JPH0516507A - インクリボン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】インクダレやインクローラの局部変形等を防止
するとともに取扱性を向上させる。 【構成】インクリボン（３１）の走行時には転写ローラ
（２１）をインクローラ（１１）に所定圧力で押圧し走
行停止時には転写ローラ（２１）のインクローラ（１
１）への押圧を解除する駆動手段（５１，６１）を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ等に用いられ
るインクリボン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に従来のインク転写式のインクリボ
ン装置の概略構成を示す。

【０００３】図において、１は装置本体である。装置本
体１には、インクローラ１１，転写ローラ２１，インク
リボン３１およびフィード用回転体（例えばフィードギ
ヤ４１，４２）等が収容されている。

【０００４】ここで、インクローラ１１は、装置本体１
に回転支持されており，当該インクローラ１１にはイン
クが含浸されている。

【０００５】また、転写ローラ２１は、装置本体１に回
転支持されており，インクリボン３１の張力等によりイ
ンクローラ１１に圧接される構成とされている。

【０００６】しかして、インクローラ１１の外周面に
は、転写ローラ２１により押圧されることによりインク
が浸み出し，当該インクが転写ローラ２１に転写され
る。そして、さらに転写ローラ２１からインクリボン３
１にインクが転写されることにより当該インクリボン３
１へのインクの補給がなされる。

【０００７】一方、フィードギヤ４１，４２は、インク
リボン３１を挟持しつつ矢印方向に回転されて当該リボ
ン３１を走行させる構成とされている。

【０００８】ここで、インクリボン３１に対するインク
補給量の調整は、転写ローラ２１とインクローラ１１と
の圧接量を加減することにより行う。この圧接量の加減
調整は、装置組立時に行われたり，使用時にオペレータ
がレバー操作してインクローラ１１と転写ローラ２１と
を相対変位させたりすることにより行われる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のインクリボン装置において、印字停止時（すなわち
インクリボン３１走行停止時）にインクローラ１１の外
周面に浸み出したインクが転写ローラ２１へ転写されず
に外部に垂れ落ちて周囲のプリンタ部品を汚してしまう
ことがある。また、インクローラ１１の外周面のうち転
写ローラ２１に押圧された部分が局部的に過大変形し
て、印字時に当該インクローラ１１の円滑回転が阻害さ
れたり，転写ローラ２１への転写量（したがってインク
リボン３１への補給量）にバラツキが出て印字の濃淡が
生じることがある。

【００１０】さらに、オペレータが使用時にレバー操作
してインクローラ１１と転写ローラ２１との圧接量を加
減調整する方式のインクリボン装置では、オペレータに
過大な負担を掛けることになり取扱いにくい欠点も有す
る。

【００１１】本発明の目的は、上記事情に鑑み，インク
ダレやインクローラの局部変形等を防止するとともに取
扱性を向上させて円滑使用することができるインクリボ
ン装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、インクローラ
に含浸されているインクを転写ローラを介してインクリ
ボンに転写するインクリボン装置において、前記インク
リボンの走行時には前記転写ローラを前記インクローラ
に所定圧力で押圧し前記インクリボン走行停止時には前
記転写ローラの前記インクローラへの押圧を解除する駆
動手段を設けたことを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明では、転写ローラは、駆動手段によりイ
ンクリボン走行時にインクローラに押圧される。この
際、インクローラの外周面に浸み出したインクは、転写
ローラを介して走行中のインクリボンに順次転写（補
給）されるので，インクローラからインクが外部に垂れ
落ちてしまうようなことはない。また、インクローラ
は、転写ローラと圧接しつつ回転されるので局部的に過
大変形するようなことはなく、円滑回転を確保しつつイ
ンク転写量を一定とすることができる。

【００１４】一方、転写ローラは、駆動手段によりイン
クリボン走行停止時にはインクローラへの押圧が解除さ
れる。したがって、インクローラの外周面へのインクの
浸み出しが規制されることになりインクダレが防止され
る。また、インクローラには過負荷は作用せず過大変形
しない。

【００１５】なお、上記した如く駆動手段によりインク
ローラと転写ローラとの圧接量の加減調整が自動的にな
されるので，オペレータの手をわずらわせることもな
い。

【００１６】したがって、インクダレやインクローラの
局部変形等を防止するとともに取扱性を向上させて円滑
使用することができる。

【００１７】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき説明する。

【００１８】本実施例に係るインクリボン装置は、図３
に示す如く，装置本体１，インクローラ１１，転写ロー
ラ２１，インクリボン３１，フィード用回転体（４１，
４２）および本装置の特徴部である駆動手段を含み構成
されている。

【００１９】なお、図５に示した構成要素と同一のもの
については同一の符号を付し、その説明を省略もしくは
簡略化する。

【００２０】ここで、駆動手段は、インクリボン３１の
走行時には転写ローラ２１をインクローラ１１に所定圧
力で押圧し走行停止時には転写ローラ２１のインクロー
ラ１１への押圧を解除する手段である。

【００２１】具体的には、駆動手段は、図１および図２
に示す如く，転写ローラ２１をフィード用回転体の支軸
（本実施例ではフィードギヤ４１の支軸４５）を中心と
して回動可能に支持しフィード用回転体（４１）の回転
時には係合手段（６１）との協働により当該回転体（４
１）の回転力を利用して転写ローラ２１をインクローラ
１１に所定の圧力で押圧させる支持手段より構成されて
いる。

【００２２】本実施例においては、支持手段は、フィー
ドギヤ４１の支軸４５を中心として回動可能に支持され
先端部に転写ローラ２１を回転支持した転写ローラプレ
ート５１から構成されている。また、係合手段は、フィ
ードギヤ４１と転写ローラプレート５１との間に介在さ
れて両者と摩擦係合するウェーブワッシャ６１から構成
されている。

