JPH05170940A - ポリスチレン系樹脂フィルム - Google Patents

ポリスチレン系樹脂フィルム

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JPH05170940A
JPH05170940A JP34077791A JP34077791A JPH05170940A JP H05170940 A JPH05170940 A JP H05170940A JP 34077791 A JP34077791 A JP 34077791A JP 34077791 A JP34077791 A JP 34077791A JP H05170940 A JPH05170940 A JP H05170940A
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Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 実用上充分な透明性を有し、かつ高い耐衝撃
性を併せ持ち、スチレン系樹脂が持つ各種の特性を高水
準で兼備させたゴム変性ポリスチレン系樹脂フィルムを
提供する。 【構成】 ポリスチレン樹脂(a) 30〜55重量%と、ビニ
ル芳香族炭化水素化合物成分67〜87重量%及び共役ジエ
ン化合物成分33〜13重量%のブロック共重合体(b) 70〜
45重量%からなる組成物 100重量部に対して、耐衝撃性
ポリスチレン樹脂(c) を特定量添加した、曲げ弾性率
(ASTM D-790B)が15,000kg/cm2 以上、落錘衝撃値(AS
TM D-1709 、3mm厚みサンプルで測定)が10kg・cm以
上、曇り度(ASTM D-1003 、1mm厚みサンプルで測定)
が40%以下の樹脂組成物からなるポリスチレン系樹脂フ
ィルム。((Wps-30)/23)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム変性されたポリスチ
レン系樹脂フィルムに関するものであり、更に詳しく
は、透明性、光沢を損なうことなく、耐衝撃性を改良し
たポリスチレン系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】透明性、
光沢、剛性に優れかつ無味無臭無毒性であるため、食料
品等の包装材料として多く使用されているポリスチレン
ホモポリマーフィルムは、ポリスチレンホモポリマーが
非晶性であるために非常に脆い性質を有しており、一般
に二軸延伸して強度を向上させたフィルムが使用されて
いる。しかし、二軸延伸は、フラットダイから押し出し
た比較的厚めのフィルムを冷却ロールで急冷した後、再
び加熱して縦延伸、横延伸を行う複雑な製造工程及び多
額な設備投資が必要であるという問題点を有している。
一方、ゴムをスチレンとグラフト重合させた耐衝撃性ポ
リスチレンからなるフィルムは、二軸延伸を行わなくて
も充分な耐衝撃性に優れたフィルムが得られるが、ポリ
スチレンフィルムの大きな特徴の一つである透明性が著
しく損なわれたものである。
【0003】従来、二軸延伸を行わずにスチレンホモポ
リマーの透明性を損なうことなく、充分な耐衝撃性を付
与させる方法として、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体をポリスチレンホモポリマーにブレンドする方法
が用いられてきた(特公昭44−7126号、特開昭49−9885
7 号 、特開昭49−108177号)が、透明性を損なわない
ようにスチレン−ブタジエンブロック共重合体中のスチ
レン含量を多くした場合、ブレンドフィルムの透明性は
優れているが、耐衝撃性はポリスチレンホモポリマーフ
ィルムよりは若干改善されているにすぎず、充分な耐衝
撃性を有するものではなかった。また、充分な耐衝撃性
を発現させるために、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体中のブタジエン含量をスチレン含量より多くした
スチレン−ブタジエンブロック共重合体を使用したブレ
ンドフィルムは、ホモポリスチレンとスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体中のブタジエン成分の相溶性が悪
いために著しく透明性の損なわれた物しか得られなかっ
た。さらに、透明性と耐衝撃性とを両備するスチレンフ
ィルムを得る試みは、透明性をほとんど損なわないスチ
レン成分を多く含有するスチレン−ブタジエンブロック
