討はあまり行なわ
れていないと言ってよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような母材の
耐食性の向上により、溶融Al系めっき鋼材の耐食性は確
かに良好となる。しかし、自動車マフラーのような非常
に苛酷な腐食環境下においては、従来のAl−10%Siめっ
きでは、めっき層自体の保護効果はほとんど期待でき
ず、めっきの溶出後は薄い合金層と母材自体の耐食性に
依存するしかない。このような状況ではめっきを施す意
味がほとんどなく、好ましいめっき鋼板とは言えない。
【0008】そのため、本発明は、溶融Al系めっき鋼材
において、めっき層自体の耐湿食性をさらに向上させる
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼材表面にS
i:0.1〜15wt%、Mn:0.1〜10wt%を含有し、残部がAlお
よび不可避的不純物よりなる、溶融Al系めっき層を有す
ることを特徴とする、耐湿食性に優れた溶融Al系めっき
鋼材を要旨とする。
【0010】本発明者らは、排ガス結露凝縮水環境中で
の溶融Al−Si合金めっきの耐湿食性が、めっき層中にMn
を 0.1〜10wt%含有させることにより、著しく向上する
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
【作用】本発明の溶融Al系めっき層は、Siを 0.1〜15wt
%、Mnを 0.1〜10wt%含有し、残部がAlおよび不可避的
不純物より成る。
【0012】Si含有量を 0.1〜15wt%と限定したのは、
0.1 %未満ではFe−Al合金層の成長を抑制できず、めっ
き皮膜の加工性が不良となり、15%を越えると上記合金
層の成長を抑制する効果が飽和するからである。Si含有
量として好ましくは2〜12wt%がよい。
【0013】次に、めっき皮膜のMn含有量を 0.1〜10wt
%と限定したのは、0.1 %未満では耐湿食性改善にほと
んど効果が見られず、10%を越えると、皮膜が非常にも
ろくなり、ほとんど加工が不能となるからである。ただ
し、めっき浴温の上昇の問題もあり、Mn含有量の上限は
5wt%とする方が好ましい。
【0014】めっき浴中の不可避的不純物として代表的
なものとしてFeが挙げられる。Feは鋼材等をめっき浴中
に浸漬することにより混入する。またFe以外にも原料の
AlからCu等が混入することもある。これら不純物は0.1
wt%程度以下であれば特に問題はない。
【0015】本発明のMn添加による溶融Al系めっきの耐
湿食性向上効果は、以下のように考えられる。すなわ
ち、皮膜から溶出するMn2+イオンが、Al酸化物の全面溶
解腐食を促進し、厚い表面皮膜が形成される。この表面
皮膜が安定で耐食性向上に寄与すると考えれらる。
【0016】本発明による溶融Al系めっき層の良好な耐
湿食性は、母材の種類を問わず得られるものであり、母
材の鋼材の組成は、一般の低炭素鋼、Cr含有鋼、ステン
レス鋼等を始めとして任意の鋼材でよく、特に限定され
ない。鋼材の形状も、板材、管材、棒材、線材、型材な
ど特に制限されない。まためっき用母材として、鋼材表
面にNi、Co、Fe、Fe−B合金、Ni−B合金、等のプレメ
ッキを0.01〜10g/m2程度施したものを用いることもでき
る。
【0017】母材への溶融Al系めっきは、溶融Alめっき
浴にSiに加えてMnも添加する以外は従来のAl−10%Siめ
っきと同様に、既存の溶融Al系めっき設備を使用して実
施することができる。ただし、Mnの添加により溶融温度
が上昇するので、浴温は通常は 700〜800 ℃程度とな
る。溶融Al系めっき皮膜は、母材の鋼材の少なくとも一
面に形成される。板材の場合には両面めっきでも片面め
っきでもよく、管材の場合には、少なくとも排気ガスに
接触する内面側に溶融Al系めっき層を形成する。
【0018】溶融Al系めっき層の付着量は特に制限され
ず、従来のAl−10%Siめっき鋼材と同様でよいが、好ま
しくは1面当たり30〜100 g/m2である。30g/m2未満では
耐食性向上に効果が少なく、100 g/m2を超えると加工性
に悪影響を及ぼすことがある。
【0019】本発明の溶融Al系めっき鋼材は、高温耐酸
化性、特に耐湿食性に優れ、マフラーなどの自動車排気
系材料として好適であるが、暖房機器やガス器具の排気
管などの他の用途にも適用しうる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。め
っき母材として、低炭素鋼、極低炭素Ti添加鋼、9%Cr
含有鋼、SUS410L 鋼、SUS430LX鋼の板厚1.0 mmの冷間圧
