JPH05169494A - 長尺成形品の製造方法 - Google Patents

長尺成形品の製造方法

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JPH05169494A
JPH05169494A JP33725491A JP33725491A JPH05169494A JP H05169494 A JPH05169494 A JP H05169494A JP 33725491 A JP33725491 A JP 33725491A JP 33725491 A JP33725491 A JP 33725491A JP H05169494 A JPH05169494 A JP H05169494A
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Takahiko Sato
貴彦 佐藤
Hiroshi Mukai
浩 向井
Takaharu Yoshimi
高春 吉見
Hirohisa Ubukawa
博久 生川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒケ、ボイド、流れキズ又は層間剥離の発生
を抑制する。 【構成】 金型2を固定型3と可動型4とによって構成
し、これら合わせることにより、サイドモールの形状を
有するキャビティ5を形成するとともに、キャビティ5
の長さ方向のほぼ中央部であって、幅方向の中央部にゲ
ート6を開口させる。そして、キャビティ5の最も肉厚
となっている部分の底面に溶融されたPPをを射出す
る。このとき、PPはスペース的に余裕のある部分に射
出されるので、同PPに対して圧力が適切に伝播され
る。従って、PPは滑らかに流動するとともに各箇所の
温度差も生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長尺成形品の製造方法に
係り、詳しくは、射出成形によって形成されるサイドモ
ール等の長尺成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の長尺成形品、例えばサイ
ドモールは次のようにして得られる。すなわち、図8に
示すように、図中上側に位置する固定型31と下側に位
置する可動型32とによってサイドモールの形状を有す
るキャビティ33を形成する。そして、図9に示すよう
に、同キャビティ33の長さ方向のほぼ中央部、幅方向
の一端部に開口され、前記キャビティ33に対し垂直方
向に形成されたゲート34から溶融された樹脂を射出す
る。すると、樹脂は射出時の圧力によりキャビティ33
内をその端部まで流動する。
【0003】前記キャビティ33内に樹脂を充填した
後、これを冷却固化させ、前記可動型32を同図下方に
移動させ、図示しない治具により成形品を取り出す。す
ると、図10に示すように、サイドモール35が得られ
るとともに、前記ゲート34部分の樹脂を切断すること
により製品として仕上げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては、前記ゲート34がキャビティ33の幅方
向の一端部に開口され、前記キャビティ33に対し垂直
方向に形成されていた。そのため、最初に射出された樹
脂は前記キャビティ33内の幅方向端部の最も肉薄の部
分の当たってしまっていた。その結果、樹脂に対して加
えられる圧力が理想的に伝播されず、得られた製品にヒ
ケやボイド、あるいは温度分布の差により生じると考え
られているいわゆる流れキズが発生するおそれがあっ
た。また、サンドイッチ成形を行った場合には、各層の
間で層間剥離を起こすおそれもあった。
【0005】さらには、図10に示すように、サイドモ
ール35の前記ゲート34部分の樹脂を切断する際に
は、前記切断箇所の形状がサイドモール35に対して円
弧状に形成されていたため、その根本部からの切断が困
難であり、切断された残りの突起をなくすために別途仕
上げ工程を要するという問題もあった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はヒケ、ボイド、流れキズ
又は層間剥離の発生を抑制することの可能なサイドモー
ルの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、長尺成形品の形状を有し、金型によって
形成されたキャビティ内に、該キャビティに対して開口
するゲートより溶融された樹脂を射出する射出工程と、
前記キャビティ内に射出された樹脂を冷却する冷却工程
と、前記キャビティ内に射出された樹脂が冷却固化され
た後、前記金型を開く型開き工程と、前記金型から樹脂
が冷却されることにより形成された長尺成形品を取り出
す取出工程とを備えた長尺成形品の製造方法であって、
前記射出工程において、前記キャビティの内面のうち、
長尺成形品が最も肉厚に形成される部分近傍に向かって
溶融された樹脂を射出するようにしたことをその要旨と
する。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、射出工程において、キャ
ビティの内面のうち、長尺成形品が最も肉厚に形成され
る部分近傍に向かって溶融された樹脂が射出されるの
で、キャビティ内での樹脂に対して圧力が適切に伝播さ
れ、樹脂の流動が滑らかとなる。そのため、樹脂の流れ
にくさに起因する温度差も生じにくい。
