JP3440999B2 - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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JP3440999B2
JP3440999B2 JP2000177072A JP2000177072A JP3440999B2 JP 3440999 B2 JP3440999 B2 JP 3440999B2 JP 2000177072 A JP2000177072 A JP 2000177072A JP 2000177072 A JP2000177072 A JP 2000177072A JP 3440999 B2 JP3440999 B2 JP 3440999B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、印字装置、特に、
印字領域の前側で用紙に印字領域に送り出す方向の送り
力を付与し、印字領域の後側で用紙に印字領域から排出
する方向の送り力を付与するようになっている印字装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】実開昭62−23255号公報に、排紙
ローラとこの排紙ローラに用紙を押し付ける押圧ローラ
とを有する排紙装置についての記載があり、実開昭63
−149661号公報にも同様の記載がある。また、特
開昭63−120669号公報には、熱転写プリンタの
プラテンローラと給紙ローラと排紙ローラとをベルトで
連結した駆動装置についての記載がある。 【0003】さらに、実開昭59−160253号公報
には印字機の排紙ローラ機構についての記載があり、こ
れによると、駆動輪に圧接させた従動輪の回転軸の外周
面を板ばねで弾圧させることによって、従動輪に回転負
荷を与えるようにしてある。 【0004】一方、図4には、冒頭に記載したような印
字装置、すなわち、印字領域の前側と後側とで用紙に送
り力を付与するようになっている印字装置を概略的に示
してある。同図において、Aは印字領域を示しており、
この印字領域Aでは、インクカセット1がガイドロッド
2に沿って横移動することによって用紙Pに印字が行わ
れる。また、用紙Pを印字領域Aに送り出す方向の送り
力は、印字領域Aの前側に配備されている給紙ローラ3
0とこの給紙ローラ30に用紙を押し付ける押圧ローラ
40との共働によって発生するようになっているのに対
し、用紙Pを印字領域から排出する方向の送り力は、印
字領域Aの後側に配備されている排紙ローラ50とこの
排紙ローラ50に用紙を押し付けるスターホイルなどの
輪体60との共働によって発生するようになっている。
70は給紙ローラ30の回転を排紙ローラ50に伝える
ためのベルトである。 【0005】図5は従来の印字装置に採用されている排
紙ローラ50の取付箇所の部分断面図であり、同図で判
るように、従来は、排紙ローラ50の回転軸51が軸受
部80の軸孔81に回転自在に嵌合されていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図4で説明
した印字装置では、排紙ローラ50による用紙送り速度
が給紙ローラ30による用紙送り速度よりもわずかに速
くなるようにその排紙ローラ50の回転速度を制御する
ことによって、印字領域Aで用紙Pに弛みなどが発生す
ることを防いでいる。このため、用紙Pが給紙ローラ3
0と押圧ローラ40とによって挟まれており、かつ、排
紙ローラ50と輪体60とによっても挟まれているとき
には、用紙Pが印字領域Aで排紙ローラ50の回転によ
って矢印a方向(排紙方向)に引っ張られることによっ
て、用紙Pに所定の張力が加わっている。このことか
ら、図5で説明した取付構造で排紙ローラ50が取り付
けられていると、用紙Pの後端P1が給紙ローラ30と
押圧ローラ40との間から印字領域A側に抜け出た瞬間
には、排紙ローラ50に加わっている回転負荷が瞬間的
に軽減して排紙ローラ50による用紙送り速度がそれま
でよりも速くなるという事態が起こり得る。 【0007】しかしながら、そのような事態が起こる
と、用紙Pの印字範囲の終部において所謂白筋が発生し
たりして印字品質が低下するという問題が生じる。この
点に関し、上掲の各公報によっては、印字領域での用紙
送り速度の変化によって印字品質が低下するという問題
の解決策を見いだすことができない。 【0008】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、用紙の後端が給紙ローラ30と押圧ローラ40
との間から印字領域A側に抜け出た瞬間に排紙ローラに
よる用紙送り速度がそれまでよりも速くなるという問題
を解決することによって、用紙の印字範囲の終部におい
ても安定した印字品質を維持することのできる印字装置
を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明に係る印字装置で
