JP2957908B2 - 複層成形品の製造方法 - Google Patents

複層成形品の製造方法

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JP2957908B2
JP2957908B2 JP30634694A JP30634694A JP2957908B2 JP 2957908 B2 JP2957908 B2 JP 2957908B2 JP 30634694 A JP30634694 A JP 30634694A JP 30634694 A JP30634694 A JP 30634694A JP 2957908 B2 JP2957908 B2 JP 2957908B2
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博文 栗本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、所定の樹脂材料にて構成された
基材の外面上に、表皮材が一体的に積層形成されてなる
複層成形品の製造方法に係り、特に凹凸のない優れた表
面状態を有する複層成形品を有利に製造し得る方法に関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、車両用内装部品等は、所定の樹
脂材料からなる基材の外面上に、表皮材が一体的に積層
形成されてなる複層成形品にて、構成されている。例え
ば、自動車のインストルメントパネル等は、一般に、ポ
リ塩化ビニル製の表皮層と発泡ポリウレタン製の発泡層
とからなる表皮材が、その発泡層の側において、ポリプ
ロピレン等の樹脂材料からなる基材の一方の面上に一体
的に積層形成されて、構成されている。
【0003】ところで、そのような構造を有する複層成
形品を作製する際には、主として、以下の如き二つの手
法が採用されている。即ち、図10に明らかにされてい
る一の方法では、先ず、(a)に示される如く、射出成
形等により、所定形状を有する基材38を成形し、次い
で、(b)に示されているように、該基材38の外周面
に接着剤を塗布して、接着剤層50を形成する。そし
て、その後、(c)に示される如く、かかる接着剤層5
0上に、例えば表皮層28と発泡層30とからなる表皮
材26を被せて、基材38と表皮材26とを接着せし
め、以て目的とする複層成形品を得るのである。なお、
表皮材26を基材38に接着せしめる際には、表皮材2
6を予備賦形して、基材38に対応する形状に成形した
後、基材38に接着させる場合と、真空成形によって、
表皮材26を基材38に密着させると同時に、接着せし
める場合とがある。
【0004】また、図11に明らかにした別の方法にお
いては、先ず、(a)に示される如く、目的とする複層
成形品に対応した形状の成形キャビティ18を有する金
型52を用い、この金型52の成形キャビティ18内
に、予め、表皮材26をセットする一方、かかる成形キ
ャビティ18に開口するポット部54内に、加熱溶融せ
しめた、基材を与える溶融樹脂材料36を、スプルーブ
ッシュ56を通じて注入する。次いで、(b)に示され
ているように、スプルーブッシュ56を押し上げ、その
先端部で、ポット部54に収容された溶融樹脂材料36
を成形キャビティ18内に流れ込ませる。そして、その
後、(c)に示される如く、所定の圧力にてプレスし
て、かかる溶融樹脂材料36を冷却固化せしめ、それに
よって、基材38を成形すると共に、該基材38を前記
表皮材26に対して一体的に積層せしめて、目的とする
複層成形品を得るのである。
【0005】このように、従来においては、複層成形品
を作製するに際して、基材38と表皮材26とを接着剤
にて接着せしめて一体化する、所謂表皮材貼込成形や、
所定の金型52を用いて、基材38を成形すると同時に
表皮材26と一体化せしめる圧縮成形等の成形手法が採
用されていたのである。
【0006】ところが、上述の如き表皮材貼込成形手法
においては、基材38や表皮材26の成形工程とは別
に、それらを一体化せしめるための接着工程が必要とな
ることから、成形サイクルが長くなってしまうことが避
