JPH0516110B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は標準テープカセツトよりは小型な小型
テープカセツトに係り、特に、カセツト筐体の前
面開口部を開閉するガードパネルを閉蓋状態にロ
ツク又はこれを解除するロツク機構を具備したテ
ープカセツトに関するものである。

（従来の技術） ビデオテープレコーダの普及と共に、最近で
は、ビデオカメラとビデオテープレコーダとが一
体となつた、いわゆるカメラ一体型ビデオテープ
レコーダが製作されている。このようなカメラ一
体型ビデオテープレコーダでは、携帯撮影に適す
るように、標準テープカセツトよりも小型な小型
テープカセツトを使用して装置の小型化を計つて
いる。

一方、ビデオテープレコーダに使用される標準
テープカセツトや小型テープカセツトは、記録再
生時に、カセツト筐体に内蔵された磁気テープが
カセツト筐体の前面開口部からカセツト筐体の外
部に引き出されて使用されるものであるが、この
前面開口部には、テープカセツトがビデオテープ
レコーダに装填されていない時に、前面部に張架
された磁気テープを保護するためのガードパネル
が設けられている。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、従来の小型テープカセツトでは、標
準テープカセツトのようなガードパネルを閉蓋状
態にロツクするロツク機構が具備されていないの
で、容易にガードパネルが開蓋して、カセツト筐
体の前面開口部に張架された磁気テープが露出
し、損傷しやすく、特に小型テープカセツトをポ
ケツトなどに入れると、取り出す際にガードパネ
ルが引つ掛つて開蓋しやすい問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点を解決するためカセツト筐
体の前面開口部を開閉するガードパネルをこのカ
セツト筐体の前方両側面に回動自在に軸支し、カ
セツト筐体内に収納した供給リールと巻取リール
とに装架された磁気テープをこのカセツト筐体の
前記前面開口部の左右に配置した供給リール側の
第１のガイドローラ及び巻取リール側の第２のガ
イドローラ間に張架すると共に、前記磁気テープ
を介して前記第２のガイドローラと対向する第３
のガイドローラを前記カセツト筐体の前面側方側
に配置し、前記巻取リール側の前記カセツト筐体
の一側に、前記ガードパネルに形成した係合部と
係合して前記ガードパネルを閉蓋状態にロツクま
たはこれを解除するロツク片からなるロツク機構
を設けた小型テープカセツトであつて、前記ロツ
ク片の先端に形成した可動係止部が前記第３のガ
イドローラの近傍に位置するよう前記ロツク片を
配置した小型テープカセツトを提供するものであ
る。

（実施例） 本発明になる小型テープカセツトの一実施例を
以下図面とともに説明する。第１図は本発明にな
る小型テープカセツトの一実施例を示す平面図で
上ハーフの上板を取り除いた状態を示す図で、第
３図は小型テープカセツトを底板から見た斜視
図、第４図はそのガードパネルのロツク機構及び
ロツク解除機構部を示す斜視図である。

第３図に示すように、小型テープカセツト１に
は、上ハーフ２Ｘと下ハーフ２Ｙとを蓋合せした
カセツト筐体２内に、磁気テープ３を巻回した供
給リール４，巻取リール５が収納されている。さ
らに、このカセツト筐体２の前面開口部６を開閉
するガードパネル７が軸（ピン）８によりカセツ
ト筐体２の両側面２Ａ，２Ｂに回動自在に軸支さ
れ、軸８に嵌挿されたバネ１０（第４図参照）に
より、このガードパネル７は常時閉蓋方向へ付勢
されている。また、上ハーフ２Ｙには、巻取リー
ル５の外周面に形成した歯車５ａをカセツト筐体
２の側面２Ａから外部に臨ませるための切欠部２
Ｚが形成されている。なお、この切欠部２Ｚは上
ハーフ２Ｘ，下ハーフ２Ｙを組立てた時に区画形
成されるものである。

磁気テープ３は左右のガイドローラ９−１，９
−２により案内された状態で前面開口部６を横切
るように張架されており、前記ガードパネル７が
閉蓋することにより外部から保護されるように構
成されている。また、前記磁気テープ３を介して
前記第１のガイドローラ９−１と対向する第４の
ガイドローラ９−４が供給リール４側に配置さ
れ、前記磁気テープ３を介して前記第２のガイド
ローラ９−２と対向する第３のガイドローラ９−
３及び第５のガイドローラ９−５が巻取リール５
側に配置されている。前記第３のガイドローラ９
−３，第４のガイドローラ９−４は、この小型テ
ープカセツト１がビデオテープレコーダやアダプ
タに装填されて、磁気テープ３が第１図中二点鎖
線で示すように引出された時に、この磁気テープ
３を案内するためのガイドローラである。