は、印字領域の前側に給紙ローラとこの給紙ローラに用
紙を押し付ける押圧ローラとが配備されていると共に、
印字領域の後側に排紙ローラとこの排紙ローラに用紙を
押し付ける輪体とが配備されていて、排紙ローラにその
排紙ローラの回転軸線に沿う方向の側圧を与える荷重付
与手段を備え、その荷重付与手段が、排紙ローラの回転
軸に遊嵌合されかつ排紙ローラに具備されたばね受け面
と上記回転軸を回転自在に保持している軸受部との間に
介在されたコイルばねでなり、排紙ローラによる用紙送
り速度が上記給紙ローラによる用紙送り速度よりも速く
なるようにその排紙ローラの回転速度が制御されている
印字装置において、排紙ローラの外周部の所定箇所に溝
が備わり、その溝に、上記コイルばねの一端部に曲成さ
れた係合片が嵌め込まれることによってそのコイルばね
の一端部がばね受け面に固定されていると共に、上記回
転軸に遊嵌合されたワッシャが、コイルばねの他端部と
軸受部との間に介在されてそのワッシャが上記コイルば
ねの弾圧力によって上記軸受部に弾接している。 【0010】このように、排紙ローラに側圧を与える荷
重付与手段を備えていると、用紙の後端が給紙ローラと
押圧ローラとの間から印字領域側に抜け出たときに、排
紙ローラに加わっている側圧によって排紙ローラの回転
速度が瞬間的に速くなるという事態が抑制される。その
ため、用紙の印字範囲の終部においても安定した印字品
質が維持されるようになる。 【0011】本発明において、荷重付与手段には、排紙
ローラの回転軸に遊嵌合されかつ排紙ローラに具備され
たばね受け面と上記回転軸を回転自在に保持している軸
受部との間に介在されたコイルばねを採用しているの
で、部品点数の増加が最少限度に抑えられ、しかも、異
音が生じにくい利点かある。この点に関し、上掲の実開
昭59−160253号公報に見られる板ばねを排紙ロ
ーラの回転軸に弾圧させて回転負荷を与えるようにした
場合には、板ばねの他に、その板ばねを固定するための
ねじ類が余分に必要になるだけでなく、板ばねと回転軸
との摺動音の発生を回避することができないという不利
がある。 【0012】本発明では、排紙ローラの外周部の所定箇
所に溝が備わり、その溝に、上記コイルばねの一端部に
曲成された係合片が嵌め込まれることによってそのコイ
ルばねの一端部がばね受け面に固定されているので、
イルばねの一端部をばね受け面に弾接させただけで固定
していない場合に比べ、コイルばねによって安定した側
圧を発生させることができるようになり、そのことが印
字品質を向上させることに役立つ。このような作用は、
コイルばねの他端部と軸受部との間にワッシャを介在さ
せてあることによっていっそう顕著に発揮されるように
なる。 【0013】また、コイルばねの他端部と軸受部との間
にワッシャを介在させておくことによって、コイルばね
の他端部が軸受部に直接に接触するということがなくな
るので、軸受部がコイルばねの他端部が削られて削りか
すが発生しないという利点もある。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係る印
字装置の要部、すなわち、排紙ローラ50とその取付箇
所を概略的に示した分解斜視図であり、図2は排紙ロー
ラ50の取付箇所の部分断面図である。 【0015】この実施形態に係る印字装置は、図4で説
明したところと同様の構成を有している。すなわち、印
字領域Aで用紙Pにインクカセット1による印字が行わ
れる。また、印字領域Aの前側に給紙ローラ30と押圧
ローラ40とが配備され、印字領域の後側に排紙ローラ
50とスターホイルなどの輪体60とが配備されてい
る。そして、排紙ローラ50による用紙送り速度が給紙
ローラ30による用紙送り速度よりも速くなるようにそ
の排紙ローラ50の回転速度が制御されている。 【0016】図1及び図2で判るように、排紙ローラ5
0の端部に回転軸51が連設されており、この回転軸5
1が印字装置のフレーム(不図示)などに備わっている
軸受部80の軸孔81に回転自在に嵌合されている。ま
た、排紙ローラ50には、回転軸51の根元に位置する
ばね受け面52が備わっていると共に、そのばね受け面
52を備えている径大部53の外周部の所定箇所に溝5
4が備わっている。そして、回転軸51にコイルばね9
0とワッシャ91とが遊嵌合されている。さらに、コイ
ルばね90の一端部に曲成された係合片92が上記溝5
4に嵌め込まれることによってコイルばね90の一端部
がばね受け面52に固定され、しかも、ワッシャ91が
コイルばね90の弾圧力によって軸受部80に弾接して
いる。 【0017】以上のように構成されていると、コイルば
ね90の弾圧力が、排紙ローラ50の回転軸線に沿う方
向(矢印B)の側圧としてその排紙ローラ50に作用す
るようになる。 【0018】次に、この印字装置による作用を図4と図
1及び図2を参照して説明する。 【0019】図4で説明したように、排紙ローラ50に
