JPH05155135A - サーマルプリンタの光定着器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ランプの設置スペースを拡大することなく、
感熱記録材料の光定着時間を短縮してプリント時間を短
縮する。 【構成】 感熱記録材料１３は、サーマルヘッド１４で
熱記録されてから、紫外線ランプ１６で光定着される。
この紫外線ランプ１６は、感熱記録材料１３に相対した
外壁面１６ａがプラテンドラム１０の円筒面１０ａに沿
って凹面状に成形されている。 【効果】 ランプの有効発光面積が増大するから、感熱
記録材料に照射される光量が著しく増加する。ランプの
取付位置を感熱記録材料に接近させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタの光
定着器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタでは、支持体上に感熱
発色層を層設した感熱記録材料が用いられ、この感熱発
色層にサーマルヘッドを押し当てて加熱し、これを発色
させることで熱記録している。サーマルヘッドで加熱さ
れない部分は、発色能力を備えているから、保存中に熱
が加わると発色してしまう。そこで、感熱記録材料の熱
記録後に、光定着器で電磁線例えば紫外線を照射して発
色能力を消失させている。

【０００３】また、イエロー感熱発色層，マゼンタ感熱
発色層，シアン感熱発色層を支持体上に順次層設し、３
回の熱記録でカラー画像を記録するカラー感熱記録材料
も知られている（例えば特開昭６１−２１３１６９
号）。このカラー感熱記録材料では、表面側に層設され
た第１番目の感熱発色層，例えばイエロー感熱発色層の
熱記録後に，第２番目のマゼンタ感熱発色層が熱記録さ
れる。このマゼンタ感熱発色層の熱記録時に、イエロー
感熱発色層も一緒に加熱されるから、その未記録部分が
発色することになる。そこで、イエロー感熱発色層に
は、ほぼ４２０ｎｍの近紫外線で光分解するジアゾニウ
ム塩化合物が含有され、またマゼンタ感熱発色層にはほ
ぼ３６５ｎｍの紫外線で光分解するジアゾニウム塩化合
物が含有されている。

【０００４】従来の光定着器では、断面が円形をした直
管型のランプを使用しており、これをサーマルヘッドの
下流側でプラテンドラムの回転軸と平行に配置してい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にプリ
ンタは作業効率やコストの面から可能な限り短時間でプ
リントすることが望ましく、これはランプの発光量を増
加させて感熱記録材料の定着時間を短縮することで達成
することができる。しかしながら、上記直管型ランプで
は、感熱記録材料に対する有効発光面が極めて狭いた
め、無理にランプの発光量を増加させようとすれば、消
費電力の増大やランプの寿命が短くなる等の問題が生じ
る。したがって、直管型のランプでは発光量を増加させ
て定着時間を短縮することは困難である。また、ランプ
の設置本数を複数に増加させたり、大サイズのランプを
用いることも考えられるが、これらは装置の大型化，コ
ストアップ，電力効率の低下等につながり望ましくな
い。

【０００６】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、コンパクトな構成で感熱記録材料
の光定着時間を短縮することができるサーマルプリンタ
の光定着器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のサーマルプリン
タの光定着器は、感熱記録材料と相対する面が略感熱記
録材料の搬送路に沿った形状をしたランプを使用したも
のである。また、感熱記録材料と相対する面がプラテン
ドラムの円筒面に沿った凹面形をしたランプを使用した
ものである。

【０００８】

【実施例】サーマルプリンタを示す図１において、プラ
テンドラム１０は、その回転軸１１にパルスモータ（図
示せず）が連結されており、クランプ部材１２で先端が
固定された感熱記録材料１３を巻き付けた状態で矢線方
向に連続又は間欠回転する。プリント位置にはサーマル
ヘッド１４，その下流には光定着器１５が配置されてい
る。サーマルヘッド１４は、周知のように、多数の発熱
素子が主走査方向にライン状に配列されており、各発熱
素子は画素の濃度に応じた熱エネルギーを発生する。

【０００９】前記光定着器１５は、プラテンドラム１０
の軸方向に伸びた紫外線ランプ１６と、遮光性及び可撓
性を有する遮光部材，例えば黒色繊維で形成したブラシ
１７とから構成されている。

【００１０】紫外線ランプ１６は、図２に示すように、
プラテンドラム１０に相対する外壁面１６ａがプラテン
ドラム１０の円筒面１０ａに沿った凹面状に成形されて
いる。これによって、断面が円形の一般的なランプと比
較して、感熱記録材料１３に相対する有効発光面積が増
大するとともに、紫外線ランプ１６をより感熱記録材料
１３側に近寄せて配置することが可能となるので、感熱
記録材料１３に照射される紫外線の量を増大させること
ができる。また、蛍光膜１８を紫外線ランプ１６の内壁
面のプラテンドラム１０側はストライプ状に、これと反
対側は全面に形成してある。これによって、蛍光膜１８
を紫外線ランプ１６の内壁全面に形成した場合より多く
の光量がプラテンドラム１０側に照射されるようにして
いる。また、外壁面１６ａと反対側の内壁面１６ｂと蛍
光膜１８との間には光反射膜１９が設けられており、紫
外線ランプ１６から発光された紫外線の全部がプラテン
ドラム１０側に放出されるようにしている。

