JPH05155872A - エポキシ化反応粗液の水洗方法 - Google Patents

エポキシ化反応粗液の水洗方法

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JPH05155872A
JPH05155872A JP32172491A JP32172491A JPH05155872A JP H05155872 A JPH05155872 A JP H05155872A JP 32172491 A JP32172491 A JP 32172491A JP 32172491 A JP32172491 A JP 32172491A JP H05155872 A JPH05155872 A JP H05155872A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】有機過酸を用いてエポキシ化を行った反応粗液
から有機酸および有機過酸を除去する方法において、排
水面での問題をおこさず、しかも目的生成物のロスを抑
える反応粗液の精製方法を開発すること。 【構成】有機過酸を用いてエポキシ化を行った反応粗液
から抽剤として水を使用することにより有機酸および有
機過酸を除去する方法に於いて、有機層と水層との接触
時間の短い装置を用いる反応粗液の水洗方法。 【効果】有機層と水層との接触時間の短い装置を用いる
ことにより、有機酸や水とエポキシ化合物の反応を非常
に小さくすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ化反応粗液の水
洗方法に関する。本発明によって、製造されるエポキシ
基を有する生成物は、樹脂の原料として重要な化合物で
ある。
【0002】
【従来の技術】これまでに、有機過酸を用いてエポキシ
化を行った反応粗液の精製方法として、(1) 蒸留による
精製方法:生成物が熱に対して比較的安定である場合
は、蒸留に よって精製する方法が一般的に用いられて
いる。
【0003】(2) 水洗による精製方法:反応粗液中に有
機酸や有機過酸が存在するので、反応粗液を蒸留すると
エポキシ化合物が重合したり副反応を起こすことが多
い。
【0004】このような場合、水洗によって重合や副反
応を誘起する有機酸や有機過酸を除去した後、通常蒸留
によって精製する。
【0005】(3) 中和による精製方法:水洗によって有
機酸や有機過酸を除去できない場合や有機酸の水溶液と
エポキシ化合物とが反応しやすい場合には、中和による
精製方法を用いる。単に液のPHを中和点まで調整する
だけでは、重合や副反応を誘起する物質を除去できない
場合には、アルカリ水溶液で重合や副反応を誘起する物
質を除去する場合もある。中和によって重合や副反応を
誘起する物質を洗浄除去した後、蒸留によって精製す
る。
【0006】等の方法が知られている。
【0007】しかしながら、有機酸とエポキシ基とは反
応しやすいものであるので、蒸留時にエポキシ基の重合
反応や開環反応が起こってしまい従来技術(1) を用いる
ことができない場合が多い。
【0008】従来技術(1) を用いることができない場合
に用いられている従来技術(2) および(3) にも問題があ
り、有機酸や水とエポキシ基の反応速度が速い場合には
従来技術(2) を用いることができない。
【0009】また従来技術(3) は、工業的規模で製造し
ようとする場合に有価物のロスを招くだけで無く、排水
負荷が大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術(1) 、(2) および(3) にはそれぞれ問題があり工業的
規模での利用は難しい。
【0011】すなわち、重合や副反応のために反応粗液
を蒸留によって精製することができない場合でしかも有
機酸や水との反応速度が速いエポキシ化合物の場合に
は、従来技術では工業的規模で製造することはできなか
った。
【0012】このような状況に鑑み本発明者らは、鋭意
検討した結果、従来技術(2) の改良方法として、有機過
酸を用いてエポキシ化を行った反応粗液から水洗によっ
て有機酸および有機過酸を除去する方法において、有価
物のロスが以下のメカニズムにより生じていることを突
き止めた結果、本発明を完成させた。
【0013】すなわち、水層に溶解した有価物が水層中
で、水や有機酸と反応することにより、水層中の有価物
濃度が低下し、さらに有価物の水層への溶解を促進する
反応抽出の形態で起こっているのである。
【0014】このメカニズムが生じないように有機層と
水層との接触時間の短い装置を用いることにより、有機