よる用紙送り速度が給紙ローラ30による用紙送り速度
よりもわずかに速くなるようにその排紙ローラ50の回
転速度が制御されているので、印字領域Aで用紙Pに弛
みなどが発生しにくい状況になっている反面で、用紙P
が印字領域Aで排紙ローラ50の回転によって矢印a方
向(排紙方向)に引っ張られていて、用紙Pに所定の張
力が加わっている。 【0020】この状況下で、用紙Pの後端P1が給紙ロ
ーラ30と押圧ローラ40との間から印字領域A側に抜
け出たときには、コイルばね90の弾圧力が排紙ローラ
50に側圧として加わっていて、その側圧が排紙ローラ
50に回転負荷を与えているので、排紙ローラ50の回
転速度が瞬間的に速くなるという事態が起こらない。そ
のため、用紙Pの印字範囲の終部においても安定した印
字品質が維持される。 【0021】この実施形態では、コイルばね90を、排
紙ローラ50に側圧を与える荷重付与手段として採用し
ている。そのため、ワッシャ91を用いているとして
も、取付ねじなどのねじ類を余分に用いる必要がない。
また、コイルばね90が回転軸51と摺動して摺動音
(異音)を発生するといった問題も起こらない。さら
に、コイルばね90の一端部をばね受け面52に固定し
てあるので、コイルばね90の一端部がばね受け面52
に摺動回転して側圧の大きさが不安定になるという事態
も起こらない。しかも、コイルばね90の一端部をばね
受け面52に固定したことと、ワッシャ91をコイルば
ね90の他端部と軸受部80との間に介在させたことと
によって、安定した側圧を発生させることができるよう
になり、そのことが印字品質を顕著に向上させることに
役立つ。そのほか、ワッシャ91によってコイルばね9
0の他端部が軸受部80と擦れて削りかすを発生すると
いう事態が防止される。 【0022】以上説明した実施形態では、上記のように
ワッシャ91をコイルばね90の他端部と軸受部80と
の間に介在させてあるけれども、ワッシャ91を省略す
ることも可能である。図3にはワッシャを省略した場合
の実施形態を示してある。同図の実施形態において、ワ
ッシャを省略した以外は上述した実施形態と同様である
ので、説明を重複を避けるため同一部分に同一符号を付
してある。 【0023】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、用紙の
後端が給紙ローラと押圧ローラとの間から印字領域側に
抜け出た瞬間に排紙ローラによる用紙送り速度がそれま
でよりも速くなるという問題が解決されるので、用紙の
印字範囲の終部においても安定した印字品質を維持する
ことのできる印字装置を提供することが可能になる。し
かも、本発明の印字装置は、部品点数の増加が最少限度
に抑えられているだけでなく、異音の発生や削りかすの
発生なども起こらないという利点を備えている。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態に係る印字装置の要部を概略
的に示した分解斜視図である。 【図2】排紙ローラの取付箇所の部分断面図である。 【図3】他の実施形態に係る排紙ローラの取付箇所の部
分断面図である。 【図4】印字装置の概略構成を示した説明図である。 【図5】従来の印字装置に採用されている排紙ローラの
取付箇所の部分断面図である。 【符号の説明】 A 印字領域 P 用紙 30 給紙ローラ 40 押圧ローラ 50 排紙ローラ 51 回転軸 52 ばね受け面 60 輪体 80 軸受部 90 コイルばね(荷重付与手段) 91 ワッシャ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 印字領域の前側に給紙ローラとこの給紙
    ローラに用紙を押し付ける押圧ローラとが配備されてい
    ると共に、印字領域の後側に排紙ローラとこの排紙ロー
    ラに用紙を押し付ける輪体とが配備されていて、 排紙ローラにその排紙ローラの回転軸線に沿う方向の側
    圧を与える荷重付与手段を備え、その荷重付与手段が、
    排紙ローラの回転軸に遊嵌合されかつ排紙ローラに具備
    されたばね受け面と上記回転軸を回転自在に保持してい
    る軸受部との間に介在されたコイルばねでなり、 排紙ローラによる用紙送り速度が上記給紙ローラによる
    用紙送り速度よりも速くなるようにその排紙ローラの回
    転速度が制御されている印字装置において、 排紙ローラの外周部の所定箇所に溝が備わり、その溝
    に、上記コイルばねの一端部に曲成された係合片が嵌め
    込まれることによってそのコイルばねの一端部がばね受
    け面に固定されていると共に、上記回転軸に遊嵌合され
    たワッシャが、コイルばねの他端部と軸受部との間に介
    在されてそのワッシャが上記コイルばねの弾圧力によっ
    て上記軸受部に弾接している ことを特徴とする印字装
    置。
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