共重合体10〜40重量%とポリスチレンホモポリマー90〜
60重量%からなる樹脂組成物 100重量部に対して、耐衝
撃性ポリスチレンを 0.1〜7.0 重量部添加した樹脂組成
物からインフレーション法において二軸延伸をかけなが
ら成形するフィルムが提案されている。しかしながら、
このような方法においては、二軸延伸効果が充分に出る
条件で成形する必要があるばかりでなく、このような樹
脂組成物からなるフィルムはまだ充分な耐衝撃性を有し
ているとはいえず、近年、年々高度化してくる市場の要
求性能に対応できるものではなかった。
【0004】本発明は、このようなゴム変性ポリスチレ
ン系樹脂フィルムの状況に鑑みてなされたものであり、
その目的は、実用上充分な透明性を有し、かつ、従来の
ゴム変性ポリスチレン系樹脂フィルムが到達することが
できなかった高い耐衝撃性を併せ持ち、スチレン系樹脂
が持つ各種の特性を高水準で兼備させたゴム変性ポリス
チレン系樹脂フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、ポリスチレン樹脂(a) 30〜55重量
%と、ビニル芳香族炭化水素化合物成分67〜87重量%及
び共役ジエン化合物成分33〜13重量%のブロック共重合
体(b) 70〜45重量%からなる組成物 100重量部に対し
て、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c)を Whin 〜 Whix
量部(Whin 及び Whix は以下の式で定義される)添加し
た、曲げ弾性率(ASTM D-790B)が15,000kg/cm2 以上、
落錘衝撃値(ASTMD-1709、3mm厚みサンプルで測定)が
10kg・cm以上、曇り度(ASTM D-1003 、1mm厚みサンプ
ルで測定)が40%以下の樹脂組成物からなることを特徴
とするポリスチレン系樹脂フィルムを提供するものであ
る。
【0006】 Whin ={(100−Bhi)/100}×{Ssb/100}×10((Wps-30)/23) Whix ={(100−Bhi)/10}×{(85−Wps)/30}1/2 Ssb:ブロック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭化水素
化合物成分含有量(重量%) Bhi:耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) 中のゴム含有量
(重量%) Wps:ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b) か
らなる組成物中のポリスチレン樹脂(a) の含有量(重量
%) 本発明に用いることのできるポリスチレン樹脂(a) と
は、従来公知の方法で製造されるポリスチレンホモポリ
マーよりなる一般の透明ポリスチレン樹脂であり、押出
機、射出成形機等を用い一般的な方法によって成形で
き、かつ実用上充分な強度等の物性が得られる平均分子
量 50,000 以上、好ましくは 70,000 以上、400,000 以
下のものが用いられる。
【0007】次に、本発明に用いられるブロック共重合
体(b) とは、従来公知の方法で製造されるスチレン等の
ビニル芳香族炭化水素化合物からなるブロックとブタジ
エン等の共役ジエン化合物からなるブロックから成るも
のである。ブロック共重合体(b) の構造は、一般式 (A−B)n 、A(B−A)n 又は B(A−B)n (式中のAはビニル芳香族炭化水素化合物を主成分とす
るブロック、Bは共役ジエン化合物を主成分とするブロ
ック、n は1またはそれ以上の整数で一般に1〜6であ
る。)で表される直鎖状ブロック共重合体、あるいは一
般式 〔(B−A)nm+2−X、 〔(A−B)nm+2−X、 〔(B−A)n−B〕m+2−X 又は 〔(A−B)n
A〕m+2−X (式中のAはビニル芳香族炭化水素化合物を主成分とす
るブロック、Bは共役ジエン化合物を主成分とするブロ
ック、Xは四塩化ケイ素等のカップリング剤、n及びm
は1またはそれ以上の整数で一般に1〜6である。)で
表されるラジアル状ブロック共重合体として得られるも
のである。本発明においては、目的に応じて直鎖状ブロ
ック共重合体とラジアル状ブロック共重合体の混合物、
2種類以上の直鎖状ブロック共重合体の混合物、及び2
種類以上のラジアル状ブロック共重合体の混合物を用い
ることができる。前記ブロック共重合体においてAブロ
ックとBブロックの間の境界は必ずしも明確である必要
はない。また、Aブロック中に少量のB成分を含有して