けられず、またかかる工程において接着剤が用いられて
いるために、製造コストが高くなってしまうといった問
題があったのであり、その上、接着不良による剥がれが
生ずる恐れさえもあったのである。
【0007】一方、圧縮成形手法においては、成形キャ
ビティ18内に予めセットされた表皮材26が、基材を
与える、高温の溶融樹脂材料36との接触によって侵さ
れることを可及的に防止するために、前記した如く、溶
融樹脂材料36を、一旦、ポット部54に収容し、そこ
で、その表面温度を低下せしめて、その表面にスキン層
を形成させた後、ポット部54内の溶融樹脂材料36
を、スプルーブッシュ56の押上げに伴って、成形キャ
ビティ18内に注入せしめるようになっているところか
ら、ポット部54の成形キャビティ18への開口周辺部
に、溶融樹脂材料36の一部が冷えて固まって、残留
し、それによって、成形キャビティ18内におけるポッ
ト部54の開口周辺部が狭窄化され、成形キャビティ1
8内への溶融樹脂材料36の注入時において、かかる開
口周辺部に位置する表皮材26に及ぼされる樹脂圧が増
大せしめられてしまう場合があった。そして、そうなっ
た場合、特に、前記したインストルメントパネル等の如
く、表皮材26が表皮層と発泡層の二層構造とされた複
層成形品を作製する際に、発泡層が押し潰されて、得ら
れる複層成形品の表面に凹凸が生ずるといった不具合が
惹起されていたのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして完成されたものであって、その解決課題と
するところは、凹凸のない、優れた表面状態を有する複
層成形品を、短い成形サイクルで且つ低コストに製造し
得る方法を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、所定の樹脂材料からなる基材の外面上
に、表皮材が一体的に積層されてなる複層成形品を製造
するに際して、かかる複層成形品に対応した形状を有す
る成形キャビティと、所定の樹脂流入口を有する樹脂導
入空間とを備えると共に、それら成形キャビティと樹脂
導入空間とが略同一の幅をもってつながるように構成さ
れた金型を用い、該成形キャビティ内に前記表皮材をセ
ットする一方、前記所定の樹脂材料を加熱溶融せしめ、
更にかかる溶融樹脂材料を前記樹脂導入空間の樹脂流入
口から該樹脂導入空間内に注入して、該樹脂導入空間内
に充満させつつ流動せしめて、前記成形キャビティ内に
流れ込ませ、その後、冷却固化させることにより、前記
表皮材に対して前記基材を一体的に積層成形するように
したことを、その特徴とするものである。
【0010】なお、かくの如き本発明に従う複層成形品
の製造方法の好ましい第一の態様によれば、前記表皮材
が、表皮層と発泡層とから構成され、該発泡層の側に前
記基材が一体的に積層成形せしめられることとなる。
【0011】また、本発明手法の望ましい第二の態様に
よれば、前記表皮材を、前記成形キャビティと前記樹脂
導入空間とに跨がってセットせしめた後、前記溶融樹脂
材料を前記樹脂導入空間の樹脂流入口から該樹脂導入空
間内に注入して、該樹脂導入空間内に充満させつつ、該
樹脂導入空間内に配置せしめられた前記表皮材に沿って
流動させて、前記成形キャビティ内に流れ込ませ、その
後、冷却固化させることにより、かかる樹脂導入空間内
と前記成形キャビティ内とにおいて、該表皮材に対して
前記基材を一体的に積層形成し、更にその後、該樹脂導
入空間内において形成せしめられた該表皮材と基材との
一体成形部分を切除するようにした手法が採用される。
【0012】さらに、本発明手法の有利な第三の態様に
よれば、前記金型として、前記樹脂導入空間が、前記樹
脂流入口の形成部位から前記成形キャビティの側に向か
うに従って次第に幅広となるように構成された金型が用
いられることとなる。
【0013】更にまた、本発明手法の好ましい第四の態
様によれば、前記複層成形品が、前記表皮材と前記基材
との一体的積層成形部位と、該基材から一体的に延び
る、前記所定の樹脂材料のみからなる単層成形部位とか
ら構成され、且つ該単層成形部位が、前記樹脂導入空間
にて形成せしめられることとなる。
