JPH05159396A - 磁気光学薄膜およびその製造方法 - Google Patents

磁気光学薄膜およびその製造方法

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JPH05159396A
JPH05159396A JP3349672A JP34967291A JPH05159396A JP H05159396 A JPH05159396 A JP H05159396A JP 3349672 A JP3349672 A JP 3349672A JP 34967291 A JP34967291 A JP 34967291A JP H05159396 A JPH05159396 A JP H05159396A
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JP
Japan
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alloy
magnetic material
ptmnsb
film
magneto
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Pending
Application number
JP3349672A
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English (en)
Inventor
Keizo Higashiyama
恵三 東山
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 PtMnSb合金よりキュリー温度が高く且つ保磁
力が小さい磁性体とPtMnSb合金とを、アルミニウム陽極
酸化多孔質皮膜の微細孔中に順次電解析出させることに
より積層してなる磁気光学薄膜およびその製造方法。 【効果】 本発明における製造方法により作製された磁
気光学薄膜は、θkが大きくオーバーライトが可能であ
るという優れた効果を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録材料として
優れた特性を持つ磁気光学薄膜およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】光磁気記
録材料としては、TbFeCo,GdFeCoなど希土類と遷移金属
の非晶質合金(以下RE−TMと称する)が公知であ
り、実用化もなされているが、このRE−TMには膜酸
化による性能劣化やカー回転角(θk ) が小さいという
欠点がある。θk の大きい材料としてはPtMnSbが公知で
あるが、これは通常の薄膜形成法(例えば真空蒸着、ス
パッタリング等)によって成膜された場合、光磁気記録
材料の必要特性である垂直磁気異方性を持たないという
大きな欠点がある。
【0003】垂直磁気異方性を有するPtMnSb合金薄膜を
得るための方法として、本発明者は、先に、陽極酸化処
理により形成させた多孔質皮膜層を有するアルミニウム
基板を陽極として用い、Pt、MnおよびSbのイオンを含む
電解質溶液中において当該陽極と対抗電極との間に電圧
印加を行ってPtMnSb合金をアルミニウム基板表面上の各
孔中に析出させることにより磁気光学薄膜を製造する方
法を提案した。
【0004】この方法により得られた磁気光学薄膜は、
垂直磁気異方性を有し、かつθk が大きいという利点を
有するが、オーバーライトができないという問題があ
る。即ち、ある情報を新たな情報に書き換えるために
は、古い記録内容を一度消去し、その後で新たに記録を
行う必要があり、記録の高密度化とともに進められてい
る高速化の要求を満足することができない。
【0005】オーバーライトを可能にする方法として
は、例えば、二層膜を利用した光強度変調方式が提案さ
れている(松本広行;オプトロニクス,1989,No
7,P131〜)。これはキュリー温度(TC )が低
く、保磁力(HC )の大きいメモリ層と、TC が低くH
C が小さい補助層の二層とし、照射光強度を変えること
でオーバーライトを可能としたものである。しかし、こ
の二層膜媒体として用いられているのは、RE−TMで
あり、既述した如くカー回転角θk が小さいため、十分
なS/N比を得ることができないという欠点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の如き事情に鑑み、
本発明者は鋭意研究の結果、アルミニウム陽極酸化多孔
質皮膜の微細孔中に、PtMnSb合金よりTC が高く且つH
C が小さい磁性体とPtMnSb合金とを順次積層充填するこ
とにより、θk が大きく且つオーバーライト可能な磁気
光学薄膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、アルミニウム陽極酸化多
孔質皮膜の微細孔中に、PtMnSb合金よりキュリー温度が
高く且つ保磁力が小さい磁性体とPtMnSb合金とを順次積
層してなる磁気光学薄膜、およびその製造方法に係るも
のであり、その製造方法は、陽極酸化処理により形成し
た多孔質皮膜を有するアルミニウム基板を陽極として用
い、PtMnSb合金よりキュリー温度が高く且つ保磁力が小
さい磁性体の構成元素イオンを含む第一の電解質溶液中
において、該陽極と対抗電極との間に電圧印加を行うこ