また、カセツト筐体２の一側面２Ａには、前記
ガードパネル７を閉蓋状態にロツクまたはこれを
解除するロツク機構及びロツク解除機構が設けら
れている。

次に、ロツク機構及びロツク解除機構の構成に
ついて説明する。第４図は、第３図に示す小型テ
ープカセツト１において下ハーフ２Ｙ，巻取リー
ル５を取り除いて示したロツク機構及びロツク片
解除機構の斜視図である。同図に示すように、上
ハーフ２Ｘには、ガードパネル７の回動を阻止ま
たは、これを解除するための弾性変位可能な板状
のロツク片２１が、側面２Ａの内側に配置されて
いる。

このロツク片２１は、例えば、合成樹脂などに
より成型されたものであり、カセツト筐体２の上
記切欠部２Ｚの位置と対応する弾性変位可能な本
体部２１ａと、この本体部２１ａと連設する弾性
変位可能な可動部２１ｂと同本体２１ａの外側面
に形成したロツク解除用突出部２１ｅとより大略
構成されている。ロツク片２１は、その可動部２
１ｂの先端に形成したフツク状の可動係止部２１
ｃがガードパネル７の内側面に形成した係合部７
ａと係合すると共に、本体部２１ａの後端部２１
ｄがカセツト筐体２の後部近傍（誤挿入防止用の
溝１２の近傍）にて上ハーフ２Ｘに形成された支
持部２２、支持ピン２２′に嵌着され、この上ハ
ーフ２Ｘに着脱自在に取付けられている。なお、
前記可動係止部２１ｃは軸８に近接した位置とに
配置され、その可動部２１ｂ（の係止部２１ｃ）
の背面が前記第３のガイドポール９−３に近接し
た位置となる。

さらに、ロツク片２１の本体部２１ａ外側面に
形成したロツク解除用突出部２１ｅガードパネル
７側に近接した位置に穿設された上ハーフ２Ｘの
透孔２３を通じてカセツト筐体２の側面２Ａの面
より所定量突出している。

上述したように、ガードパネル７の係合部７ａ
とロツク片２１の可動係止部２１ｃとの係合によ
り、ガードパネル７が閉蓋状態にロツクされた小
型テープカセツト１をビデオテープレコーダやア
ダプタに装填すると、このロツクが解除される。

次に、小型テープカセツト１のロツク機構及び
ロツク解除機構の動作について第２図Ａ及びＢを
参照しながら説明する。第２図Ａ及びＢはガード
パネルのロツク機構及びロツク解除機構を構成す
るロツク片の動作状態を示す平面図で、第２図Ａ
はガードパネルのロツク状態におけるロツク片を
示す図、第２図Ｂはガードパネルのロツク解除状
態におけるロツク片を示す図である。

小型テープカセツト１をビデオテープレコーダ
やアダプタに装填する場合には、小型テープカセ
ツト１をこれら装置のカセツトホルダ（図示せ
ず）に挿入すると、カセツト筐体２の側面２Ａの
面より突出したロツク解除用突出部２１ｅがカセ
ツトホルダの内壁２５によつて押圧され、ロツク
片２１の可動部２１ｂは第２図Ａに示す状態から
第２図Ｂに示す状態に、すなわちカセツト筐体２
の内側方向に支持ピン２２′に近接した部分を支
点として弾性変位し、ガードパネル７の係合部７
ａとロツク片２１の可動係止部２１ｃの係止状態
が解除され、つまり、ロツクが解除されて、装置
の開蓋機構（図示せず）によつてガードパネル７
は開蓋される。

本発明になる小型テープカセツト１において
は、前記ロツク片２１の先端に形成された可動係
止部２１ｃが前記第３のガイドローラ９−３の近
傍に位置するようにロツク片２１を配置したの
で、ロツク解除時に、第２図Ｂに２点鎖線で示す
ようにロツク片２１の可動係止部２１ｃが所定量
以上可動した場合でも、可動係止部２１ｃの背面
が第３のガイドローラ９−３に当接して阻止され
ることになり、したがつて可動係止部２１ｃが磁
気テープ３に接触して、これを損傷させたり、テ
ープ走行に支障を来たすことはない。