【0014】
【作用・効果】要するに、本発明に従う複層成形品の製
造方法にあっては、先ず、所定の金型において、目的と
する複層成形品に対応した形状を有する成形キャビティ
内に表皮材がセットされ、次いで、所定の樹脂流入口を
有し且つ該成形キャビティに対して略同一の幅をもって
つながる樹脂導入空間内に、該樹脂流入口を通じて、加
熱溶融せしめられた、基材を与える樹脂材料が注入さ
れ、それが該樹脂導入空間内を充満させつつ流動せしめ
られて、前記成形キャビティ内に流入され、その後、該
樹脂材料が冷却固化されることにより、前記表皮材に対
して前記基材が一体的に積層成形されるようになってい
るところから、加熱溶融状態の樹脂材料が、樹脂導入空
間内を流動せしめられる際に、該樹脂導入空間を形成す
る金型の壁面や大気等との接触によって、表面温度が低
下せしめられて、その表面に比較的温度の低いスキン層
が形成され得るのであり、また該樹脂導入空間から成形
キャビティ内への流入時に、溶融樹脂材料の流れる方向
が略一定となり、その結果、溶融樹脂材料の流動に伴っ
て、成形キャビティ内に予めセットされた表皮材に及ぼ
される樹脂圧が、該溶融樹脂材料の流動方向の違いによ
って、部分的に異なる大きさとなるようなことが有利に
防止され得るのである。
【0015】しかも、本発明手法においては、基材を与
える溶融樹脂材料が、樹脂導入空間内に注入された後、
何等滞ることなく、直ちに樹脂導入空間内を流動せしめ
られて、成形キャビティ内に流入されるようになってい
ることから、従来手法とは異なり、溶融樹脂材料の一部
が冷却固化されて、樹脂導入空間内や成形キャビティ内
に残留するようなことが有効に回避され得るのであり、
その結果として、残留した樹脂材料によって成形キャビ
ティの一部が狭窄化せしめられて、その狭窄化せしめら
れた部分において樹脂圧が増大してしまうようなことが
有利に防止され得るのである。
【0016】それ故、かかる本発明手法にあっては、基
材を与える溶融樹脂材料の流動時において、成形キャビ
ティ内に予めセットされた表皮材全体に対して、略一定
の樹脂圧が及ぼされ得るのであり、それによって、該表
皮材が、溶融樹脂材料の樹脂圧によって部分的に大きな
ダメージを受けるようなことが効果的に防止され得るこ
ととなるのであり、また溶融樹脂材料の表面に形成され
たスキン層の存在により、該溶融樹脂材料との接触時
に、その熱によって表皮材が侵されるようなことも、可
及的に抑制され得、その結果、特に表皮材が表皮層と発
泡層とにて構成されてなるものにおいて、発泡層が押し
潰されたり、溶けたりするようなことが極めて効果的に
防止され得るのである。そして、それに加えて、本発明
手法においては、接着剤等を用いた接着工程を経ること
なく、基材を表皮材に対して一体的に積層成形せしめる
ことが可能となっているのである。
【0017】従って、本発明に係る複層成形品の製造方
法によれば、凹凸のない優れた表面状態を有する複層成
形品が、短い成形サイクルで且つ低コストに製造され得
るのであり、更にはかかる複層成形品において、表皮材
と基材との剥がれが生ずるようなことが有利に防止され
得ることとなるのである。
【0018】なお、上記した本発明の第一の態様に従う
構成が採用される場合には、クッション性に富み、優れ
たソフト感を有する複層成形品が有利に製造され得る。
【0019】また、本発明の第二の態様に従う構成が採
用される場合には、表皮材において、樹脂導入空間内に
セットされ、基材に対して一体的に積層形成された後
に、基材と共に切除される部分に対して、溶融樹脂材料
の熱や樹脂圧によるダメージが、集中的に及ぼされ得る
のであり、それによって、目的とする成形品を構成する
表皮材に対して、かかるダメージが及ぼされるようなこ
とが更に効果的に防止され得、以てより優れた表面状態
を有する複層成形品が有利に得られることとなるのであ
る。
【0020】さらに、本発明の第三の態様に従う構成を
採用した場合には、溶融樹脂材料が、樹脂導入空間内
を、その幅方向に広がった状態で、成形キャビティに向
かって、良好に流動せしめられ得て、成形キャビティへ