いてもよいし、Bブロック中に少量のA成分を含有して
いてもよい。さらに、ブロック共重合体中に複数のAブ
ロックを有する場合、全てのAブロックの分子量、組成
が等しい必要はなく、Bブロックについても同様であ
る。本発明において好ましく用いられるビニル芳香族炭
化水素化合物はスチレンであり、共役ジエン化合物はブ
タジエンである。
【0008】本発明において用いられるブロック共重合
体(b) は、ビニル芳香族炭化水素化合物成分を67〜87重
量%、共役ジエン化合物成分を33〜13重量%、好ましく
はビニル芳香族炭化水素成分を70〜85重量%、共役ジエ
ン化合物成分を30〜15重量%含有するものである。ブロ
ック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭化水素化合物成分
が87重量%より多い場合には、ブロック共重合体自体の
耐衝撃性が低いばかりでなく、ポリスチレン樹脂(a) に
本発明の比率でブロック共重合体をブレンドした場合に
ポリスチレン樹脂(a) の耐衝撃性をほとんど改善するこ
とができない。また、ブロック共重合体(b) 中のビニル
芳香族炭化水素化合物成分が67重量%未満の場合にはブ
ロック共重合体自体の耐衝撃性が高く、ビニル芳香族炭
化水素化合物成分が少なければ少ないほどブロック共重
合体自体の耐衝撃性が高くなり、ポリスチレン樹脂(a)
とブレンドした場合の耐衝撃性を大きく改善することが
できる。その反面、ブロック共重合体(b) 中のビニル芳
香族炭化水素化合物成分が67重量%未満の場合には、ポ
リスチレン樹脂(a) に対する相溶性が悪いために透明性
が悪くなり、ブロック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭
化水素化合物成分が少なければ少ないほどこの傾向は強
くなり、本発明の組成物の曇り度が40%を越えるので好
ましく使用することは出来ない。本発明に好ましく用い
られるブロック共重合体(b) の平均分子量は30,000以
上、好ましくは50,000以上350,000 以下のものである。
【0009】本発明に好ましく用いられる耐衝撃性ポリ
スチレン樹脂(c) とは、従来公知の方法で製造されるイ
ソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンとブタジエン
をランダム及びブロック共重合したスチレンブタジエン
ゴム、アクリルゴム及びエチレン−プロピレンゴム等の
ゴムとスチレンとをグラフト重合して得られる重合体で
あって、ゴム成分を1〜25重量%含有するもの、好まし
くは3〜20重量%含有するものである。本発明に用いら
れる好ましい耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) としては、
押出機、射出成形機等を用いて一般的な方法によって成
形でき、かつ実用上充分な強度等の物性が得られる、平
均分子量50,000以上、好ましくは70,000以上350,000 以
下のものである。
【0010】本発明において使用する樹脂組成物は、ポ
リスチレン樹脂(a) 30〜55重量%とブロック共重合体
(b)70 〜45重量%からなる組成物 100重量部に対して、
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) を Whin 〜 Whix 重量部
添加したものである。尚、Whin及びWhix は下記の式で
定義される。 Whin ={(100−Bhi)/100}×{Ssb/100}×10((Wps-30)/23) Whix ={(100−Bhi)/10}×{(85−Wps)/30}1/2 Ssb:ブロック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭化水素
化合物成分含有量(重量%) Bhi:耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) 中のゴム含有量
(重量%) Wps:ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b) か
らなる組成物中のポリスチレン樹脂(a) の含有量(重量
%) ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b) からなる
組成物中のブロック共重合体(b) の含有量が70重量%よ
り多い場合には、本発明で使用する樹脂組成物の曲げ弾
性率が15,000kg/cm2 未満となり、フィルムの耐衝撃性