とによりアルミニウム陽極酸化多孔質皮膜の微細孔中に
該磁性体を析出させ、次いでPt、MnおよびSbイオンを含
む第二の電解質溶液中において同様の電圧印加を行って
PtMnSb合金を微細孔中の該磁性体上に重ねて析出させる
ことを特徴とする。
【0008】上記方法により得られる本発明の磁気光学
薄膜は、PtMnSb合金ならびに、これとはTC およびHC
の異なる磁性体とからなる二層構造を有する結果、レー
ザー光の強度を変えるだけで磁化方向が決められるの
で、オーバーライトが可能となる。しかも、PtMnSb合金
に由来してθk が大きいのでS/N比が大きくとれると
いう利点を有する。
【0009】アルミニウム基板としては、電気用アルミ
ニウムやJIS A 1050P に規定されているアルミニウム等
の純アルミニウムの他、各種のアルミニウム合金、再生
アルミニウム等、種々のアルミニウムからなる基板を用
いることができる。
【0010】アルミニウム基板表面の多孔質皮膜層は、
通常の陽極酸化処理方法、例えばJIS H 9500、JIS H 95
01等に記載された方法により形成することができる。多
孔質陽極酸化皮膜の微細孔径は通常5〜200nm、好
ましくは20〜100nmである。これがあまりにも小
さくなりすぎるとθk が小さくなる傾向にあるので好ま
しくない。
【0011】また、多孔質陽極酸化皮膜の膜厚は微細孔
径の10倍以上が好適である。膜厚がこれよりも薄い場
合には、この微細孔中に充填されたPtMnSb合金が十分な
垂直磁気異方性を持たないおそれがあるので好ましくな
い。従って、当該皮膜の膜厚は好ましくは0.05〜2
0μm、さらに好ましくは0.2〜10μmである。
【0012】第一層として使用する磁性体は、微細孔中
に充填した状態でPtMnSbよりTC が高く且つHC が小さ
いものであれば特に制限はない。但しTC があまり高す
ぎると媒体の熱による劣化の恐れがあるため、TC の範
囲としては好ましくは300〜1000℃、さらに好ま
しくは350〜900℃である。また、HC は低すぎる
と記録が消えてしまう恐れがあるため、HC の範囲とし
ては好ましくは200〜900Oe 、さらに好ましくは
400〜800Oe である。このような材料としては、
Fe、Niあるいはそれらの合金等が特に好適である。
【0013】上記の磁性体を前記アルミニウム陽極酸化
多孔質皮膜の微細孔中に、まず電解析出させるが、それ
には磁性体を構成する元素のイオンを含有する第一の電
解質溶液中で、前記多孔質皮膜を有するアルミニウム基
板を陽極として電解析出を行えばよい。この第一の電解
質溶液は、水溶液、非水溶液のいずれであってもよい
が、水溶液を用いた通常の電解析出法で特に問題はな
い。上記電解液を用いて微細孔内の充填率がほぼ50%
となるまで電解析出処理を行う。当該磁性体とPtMnSb合
金の充填率の比は1:1であることが望ましいが、多少
の違いはあってもよい。
【0014】対抗電極としては従来既知のものを用いれ
ばよく、黒鉛、白金等が挙げられる。また、当該陽極と
対抗電極との間に電圧(直流、交流、パルス波形、ある
いはそれらの組み合わせ等)を印加する場合の条件とし
ては、電圧は通常1〜100V、好ましくは5〜20V
であり、温度は通常5〜60℃、好ましくは10〜30
℃である。
【0015】次いで、このようにして微細孔内に充填さ
れた磁性体の上に、PtMnSb合金を同様の電解析出処理に
より積層する。この時に用いられるPt、MnおよびSbのイ
オンを含む第二の電解質溶液としては、水溶液、非水溶
液のいずれであってもよいが、水溶液の場合、水の電気
分解による水素発生の影響で特にMnの析出率が低下する
場合があるので、一般に非水溶液のほうが好ましい。そ
の際の溶媒としては、Pt、MnおよびSbの各化合物を溶解
してイオン化し得るものであれば特に制限はないが、各
種の極性有機溶媒、就中アルコール類はMnの析出量を増
大する効果があるので特に好ましい。当該電解液を用い
て、前記微細孔内の磁性体の上に、微細孔がほぼ完全に
充填されるまでPtMnSbの電解析出処理を行う。
【0016】本発明において、多孔質陽極酸化皮膜の各
微細孔中に充填されるPtMnSbの組成をPta Mnb Sbc と表
示した場合、当該式中におけるa、bおよびcの各値が
次式およびを満足する組成範囲内であるとき、カー
回転角θk が一般に大きくなるので特に好ましい。 0.1≦a≦1.9、 0.1≦b≦1.9、 0.1≦c≦1.9 但しa+b+c=3 また上記の場合、b:cの比率ができるだけ1:1に近
く、更にはa:b:cの比率ができるだけ1:1:1に
近ければ一層優れた磁気光学特性を有するPtMnSb合金が
得られる。生成するPtMnSb合金の組成は、上記した電解
質溶液中におけるPt、MnおよびSbの各元素化合物の濃度
に左右されるので、各元素化合物の濃度を試行錯誤的に
調節することで所望組成の合金を容易に調製することが
できる。
【0017】このようにして、多孔質陽極酸化皮膜の各
微細孔内にPtMnSbよりTC が高く且つHC の小さい磁性
体とPtMnSb合金とを順次電解析出させて、本発明の磁気
光学薄膜が得られるが、本発明においては、この電解析
出の後に研磨処理および熱処理を行ってもよい。これら
の処理を行うことによってS/N比を更に改善すること
が可能である。研磨と熱処理はどちらを先に行ってもよ