の流入時においても、一定の方向に向かって、安定的に
流動され得るのであり、それによって、成形キャビティ
内にセットされた表皮材に及ぼされる樹脂圧も、より安
定的に一定化され得、以てそのような樹脂圧によって表
皮材にダメージが及ぼされるようなことが、より一層有
利に防止され得るのである。しかも、全べての成形工程
の終了後に、樹脂導入空間内において冷却固化された樹
脂材料が切除されるような場合には、目的とする複層成
形品を構成しない無駄な樹脂材料の使用量が有利に節約
され得て、優れた経済性が発揮され得るといった利点も
ある。
【0021】さらに、本発明の第四の態様に従う構成が
採用される場合には、一部分が、基材に対して表皮材が
一体的に積層形成された複層形態をもって構成され、且
つ残りの部分が、基材だけからなる単層形態をもって構
成された成形品が、短い成形サイクルで且つ低コストに
製造され得るのであり、しかも複層形態を有する、該一
部分の表面が、凹凸のない優れた状態をもって構成され
得るのである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の幾つかの実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0023】先ず、図1及び図2には、本発明に従って
複層成形品を製造する際に、好適に用いられる射出成形
用金型10の一例が、概略的に示されている。そして、
それらの図からも明らかなように、射出成形用金型10
は、第一の固定型12と第二の固定型14と可動型16
とから成っているのである。
【0024】また、この射出成形用金型10にあって
は、型閉めされた状態において、それら第一及び第二の
固定型12,14と可動型16との間に、目的とする複
層成形品に対応した形状を有する成形キャビティ18
が、更に第一の固定型12と可動型16との間には、上
方に向かうに従って、次第に幅広となる樹脂導入空間2
0が、それぞれ形成されるようになっている。そして、
それら成形キャビティ18と樹脂導入空間20とが、同
一の幅をもってつながっており、更に樹脂導入空間20
が、成形キャビティ18とは反対の側に設けられた樹脂
流入口22を通じて、第一の固定型12に取り付けられ
た、図示しない射出装置のノズルに通じるスプルーブッ
シュ24の内孔内に連通せしめられている。
【0025】かくして、かかる射出成形用金型10にお
いては、図示しない射出装置から射出された溶融樹脂材
料が、スプルーブッシュ24及び樹脂流入口22を通じ
て樹脂導入空間20内に注入され、該樹脂導入空間20
内を流動せしめられて、成形キャビティ18内に流入せ
しめられるようになっているのである。
【0026】そして、かくの如き構造とされた射出成形
用金型10が用いられ、有利には、図3乃至図7に示さ
れる如くして、目的とする複層成形品26が製造される
こととなるのである。
【0027】すなわち、先ず、図3に示されるように、
射出成形用金型10を型開きした状態において、第一の
固定型12と第二の固定型14とが組み合わされて形成
されるパーティングライン上に、表皮材26を配置す
る。より詳しくは、この表皮材26は、ポリ塩化ビニル
製の表皮層28と発泡ポリウレタン製の発泡層30と
が、一体的に積層されており、上部側が、目的とする複
層成形品に対応した形状を有する成形キャビティ配置部
32とされ、また下部側が、射出成形用金型10が型閉
めされた状態において形成される樹脂導入空間20に対
応した形状をもって構成された樹脂導入空間配置部34
とされている。そして、そのような表皮材26を、発泡
層30の側において、第一の固定型12に対して対向し
且つ所定間隔をおいて、配置せしめるのである。
【0028】次いで、図4に示される如く、射出成形用
金型10を型閉めし、第一の固定型12と第二の固定型
14と可動型16との間に成形キャビティ18と樹脂導
入空間20とを形成せしめる。その際、かかる成形キャ
ビティ18内に前記成形キャビティ配置部32が、また
樹脂導入空間20内に前記樹脂導入空間配置部34が、
それぞれ配置せしめられるように、表皮材26を、それ
ら成形キャビティ18と樹脂導入空間20とに跨がって