酸や水とエポキシ化合物の反応を非常に小さくすること
が可能である。本発明の技術は従来技術を用いることが
不可能な場合に工業的に利用可能な反応粗液の精製方法
として使用し得る。
【0015】
【発明の目的】本発明の目的は、有機過酸を用いてエポ
キシ化を行った反応粗液から有機酸および有機過酸を除
去する方法に於いて、排水面での問題をおこさずしかも
目的生成物のロスを抑える反応粗液の精製方法を開発す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「有
機過酸を用いてエポキシ化を行った反応粗液から抽剤と
して水を使用することにより有機酸および有機過酸を除
去する方法において、有機層と水層との接触時間の短い
装置を用いることを特徴とする反応粗液の水洗方法」で
ある。
【0017】以下に本発明による反応粗液の水洗方法に
ついて詳述する。
【0018】本発明で使用される反応粗液は、有機過酸
によるエポキシ化反応により得られる反応粗液である。
本発明の精製方法において処理対象となる反応粗液とそ
の反応粗液を得るための出発原料の事例を以下に記述す
る。
【0019】(イ)α−ピネンを有機過酸でエポキシ化
してα−ピネンオキサイドを製造する場合 (ロ)3−シクロヘキセニルメチルメタクリレ−トを有
機過酸でエポキシ化して3、4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレ−トを製造する場合 (ハ)3−シクロヘキセニルメチル−3−シクロヘキセ
ンカルボキシレ−トを有機過酸でエポキシ化して3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレ−トを製造する場合 (ニ)ビニルシクロヘキセンを有機過酸でエポキシ化し
てビニルシクロヘキセンモノエポキシドを製造する場合 ただし、有機過酸でエポキシ化を行った反応粗液であっ
て、その反応粗液をそのまま蒸留するとエポキシ化合物
が重合したり副反応を起こす場合は、本発明を適用でき
る。
【0020】すなわち、そのような反応粗液を蒸留する
場合、有機過酸や有機酸が塔底に存在するような運転を
すると塔底でエポキシ化合物の重合や副反応がおこり、
エポキシ化合物の収率や品質が低下し、有機過酸や有機
酸が塔底に存在しないような運転をするために塔底の温
度を上昇させるとエポキシ化合物は熱的に不安定な物質
が多くエポキシ化合物の収率や品質が低下する。
【0021】このような状況を解決するには、蒸留によ
って精製する前に有機過酸や有機酸を水洗あるいは中和
によって除去する必要があるが、中和を行うとどうして
も有機酸のアルカリ塩が生成するため排水のCODが高
くなり工業的に製造することは難しい。水洗を行うと反
応粗液中に有機酸が存在しているのでどうしてもエポキ
シ化合物と有機酸や水とが接触することになる。エポキ
シの開環反応は、有機酸、水それぞれが単独でエポキシ
と反応するよりも、有機酸の存在が反応速度を助長す
る。また、水洗後に蒸留可能な状態にまで有機酸や有機
過酸を除去するには、通常5〜6段の理論段が必要であ
る。
【0022】これらのことから通常一般的に用いられて
いるミキサ−セトラ−typeや抽出塔などの装置を用
いた場合、エポキシ化合物と有機酸や水との接触時間が
長いために、エポキシ化合物のロスが大きくなってしま
い工業的に実施できない場合が多い。このような反応粗
液に対して本発明を適用できる。
【0023】有機過酸によるエポキシ化反応について説
明する。エポキシ化反応に用いられる有機過酸として
は、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安
息香酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸等を例として
挙げることができる。有機過酸と触媒を併用してもよ
く、例えば炭酸ソ−ダ等のアルカリや硫酸などの酸を触
媒として用い得る。
【0024】有機過酸と原料の二重結合とのモル比は理
論的には1/1であるが、通常は原料の方が有機過酸よ
りも価格が高いこと、原料のリサイクルにも手間がかか
ることが多いこと、反応中に有機過酸が少量ではあるが
分解することから、有機過酸を理論量より少し多めに使
用する場合が多い。
【0025】反応溶媒は反応粗液の粘度低下、有機過酸
の希釈による安定化、有機酸とエポキシ基との反応速度
を遅くする等の効果があり、ベンゼン・トルエン・キシ
レン・エチルベンゼン・イソプロピルベンゼン・ジエチ
ルベンゼン・p−シメン等の芳香族炭化水素、シクロヘ
キサン・n−ヘキサン・ヘプタン・オクタン・ノナン・