【0009】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明をサイドモールの製造方法
に具体化した第1実施例を図1〜4に基づいて説明す
る。
【0010】図4は本実施例によって得られた長尺成形
品としてのサイドモール1を示す部分斜視図である。同
図において、本実施例のサイドモール1は車体を保護す
るために車両の両側部に取着されるものであって、ポリ
プロピレン(PP)により形成され、長尺状で断面蒲鉾
形状をなしている。
【0011】次に、上記サイドモール1を製造する際に
用いる金型について説明する。図3は前記サイドモール
を形成するための金型2を示す断面図である。同図にお
いて、金型2は図中上側に位置する固定型3と下側に位
置する可動型4とによって構成され、これら固定型3及
び可動型4を合わせることにより、前記サイドモール1
の形状を有するキャビティ5が形成されている。
【0012】このキャビティ5の長さ方向のほぼ中央部
であって、幅方向の中央部には、溶融されたPPを同キ
ャビティ5内に射出するためのゲート6が開口されてい
る。このゲート6は固定型3内部に形成されており、前
記キャビティ5の最も肉厚となっている部分の底面にP
Pが射出されるようになっている。また、このゲート6
は得られるサイドモール1の余り部7(図2参照)を切
断しやすいように、その根本部がサイドモール1の対し
垂直に形成されている。
【0013】さて、上記の金型2を用いてサイドモール
1を製造する際の製造方法について説明する。図3にお
いて、前記固定型3と可動型4とを相互に締付けること
により、いわゆる型締めを行う。次いで、図示しない射
出ユニットより加熱溶融されたPPを前記ゲート6より
射出する。すると、図1に示すように、PPは前記キャ
ビティ内の最も肉厚となっている部分の底面に射出さ
れ、その後キャビティ5の内部をその端部に到るまで流
動する。このとき、PPはスペース的に余裕のある部分
に射出されるので、同PPに対して圧力が適切に伝播さ
れる。従って、PPは滑らかに流動するとともに各箇所
の温度差も生じにくい。
【0014】前記キャビティ5内にPPを充填した後、
これを冷却固化させる。そして、前記可動型4を同図下
方に移動させ、図示しない治具により成形品を取り出
す。すると、図2に示すような、ゲート6の形状をなす
余り部7を有するサイドモール1が得られる。このサイ
ドモール1は、射出成形時における圧力伝播が適切に行
われ、かつ、各箇所の温度差もあまりないので、ヒケ、
ボイド、流れキズ等を有しない。
【0015】そして、最後に前記ゲート6の形状をなす
余り部7を切断する。このとき、前記余り部7はサイド
モール1に対し垂直形状となるよう形成されているの
で、従来の円弧状(図10参照)の場合に比べてさらに
その根本から切断される。このようにして、サイドモー
ル1は製品として仕上げられる。
【0016】以上詳述したように、本第1実施例におけ
るサイドモール1の製造方法によれば、ゲート6をキャ
ビティ5の長さ方向のほぼ中央部、幅方向の中央部に開
口させ、溶融されたPPを同キャビティ5内の最も肉厚
となっている部分の底面に射出するようにしたので、サ
イドモール1にヒケ、ボイド、流れキズ等が発生するの
を抑制することができる。
【0017】また、この第1実施例では、前記ゲート6
の形状をサイドモール1に対し垂直形状となるよう形成
したので、従来の円弧状の場合に比べてさらにその根本
から容易に切断することができ、後に切削仕上げ等を施
さずとも外観の向上を図ることができる。
【0018】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
を図5,6に基づいて説明する。本第2実施例では、図
5に示すような金型11を用いる。同図において、金型
11は前記第1実施例と同様、図中上側に位置する固定
型12と下側に位置する可動型13とによって構成さ
れ、これら固定型12及び可動型13によりキャビティ
14が形成されている。
【0019】このキャビティ14の長さ方向のほぼ中央
部であって、幅方向のほぼ端部には、ゲート15が開口
されている。このゲート15は固定型12内部に斜めに
形成されており、前記キャビティ14の最も肉厚となっ
ている部分の底面にPPが射出されるようになってい
る。
【0020】次に、この第2実施例における作用につい
て説明する。なお、本第2実施例においては公知のサン
ドイッチ成形法を採用する。まず、前記同様、型締めを
行った後、スキン層を形成するSEBS(スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)を前記
ゲート15より射出し、図6に示すように、数秒経過後
コア層を形成するPPを射出する。すると、スキン層及
びコア層を形成する両樹脂は、キャビティ14内の最も
肉厚となっている部分の底面に向かって斜めに射出さ
れ、その後キャビティ14の内部をその端部に到るまで
流動する。このとき、前記と同様に、両樹脂はスペース
的に余裕のある部分に射出されるので、両樹脂に対して
圧力が適切に伝播される。従って、両樹脂は滑らかに流
動するとともに各箇所の温度差も生じにくい。その後、
冷却固化工程、取出工程に供され、前記と同様のヒケ、
ボイド、流れキズ等を有しないサイドモールが得られ
る。
【0021】この第2実施例においても、PP及びSE
BSの両樹脂をキャビティ14内の最も肉厚となってい
る部分の底面に射出するようにしたので、サイドモール