セットせしめる。なお、かかる表皮材26にあっては、
そのような配置状態下において、表皮層28が可動型1
6に当接位置せしめられる一方、発泡層30と第一の固
定型12との間には、所定の隙間が形成されることとな
る。
【0029】その後、図5に示される如く、図示しない
射出装置にて加熱溶融せしめられたポリプロピレン等か
らなる溶融樹脂材料36を、スプルーブッシュ24か
ら、樹脂流入口22を通じて、表皮材26の樹脂導入空
間配置部34に向かって樹脂導入空間20内に射出させ
る。そして、かかる溶融樹脂材料36を、樹脂導入空間
20内において、その幅方向に広がった状態で、該樹脂
導入空間20内に充満させつつ、成形キャビティ18に
向かって、表皮材26の樹脂導入空間配置部34におけ
る発泡層30の表面上を流動させて、成形キャビティ1
8内に流入せしめる。なお、そのような溶融樹脂材料3
6の流動時においては、図5からも明らかなように、そ
れの有する熱と樹脂圧によって、表皮材26の樹脂導入
空間配置部34における発泡層30の一部が溶かされ、
或いは押し潰されることとなる。
【0030】次いで、図6に示されるように、溶融樹脂
材料36を樹脂導入空間20内と成形キャビティ18内
とに充満させた後、冷却固化せしめ、以てそれら樹脂導
入空間20内と成形キャビティ18内とにおいて、表皮
材26に対して基材38を一体的に積層形成する。ま
た、その際には、溶融樹脂材料36との接触によって、
発泡層30の一部が溶かされたり、押し潰されたりした
表皮材26の樹脂導入空間配置部34の表面に、凹凸が
生ぜしめられることとなる。
【0031】そして、その後、図7に示されるように、
上述の如くして得られた表皮材26と基材38との一体
成形品を射出成形用金型10の成形キャビティ18内及
び樹脂導入空間20内から取り出した後、表皮材26の
樹脂導入空間配置部34を、かかる部位に対して一体的
に積層成形された基材38の一部の部位と共に切除す
る。かくして、基材38の外面上に、表皮材26が一体
的に積層形成されてなる、目的とする複層成形品42を
得るのである。
【0032】このように、本実施例にあっては、基材3
8を与える溶融樹脂材料36が樹脂導入空間20内に射
出せしめられた際に、該樹脂導入空間20内に配置さ
れ、最終的に切除される表皮材26の樹脂導入空間配置
部34の発泡層30に対して、かかる溶融樹脂材料36
の熱や樹脂圧による溶けや潰れが集中的に生ぜしめられ
るようになっているのであり、それによって、成形キャ
ビティ18内に配置された表皮材26の成形キャビティ
配置部32に対して、そのような熱や樹脂圧によるダメ
ージが及ぼされるようなことが効果的に防止され得てい
るのである。
【0033】また、樹脂導入空間20が、成形キャビテ
ィ18に向かうに従って次第に幅広となり、且つ同一の
幅をもって成形キャビティ18につながるように構成さ
れているところから、溶融樹脂材料36が、樹脂導入空
間20内を、その幅方向に広がった状態で、成形キャビ
ティ18に向かって一様に流動せしめられ得ると共に、
成形キャビティ18への流入時においても、一定の方向
に向かって安定的に流動され得、それによって、表皮材
26の成形キャビティ配置部32に及ぼされる樹脂圧が
良好に一定化され得て、かかる成形キャビティ配置部3
2に対するダメージがより一層軽減され得るのである。
【0034】さらに、本実施例においては、射出装置に
よって、溶融樹脂材料36が、スプルーブッシュ24を
通じて、樹脂導入空間20及び成形キャビティ18内に
連続的に射出され得るようになっていることから、該溶
融樹脂材料36の一部が、その流動時において、樹脂導
入空間20や成形キャビティ18内で冷却固化されて、
それら樹脂導入空間20や成形キャビティ18内が狭窄
化され、それに起因して、部分的に樹脂圧が増大してし
まうようなことも、有利に回避され得るのである。
【0035】従って、それらの結果として、本実施例に
あっては、凹凸のない優れた表面状態を有する複層成形
品42を製造することが可能となっているのである。
【0036】しかも、本実施例においては、表皮材26