デカン・デカリン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサノ
−ル・ヘキサノ−ル・ヘプタノ−ル・オクタノ−ル・ノ
ナノ−ル・フルフリルアルコ−ル等のアルコ−ル、アセ
トン・メチルエチルケトン・シクロヘキサノン等のケト
ン、酢酸エチル・酢酸n−アミル・酢酸シクロヘキシル
・プロピオン酸イソアミル・安息香酸メチル等のエステ
ル、エチレングリコ−ル・プロピレングリコ−ル・エチ
レングリコ−ルモノメチルエ−テル・エチレングリコ−
ルモノメチルエ−テルアセテ−ト・エチレングリコ−ル
モノエチルエ−テル・エチレングリコ−ルモノエチルエ
−テルアセテ−ト・ジエチレングリコ−ルモノエチルエ
−テル・ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル等の
多価アルコ−ルとその誘導体、クロロホルム・ジメチル
クロライド・四塩化炭素・クロルベンゼン等のハロゲン
化合物、1,2−ジメトキシエタン等のエ−テル化合物
等を用いることができる。
【0026】また必要な場合には、重合禁止剤としてハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、P
−ベンゾキノン、クレゾ−ル、t−ブチルカテコ−ル、
2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ−ル、2−t
−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3−t−ブチル−
4−メトキシフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−P
−クレゾ−ル、2,5−ジヒドロキシ−P−キノン、ピ
ペリジン、エタノ−ルアミン、α−ニトロソ−β−ナフ
ト−ル、ジフェニルアミン、フェノチアジン、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン、N、N−ジエチルヒ
ドロキシルアミン等を用いることができる。これらは、
単独で使用してもよいし、いくつかを併用してもよい。
【0027】また必要な場合には、有機過酸の安定剤と
してリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸カリウム、ピ
ロリン酸−2−エチルヘキシルエステル、ピロリン酸カ
リウム−2−エチルヘキシルエステル、ピロリン酸ナト
リウム−2−エチルヘキシルエステルトリポリリン酸、
トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、
トリポリリン酸−2−エチルヘキシルエステル、トリポ
リリン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステル、テト
ラポリリン酸、テトラポリリン酸カリウム、テトラポリ
リン酸ナトリウム、テトラポリリン酸−2−エチルヘキ
シルエステル、テトラポリリン酸カリウム−2−エチル
ヘキシルエステル、テトラポリリン酸ナトリウム−2−
エチルヘキシルエステル、ヘキサメタリン酸カリウム、
ヘキサメタリン酸ナトリウム等を用いることができる。
これらは、単独で使用してもよいし、いくつかを併用し
てもよい。
【0028】反応温度はエポキシ化反応が酸化剤の分解
反応に優先するような上限値以下で行ない、たとえば過
酢酸を用いる場合なら70℃以下が好ましい。反応温度
が低いと反応の完結までに長時間を要するので、過酢酸
を用いる場合なら0℃という下限値以上で行うことが好
ましい。また、エポキシ化反応の際、有機過酸からの副
生などによる有機酸でエポキシ基が開環してしまう副反
応が生じるので、副反応量が少なくなるような温度を前
記したような温度領域から選定して実施する。反応圧力
は一般的には常圧下で操作されるが、加圧または低圧下
でも実施できる。反応は連続もしくはバッチで行うが、
連続の場合はピストンフロ−型式が好ましい。また、バ
ッチ方式の場合は、酸化剤は逐次的に仕込むセミバッチ
方式が望ましい。その場合は、まず反応容器内に原料お
よび溶媒を所定量仕込み、この中に必要に応じて触媒、
安定剤を溶解させ、この中に前記有機過酸を滴下して行
う。反応の終点の確認は残存する酸化剤濃度あるいはガ
スクロ分析によるのが良い。次に水洗方法について説明
する。
【0029】本発明の目的から水洗に用いる装置の条件
として有機層と水層との接触時間が短いこと、すなわち
滞留時間が短いことがあげられる。どの程度までの滞留