は優れているが剛性が低くなり、剛性が高いことを特徴
とするスチレン系樹脂フィルムとしての要件を満たさな
くなる。ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b)
からなる組成物中のブロック共重合体(b) の含有量が45
重量%未満の場合には、本発明で使用する樹脂組成物の
落錘衝撃値が10kg・cm未満となり、フィルムの剛性は優
れているが、耐衝撃性のレベルは低く、年々高度化する
市場の要求性能を充分に満足するレベルのものではな
い。
【0011】本発明で使用する樹脂組成物中の耐衝撃性
ポリスチレン樹脂(c) の含有量は、ポリスチレン樹脂
(a) とブロック共重合体(b) とからなる組成物 100重量
部に対して Whin 〜 Whix 重量部の範囲である(尚、W
hin 及びWhix は上記の式で定義される)。添加する耐
衝撃性ポリスチレン樹脂(c)の量は、耐衝撃性ポリスチ
レン樹脂(c)自体のゴムの含有量、ゴムの種類、ゴムの
形態、特にゴムの含有量および添加する樹脂組成物中の
ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b) の組成比
及び、ブロック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭化水素
化合物成分の含有量を考慮に入れて決定するものであ
り、透明性、耐衝撃性などの物性に大きく影響する。耐
衝撃性ポリスチレン樹脂(c) の含有量が前記 Whin 未満
の場合には耐衝撃改良効果が低く、前記 Whix より多い
場合には衝撃改良効果は大きいが不透明感が大きくなっ
てしまう。耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) の添加量の選
定については、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) 自体のゴ
ムの含有量に注意を払うことが重要である。
【0012】本発明で使用する樹脂組成物は、従来公知
の任意の方法を用いて前記3成分の重合体を混合するこ
とにより得られ、例えば、タンブラー型ブレンダー、リ
ボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー
等において原料を混合する方法及び前記方法で混合した
混合物を押出機、ニーダー、バンバリーミキサーで混練
してマスターバッチを得る方法等を用いることができ
る。本発明で使用する樹脂組成物には、前記3成分の重
合体の他に本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、滑剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、顔料、染
料等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤を
配合した樹脂組成物を得る方法としては、従来公知の任
意の方法を用いることができ、例えば、タンブラー型ブ
レンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシ
ェルミキサー等において原料を混合する方法及び前記方
法で混合した混合物を押出機、ニーダー、バンバリーミ
キサーで混練してマスターバッチを得て、フィルム成形
時に添加する方法等で行うことができる。
【0013】本発明のフィルムは、以上に述べた樹脂組
成物を押出機等で溶融してダイからフィルム状に吐出さ
せて成形する従来公知の押出機、フラットダイ、リング
ダイ、引取りロール、巻き取り装置などを使用する方法
を用いることができる。押出機における溶融樹脂の温度
は 150℃〜260 ℃、好ましくは 170℃〜220 ℃で、外観
及び物性良好なフィルムが得られる。本発明のフィルム
は、延伸加工を行わなくても、良好な物性のフィルムが
得られるが、必要に応じて延伸加工を行うことができ
る。成形されるフィルムの厚さは10〜600 μm 、好まし
くは50〜400 μm である。なお、これまでのスチレン系
樹脂フィルムでは、かかる透明性、耐衝撃性に優れた無
延伸フィルムは知られていない。本発明のフィルムは、
前記の特性を有するものである。以上の如き方法により
得られた本発明のフィルムは、塩化ビニルフィルム、耐
衝撃性ポリスチレンフィルム等と同じく真空成型などの
容器成型性が良好であり、二軸延伸ポリスチレンフィル
ムの如く容器成型時の加熱により著しく収縮を生じな