に対して基材38を一体的に積層成形するに際して、射
出成形手法が採用されていることから、従来の表皮材貼
込成形手法を採用する場合に比して、目的とする複層成
形品42が、短い成形サイクルで且つ低コストに製造さ
れ得るのであり、更には表皮材26と基材38との剥が
れが生ずるようなことが有利に防止され得ることとなる
のである。
【0037】ところで、上記実施例では、表皮材26を
成形キャビティ18と樹脂導入空間20とに跨がって配
置し、該表皮材26の一方の面上に、基材38を与える
溶融樹脂材料36を射出せしめることによって、該表皮
材26に対して基材38を一体的に積層成形せしめ、そ
の後、樹脂導入空間20内において形成された表皮材2
6の樹脂導入空間配置部34と基材38との一体成形部
分を切除して、成形キャビティ18内にて形成された表
皮材26の成形キャビティ配置部32と基材38との一
体成形部分のみが、目的とする複層成形品42として構
成されるようになっていたが、表皮材を成形キャビティ
内にのみ配置して、該成形キャビティ内において、表皮
材に対して基材を一体的に積層形成せしめる一方、樹脂
導入空間内において、基材を所定形状に成形せしめ、そ
れによって、一部分が、表皮材と基材とからなる複層形
態をもって構成され、残りの部分が基材のみからなる単
層形態をもって構成された複層成形品を形成するように
しても良い。
【0038】具体的には、図8からも明らかなように、
ここで用いられる射出成形用金型43は、型閉めされた
状態において、第一の固定型12と第二の固定型14と
可動型16との間に、目的とする複層成形品の複層形態
をもって構成される部分に対応した形状を有する成形キ
ャビティ18が、また第一の固定型12と可動型16と
の間には、単層形態をもって構成される部分に対応した
形状を有する樹脂導入空間20が、それぞれ形成される
ようになっている。そして、それら成形キャビティ18
と樹脂導入空間20とは、同一の幅をもってつながって
おり、更に樹脂導入空間20が、樹脂流入口22を通じ
て、第一の固定型12に取り付けられた、図示しない射
出装置のノズルに通じるスプルーブッシュ24の内孔内
に連通せしめられている。
【0039】そして、かくの如き構造とされた射出成形
用金型43を用いて、目的とする複層成形品を製造する
には、前記実施例と同様に、先ず、成形キャビティ18
内に、表皮材26をセットせしめた後、射出装置によっ
て加熱溶融せしめられた溶融樹脂材料36を、スプルー
ブッシュ24から、樹脂導入空間20の樹脂流入口22
を通じて、樹脂導入空間20内に射出せしめる。次い
で、溶融樹脂材料36を、該樹脂導入空間20に充満さ
せつつ流動せしめて、成形キャビティ18内に流れ込ま
せる。その後、かかる溶融樹材料36を成形キャビティ
18内に充満させ、冷却固化させる。
【0040】かくして、図9に示される如く、成形キャ
ビティ18内において、基材38が表皮材26に対して
一体的に積層成形せしめられた一体的積層成形部46が
形成され、また樹脂導入空間20内において、基材38
が所定の形状に成形せしめられてなる単層成形部48が
形成せしめられ、以てそれら一体的積層成形部46と単
層成形部48との一体成形品として構成された複層成形
品44が、作製されるのである。
【0041】このように、本実施例にあっても、前記実
施例と同様に、基材38を与える溶融樹脂材料36が、
樹脂導入空間20に充満せしめられつつ該樹脂導入空間
20内を流動し、更に該樹脂導入空間20と同一の幅を
もってつながる成形キャビティ18内に流れ込むように
なっていることから、樹脂導入空間20内の流動時に、
かかる溶融樹脂材料36の表面温度が低下せしめられ
て、その表面に比較的低温度のスキン層が形成され得る
のであり、また該溶融樹脂材料36の樹脂導入空間20
から成形キャビティ18内への流入時において、溶融樹
脂材料36の流れる方向が、略一定となり、それによっ
て、成形キャビティ18内にセットされる表皮材26に
対して、溶融樹脂材料36の熱や樹脂圧による悪影響が
及ぼされるようなことが可及的に防止され得るのであ
る。しかも、かかる本実施例においては、射出成形手法
