JPH05161480A - アミノ酸を配合したカルシウム組成物およびそれを含有するカルシウム飲料 - Google Patents

アミノ酸を配合したカルシウム組成物およびそれを含有するカルシウム飲料

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JPH05161480A
JPH05161480A JP3323545A JP32354591A JPH05161480A JP H05161480 A JPH05161480 A JP H05161480A JP 3323545 A JP3323545 A JP 3323545A JP 32354591 A JP32354591 A JP 32354591A JP H05161480 A JPH05161480 A JP H05161480A
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Kozo Yamamoto
晃三 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に対する吸収率にすぐれ、かつ、骨に対
する沈着性にも優れたカルシウム組成物、およびそれを
含有する液体飲料を提供する。 【構成】 カルシウム含有化合物に、チロシン、プロリ
ン、バリン、ロイシン、ヒスチジン、セリン、およびグ
リシンからなる群より選ばれた少なくとも2種以上のア
ミノ酸を、カルシウム含有化合物に対して0.005な
いし0.2重量%配合したカルシウム組成物、ならび
に、それを、醗酵乳酸水溶液に溶解したことを特徴とす
るカルシウム液体飲料。カルシウム含有化合物として
は、貝殻類、珊瑚および骨からなる群より選ばれた少な
くとも1種を高温で焼成した酸化カルシウム、または、
鉱物起源の炭酸カルシウムなどが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のアミノ酸を混合
したカルシウム組成物、ならびにそれを含有する液体飲
料に関するものであって、より詳しくは、特定のアミノ
酸を少なくとも2種以上混合することによって、人体に
対する吸収性ならびに骨に対する沈着率など生理活性の
著しくすぐれたカルシウム組成物、および該カルシウム
組成物を含有する液体飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】カルシウムが人間のみならず哺乳動物の
骨や歯の形成に不可欠の成分であることは広く認識され
ていたが、最近ではそれのみならず、あらゆる生命現象
を支える最も重要な栄養素であることが解明され、いま
やカルシウムは医学の最前線で注目されている。人間に
とってカルシウム不足は、骨粗鬆症ばかりでなく、高血
圧、動脈硬化、関節痛、糖尿病、免疫病、肥満などの疾
患を招く原因となることが指摘されている(保健同人社
発行「暮しと健康」1991.Vol 9)。ところが、カルシウ
ムは、ビタミンDや蛋白質などと同時に摂取しないと、
人体への吸収率がきわめて低く、それ単体での服用によ
っては、人体における所要量のカルシウムを摂取するこ
とは困難な状況にある。
【0003】最近の研究によると、成人の一日当りのカ
ルシウムの所要量は、600mgであるといわれてい
る。ところが、食品や飲料に含まれるカルシウムは、そ
のすべてが人体に吸収されるわけではなく、通常、食品
や飲料に表示されるカルシウム含量と、実際に人体に吸
収されるカルシウムの量は大幅に異なることが知られて
いる。したがって、このカルシウムの所要量を、日常の
食事から摂取しようとすると、とてつもなく大量のカル
シウム含有食品を摂らなければならないことになる。
【0004】たとえば、カルシウムを高単位で含む飲料
として知られている牛乳のカルシウムの含有量は、10
0mg/100ml程度であり、牛乳中に含まれるカル
シウムは蛋白質と結合しているため、吸収性がよいとさ
れているものの、人体に対する吸収率は最大でも50
%、つまり50mgしか吸収されないことが知られてい
る。しかも、牛乳中にカルシウムと結合状態で存在する
蛋白質は消化吸収されると、最後に乳酸、酪酸、焦性ブ
ドー酸、硫酸、リン酸を発生するため、前記50mgの