時間の短さが必要とされるかは、それぞれの系によって
異なり、それは、水洗工程で許容されるロス量およびエ
ポキシ化合物と有機酸や水との反応速度によって決定さ
れる。
【0030】このような滞留時間が短い装置の代表的な
例として、遠心抽出機がある。これは同心円状にV形リ
ングを備えたロ−タが高速で回転することにより、反応
粗液と抽剤である水を向流接触させて抽出を行うもので
ある。反応粗液と水はそれぞれ回転軸の両端よりロ−タ
内に送り込まれ、水層は遠心力によりロ−タ外周方向
へ、有機層は逆に軸方向へ移動する。その間に、数十段
のV形リングのスリット部で、両液が向流接触・分散合
一を繰り返し、効率の良い抽出が行われる。
【0031】さらに遠心抽出は遠心力を利用しているの
で比重差が小さく分液性の悪い場合でも数秒という短時
間で抽出可能である。よって滞留時間が短いことから有
機酸や水とエポキシ基との反応は少なく生成物のロスも
ほとんどない。一方、通常水洗工程で一般的に用いられ
るミキサ−セトラ−タイプや抽出塔などの装置は、滞留
時間として数分から数十分間必要であり、そのため生成
物のロスがかなり増加してくるので適さない。また、有
機層中の酸、過酸を更に効率良く、あるいは完全に除去
するために向流に仕込まれる水の中に微量のアルカリを
存在させることは、除去工程性能として非常に効果的で
ある。
【0032】この場合、使用するアルカリ量は、抽出後
期の酸濃度が低下したゾ−ンで酸の水層への移動のため
のドライビングフォ−スである濃度差が小さくなったと
ころに対し補う意味であるので、特に量的制限を必要と
はしないが常識的に有機層の酸濃度が1%程度の量に対
応する量が妥当であると思われる。
【0033】また、水洗工程の後に中和工程を設けるこ
とも、有効である。水洗工程でほとんどの有機酸や有機
過酸は除去されているので、残存している酸と等しい当
量のアルカリを使用しても、排水に対する負荷はそれほ
ど大きくならない。この場合には、中和工程の下層水は
水洗工程の抽剤の一部として利用することができる。水
洗工程の下層中には有機酸や有機過酸が含まれているの
で、そのまま排水することはできない。この有機酸や有
機過酸を中和して排水すると反応粗液をそのまま中和し
た場合と同じ排水負荷になってしまうので、下層から有
機酸や有機過酸を除去する必要がある。除去すべき有機
酸や有機過酸の沸点が、水よりも低い場合は蒸留操作に
よって、有機酸や有機過酸と排水と分離すればよい。
【0034】除去すべき有機酸や有機過酸の沸点が、水
よりも高い場合は蒸留操作によって、有機酸や有機過酸
と排水とを分離することは不可能ではないが、塔頂に水
を留出させることになり多大なエネルギ−を要するので
通常工業的に実施することは不可能である。そこで、除
去すべき有機酸や有機過酸の沸点が、水よりも高い場合
は、排水中から有機酸や有機過酸を逆抽出する。ここで
抽剤として用いられる溶剤とは、通常の酢酸抽出溶剤と
して使われる溶剤が使用できる。
【0035】即ち、ベンゼン・トルエン・キシレン・エ
チルベンゼン・イソプロピルベンゼン・ジエチルベンゼ
ン・p−シメン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン・
n−ヘキサン・ヘプタン・オクタン・ノナン・デカン・
デカリン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチル・酢酸n−ア
ミル・酢酸シクロヘキシル・プロピオン酸イソアミル・
安息香酸メチル等のエステル、クロロホルム・四塩化炭
素・クロルベンゼン等のハロゲン化合物、1,2−ジメ
トキシエタン・ジエチルエ−テル等のエ−テル化合物等
である。溶剤で有機酸や有機過酸を抽出した後、一般的
には溶剤と有機酸や有機過酸を分離することが必要にな
るので、溶剤を選定する際には、有機酸や有機過酸と溶
剤との沸点が離れている方がよい。
【0036】また、有機酸や有機過酸を溶剤で抽出した
後の排水には、溶剤が排水に溶解しているので、溶剤を
選定する際には、溶剤の水に対する溶解度は小さい方が
よく、また排水に溶解している溶剤を除去する必要のあ
る場合は水より沸点が低いことが必要であるので注意を
要する。
【0037】水洗工程を終えた反応粗液は、蒸留操作に
よって精製される場合が多い。
【0038】以下に実施例を挙げて本特許をより具体的
に説明するが、本特許はこの実施例によって限定される
ものではない。
【0039】
【実施例1】攪拌機を備えたジャケット付きSUS31
6製15リットル反応器にα−ピネン(以後PINと
略)2725g,酢酸エチル5295gを張り込んだ
