JPH0515933A - プレス装置の板状ワークの定寸送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］１個の電動モータを定寸送り幅に応じて駆動制
御することにより、第１および第２のチャック相互を反
対の方向へ移動するようにして板状ワークをプレス装置
へ送り込むとともに引き出して板状ワークを確実に定寸
送りすることができる。 ［構成］プレス装置の搬入側と搬出側にわたる長さの本
体フレームの両端部に設けられ、一方が電動モータに連
結された一対のプーリにベルトを張設する。本体フレー
ムの長手方向方向へ移動可能に支持され、板状ワークを
クランプする第１のチャックをプーリ間にわたる一方に
位置するベルトに、また第２のチャックを他方に位置す
るベルトに夫々固定する。電動モータを定寸送り幅に応
じて駆動することにより走行するベルトにより第１およ
び第２のチャック相互を、反対の方向へ移動させてプレ
ス装置に板状ワークを定寸送りする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、所定の長さに定尺切
断された板状ワークをプレス装置へ所定のピッチごとに
定寸送りするプレス装置におけるワークの定寸送り装置
に関する。

【０００２】

【従来技術】予め所定の長さに定尺切断された板状ワー
ク（本発明において板状ワークとは、板状および偏棒材
の金属材、プリント基板などの合成樹脂板、シート材な
どをも含む。）をプレス装置へ定寸送りして所望の型の
製品を打ち抜く場合、板状ワークの搬送方向後端部にあ
ってはこの板状ワークを保持するチャック部材がプレス
装置の金型およびダイに干渉するため、板状ワークの後
端部の保持状態を維持することが不可能であった。

【０００３】このため、このような板状ワークにあって
は、後端部にある程度の未加工部分を残したまま、廃棄
されており、材料歩留まりが悪かった。

【０００４】この欠点を解決するため、従来のプレス装
置は、その搬入側と搬出側にロールフィルダーなどの定
寸送り装置を夫々取り付け、板状ワークの前端部を定寸
送りする場合には搬入側の送り装置により板状ワークを
プレス装置へ送入し、また板状ワークの後端部を定寸送
りする場合には搬出側の送り装置によりプレス装置から
板状ワークを引き出して定寸送りしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにプレス装置の搬入側および搬出側に取り付けら
れた夫々の定寸送り装置により板状ワークを定寸送りす
る場合、板状ワークが両方の定寸送り装置にクランプさ
れている際にはその送り量が一致するように夫々の定寸
送り装置を同期駆動しなければならないが、両方を完全
同期させること自体が困難であるとともに制御装置が複
雑化して高コスト化する問題を有している。

【０００６】本発明は、上記した従来の欠点を解決する
ために発明されたものであり、その目的とするところ
は、定尺切断された板状ワークを高い位置精度でプレス
装置へ定寸送りして材料歩留まりを向上することができ
るとともに装置自体を低コスト化することが可能なプレ
ス装置の板状ワークの定寸送り装置を提供することにあ
る。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】このため本発明は、フ
レームに取り付けられたダイと、ダイに向かって移動可
能に支持され、ダイとの対向面にプレス金型が取り付け
られたスライダーとからなるプレス装置に対し、定尺切
断された板状ワークを所定ピッチづづ移送する定寸送り
装置において、ダイの搬入側と搬出側とにわたって延出
する本体フレームの両端部に夫々回転するように取り付
けられた一対のプーリに張設されたベルトと、本体フレ
ームに対して長手方向へ移動するように支持され、夫々
の一部がベルトの上部および下部に固定された第１およ
び第２の可動部材と、第１および第２の可動部材に対し
てダイの上面とほぼ一致するように取り付けられた夫々
のアームに設けられ、供給された板状ワークを挟持する
第１および第２のチャックとからなることを特徴として
いる。

【０００８】

【発明の作用】本発明は上記のように構成されるため、
１個の電動モータを定寸送り幅に応じて駆動すると、前
端がダイ上に位置した板状ワークをクランプし、本体フ
レームの一方端部に位置した第１のチャックをダイに向
かって定寸応じた距離で移動させる。これによりダイに
対して板状ワークが打ち抜かれる製品の幅に応じて定寸
送りされる。

【０００９】そして電動モータを定寸幅に応じて往復駆
動するとともにチャックをクランプおよびアンクランプ
作動させることによりダイの搬入側に位置した第１のチ
ャックを定寸幅に応じて往復移動させ、板状ワークを定
寸送りさせる。