カルシウムの大半はこれらの酸を中和するために消費さ
れ、結局、牛乳100ml中の人体に吸収されるカルシ
ウム分は精々10mg程度にしかすぎないといわれてい
る。
【0005】したがって、牛乳だけでカルシウムの所要
量を補うことができないのは当然であり、その他の飲食
品から、不足分のカルシウムを摂ろうとしても、カルシ
ウム含有食品として知られている、煮干し、マイワシ、
ひじき、焼きのりなどでさえ、そのカルシウム含有量
は、到底前記一日の所要量には遠く及ばず、結局、通常
の食事からカルシウムの所要量を摂取することは不可能
な状況にある。その結果、慢性のカルシウム不足状態に
なり、前記、各種の疾病を引き起こす原因となってい
る。
【0006】このような事態は、我が国ばかりでなく、
牛乳の消費量が我が国の3倍ないし5倍といわれている
ヨーロッパや欧米においてさえ、人体内のカルシウムと
の因果関係が解明されている骨粗鬆症が我が国の2倍も
発生しているという事実があり、このことからも、牛乳
などのカルシウム高含有飲食品を摂取してもカルシウム
不足を解消することは不可能であることが理解される。
【0007】さらに、カルシウムの吸収を促進すること
が知られているビタミンDの場合についてみると、ビタ
ミンDは体内のプロビタミンDから日光照射によって生
成される他に、食品からも摂取できるもので、摂取され
たビタミンDは、副甲状腺ホルモンの働きによって、そ
れが活性ビタミンDとなりカルシウムの腸管からの吸収
を助けるものであるが、この作用は、副甲状腺ホルモン
と共同して骨からのカルシウムを取り出すことによるも
ので、この結果、ビタミンDを過剰に摂取した場合に
は、高カルシウム血症、尿毒症、さらに骨軟化症などの
障害がもたらされることが知られており、米国ではFD
AによってビタミンDを医薬として認めていないのが現
状である。
【0008】このように、最も吸収性のすぐれていると
されている牛乳でさえ、人体に対する吸収量は極くわず
かであることからもわかるように、食品から所要量のカ
ルシウムを補うことはきわめて困難な状況にあり、しか
も、加齢と共にカルシウムの吸収率はどんどん低下する
ために、現代のあらゆる疾病や老化現象は、身体をミク
ロ的(細胞レベル)に見ても、マクロ的(全身の機能レ
ベル)に見ても、カルシウム不足が最大の原因であるこ
とが突き止められている(平成2年4月、日本内科学会
報告)。
【0009】
【発明が解決すべき課題】つまり、生命が営まれるのに
必要なだけのカルシウムの量が不足すると、骨からカル
シウムが溶けだして、それが原因となって細胞に障害を
与え、骨や歯の発育不良や、骨がスカスカになる骨粗鬆
症はもとより、血液の浄化や、脳、神経、心臓、筋肉な
どの総合的な健康状態の維持が阻害されることになる。
とくに骨粗鬆症は、カルシウム不足に起因して人類が最
もかかりやすい病気であるといわれている。しかもこの
病気が、寝たきり老人や痴呆症の老人をつくることも明
らかにされてきている。したがって、高齢化社会の到来
と共に、このカルシウム不足を解消することは、健康な
長寿社会を実現するために最も重要な課題といえる。
【0010】そこで、これらのカルシウム不足を補うこ
とを目的として、食品としてのカルシウムの他に栄養補
助食品としてのカルシウム製品が開発され、医薬品とし
てのカルシウム組成物も、より吸収性の優れたものを求
める傾向が高まりつつある(「カルシウムの全て」藤田
拓男著、あき書房)。とくに、本出願人が開発した、ミ
ネラル成分を多量に含み超濃度のイオン化カルシウム濃
度を示す牡蠣殻の電解精製物は、腸内での吸収が抜群に
すぐれ、かつ、骨への沈着率がきわめて高いことが実証
されており、現在も各大学の付属病院をはじめとする医
療機関において、成人病の予防、治療のための栄養補助
食品として積極的に採用されている。
【0011】本発明者らは、前記栄養補助食品としての
カルシウム組成物について追試を続ける過程で、よりす
ぐれた吸収性とともに骨に対する沈着性にもすぐれたカ
ルシウム組成物を求めてさらに研究を続け、天然の酸化
カルシウムおよび/または水酸化カルシウムに極く少量
のアミノ酸、とくに低分子量のアミノ酸が共存している
本出願前未知の活性アミノ酸カルシウムが、前記目的を