いが、研磨後に歪みが残ってしまう恐れがあるので熱処
理を後に行う方が良い。
【0018】研磨処理の方法としては、例えばエメリー
研磨やバフ研磨等の方法が挙げられる。この研磨処理
は、全ての微細孔内の析出物が表面上に現れるまで、す
なわち、全ての微細孔内のPtMnSbが陽極酸化皮膜と同一
面状になり、且つその表面粗さが0.1μm以下、好ま
しくは0.05μm以下になるまで行うことが望まし
い。なお、この場合第一層より第二層すなわちPtMnSb層
の方が若干厚くなるように析出させ、研磨後に充填比率
が1:1になるようにすることが望ましい。上記の研磨
処理を行う場合には、多孔質陽極酸化皮膜形成の際、そ
の膜厚を厚めにしておくことが望ましい。
【0019】熱処理方法としては、例えば誘導加熱法、
高周波加熱法、電子ビーム加熱法等の方法が挙げられる
が、これは真空中あるいはアルゴンガス等の不活性ガス
や水素などの非酸化性雰囲気下で行うことが望ましい。
熱処理の際の温度は、通常200〜600℃、好ましく
は300〜500℃である。また、加熱時間は通常1時
間以上、好ましくは5〜10時間である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例を
挙げるが、本発明はこれら実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0021】実施例1 純度99.99%アルミニウム板の表面を鏡面状に研磨
し、エッチング後、15wt% H2SO4中で陽極酸化処理を
行い、平均孔径50nm、平均膜厚4μmの多孔質皮膜
を形成した。次に、硫酸鉄10g/l 、ホウ酸20g/l 、
グリセリン2g/l を含む電解液を用いて電解析出処理を
行い、微細孔内の充填率がほぼ40%となるまでFeを析
出させた。次いで、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物
4g/l 、塩化マンガン(II)四水和物5g/l 、および塩
化アンチモン(III) 1g/l を含む電解液を用いて、上記
の微細孔内のFeの上に、微細孔がほぼ完全に充填される
までPtMnSb合金を電解析出させた。この皮膜表面を膜厚
の20%程度研磨し、アルゴンガス雰囲気で450℃、
5時間熱処理を施した。
【0022】このようにして得られた本発明の磁気光学
薄膜は、図1に示すような構造を有するものである。す
なわち、アルミニウム板1上の多孔質皮膜2の微細孔中
に、PtMnSb合金よりTC が高く且つHC が小さい磁性体
3(実施例1においてはFe)とPtMnSb合金4を順次積層
させた構造を有する。
【0023】上記実施例1の磁気光学薄膜におけるFeの
C は770℃、HC は500Oe であり、PtMnSb合金
のTC は200℃、HC は1000Oe であった。
【0024】この磁気光学薄膜についてPtMnSb合金側か
らレーザー光を照射して昇温させ、媒体温度770℃、
印加磁界300Oe の条件下で記録を行ったときの1回
目の記録再生特性は、C/N比(30kHz狭帯域S/
N比)が60dBと良好な値を示し、また波長633n
mの光によるθk は1.7°であり、PtMnSbのみを電析
した場合(1.6°)より高い値が得られた。またオー
バーライトを行ったところ、C/N比は57dBであ
り、1回目とほぼ同等の値を示し、θk は変わらなかっ
た。この特性は、以後オーバーライトを数回繰り返して
も衰えることはなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明における製造方法により作製され
た磁気光学薄膜は、θk が大きくオーバーライトが可能
であるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気光学薄膜の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 多孔質皮膜 3 PtMnSb合金よりTC が高く且つHC が小さい磁性体 4 PtMnSb合金
【表1】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム陽極酸化多孔質皮膜の微細
    孔中に、PtMnSb合金よりキュリー温度が高く且つ保磁力
    が小さい磁性体とPtMnSb合金とを順次積層してなる磁気
    光学薄膜。
  2. 【請求項2】 陽極酸化処理により形成した多孔質皮膜
    を有するアルミニウム基板を陽極として用い、PtMnSb合
    金よりキュリー温度が高く且つ保磁力が小さい磁性体の
    構成元素イオンを含む第一の電解質溶液中において、該
    陽極と対抗電極との間に電圧印加を行うことにより、ア
    ルミニウム陽極酸化多孔質皮膜の微細孔中に該磁性体を
    析出させ、次いでPt、MnおよびSbイオンを含む第二の電
    解質溶液中において同様の電圧印加を行ってPtMnSb合金
    を微細孔中の該磁性体上に重ねて析出させることを特徴
    とする磁気光学薄膜の製造方法。
JP3349672A 1991-12-06 1991-12-06 磁気光学薄膜およびその製造方法 Pending JPH05159396A (ja)

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