【００１０】次に第１のチャックが板状ワークの後端部
に位置したとき、ダイの搬出側に移動した第２のチャッ
クにより板状ワークをクランプするとともに電動モータ
を定寸幅に応じて駆動制御することによりダイから板状
ワークを定寸づつ引き出して製品が打ち抜かれた板状ワ
ークを排出する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明
する。

【００１２】第１図はプレス装置に板状ワークの定寸送
り装置を取り付けた状態を示す斜視図、第２図は板状ワ
ークの定寸送り装置の構造を示す略体斜視図である。

【００１３】プレス装置１は、従来周知のようにフレー
ム３の下部にダイ５が取り付けられ、ダイ５の上方に応
じたフレーム３にはスライダー７が上下方向へ移動可能
に支持されている。

【００１４】そしてダイ５と対向するスライダー７には
金型９が取り付けられている。

【００１５】プレス装置１の正面には定寸送り装置１１
が、ダイ５の搬入側および搬出側にわたって延びるよう
に取り付けられている。

【００１６】定寸送り装置１１の本体フレーム１３はダ
イ５の両側の搬入側と搬出側とにわたって延びる長さの
中空四角柱形状からなり、本体フレーム１３の両端部に
は一対のプーリ１５が回転可能に支持されている。そし
てプーリ１５には、ベルト１７が張設されている。

【００１７】一方のプーリ１５にはサーボモータなどの
電動モータ１９が連結されている。

【００１８】本体フレーム１３の上面にはレール２１が
長手方向へ延びるように取り付けられ、レール２１には
第１および第２の可動部材としての第１および第２のス
ライダー２３・２５が長手方向へ移動可能に支持されて
いる。

【００１９】一対のプーリ１５間に位置するベルト１７
の上部および下部に応じた本体フレーム１３には長孔１
３ａ・１３ｂが、中心部より各端部に延びるように形成
されている。そして第１のスライダー２３はベルト１７
の上部に対して長孔１３ａを挿通して固定されている。
また、第２のスライダー２５はベルト１７の下部に対し
て長孔１３ｂを挿通して固定されている。

【００２０】第１および第２のスライダー２３・２５に
は取り付けアーム２７・２９が、ダイ５の上面とほぼ一
致し、かつ板状ワーク３１の搬送面へ延出するように夫
々取り付けられている。

【００２１】各取り付けアーム２７・２９には第１およ
び第２のチャック３３・３５が、板状ワーク３１をクラ
ンプするように取り付けられている。この第１および第
２のチャック３３・３５は内蔵された電磁ソレノイド
（図示せず）によりチャック爪３３ａ・３５ａを開閉駆
動して板状ワーク３１をクランプする。

【００２２】次に、上記のように構成された定寸送り装
置１１の作用を説明する。

【００２３】第３図は板状ワークのクランプ初期状態を
示す説明図、第４図は第１のチャックがダイの搬入側に
至る定寸送り状態を示す説明図、第５図はダイの搬入側
における定寸送り状態を示す説明図、第６図は第１のチ
ャックから第２のチャックに持ち換えた状態を示す説明
図、第７図は第２のチャックによる定寸送り状態を示す
説明図である。

【００２４】先ず、定寸送りの初期にあっては、第１お
よび第２のチャック３３・３５は本体フレーム１３の両
端側へ夫々移動されている。そして所定の長さに切断さ
れた板状ワーク３１が、その先端部がダイ５上に位置す
る状態で供給されると、第３図に示すように本体フレー
ム１３の一方端部に位置した第１のチャック３３は電磁
ソレノイドの駆動により板状ワーク３１をクランプす
る。なお、このとき第２のチャック３５はアンクランプ
状態になっている。

【００２５】上記動作後に、打ち抜かれる製品（図示せ
ず）の幅に応じて電動モータ１９が順次駆動されると、
第４図に示すようにベルト１７は定寸送り幅に応じて所
定の方向へ順次走行して板状ワーク３１をクランプした
第１のチャック３３をダイ５の搬入側に向かって定寸送
りさせる。このとき、板状ワーク３１の定寸送り動作と
同期して移動されるスライダー７により板状ワーク３１
から製品が打ち抜かれる。