達成するという知見を得、特願平3−200851号と
してすでに特許出願をしている。
【0012】本発明者らは、カルシウムの生体に対する
吸収性ならびに骨に対する沈着性についてさらに研究を
進める中で、貝殻類、甲殻類、珊瑚、および骨などのカ
ルシウム含有化合物の少なくとも1種を高温焼成するこ
とによって得られた酸化カルシウム、または、炭酸カル
シウム、りん酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カ
ルシウム、グルコン酸カルシウムのような鉱物起源のカ
ルシウム含有化合物に、特定の複数種のアミノ酸を混合
してやると、驚くべきことに、それ単体では生体に対し
て低い吸収性しか示さないのにもかかわらず、この特定
のアミノ酸の混合物を配合したカルシウム組成物は、生
体に対して著しい吸収性を示すというまったく新たな知
見を得、本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、カルシウム含有化合物に、チロシン、プロリン、バ
リン、ロイシン、ヒスチジン、セリン、およびグリシン
からなる群より選ばれた少なくとも2種以上のアミノ酸
を混合したことを特徴とするカルシウム組成物が提供さ
れる。本発明において、カルシウム含有化合物とは、貝
殻類、甲殻類、珊瑚、卵の殻および骨などのカルシウム
含有化合物の少なくとも1種を高温焼成することによっ
て得られた酸化カルシウム、または、炭酸カルシウム、
りん酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウ
ム、グルコン酸カルシウムのような鉱物起源のカルシウ
ム含有化合物を意味する。
【0014】これらのカルシウム含有化合物のうち、鉱
物起源のカルシウム含有化合物は、生体に対する吸収性
が著しく低いために、それ単独での服用はほとんどなさ
れておらず、一方、高温焼成した酸化カルシウムは、そ
れに比較して、生体への吸収性が大幅に改良されている
とはいうものの、それ単体での服用によっては、生体に
おける有効利用率は必ずしも満足できるものとは言いが
たく、これらのカルシウム含有化合物に、特定のアミノ
酸を混合することによって、生体への吸収性、ならびに
骨への沈着率、すなわち、生体内での有効利用率が著し
く向上するという事実は驚くべきことである。
【0015】このような現象は、度重なる実験・研究の
結果として知見するに至ったものであり、このような現
象がなぜ起こるのかは理論的に解明されたわけではない
が、カルシウムと特定のアミノ酸がキレート結合し、こ
れが何らかの作用によって、生体への吸収性を促進させ
るのではなかろうかと推測される。
【0016】さらに、本発明によれば、前記特定のアミ
ノ酸のすべてが混合されているカルシウム組成物が提供
される。本発明者らの知見によれば、前記アミノ酸は、
単独の配合でも、カルシウム含有化合物単独の場合に比
較して、生体への吸収性の向上効果は認められるもので
あるが、2種以上を併用することによって、相乗的にそ
の効果が著しく向上するものであり、特に、前記7種の
アミノ酸すべてを混合したものをカルシウム含有組成物
に配合した場合に、その効果が最も顕著であることが確
かめられた。
【0017】
【作用】本発明は、カルシウム含有化合物に対して、微
量の特定のアミノ酸を混合することによって、生体に対
する吸収性、および骨に対する沈着性が著しくすぐれた
ものになるという、本発明者らによって得られた新たな
知見をもとに完成されたものである。
【0018】
【発明の具体的な説明】本発明において使用されるカル
シウム含有化合物とは、前述したように、鉱物起源のも
のであっても、動植物起源のものであっても、化合物中
にカルシウムが含有されているものであれば、いずれに
も適用できるものである。なかでも、前記カルシウム含
有化合物が、貝殻類、珊瑚、および骨から選ばれた少な
くとも1種を高温焼成した酸化カルシウムと前記特定の
アミノ酸との組み合わせが、生体内での高度の有効利用
率を示し、なかんずく、牡蠣殻を高温焼成したものの有
効利用率が最も優れている。
【0019】本発明におけるカルシウム含有化合物のも
うひとつの態様である、鉱物起源のカルシウムとして炭