【００２３】しかして、フィードギヤ４１を矢印方向に
回転させると、転写ローラプレート５１はウェーブワッ
シャ６１からトルクが伝達されて図１中時計回り方向に
付勢され転写ローラ２１がインクローラ１１に所定の圧
力で押圧される。この際、転写ローラ２１とインクロー
ラ１１との圧接量が所定量を越えた場合には、フィード
ギヤ４１とウェーブワッシャ６１とは摺動するので当該
圧接量は一定とされる。

【００２４】なお、転写ローラ２１とインクローラ１１
との圧接量は、ウェーブワッシャ６１とフィードギヤ４
１（または転写ローラプレート５１）との間に作用する
摩擦、係合力を適宜変更することにより行う。

【００２５】次に作用について説明する。

【００２６】印字時には、フィードギヤ４１，４２を矢
印方向に回転させることによりインクリボン３１を走行
させる。この際、転写ローラ２１は、駆動手段（転写ロ
ーラプレート５１，ウェーブワッシャ６１）によりイン
クローラ１１に所定の圧力で押圧される。これにより、
インクローラ１１の外周面に浸み出したインクは、転写
ローラ２１を介して走行中のインクリボン３１に順次転
写（補給）される。

【００２７】したがって、インクローラ１１からインク
が外部に垂れ落ちてしまうようなことはない。また、イ
ンクローラ１１は、転写ローラ２１と圧接しつつ回転さ
れるので局部的に過大変形するようなことはなく、円滑
回転を確保しつつインク転写量を一定とすることができ
る。

【００２８】また、印字停止時には、フィードギヤ４
１，４２の回転が停止されてインクリボン３１の走行が
停止される。これにより、転写ローラ２１は、駆動手段
（５１，６１）によりインクローラ１１への押圧が解除
される。したがって、インクローラ１１の外周面へのイ
ンクの浸み出しが規制されることになりインクダレが防
止される。また、インクローラ１１には過負荷は作用せ
ず過大変形しない。

【００２９】なお、上記したように、駆動手段（５１，
６１）によりインクローラ１１と転写ローラ２１との圧
接量の加減調整が自動的になされるので、オペレータの
手をわずらわせることはなく取扱性が向上される。

【００３０】しかして、この実施例によれば、インクリ
ボン３１の走行時には転写ローラ２１をインクローラ１
１に所定圧力で押圧しインクリボン３１走行停止時には
転写ローラ２１のインクローラ１１への押圧を解除する
駆動手段（転写ローラプレート５１，ウェーブワッシャ
６１）を設けた構成としたので、インクダレやインクロ
ーラの局部変形等を防止するとともに取扱性を向上させ
て円滑使用することができる。

【００３１】また、駆動手段を、支持手段と係合手段と
の協働によりフィード用回転体の回転力を利用して転写
ローラ２１をインクローラ１１に押圧させる構成とした
ので，装置本体１を大型化・複雑化させない。特に、支
持手段を転写ローラプレート５１から形成し，係合手段
をウェーブワッシャ６１から形成したので、より一層簡
素化される。

【００３２】なお、上記実施例においては、駆動手段を
フィード用回転体の回転力を利用して転写ローラ２１を
インクローラ１１に押圧させる構成としたが、当該回転
力とは別個独立した駆動力を利用して転写ローラ２１を
インクローラ１１に押圧させる構成としてもよい。

【００３３】また、支持手段を転写ローラプレート５１
から構成したが、係合手段と協働してフィード用回転体
の回転力を利用して転写ローラ２１をインクローラ１１
に押圧させることができれば，どのように構成してもよ
い。また、係合手段をウェーブワッシャ６１から構成し
たが、フィード用回転体の回転力を利用して支持手段を
インクローラ１１に向けて付勢させることができればど
のように形成してもよい。

【００３４】例えば、係合手段を、図４に示す如く，転
写ローラプレート５１の支軸４５付近を切り起こして形
成した弾性突起５５より構成してもよい。かかる弾性突
起５５は、フィード用回転体（フィードギヤ４１）と摩
擦係合して当該回転体（４１）の回転時に転写ローラプ
レート５１に装着された転写ローラ２１をインクローラ
１１に押圧する機能を果たす。

【００３５】また、フィード用回転体をフィードギヤ４
１，４２より構成したが，インクリボン３１を走行させ
ることができればどのように構成してもよい。例えば、
フィード用回転体をフィード用の一対のローラより構成
してもよい。

【００３６】

【発明の効果】本発明によれば、インクリボンの走行時
には転写ローラをインクローラに所定圧力で押圧し走行
停止時には転写ローラのインクローラへの押圧を解除す
る駆動手段を設けた構成としたので、インクダレやイン
クローラの局部変形等を防止するとともに取扱性を向上
させて円滑使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の要部を示す図である。

【図２】一実施例のフィードギヤ，転写ローラ，転写ロ
ーラプレートおよびウェーブワッシャの取付関係を説明
するための図である。

【図３】一実施例の全体構成を示す図である。

【図４】係合手段の変形例を説明するための図である。

【図５】従来のインクリボン装置の概略構成を示す図で
ある。

【符号の説明】

１１ インクローラ ２１ 転写ローラ ３１ インクリボン ４１ フィードギヤ ５１ 転写ローラプレート（駆動手段） ６１ ウェーブワッシャ（駆動手段）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 インクローラに含浸されているインクを
   転写ローラを介してインクリボンに転写するインクリボ
   ン装置において、 前記インクリボンの走行時には前記転写ローラを前記イ
   ンクローラに所定圧力で押圧し前記インクリボン走行停
   止時には前記転写ローラの前記インクローラへの押圧を
   解除する駆動手段を設けたことを特徴とするインクリボ
   ン装置。