延鋼板を使用し、この母材の両面に竪型溶融めっきシミ
ュレーターを用いて溶融Al系めっきを行った。使用した
溶融めっき浴は、黒鉛るつぼに20 kg の純Alを溶解し、
所定量のSiおよびMnを溶解することにより調製した。浴
温はMn添加量により異なるが、 700〜800 ℃の範囲内で
あった。母材を有機溶剤により脱脂し、25%H2+N2雰囲
気中で加熱した後、溶融めっき浴に5秒間浸漬した。め
っき皮膜の付着量は、ガスワイプにより片面当たり60g/
m2に調整した。
【0021】得られた各種めっき鋼板について、マフラ
ー内部での腐食を想定した模擬凝縮水による半浸漬試験
を行い耐湿食性を評価した。模擬凝縮水の組成は、次の
通りである。
【0022】Cl- : 100 ppm 、SO4 2- : 500 ppm 、SO3
2- : 200 ppm 、CO3 2- : 1000 ppm、 NO3 - : 50ppm 上記アニオンをそれぞれアンモニウム塩として添加し、
pH 8.5とした。この模擬凝縮水中に、50×100 mmに切断
した溶融Al系めっき鋼板のサンプルを半浸漬させ、70℃
で30日間の浸漬試験後、腐食減量を測定した。
【0023】また、めっき皮膜の加工性を密着曲げ試験
により評価した。曲げ部のテープ剥離を行い、目視で加
工性の良否を次の基準で評価した。 ○:優 (剥離なし) 、 △:一部剥離、 ×:剥離 これらの評価結果を表1および表2にまとめて示す。Mn
を 0.1〜10wt%の範囲内で含有させると、加工性が低下
せずに耐湿食性が格段に向上することが、試験結果から
わかる。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明により、マフラーなどの自動車排
気系あるいはその他の燃焼排気系部品材料として好適
な、耐湿食性に優れ、加工性も良好な溶融Al系めっき鋼
材が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 淳一 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 福井 国博 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材表面に、Si:0.1〜15%、Mn:0.1〜10
    %含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる、溶
    融Al系めっき層を有することを特徴とする、耐湿食性に
    優れた溶融アルミニウム系めっき鋼材。
JP34522091A 1991-12-26 1991-12-26 耐湿食性に優れた溶融Al系めっき鋼材 Withdrawn JPH05171393A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0743373A1 (en) * 1995-05-18 1996-11-20 Nippon Steel Corporation Hot-dipped aluminum coated steel sheet having excellent corrosion resistance and heat resistance, and production method thereof
FR2752245A1 (fr) * 1996-08-06 1998-02-13 Kubota Kk Tuyau en fonte modifie en surface en vue de la prevention contre la corrosion et procede de modification de la surface du tuyau en fonte en vue de la prevention contre la corrosion
JP2003293108A (ja) * 2002-04-04 2003-10-15 Nippon Steel Corp 表面平滑性に優れる溶融めっき鋼材
EP4092141A1 (de) * 2021-05-21 2022-11-23 ThyssenKrupp Steel Europe AG Stahlflachprodukt mit einer al-beschichtung, verfahren zu dessen herstellung, stahlbauteil und verfahren zu dessen herstellung

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Effective date: 19990311