い。また、本発明のフィルムは、ポリスチレン樹脂のみ
から成る一般のポリスチレン二軸延伸フィルムに比べ耐
油性が改善されており、他方ポリプロピレン、ポリエチ
レンフィルムに比較して剛性が優れており、非晶性ポリ
エステルフィルム(A-PET)に比べ安価で真空成型等の容
器成型性に優れている。更に、本発明のフィルムは塩化
ビニルフィルムと同様に、真空成型等の容器成型性が非
常に良好であることから、食料品などの簡易包装用途に
使用しうる。
【0014】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はその旨を越えない限り、これらの実
施例に何ら限定されるものではない。尚、実施例におけ
る評価方法を以下に示す。 曲げ試験:ASTM D-790に準じて行った。 引張試験:ASTM D-638に準じて行った。 落錘衝撃試験:ASTM D-1709 に準じて、東洋精機製作所
(株)製デュポン式落錘衝撃試験機で、撃芯先端R1/2"
を使用して、3mm厚みのサンプルで測定した。 曇り度(ヘーズ):ASTM D-1003 に準じて1mm厚みのサ
ンプルで測定した。
【0015】また、実施例に於いて使用した樹脂を以下
に示す。 GPPS:一般用ポリスチレン樹脂(シェブロン(株)製EA
3300) HIPS:耐衝撃性ポリスチレン樹脂(シェブロン(株)製
EA9400、ブタジエンゴム含量6重量%)) SB1 :スチレン−ブタジエンブロック共重合体(フィリ
ップス石油(株)製KレジンKR04、スチレン含量75wt
%) SB2 :スチレン−ブタジエンブロック共重合体(電気化
学工業(株)製クリアレン730L、スチレン含量75wt%) SB3 :スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成
工業(株)製アサフレックス810 、スチレン含量70wt
%) SB4 :スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成
工業(株)製タフプレンA、スチレン含量40wt%) 実施例1 前記した市販されているGPPS、ブロック共重合体(SB1,
SB2, SB3, SB4)、及びHIPSを使用して表1に示した処
方で配合してなる樹脂組成物を、40mmφ押出機で溶融混
練して得た。物性評価は、フィルム成形条件の影響をさ
けるために、前記樹脂組成物より厚さ3mmと1mmのサン
プルをプレス板温度 200℃の卓上プレス機で作成して評
価用サンプルとした。評価結果を表1に示したが、表2
に示した比較例のものと比較して、曲げ弾性率、引張強
度、引張伸度が良好な値で、落錘衝撃強度が高くて透明
性の目安の曇り度が低いことから、耐衝撃性と透明性が
高水準でバランスしていることが明らかである。参考の
ために、前記の樹脂組成物より90mmφ押出機で、800mm
幅フラットダイを使用して、引取り速度16m/分、厚み
180μm のフィルムを得た。フィルムの物性は、曇り度
3.4%、落錘衝撃値 6.2kg・cmであり、本発明の樹脂組
成物より成形されたフィルムが、透明性と耐衝撃性に優
れていることがわかる。
【0016】実施例2〜11 本発明の樹脂組成物の処方と物性を表1にまとめて示し
た。実施例1と同様に耐衝撃性と透明性が高水準でバラ
ンスしていることがわかる。
【0017】比較例1〜10 比較例の樹脂組成物の処方と物性を表2にまとめて示し
た。比較例1よりGPPS/ブロック共重合体の組成比が30
/70未満の場合は、曲げ弾性率が12800kg/cm2と小さい
ことからスチレンフィルムとしては軟らかすぎることが
判る。比較例2,3よりHIPSの添加がない場合及び添加
量が少なすぎる場合には、落錘衝撃値2〜3kg・cmであ
ることより耐衝撃性に劣ることが判る。比較例5〜7よ
り、HIPSを充分添加してもGPPS/ブロック共重合体の組
成比が大きすぎる場合には、落錘衝撃値が2〜4kg・cm
であることより耐衝撃性に劣ることが判る。そして、比
較例7ではHIPSを10重量%と多く添加しているにもかか
わらず耐衝撃性が低く、曇り度が50〜55重量%と透明性
も劣ることも判る。
【0018】さらに、比較例5〜7の樹脂組成物は耐衝
撃性のレベルが低いばかりでなく、透明性についても同
量のHIPSを添加した場合には、例えば比較例5,6と本
発明の実施例9,10を比較すると本発明の樹脂組成物か
らできるフィルムは曇り度が小さくて透明性のレベルが
高く、比較例のものは透明性についても劣ることが判