後、昇温し内部温度を25℃とした。過酢酸の30%酢
酸エチル溶液3880gを2時間かけて滴下した後、3
時間熟成を行った。滴下および熟成中は内部温度を30
℃に保持した。こうしてα−ピネンオキサイド(以後P
NOと略)を含む反応粗液9329gを得た。
【0040】ロ−タ外径46cm,ロ−タ内径25mmのロ
−タを4000回転させている遠心抽出機に軽液入口よ
りPNOを含む反応粗液を1095g/分の速度で仕込む
と同時に、重液入口より水を2013g/分の速度で仕込
むことにより、軽液出口より軽液を893g/分の速度
で、重液出口より重液を2215g/分の速度で得た。
【0041】得られた軽液を再度同じ遠心抽出機に10
95g/分の速度で仕込むと同時に、重液入口より水を2
013g/分の速度で仕込むことにより、軽液出口より軽
液を1017g/分の速度で、重液出口より重液を209
1g/分の速度で得た。
【0042】反応粗液中の酢酸および過酢酸の濃度は、
それぞれ10.04%,0.33%であったが遠心抽出
機で2回処理するとそれぞれ850ppm,170pp
mに減少していた。反応粗液に存在していたPNOの9
8%が、遠心抽出機で2回処理した後の軽液中に存在し
ていた。遠心抽出機で2回処理した後の軽液を用いて連
続蒸留実験を行った。直径40mmのトレ−を20段設け
たオ−ルダ−ショウ塔の塔頂から10段のトレ−に遠心
抽出機で2回処理した後の軽液を450g/時で供給
し、塔頂圧力100torr、還留比1で塔頂から342g
/時、塔底から108g/時で抜き出した。
【0043】蒸留前後で目的生成物であるPNOの量は
変化しなかった。また比較例のように塔底で副生物が発
生するようなことはなかった。
【0044】
【比較例1】実施例1と同様の方法で得られた反応粗液
を水洗せずに、実施例1と同様の蒸留を行ったところ、
酢酸とPNOの副反応生成物が塔底に多量に発生してい
た。この時反応粗液中に存在していたPNOの0.3%
が製品として回収されたがあとの99%は副反応生成物
に変化した。
【0045】
【比較例2】実施例1と同様の方法で得られた反応粗液
1000gと水1000gを2Lの攪拌器付きのフラス
コに仕込み、30分攪拌後30分静置したところ、反応
粗液中に存在していたPNOの60%が酢酸水溶液との
反応のため消失していた。
【0046】
【実施例2】攪拌機を備えたジャケット付きSUS31
6製15リットル反応器に3−シクロヘキセニルメチル
メタクリレ−ト(以後CHMAと略)3913g、酢酸
エチル7826g、ハイドロキノンモノメチルエ−テル
5.85g、およびトリポリリン酸ナトリウム2.35
gを張り込んだ後、昇温し内部温度を45℃とした。過
酢酸の30%酢酸エチル溶液6329gを4時間かけて
滴下した後、2時間熟成を行った。滴下および熟成中は
内部温度を50℃に保持した。こうして3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルメタクリレ−ト(以後METH
Bと略)を含む反応粗液9329gを得た。
【0047】ロ−タ外径46cm,ロ−タ内径25mmのロ
−タを4000回転させている遠心抽出機に軽液入口よ
りMETHBを含む反応粗液を2108g/分の速度で仕
込むと同時に、重液入口より水を3590g/分の速度で
仕込むことにより、軽液出口より軽液を1664g/分の
速度で、重液出口より重液を4034g/分の速度で得
た。得られた軽液を再度同じ遠心抽出機に2108g/分
の速度で仕込むと同時に、重液入口より水を3590g/
分の速度で仕込むことにより、軽液出口より軽液を18
77g/分の速度で、重液出口より重液を3821g/分の
速度で得た。
【0048】反応粗液中の酢酸および過酢酸の濃度は、
それぞれ10.66%、1.15%であったが遠心抽出
機で2回処理するとそれぞれ400ppm、150pp
mに減少していた。反応粗液に存在していたMETHB
の99%が、遠心抽出機で2回処理した後の軽液中に存
在していた。
【0049】遠心抽出機で2回処理した後の軽液を用い
て連続蒸留実験を行った。伝熱面積0.034m2 の強
制攪拌式の薄膜蒸発器に遠心抽出機で2回処理した後の
軽液を2300g/時で供給し、操作圧力150torr、
加熱温度60℃で塔頂から1530g/時、塔底から7
70g/時で抜き出した。重合防止のために窒素と空気
の混合気を装置内にリ−クさせていた。蒸留前後で目的
生成物であるMETHBの量は変化しなかった。また比
較例のように塔底で重合物が発生するようなことはなか
った。
【0050】
【比較例3】実施例2と同様の方法で得られた反応粗液
