JPH051569U - シートスライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】一対のレールユニットのそれぞれのロック装置
を、剛体である一の操作レバーで操作可能に連結すると
ともに、一対のレールユニットの一方と他方とを、重量
増加を招くことなく、それぞれ据付部位の高所と低所と
に安定に固定できる。 【構成】一対のレールユニットの一方１０ａと他方１０
ｂとを、それぞれ据付部位の高所Ｂと低所Ｃとに固定
し、高さの異なる両レールユニット１０ａ，１０ｂのロ
ック装置４０ａ，４０ｂの係脱部材４１を、高低差を解
消するリンク部材６０によって、剛体である一の操作レ
バー５０で操作可能に連結する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車体側のレールと、該車体側のレールに移動可能に嵌合する座席側 のレールとによりレールユニットを構成し、一対のレールユニットを相互に並行 に配して成り、一対のレールユニットの各々にロック装置を装着し、剛体である 一の操作レバーで、前記各々のロック装置のロック解除が可能なシートスライド 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のシートスライド装置としては、例えば、図５および図６に示す ようなものがある。

【０００３】 すなわち、シートスライド装置を構成する一対のレールユニット１ａ，１ｂは 、車体フロアの据付部位に相互に並行に配設され、一方のレールユニット１ａは 、据付部位の高所に固定され、他方のレールユニット１ｂは据付部位の低所に、 高さをかせぐ支持ブラケット３を介して固定され、それにより、両レールユニッ ト１ａ，１ｂは同程度の高さに配設されている。

【０００４】 一対のレールユニット１ａ，１ｂの各々には、ロック装置５，５が装着されて おり、ロック装置５は、レールユニットの車体側のレール２と座席側のレール３ とを移動不能に拘束するロック位置と、ロック解除位置とに揺動可能な係脱部材 ５ａを具備して成り、両方の係脱部材５ａ，５ａは、剛体である一の操作レバー ６で同期して揺動可能に連結されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のシートスライド装置では、剛体である一の操 作レバーで、一対のレールユニット１ａ，１ｂのそれぞれのロック装置５の係脱 部材５ａを揺動操作すべく、両レールユニット１ａ，１ｂの高さを揃える必要が あり、低所に配設するレールユニット１ｂを、支持ブラケット３により持ち上げ るよう固定するから、構造的に不安定であり、支持ブラケット３が大型となって 重量が増すという問題点があった。

【０００６】 本考案は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、一対のレール ユニットのそれぞれのロック装置を、剛体である一の操作レバーで操作可能に連 結するとともに、一対のレールユニットの一方と他方とを、重量増加を招くこと なく、それぞれ据付部位の高所と低所とに安定に固定できるシートスライド装置 を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するための要旨とするところは、 車体側のレールと、該車体側のレールに移動可能に嵌合する座席側のレールと によりレールユニットを構成し、一対のレールユニットを相互に並行に配して成 り、一対のレールユニットの各々にロック装置を装着し、剛体である一の操作レ バーの揺動によって、前記各々のロック装置のロック解除が可能なシートスライ ド装置において、 前記一対のレールユニットは、一方のレールユニットを据付部位の高所に固定 し、他方のレールユニットを据付部位の低所に固定して、前後方向に対して相互 に並行に配して成り、 前記ロック装置は、前記レールユニットの車体側のレールと座席側のレールと を移動不能に拘束するロック位置と、ロック解除位置とに変位可能な係脱部材を 具備して成り、 前記操作レバーの両端部を、該操作レバーの揺動中心となる略水平に延びる枢 軸上に形成し、該操作レバーの一端部を、前記高所および低所の一方のレールユ ニット側の係脱部材に操作可能に連結する一方、前記操作レバーの他端部を、前 記高所および低所の他方のレールユニット側の係脱部材に、上下方向に延びるリ ンク部材を介して操作可能に連結したことを特徴とするシートスライド装置に存 する。

【０００８】

【作用】

シートスライド装置を構成する一対のレールユニットは、車体フロアなど据付 部位の段差に対応するように、一方のレールユニットを据付部位の高所に固定し 、他方のレールユニットを据付部位の低所に固定して、前後方向に対して相互に 並行に配設する。

【０００９】 それぞれのレールユニットに、車体側のレールに対して座席側のレールを移動 不能に拘束するロック機構を装着する。ロック機構は、ロック位置とロック解除 位置とに変位可能な係脱部材を具備して成る。

【００１０】 各々のロック装置の係脱部材には、剛体である一の操作レバーの揺動によって ロック解除ができるように、該操作レバーの両端部を連結する。操作レバーの両 端部は、該操作レバーの揺動中心となる略水平に延びる枢軸上にそれぞれ形成す る。