る。また、GPPS、ブロック共重合体の2成分ブレンド系
においては図1、表3の参考例1に示しているようにGP
PS/ブロック共重合体=50/50の組成比の付近が曇り度
が大きく最も不透明感が強く、比較例5〜7のようにGP
PSとブロック共重合体の組成比の領域で透明感のあるフ
ィルムを得ようとすることに意味がある。しかし、本発
明者らは、耐衝撃性の改善が期待できるゴム成分を含む
HIPSをGPPS/ブロック共重合体系に添加して、耐衝撃性
と透明性を両方とも改善するための検討を行った。結果
を図1、表3の参考例2、3に示したが、GPPS/ブロッ
ク共重合体/HIPSの3成分系においては、GPPS/ブロッ
ク共重合体中のGPPSの組成比が大きくなればなるほど曇
り度が大きくなり不透明感が増加することを見出した。
このような検討により本発明者らは、従来にはない透明
性と耐衝撃性に優れた本発明の樹脂組成物より成るフィ
ルムを見い出すに至った。
【0019】また、比較例4及び8より、HIPSを多く添
加すると耐衝撃性は向上するものの曇り度が大きくな
り、透明感は悪くなることがわかる。比較例9、10より
スチレン含量が少ないブロック共重合体(SB4)を使用し
た場合には、耐衝撃性のレベルは高いが、曇り度87〜89
%と不透明感が大きくなりすぎるばかりでなく、曲げ弾
性率が2000〜14000 kg/cm2 と小さく、スチレンフィル
ムとしては柔らかすぎることが判る。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】GPPS/ブロック共重合体の2成分系、及びGPPS
/ブロック共重合体/HIPSの3成分系におけるGPPS/ブ
ロック共重合体と曇り度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 25:06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン樹脂(a) 30〜55重量%と、
    ビニル芳香族炭化水素化合物成分67〜87重量%及び共役
    ジエン化合物成分33〜13重量%のブロック共重合体(b)
    70〜45重量%からなる組成物 100重量部に対して、耐衝
    撃性ポリスチレン樹脂(c)を Whin 〜 Whix 重量部(W
    hin 及び Whix は以下の式で定義される)添加した、曲
    げ弾性率(ASTM D-790B)が15,000kg/cm2 以上、落錘衝
    撃値(ASTMD-1709、3mm厚みサンプルで測定)が10kg・
    cm以上、曇り度(ASTM D-1003 、1mm厚みサンプルで測
    定)が40%以下の樹脂組成物からなることを特徴とする
    ポリスチレン系樹脂フィルム。 Whin ={(100−Bhi)/100}×{Ssb/100}×10((Wps-30)/23) Whix ={(100−Bhi)/10}×{(85−Wps)/30}1/2 Ssb:ブロック共重合体(b) 中のビニル芳香族炭化水素
    化合物成分含有量(重量%) Bhi:耐衝撃性ポリスチレン樹脂(c) 中のゴム含有量
    (重量%) Wps:ポリスチレン樹脂(a) とブロック共重合体(b) か
    らなる組成物中のポリスチレン樹脂(a) の含有量(重量
    %)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05186611A (ja) * 1992-01-17 1993-07-27 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 異方性成形品およびその製造方法
JP2017142489A (ja) * 2016-02-05 2017-08-17 富士フイルム株式会社 偏光板の製造方法
WO2019098159A1 (ja) * 2017-11-15 2019-05-23 富士フイルム株式会社 偏光板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法、並びに光学フィルム
JP2020117581A (ja) * 2019-01-21 2020-08-06 Psジャパン株式会社 難燃性押出シート
WO2023249088A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 デンカ株式会社 樹脂組成物、及び成形品

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