を水洗せずに、実施例2と同様の蒸留を行ったところ、
METHBの重合物が塔底に多量に発生し、製品は得ら
れなかった。
【0051】
【比較例4】実施例2と同様の方法で得られた反応粗液
1000gと水1000gを2Lの攪拌器付きのフラス
コに仕込み、20℃で60分攪拌後30分静置したとこ
ろ、反応粗液中に存在していたMETHBの5%が酢酸
水溶液との反応のため消失していた。
【0052】
【実施例3】攪拌機を備えたジャケット付きSUS31
6製20リットル反応器に3−シクロヘキセニルメチル
−3−シクロヘキセンカルボキシレ−ト(以後CMCC
と略)5000gを張り込んだ後、昇温し内部温度を2
5℃とした。過酢酸の30%酢酸エチル溶液13790
gを6時間かけて滴下した後、3時間熟成を行った。滴
下および熟成中は内部温度を30℃に保持した。こうし
て3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エ
ポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト(以後ECCと
略)を含む反応粗液18790gを得た。
【0053】ロ−タ外径46cm、ロ−タ内径25mmのロ
−タを4000回転させている遠心抽出機に軽液入口よ
りECCを含む反応粗液を酢酸エチルで1.7倍に希釈
した液を1146g/分の速度で仕込むと同時に、重液入
口より水を2013g/分の速度で仕込むことにより、軽
液出口より軽液を797g/分の速度で、重液出口より重
液を2362g/分の速度で得た。得られた軽液を再度同
じ遠心抽出機に1146g/分の速度で仕込むと同時に、
重液入口より水を2013g/分の速度で仕込むことによ
り、軽液出口より軽液を968g/分の速度で、重液出口
より重液を2191g/分の速度で得た。
【0054】反応粗液を酢酸エチルで希釈した液中の酢
酸および過酢酸の濃度は、それぞれ14.15%、1.
60%であったが遠心抽出機で2回処理するとそれぞれ
800ppm、570ppmに減少していた。
【0055】反応粗液に存在していたECCの97%
が、遠心抽出機で2回処理した後の軽液中に存在してい
た。遠心抽出機で2回処理した後の軽液を用いて連続蒸
留実験を行った。伝熱面積0.034m2 の強制攪拌式
の薄膜蒸発器に遠心抽出機で2回処理した後の軽液を2
300g/時で供給し、操作圧力150torr、加熱温度
100℃で塔頂から1564g/時、塔底から736g
/時で抜き出した。蒸留前後で目的生成物であるECC
の量は変化しなかった。また塔底で重合物や副生物が発
生するようなことはなかった。
【0056】
【比較例5】実施例3と同様の方法で得られた反応粗液
を酢酸エチルで1.7倍に希釈した液1000gと水1
000gを2リットルの攪拌器付きのフラスコに仕込
み、30分攪拌後30分静置したところ、反応粗液中に
存在していたECCの20%が酢酸水溶液との反応のた
め消失していた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機過酸を用いてエポキシ化を行った反応
    粗液から抽剤として水を使用することにより有機酸およ
    び有機過酸を除去する方法において、有機層と水層との
    接触時間の短い装置を用いることを特徴とする反応粗液
    の水洗方法。
  2. 【請求項2】抽剤として稀薄アルカリ水溶液を使用する
    請求項1に記載の方法。
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DE1992629644 DE69229644T2 (de) 1991-08-28 1992-04-10 6H-Dibenz(c,e)(1,2)oxaphosphorin-6-oxid Derivative zur Stabilisierung von 3,4-Epoxycyclohexylmethyl(meth)acrylat
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ES96111772T ES2135824T3 (es) 1991-08-28 1992-04-10 Derivados de 6h-dibenz(c,e)(1,2)oxafosforin-6-oxido para la estabilizacion de 3,4-epoxiciclohexilmetil(met)acrilato.
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