が採用されていることから、成形キャビティ18内にお
いて、接着剤等を何等用いることなく、基材38を表皮
材26に対して一体的に積層形成させることが出来るの
であり、またそれと同時に樹脂導入空間20内におい
て、基材38を所定の形状に成形することが可能となっ
ているのである。
【0042】従って、本実施例によれば、一部分が、表
皮材26に対して基材38が一体的に積層形成された複
層形態をもって構成され、且つ残りの部分が、基材38
だけからなる単層形態をもって構成された複層成形品4
4が、凹凸のない優れた表面状態をもって、少ない成形
工程で且つ優れた経済性をもって、有利に製造され得る
こととなるのである。
【0043】以上、本発明の二つの実施例について詳述
してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではな
い。
【0044】例えば、前記第一の実施例では、樹脂導入
空間20が成形キャビティ18の側に向かうに従って次
第に幅広となるように構成され、また前記第二の実施例
では、樹脂導入空間20が、基材38のみからなる単層
成形品を与える所定の形状をもって構成されていたが、
成形キャビティと略同一の幅をもってつながるものであ
れば、そのような樹脂導入空間の形状は、何等それらに
限定されるものではない。更に、成形キャビティの形状
も、前記実施例における如きものに決して限定されるも
のでないことは、言うまでもない。
【0045】また、前記実施例では、そのような樹脂導
入空間20や成形キャビティ18を有する射出成形用金
型10,43を用いた射出成形手法を利用して、複層成
形品42,44が成形されるようになっていたが、上述
の如き構造を有する成形金型を用い、樹脂導入空間内に
溶融樹脂材料を注入して、樹脂導入空間内に充満させつ
つ流動せしめ、更に成形キャビティ内に流れ込ませて、
冷却固化させることにより、表皮材に対して基材を一体
的に積層形成するようにしたものであれば、その成形手
法は特に限定されるものではなく、例えばトランスファ
ー成形等の圧縮成形手法も、有利に採用され得るのであ
る。
【0046】さらに、前記実施例では、表皮材26が、
表皮層28と発泡層30とにて構成されていたが、表皮
材が表皮層のみにて構成されていても、何等差し支えな
い。
【0047】加えて、表皮材や基材を与える材質も、前
記実施例における如きものに、何等限定されるものでは
ないことは、勿論である。
【0048】その他、一々列挙はしないが、本発明が、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手法に従って複層成形品を製造する際に
用いられる金型の一例を示す要部縦断面説明図である。
【図2】図1におけるA矢視説明図(一部切欠き)であ
る。
【図3】本発明に従う複層成形品の製造方法における一
工程を示す説明図であって、図1に示される金型を型開
きした状態において、表皮材を配置せしめた状態を示し
ている。
【図4】本発明に従う複層成形品の製造方法における別
の工程を示す説明図であって、図1に示される金型を型
閉じした状態において、成形キャビティと樹脂導入空間
内に表皮材をセットせしめた状態を示している。
【図5】本発明に従う複層成形品の製造方法における更
に別の工程を示す説明図であって、成形キャビティ内と
樹脂導入空間内に基材を与える溶融樹脂材料を注入する
状態を示している。
【図6】本発明に従う複層成形品の製造方法における更
に別の工程を示す説明図であって、成形キャビティ内と
樹脂導入空間内に注入せしめられた溶融樹脂材料を冷却
固化せしめた状態を示している。
【図7】本発明に従う複層成形品の製造方法における更
に別の工程を示す説明図であって、溶融樹脂材料の冷却
固化により成形された一体成形品を金型から取り出し、
その一部分を切除して、目的とする複層成形品を得る工
程を示している。
【図8】本発明手法に従って複層成形品を製造する際に
用いられる金型の別の例を示す図1に対応する図であ
る。
【図9】図8に示される金型を用いた、本発明に従う複
層成形品の製造方法における一工程を示す説明図であっ
て、図6に対応する図である。