酸カルシウムの例をとれば、炭酸カルシウムは、重質炭
酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、および胡粉などの
種類に分類されるが、本発明においてはいずれも好まし
く使用することができ、とくに、通常医薬品として使用
される(6局)収載のCaCo3 98.5%以上の炭酸
カルシウムが好ましい。
【0020】本発明におけるアミノ酸は、チロシン、プ
ロリン、バリン、ロイシン、ヒスチジン、セリン、およ
びグリシンからなる群より選ばれた少なくとも2種以上
の混合物としてカルシウム含有化合物に配合されること
が重要であり、とくに、そのすべてを含む混合物が生体
に対する吸収性の点で最も優れている。本発明における
アミノ酸は、カルシウム含有化合物に対して0.005
ないし0.2重量%、好ましくは0.05ないし0.1
重量%という極めて微量成分として配合されることも重
要な特徴である。
【0021】本発明における上記特定のアミノ酸は、本
発明者らがすでに前記特許出願をしている技術、つま
り、牡蠣殻などのカルシウム含有物質を酸素遮断下で焼
成した際に、最終生成物中に分解することなく結合して
いるアミノ酸が存在していることによって、カルシウム
の生体における吸収性が著しく向上するという事実に基
づいて、該結合しているアミノ酸の種類と量を分析し、
その結果から、これを単にカルシウム含有化合物に混合
することによっても、生体に対する吸収性を向上させ得
るアミノ酸を突き止めたものである。
【0022】本発明者らによって、分析されたなかで、
カルシウム含有化合物に対して配合するだけで、生体へ
の吸収性を促進させることが確認されたアミノ酸は、前
述した7種のものであり、これらの2種以上の複数種を
混合して用いることが、生体への吸収性の点で好まし
く、それぞれの配合割合は、特に限定されるわけではな
いが、例えば、これら7種のすべてを配合した場合に
は、各アミノ酸の配合割合は、セリン5ないし15%
(重量、以下同じ)、好ましくは8ないし12%、グリ
シン2ないし11%、好ましくは4ないし8%、ヒスチ
ジン8ないし18%、好ましくは10ないし15%、プ
ロリン10ないし20%、好ましくは13ないし17
%、チロシン20ないし30%、好ましくは23ないし
27%、バリン10ないし20%、好ましくは13ない
し17%、ロイシン10ないし20%、好ましくは13
ないし17%、の範囲で混合されたものが、著しく優れ
た生体への吸収性を示した。
【0023】本発明者らの研究によれば、前記、アミノ
酸混合物は、前述したように極めて微量成分としてカル
シウム含有化合物に配合されることが重要であり、前記
規定の範囲を超えた場合には、生体への吸収性が徐々に
低下する傾向を示し、カルシウム含有化合物に対する配
合量が0.5重量%を超えた場合には、該カルシウム含
有化合物本来の生体への吸収性とほとんど同じレベルま
で低下してしまうことが判明した。また、アミノ酸の量
が前記規定の範囲未満の配合では、これも優れた生体へ
の吸収性を示すには至らない。
【0024】本発明において、前記特定のアミノ酸が混
合されるカルシウム含有化合物としては、帆立貝殻、真
珠貝殻、牡蠣殻などの貝殻類、赤珊瑚、白珊瑚、桃色珊
瑚などの珊瑚、および牛骨、鳥類の骨などの骨、カニ、
エビなどの甲殻類、ひじきなどの藻類、あるいは卵の殻
などのカルシウム含有化合物の少なくとも1種を、たと
えば、900℃ないし1100℃、好ましくは930℃
ないし970℃で、40分ないし80分、好ましくは5
0分ないし70分で焼成したものが好ましく使用され、
なかでも、貝類殻、珊瑚および骨からなる群より選ばれ
た少なくとも1種、特に、牡蠣殻を5cm×5cm程度
の大きさに粉砕したものを、上記の条件で焼成し、さら
に、150メッシュないし250メッシュ、好ましくは
180メッシュないし220メシュ程度の粉末にしたも
のが最も好ましく使用される。
【0025】さらに、本発明においては、従来は、生体
への吸収性が著しく低いためにカルシウム組成物として
は服用されることが少なかった、石灰石や石灰乳などの
鉱物起源の物質から得られた炭酸カルシウム、りん酸カ
ルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコ
ン酸カルシウムなどのカルシウム含有化合物も、前記ア
ミノ酸を配合することによって、高度のカルシウム吸収
性を示すようになる。
【0026】本発明によって得られたカルシウム組成物
は、通常略白色の粉末であり、このまま、自体公知の方
法で打錠して錠剤とするか、または、各種の酸、とくに
少なくとも醗酵乳酸を含む水溶液に溶解した液体飲料、
ヨーグルト状あるいはゼリーなどの形態で消費者に提供
することができる。
【0027】本発明によって得られたカルシウム組成物
を配合した液体飲料とするには、醗酵乳酸、クエン酸、
リンゴ酸などの各種の酸に、前記酸化カルシウムまたは
炭酸カルシウムなどのカルシウム組成物を溶解させれば
よいが、飲料としての味覚適性、さらに、溶解性の点
で、醗酵乳酸、とくに、光学活性型L(+)乳酸の10
ないし35容量%程度の水溶液100ccに対して、前
記炭酸カルシウムの粉末0.5ないし2.4g程度を溶
解させてやればよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を説明する。 <参考例>高温焼成による酸化カルシウムの製造例 牡蠣殻を十分に洗浄し、黒い部分を取り除いた後、粉砕
機で5cm×5cm程度の大きさに砕いた。次に、50
cm×50cm×5cmの大きさのチタントレーに前記
粉砕した牡蠣殻約8kgをのせ、電気炉で950℃で1
時間焼成した。焼成後の牡蠣殻をコロイドミルで粉砕
し、平均粒径が約200メッシュの酸化カルシウムの白
色粉末を得た。
【0029】<実施例および比較例>吸収性および体内貯留性の評価 前記参考例で得られた焼成酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、りん酸カルシウム、乳酸カルシウム、および水酸
化カルシウムを用いて、生体への吸収性および体内貯留
性について、下記の実験を行った。 実験場所:放射線医学総合研究所 内部被ばく研究部 実験者:主任研究員 獣医学博士 福田 俊
【0030】目的: カルシウム含有化合物に特定のア
ミノ酸を配合した組成物と、カルシウム含有化合物単体
の、生体に対する腸管吸収性が相違するか否かについて
実験する。 試料:(1) 参考例で得られた牡蠣殻からの焼成酸化カル
シウム10gに対してチロシン0.074mg、プロリ
ン0.044mg、バリン0.043mg、ロイシン
0.042mg、ヒスチジン0.039mg、セリン
0.029mg、グリシン0.019mgを混合したも
のの2%水溶液を用意した。(実施例1) (2) 炭酸カルシウム10gに対して、チロシン0.07
4mg、プロリン0.044mg、バリン0.043m
g、ロイシン0.042mg、ヒスチジン0.039m
g、セリン0.029mg、グリシン0.019mgを
混合したものの2%水溶液を用意した。(実施例2) (3) 前記炭酸カルシウムに代えてりん酸カルシウムを使
用した以外は、実施例2と同じ試料を用意した。(実施
例3) (4) 前記炭酸カルシウムに代えて乳酸カルシウムを使用
した以外は、実施例2と同じ試料を用意した。(実施例
4) (5) 前記炭酸カルシウムに代えて水酸化カルシウムを使
用した以外は、実施例2と同じ試料を用意した。(実施
例5) (6) 炭酸カルシウム10gに対して、チロシン0.07
4mg、プロリン0.074mg、バリン0.074m
gを混合したものの2%水溶液を用意した。(実施例
6) (7) 前記実施例2の炭酸カルシウム単体の2%水溶液を
用意した。(比較例1) (8) 実施例3のアミノ酸に代えて、リジン0.22mg
を混合したものの2%水溶液を用意した。(比較例2) (9) 実施例3のアミノ酸に代えて、メチオニン0.22
mgを混合したものの2%水溶液を用意した。(比較例
3)
【0031】実験:1実験につきウスター系雄のラット
(体重150ないし200g)8匹を使用した。 (1) 麻酔したラットを開腹し、胃の幽門と噴門を結紮
して、腹大静脈から採血した後、胃内にpH7に調整し
た前記試料(1) の牡蠣殻を焼成した酸化カルシウムとア
ミノ酸の組成物の水溶液を5ml注入した。注入後から
15分おきに腹大静脈から採血し、血清分離後、総カル