【００１１】 この場合に、操作レバーの揺動中心を有す一端部を、前記高所および低所の一 方のレールユニット側の係脱部材に操作可能に連結する一方、同じく操作レバー の揺動中心を有する他端部を、前記高所および低所の他方のレールユニット側の 係脱部材に、リンク部材を介して操作可能に連結する。

【００１２】 リンク部材を、低所に固定するレールユニット側の係脱部材に連結する場合に は、該リンク部材を係脱部材の上方に延ばすよう連結し、一方、リンク部材を、 高所に固定するレールユニット側の係脱部材に連結する場合には、該リンク部材 を係脱部材の下方に延ばすよう連結する。

【００１３】 リンク部材により、据付部位の高さの異なる一対のレールユニットの高低差を 解消するできるから、一の操作レバーの揺動によって、各々のロック装置の係脱 部材を、同期して、ロック位置とロック解除位置とに変位させてロック解除操作 が可能となる。

【００１４】

【実施例】

以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明する。 図１から図４は本考案の一実施例を示している。 図１および図４に示すように、シートスライド装置１０は一対のレールユニッ ト１０ａ，１０ｂが、段差のある車体フロアに相互に並行に配設されて成る。

【００１５】 各レールユニット１０ａ，１０ｂは、据付部位である車体フロアＡにレッグ部 材１５，１６を介して固設される車体側のレール２０と、車体側のレール２０に 前後移動可能に嵌合する座席側のレール３０とから成る。一方のレールユニット １０ａは、段差のある車体フロアＡの高所Ｂに据え付けられており、他方のレー ルユニット１０ｂは、車体フロアＡの低所Ｃに据え付けられている。

【００１６】 レールユニット１０ａ，１０ｂを構成する車体側のレール２０は両側壁２１， ２２を有する略Ｕ字形の溝状断面の溝部２３を備え、両側壁２１，２２の上端縁 には、それぞれ外方へ折曲して下方へ延びる略垂直な側縁２４，２５が延設され ている。一対のレールユニット１０ａ，１０ｂの内側に位置する側縁２５の下端 には、長手方向へ係合凸部２５ａが多数連設されている。

【００１７】 座席側のレール３０は、溝状断面に形成され、両側壁３１，３２と天井部３３ とを有している。両側壁３１，３２の下端縁には、内側へ折曲して上方へ延び、 側縁２４，２５を包む抱持フランジ３４が延設されている。

【００１８】 図１および図４に示すように、一対のレールユニット１０ａ，１０ｂには、車 体側のレール２０の係合凸部２５ａに選択的に嵌合し、座席側のレール３０を所 望位置に移動不能に拘束するロック装置４０ａ，４０ｂがそれぞれ配設されてい る。

【００１９】 各ロック装置４０ａ，４０ｂは、車体側のレール２０に対して座席側のレール ３０を移動不能に拘束するロック位置と、ロック解除位置とに揺動可能な係脱部 材４１を具備して成る。係脱部材４１は、車体側のレール２０の係合凸部２５ａ に係脱すべく、座席側のレール３０の側壁３２から側方へ突出した突起部３２ａ に揺動可能に支持されている。

【００２０】 それぞれの係脱部材４１の後端部には、係合凸部２５ａに嵌合可能な嵌合孔４ ２が穿設されている。また、一方の係脱部材４１の前端部には、略Ｕ字形の操作 レバー５０の一方の端部５１が固結され、他方の係脱部材４１の前端部には、リ ンク部材６０を介して、操作レバー５０の他方の端部５２が押引き可能に連結さ れている。

【００２１】 操作レバー５０の一方の端部５１は、高所Ｂのロック装置４０ａの係脱部材４ １の前端部と一体的となり、係脱部材４１の前端部側にある揺動中心が操作レバ ー５０の揺動中心である枢軸と成っている。

【００２２】 操作レバー５０の枢軸上にある他方の端部５２は、その基端側において段付リ ベット５３を介して、支持ブラケット５４に枢支されている。支持ブラケット５ ４は、低所Ｃに固定したレールユニット１０ｂの座席側のレール３０の天井部３ ３に固設されている。

【００２３】 図２および図３に示すように、リンク部材６０の上端は、リベット５５を介し て操作レバー５０の端部５２の基端側に枢着されており、リンク部材６０の下端 は、段付リベット５３を介して、低所Ｃのロック装置４０ｂの係脱部材４１の前 端部に枢着されている。