【図10】従来の複層成形品の製造方法の一例を示す工
程説明図である。
【図11】従来の複層成形品の別の製造方法を示す工程
説明図である。
【符号の説明】
10,43 射出成形用金型 18 成形キャビテ
ィ 20 樹脂導入空間 22 樹脂流入口 24 スプルーブッシュ 26 表皮剤 28 表皮層 30 発泡層 36 溶融樹脂材料 38 基材 42 複層成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−143337(JP,A) 特開 平6−134803(JP,A) 特開 平2−274516(JP,A) 特開 平2−145332(JP,A) 特開 平1−163035(JP,A) 特開 昭59−83633(JP,A) 特開 昭63−77719(JP,A) 特開 平5−305631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/14 B29C 45/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の樹脂材料からなる基材の外面上
    に、表皮材が一体的に積層されてなる複層成形品を製造
    するに際して、 かかる複層成形品に対応した形状を有する成形キャビテ
    ィと、所定の樹脂流入口を有する樹脂導入空間とを備え
    ると共に、それら成形キャビティと樹脂導入空間とが略
    同一の幅をもってつながるように構成された金型を用
    い、該成形キャビティ内に前記表皮材をセットする一
    方、前記所定の樹脂材料を加熱溶融せしめ、更にかかる
    溶融樹脂材料を前記樹脂導入空間の樹脂流入口から該樹
    脂導入空間内に注入して、該樹脂導入空間内に充満させ
    つつ流動せしめて、前記成形キャビティ内に流れ込ま
    せ、その後、冷却固化させることにより、前記表皮材に
    対して前記基材を一体的に積層成形するようにしたこと
    を特徴とする複層成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記表皮材が、表皮層と発泡層とから構
    成され、該発泡層の側に前記基材が一体的に積層成形せ
    しめられる請求項1に記載の複層成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表皮材を、前記成形キャビティと前
    記樹脂導入空間とに跨がってセットせしめた後、前記溶
    融樹脂材料を前記樹脂導入空間の樹脂流入口から該樹脂
    導入空間内に注入して、該樹脂導入空間内に充満させつ
    つ、該樹脂導入空間内に配置せしめられた前記表皮材に
    沿って流動させて、前記成形キャビティ内に流れ込ま
    せ、その後、冷却固化させることにより、かかる樹脂導
    入空間内と前記成形キャビティ内とにおいて、該表皮材
    に対して前記基材を一体的に積層形成し、更にその後、
    該樹脂導入空間内において形成せしめられた該表皮材と
    基材との一体成形部分を切除するようにした請求項1又
    は請求項2に記載の複層成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金型として、前記樹脂導入空間が、
    前記樹脂流入口の形成部位から前記成形キャビティの側
    に向かうに従って次第に幅広となるように構成された金
    型が用いられている請求項1乃至請求項3の何れかに記
    載の複層成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複層成形品が、前記表皮材と前記基
    材との一体的積層成形部位と、該基材から一体的に延び
    る、前記所定の樹脂材料のみからなる単層成形部位とか
    ら構成され、且つ該単層成形部位が、前記樹脂導入空間
    にて形成せしめられる請求項1、請求項2又は請求項4
    に記載の複層成形品の製造方法。
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