また、装填した小型テープカセツト１をビデオ
テープレコーダやアダプタから取り出すと、これ
ら装置のカセツトホルダの内壁２５によるロツク
片２１への押圧が解かれ、ロツク片２１は自身の
弾性力によつてカセツト筐体２の外側方向に復帰
するとともに、ガードパネル７は軸８を中心とし
て捩りばね１０の付勢力によつて閉蓋方向に回動
させられ、再びガードパネル７の係合部７ａとロ
ツク片２１の可動係止部２１ｃとが係合してガー
ドパネル７は第２図Ｂに示す閉蓋状態にロツクさ
れる。

なお、本実施例では第１図に示すされるよう
に、第２のガイドローラと対向し、かつ、カセツ
ト筐体の前面側方側に配置される第３のガイドロ
ーラを有する巻取リール側のやや広いスペース内
に前記ロツク片を設けることによつて、小型テー
プカセツトの限られたスペースを有効に利用でき
る利点がある。

（発明の効果） 本発明になる小型テープカセツトは、カセツト
筐体の前面開口部を開閉するガードパネルをこの
カセツト筐体の前方両側面に回動自在に軸支し、
カセツト筐体内に収納した供給リールと巻取リー
ルとに装架された磁気テープをこのカセツト筐体
の前記前面開口部の左右に配置した供給リール側
の第１のガイドローラ及び巻取リール側の第２の
ガイドローラ間に張架すると共に、前記磁気テー
プを介して前記第２のガイドローラと対向する第
３のガイドローラを前記カセツト筐体の前面側方
側に配置し、前記巻取リール側の前記カセツト筐
体の一側に、前記ガードパネルに形成した係合部
と係合して前記ガードパネルを閉蓋状態にロツク
またはこれを解除するロツク片からなるロツク機
構を設けた小型テープカセツトであつて、前記ロ
ツク片の先端に形成した可動係止部が前記第３の
ガイドローラの近傍に位置するよう前記ロツク片
を配置したものであるから、この小型テープカセ
ツトがビデオテープレコーダやアダプタに装填さ
れていない不使用時においては、ガードパネルが
閉蓋状態にロツクされるので誤つてガードパネル
が開蓋して磁気テープが露出、損傷することがな
いものとなり、また、小型テープカセツトの前記
装填に際してのロツク解除時に、前記ロツク片の
可動係止部が、万一、所定量以上に可動した場合
でも、第３のガイドローラによつて同第３のガイ
ドローラに案内されてできる磁気テープに接触す
るのを確実に阻止することができ、この磁気テー
プを損傷させたり、テープ走行に支障を来たすこ
とがない効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる小型テープカセツトの一
実施例を示す上ハーフを取り除いた状態の平面
図、第２図Ａ及びＢはガードパネルのロツク機構
及びロツク解除機構を構成するロツク片のロツク
状態及びロツク解除状態のそれぞれを示す平面
図、第３図は小型テープカセツトを底部から見た
斜視図、第４図はそのガードパネルのロツク機構
及びロツク解除機構部を示す斜視図である。 １……小型テープカセツト、７……ガードパネ
ル、７ａ……係合部、９−３……第３のガイドロ
ーラ、２１……ロツク片、２１ａ……本体部、２
１ｂ……可動部、２１ｃ……可動係止部、２１ｄ
……後端部、２１ｅ……ロツク解除用突出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カセツト筐体の前面開口部を開閉するガード
   パネルをこのカセツト筐体の前方両側面に回動自
   在に軸支し、カセツト筐体内に収納した供給リー
   ルと巻取リールとに装架された磁気テープをこの
   カセツト筐体の前記前面開口部の左右に配置した
   供給リール側の第１のガイドローラ及び巻取リー
   ル側の第２のガイドローラ間に張架すると共に、
   前記磁気テープを介して前記第２のガイドローラ
   と対向する第３のガイドローラを前記カセツト筐
   体の前面側方側に配置し、前記巻取リール側の前
   記カセツト筐体の一側に、前記ガードパネルに形
   成した係合部と係合して前記ガードパネルを閉蓋
   状態にロツクまたはこれを解除するロツク片から
   なるロツク機構及びロツク解除機構を設けた小型
   テープカセツトであつて、 前記ロツク片の先端に形成した可動係止部が前
   記第３のガイドローラの近傍に位置するよう前記
   ロツク片を配置したことを特徴とする小型テープ
   カセツト。