【００２４】 さらに詳しく言えば、段付リベット５３の段部５３ａは、リンク部材６０の下 端の枢支孔６１に、図３に示すようにリベットの軸線方向に対して摺動可能に嵌 合しており、段付リベット５３の先端部５３ｂは、係脱部材４１の前端部の上下 方向に延びる長孔４３に、上下に移動可能に嵌合している。

【００２５】 操作レバー５０の両端部５１ ，５２からそれぞれ前方へ延ばされた前端部 は、相互に対向するように略直角に折曲されて、前後方向に対して直角で略水平 に連なる操作部５０ａを成している。操作レバー５０の各端部５１，５２を下方 向へ付勢すべく、側壁３２側の突起部３２ａと係脱部材４１とには、ばね部材５ ６が架設されている。

【００２６】 次に作用を説明する。 図１に示すように、一対のレールユニット１０ａ，１０ｂのそれぞれの車体側 のレール２０は、車体フロアＡにおける据付部位の段差に対応するように、一方 のレールユニット１０ａの車体側のレール２０を据付部位の高所Ｂに固定し、他 方のレールユニット１０ｂの車体側のレール２０を据付部位の低所Ｃに固定して 、前後方向に対して相互に並行に配設する。

【００２７】 それぞれのレールユニット１０ａ，１０ｂには、車体側のレール２０に対して 座席側のレール３０を移動不能に拘束するロック機構４０ａ，４０ｂを装着する 。ロック機構４０ａ，４０ｂは、ロック位置とロック解除位置とに揺動可能な係 脱部材４１を具備して成る。係脱部材４１は、車体側のレール２０の係合凸部２ ５ａに係脱すべく、座席側のレール３０の側壁３２から側方へ突出した突起部３ ２ａに揺動可能に支持する。

【００２８】 各々のロック装置４０ａ，４０ｂの係脱部材４１には、剛体である一の操作レ バー５０の揺動によってロック解除ができるように、操作レバー５０の両端部５ １，５２を連結する。操作レバー５０は、図示したように、パイプ部材を略Ｕ字 形に折曲し、その中央付近を前後方向に対して直角で略水平に連なる操作部５０ ａしと、両端部５１，５２を、操作レバー５０の揺動中心となる略水平に延びる 枢軸上に延ばすよう形成する。

【００２９】 図１に示すように、操作レバー５０の一方の端部５１を、据付部位の高所Ｂの ロック装置４０ａの係脱部材４１に操作可能に固結する一方、操作レバー５０の 他方の端部５２を、据付部位の低所Ｃのロック装置４０ｂの係脱部材４１に、リ ンク部材６０を介して押引き可能に連結する。

【００３０】 操作レバー５０の一方の端部５１は、高所Ｂのロック装置４０ａの係脱部材４ １の前端部と一体的となり、その係脱部材４１を高所Ｂのレールユニット１０ａ 座席側のレール３０の突起部３２ａに揺動可能に支持する。操作レバー５０の他 方の端部５２は、低所Ｃに固定したレールユニット１０ｂ側の座席側のレール３ ０に固設した支持ブラケット５４に揺動可能に支持する。それにより、操作レバ ー５０の揺動中心と枢軸は略水平に延びるように形成される。

【００３１】 図２に示すように、リンク部材６０の上端は、リベット５５を介して操作レバ ー５０の端部５２の基端側に枢着し、一方、リンク部材６０の下端は、段付リベ ット５３を介して、低所Ｃのロック装置４０ｂの係脱部材４１の前端部に枢着す る。

【００３２】 リンク部材６０により、据付部位の高さの異なる一対のレールユニット１０ａ ，１０ｂの高低差を解消するできるから、略水平に延びる枢軸を有する操作レバ ー５０の揺動によって、上下位置の異なる各々のロック装置４０ａ，４０ｂの係 脱部材４１を、同期して、ロック位置とロック解除位置とに揺動させてロック解 除操作が可能となる。

【００３３】 また、図３に示すように、リンク部材６０の下端の枢支孔６１には、段付リベ ット５３の段部５３ａがリベットの軸線方向に対して摺動可能に嵌合し、一方、 段付リベット５３の先端部５３ｂは、係脱部材４１の前端部の長孔４３に上下移 動可能に嵌合するから、シートスライド装置１０の取付時に、操作レバー５０の 厚みや車体フロアＡの据付部位の段差などのバラツキをある程度吸収することが できる。