【００２６】上記動作により第１のチャック３３がダイ
５の搬入側へ移動されると、第５図に示すように第１の
チャック３３は板状ワーク３１をアンクランプしたの
ち、定寸送り幅に応じて逆転駆動される電動モータ１９
によりダイ５から定寸幅に応じて離間した位置へ戻され
た後、板状ワーク３１を再びクランプし、次に定寸送り
幅に応じて駆動される電動モータ１９によりダイ５の搬
入側へ移動される。この動作の繰返しにより板状ワーク
３１が定寸送りされる。

【００２７】上記動作にともなって第１のチャック３３
による板状ワークのクランプ位置が後端部に達したと
き、第６図に示すように板状ワーク３１のクランプを第
１のチャック３３から第２のチャック３５に切換える。

【００２８】次に、定寸送り幅に応じて電動モータ１９
が順次逆転駆動されると、第７図に示すように第２のチ
ャック３５は本体フレーム１３の他端部に向かって定寸
移動し、クランプした板状ワーク３１の後端部を引き出
しながらダイ５に対して定寸送りしたのち、本体フレー
ム１３の他端部側へ搬出する。

【００２９】このように本実施例は、１個の電動モータ
１９をシーケンシャルに駆動制御することにより、板状
ワーク３１をクランプした第１のチャック３３をダイ５
に向かって定寸移動させて板状ワーク３１を定寸幅づつ
送り込んだのち、板状ワーク３１をクランプした第２の
チャック３５を本体フレーム１３の他端部に向かって定
寸幅に応じて順次移動させて板状ワーク３１を定寸幅づ
つ引き出して定寸送りすることができる。

【００３０】

【発明の効果】このため本発明は、定尺切断された板状
ワークを高い位置精度でプレス装置へ定寸送りすること
ができるとともに装置自体を低コスト化することが可能
なプレス装置の板状ワークの定寸送り装置を提供するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレス装置に板状ワークの定寸送り装置を取り
付けた状態を示す斜視図である。

【図２】板状ワークの定寸送り装置の構造を示す略体斜
視図である。

【図３】板状ワークのクランプ初期状態を示す説明図で
ある。

【図４】第１のチャックがダイの搬入側に至る定寸送り
状態を示す説明図である。

【図５】ダイの搬入側における定寸送り状態を示す説明
図である。

【図６】第１のチャックから第２のチャックに持ち換え
た状態を示す説明図である。

【図７】第２のチャックによる定寸送り状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

１：プレス装置 ３：フレーム ５：ダイ ７：スライダー ９：金型 １１：定寸送り装置 １３：本体フレーム １５：プーリ １７：ベルト ２３・２５：第１および第２の可動部材としての第１お
よび第２のスライダー ３１：板状ワーク ３３・３５：第１および第２のチャック

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームに取り付けられたダイと、ダイに
   向かって移動可能に支持され、ダイとの対向面にプレス
   金型が取り付けられたスライダーとからなるプレス装置
   に対し、定尺切断された板状ワークを所定ピッチづづ移
   送する定寸送り装置において、ダイの搬入側と搬出側と
   にわたって延出する本体フレームの両端部に夫々回転す
   るように取り付けられた一対のプーリに張設されたベル
   トと、本体フレームに対して長手方向へ移動するように
   支持され、夫々の一部がベルトの上部および下部に固定
   された第１および第２の可動部材と、第１および第２の
   可動部材に対してダイの上面とほぼ一致するように取り
   付けられた夫々のアームに設けられ、供給された板状ワ
   ークをクランプする第１および第２のチャックとからな
   ることを特徴とする板状ワークの定寸送り装置。
2. 【請求項２】先端部がダイ上に搬入された板状ワークを
   チャッキングした第１のチャックを製品の打ち抜き幅に
   応じて順次定寸送りしてダイの搬入側へ移動させ、次に
   板状ワークをクランプおよびアンクランプするとともに
   第１のチャックをダイの搬入側にて定寸送り幅に応じて
   往復移動しながら板状ワークを定寸送りした後、板状ワ
   ークに対する第１のクランプ位置が後端から所定の距離
   に位置したとき、ダイの搬出側にて板状ワークをクラン
   プした第２のチャックを本体フレームの他方端部に向か
   って定寸送りするように電動モータを駆動制御する制御
   装置を備えた請求項１の板状ワークの定寸送り装置。