シウム濃度、およびカルシウムイオン濃度を測定した。
(実施例1) (2) 試料(2) のカルシウム組成物を用いて、実施例1
と同様に行った。(実施例2) (3) 前記試料(3) ないし(6) について、カルシウム組
成物の2%水溶液を用いて、前記実験(1) と同様の実験
を行った。(実施例3ないし6) (4) 前記試料(7) ないし(9) についても、カルシウム
組成物の2%水溶液を用いて実験(1) と同様に行った。
(比較例1ないし3) なお、pHを2に調整した前記(2) の炭酸カルシウムと
アミノ酸の組成物の水溶液を用いて、実験(1) と同様に
行ったところ、カルシウムイオン濃度の増加は極めてわ
ずかのものであった。 ※pH2は胃内のpHであり、pH7は腸管内のpHを
示す。
【0032】結果:実験1と実験2の対比においては、
pHが2の場合は総カルシウム濃度、およびカルシウム
イオン濃度ともにわずかに上昇したにととどまったが、
pHが7の場合は著しい上昇が見られた。この事実は、
本発明の炭酸カルシウムとアミノ酸の組成物は、胃内で
はほとんど吸収されないが、腸管での吸収性が優れてい
ることを示すものである。なお、実施例1ないし6のラ
ットの腸管での吸収性の結果を表1に、比較例1ないし
3のラットの腸管での吸収性の結果を表2に示した。
【0033】
【0034】
【0035】<実施例7>炭酸カルシウム組成物を配合した液体飲料の調製 実施例1によって調製した酸化カルシウム組成物の粉末
1.5gを、光学活性型L(+)乳酸の25容量%の水
溶液100cc中に混合し、軽く攪拌して、均一な炭酸
カルシウム組成物を配合した液体飲料を調製した。この
液体飲料は、わずかな酸味を有するもので、口当たりが
良く、天然のジュース感覚でのカルシウム補給ができる
液体飲料であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、動植物起源のカルシウ
ム含有化合物を高温焼成した酸化カルシウムや、従来よ
り生体への吸収性が低く、それ単体では効率的な使用が
なされなかった、鉱物起源の炭酸カルシウムなどのカル
シウム化合物に、極めて微量の特定のアミノ酸を配合す
ることにより、生体への吸収性、および骨への沈着性が
著しく優れたカルシウム組成物を、簡単に、しかも、安
価に提供することが可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム含有化合物に、チロシン、プ
    ロリン、バリン、ロイシン、ヒスチジン、セリン、およ
    びグリシンからなる群より選ばれた少なくとも2種以上
    のアミノ酸を配合したことを特徴とするカルシウム組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記アミノ酸の配合割合が、カルシウム
    含有化合物に対して0.005ないし0.2重量%であ
    る請求項1記載のカルシウム組成物。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸のすべてを含む混合物であ
    る請求項1記載のカルシウム組成物。
  4. 【請求項4】 前記カルシウム含有化合物が、貝殻類、
    珊瑚、および骨からなる群より選ばれた少なくとも1種
    を高温焼成した酸化カルシウムである請求項1ないし3
    記載のカルシウム組成物。
  5. 【請求項5】 前記貝殻類が、牡蠣殻である請求項4記
    載のカルシウム組成物。
  6. 【請求項6】 前記カルシウム含有化合物が、炭酸カル
    シウムである請求項1ないし3記載のカルシウム組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    カルシウム組成物を、少なくとも醗酵乳酸を含む水溶液
    に溶解したことを特徴とするカルシウム飲料。
JP3323545A 1991-10-14 1991-12-09 アミノ酸を配合したカルシウム組成物およびそれを含有するカルシウム飲料 Withdrawn JPH05161480A (ja)

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