【００３４】 図４に示すように、レールユニット１０ａにおいて、ロック装置４０ａ，４０ ｂの係脱部材４１がロック位置にある際には、車体側のレール２０の係合凸部２ ５ａに係脱部材４１の嵌合孔４２が嵌合しており、座席側のレール３０が車体側 のレール２０に対して前後移動不能に拘束されている。すなわち、一対のレール ユニット１０ａ，１０ｂの各ロック装置４０ａ，４０ｂはロック状態にある。

【００３５】 座席の前後位置を調節すべく、操作レバー５０の操作部５０ａをばね部材５８ の付勢力に抗して上方向へ引き上げると、操作レバー５０が、高所Ｂのレールユ ニット１０ａ側の突起部３２ａと、低所Ｃのレールユニット１０ｂ側の支持ブラ ケットの枢支点とを結んだ略水平方向に延びる枢軸を中心として揺動する。

【００３６】 それにより、ロック装置４０ａの係脱部材４１がロック解除位置に変位し、嵌 合孔４２が車体側のレール２０の係合凸部２５ａから外れて、レールユニット１ ０ａは、その座席側のレール３０が前後移動可能な状態となる。

【００３７】 同時に、ロック装置４０ｂの係脱部材４１も、リンク部材６０を介して上方へ 変位してロック解除位置になり、係脱部材４１の嵌合孔４２が車体側のレール２ ０の係合凸部２５ａから外れ、レールユニット１０ｂもその座席側のレール３０ が前後移動可能な状態となる。

【００３８】 座席側のレール３０を前後移動させて所望の位置にし、操作レバー５０から手 を離せば、ばね部材５８により操作レバー５０は上方に揺動し、係脱部材４１が 車体側のレール２０の係合凸部２５ａに嵌合する。それにより、座席側のレール ３０が移動不能に拘束され、レールユニット１０ａ，１０ｂが共に前後移動不能 な状態となる。

【００３９】 なお、前記実施例に係るシートスライド装置１０では、リンク部材６０を、低 所Ｃに固定するレールユニット１０ｂ側のロック装置４０ｂの係脱部材４１に上 方に延ばすよう連結したが、逆の態様として、リンク部材６０を、高所Ｂに固定 するレールユニット１０ａ側のロック装置１０ａ係脱部材４１に下方に延ばすよ う連結してもよい。

【００４０】

【考案の効果】

本考案にかかるシートスライド装置によれば、一対のレールユニットの一方と 他方とを、それぞれ据付部位の高所と、低所とに安定に固定することができ、高 さの異なる両レールユニットのロック装置の係脱部材を、高低差を解消するリン ク部材によって、剛体である一の操作レバーで操作可能に連結したから、重量増 加を招くことなく、一対のレールユニットを据付部位に安定な構造での据え付け が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案であるシートスライド装置の一実施例を
示す分解斜視図である。

【図２】本考案であるシートスライド装置の一実施例の
リンク部材を示す正面図である。

【図３】本考案であるシートスライド装置の一実施例の
リンク部材を示す側面図である。

【図４】本考案であるシートスライド装置の一実施例の
レールユニットを示す斜視図である。

【図５】従来例をシートスライド装置を示す斜視図であ
る。

【図６】従来例をシートスライド装置を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１０…シートスライド装置 １０ａ，１０ｂ…レールユニット ２０…車体側のレール ３０…座席側のレール ４０ａ，４０ｂ…ロック装置 ４１…係止部材 ５０…操作レバー ５３…段付リベット ６０…リンク部材

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】車体側のレールと、該車体側のレールに移
   動可能に嵌合する座席側のレールとによりレールユニッ
   トを構成し、一対のレールユニットを相互に並行に配し
   て成り、一対のレールユニットの各々にロック装置を装
   着し、剛体である一の操作レバーの揺動によって、前記
   各々のロック装置のロック解除が可能なシートスライド
   装置において、前記一対のレールユニットは、一方のレ
   ールユニットを据付部位の高所に固定し、他方のレール
   ユニットを据付部位の低所に固定して、前後方向に対し
   て相互に並行に配して成り、前記ロック装置は、前記レ
   ールユニットの車体側のレールと座席側のレールとを移
   動不能に拘束するロック位置と、ロック解除位置とに変
   位可能な係脱部材を具備して成り、前記操作レバーの両
   端部を、該操作レバーの揺動中心となる略水平に延びる
   枢軸上に形成し、該操作レバーの一端部を、前記高所お
   よび低所の一方のレールユニット側の係脱部材に操作可
   能に連結する一方、前記操作レバーの他端部を、前記高
   所および低所の他方のレールユニット側の係脱部材に、
   上下方向に延びるリンク部材を介して操作可能に連結し
   たことを特徴とするシートスライド装置。