にヒケ、ボイド、流れキズ等が発生するのを抑制するこ
とができる。
【0022】また、この第2実施例では、前記第1実施
例で記した効果の外、サンドイッチ成形法により得られ
たサイドモールの層間剥離を抑制することができるとい
う固有の効果を奏する。
【0023】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記各実施例では、樹脂をキャビティ5,14内
の最も肉厚となっている部分の底面に射出するようにし
たが、その射出方向は厳密に限定されるべきものではな
く、幾分ずれていてもよい。
【0024】(2)前記第1実施例では、図2に示すよ
うに、サイドモール1の余り部7が根本部から切断しや
すいように、ゲート6の形状をサイドモール1に対し垂
直形状となるよう形成したが、その外にも、例えば図7
に示すように、余り部21の周囲に溝22を形成し、根
本部からの切断をしやすくしてもよく、この場合には、
切断後の余り部21が突出することを確実に回避するこ
とができる。
【0025】(3)前記第1実施例では、サイドモール
1の素材としてPPを採用したが、その材質は特に限定
されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフ
ッ化ビニル、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、SEBS
以外のスチレン系熱可塑性エラストマーであってもよ
い。また、その成形法は第1実施例で示した単なる射出
成形法や第2実施例で示したサンドイッチ成形法以外の
成形法により形成してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の長尺成形
品の製造方法によれば、ヒケ、ボイド、流れキズ又は層
間剥離の発生を抑制することができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例におけるサイド
モールを製造するための金型を示す断面図である。
【図2】第1実施例における余り部を有するサイドモー
ルを示す斜視図である。
【図3】第1実施例におけるキャビティ内に樹脂を射出
した状態を示す金型の断面図である。
【図4】第1実施例におけるサイドモールを示す斜視図
である。
【図5】第2実施例におけるサイドモールを製造するた
めの金型を示す断面図である。
【図6】第2実施例におけるキャビティ内に樹脂を射出
した状態を示す金型の断面図である。
【図7】別例におけるサイドモールを示す斜視図であ
る。
【図8】従来例における金型を示す断面図である。
【図9】従来例におけるキャビティ内に樹脂を射出した
状態を示す金型の断面図である。
【図10】従来例におけるサイドモールを示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…長尺成形品としてのサイドモール、2…金型、5…
キャビティ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明を具体化した第1実施例におけるキャビ
ティ内に樹脂を射出した状態を示す金型の断面図であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】第一実施例におけるサイドモールを製造するた
めの金型を示す断面図である。
フロントページの続き (72)発明者 吉見 高春 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 生川 博久 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺成形品(1)の形状を有し、金型
    (2)によって形成されたキャビティ(5)内に、該キ
    ャビティ(5)に対して開口するゲート(6)より溶融
    された樹脂を射出する射出工程と、 前記キャビティ(5)内に射出された樹脂を冷却する冷
    却工程と、 前記キャビティ(5)内に射出された樹脂が冷却固化さ
    れた後、前記金型(2)を開く型開き工程と、 前記金型(2)から樹脂が冷却されることにより形成さ
    れた長尺成形品(1)を取り出す取出工程とを備えた長
    尺成形品の製造方法であって、 前記射出工程において、前記キャビティ(5)の内面の
    うち、長尺成形品(1)が最も肉厚に形成される部分近
    傍に向かって溶融された樹脂を射出するようにしたこと
    を特徴とする長尺成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07244902A (ja) * 1994-03-02 1995-09-19 Sanshin Kogyo Kk テープガイドローラの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5827147A (ja) * 1981-08-11 1983-02-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 網目版作成方法
JPS58168536A (ja) * 1982-03-31 1983-10-04 Fuji Photo Film Co Ltd ツメ付エンドレスベルト及び射出成型用型

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