【００１１】前記ブラシ１７は、紫外線ランプ１６の縁
部に接合され、その先端がプラテンドラム１０の外周に
接触して外部に紫外線が洩れないようにしている。な
お、図示していないが、勿論ブラシ１７はプラテンドラ
ム１０の側面１０ｂ側にも固定され、紫外線ランプ１６
の周囲全体を覆うように固定されている。

【００１２】プリント時には、プラテンドラム１０が矢
線方向に回転し、サーマルヘッド１４に対面するプリン
ト位置へ感熱記録材料１３を移動させる。サーマルヘッ
ド１４は、主走査方向に配列された複数の発熱素子を発
熱させ、感熱記録材料１３を加熱する。このサーマルヘ
ッド１４による熱記録と同時に、光定着器１５の紫外線
ランプ１６が点灯される。

【００１３】プラテンドラム１０の回転により、サーマ
ルヘッド１４で記録された部分が光定着器１５に向かっ
て移動する。光定着器１５の下方に入った感熱記録材料
１３は、有効発光面積の広い紫外線ランプ１６から大量
の紫外線が照射され、短時間で光定着される。

【００１４】プラテンドラム１０が１回転すると、感熱
記録材料１３のプリントが終了する。プリントの終了後
に、クランプ部材１２を移動して、プラテンドラム１０
からプリント済みの感熱記録材料１３を外す。なお、カ
ラー感熱記録材料の場合には、紫外線の波長が異なった
２種類のランプを配置し、プリント中の感熱発色層の種
類に応じて選択的に点灯される。

【００１５】以上説明した実施例では、光洩れ防止用の
遮光部材として黒色の軟質長繊維をブラシ状に成形した
ものを採用したが、この他に、図３に示すように、黒色
の布，例えば織物の片面に毛羽を立たせた黒色ビロード
２１を用いることができる。黒色ビロード２１は、支持
体２２の縁を両面粘着テープ２３によって紫外線ランプ
１６の周囲に固定した後、折り返して毛羽２４がプラテ
ンドラム１０の円筒面１０ａに接触するように取り付け
られる。

【００１６】プラテンドラムの径が十分に大きい場合
（例えば直径が５０mm以上）には、紫外線ランプのプラ
テンドラム側の面を平板状にしてもよい。また、図４に
示すように、光定着器を平坦な搬送路に設ける場合に
は、感熱記録材料と相対する面が平板状の紫外線ランプ
を使用することができる。

【００１７】図４において、感熱記録材料１３の搬送路
は、並列的に配置された一対の搬送ローラ２６，２７，
２８によって平坦に構成され、この搬送路にはサーマル
ヘッド２９と光定着器３０が設置されている。この光定
着器３０は、図面の紙面と垂直方向に長く、少なくとも
搬送路側に相対する面が平板状な紫外線ランプ３１と、
この周囲に固定された遮光部材３２とからなる。この遮
光部材３２としては、前記実施例と同様に、黒色の軟質
長繊維や黒色の布，具体的には例えば黒色繊維をブラシ
状に成形したものや黒色ビロード等を使用することがで
きる。なお、符号３３はサーマルヘッド２９の下方に設
けられたプラテンローラである。

【００１８】以上説明した実施例は、サーマルヘッド又
は記録紙を副走査方向に相対移動して記録するラインプ
リンタについて説明したが、本発明は二次元に相対移動
して記録するシリアルプリンタに対しても適用すること
ができる。このシリアルプリンタでは、発熱素子が主走
査方向に配列され、熱記録時に副走査方向に移動するサ
ーマルヘッドが用いられ、そして記録紙は主走査方向に
移動する。また、本発明に係る形状のランプは、以上説
明したサーマルプリンタの他に、例えば複写機等の青焼
き（ジアゾ式）用に適用することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
定着器によれば、感熱記録材料と相対する面が略感熱記
録材料の搬送路に沿った形状をしたランプを使用したの
で、ランプの有効発光面積が増大するとともに、感熱記
録材料との距離を狭めてランプを配置できるようにな
り、感熱記録材料に照射される光量を著しく増加させる
ことができ、その結果、設置スペースを拡大することな
く感熱記録材料の光定着時間を短縮してプリント時間を
短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】サーマルプリンタの概略を示す説明図である。

【図２】本発明の紫外線ランプの構造を示す拡大断面図
である。

【図３】遮光部材の他の例を示す拡大断面図である。

【図４】別のサーマルプリンタの概略を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１０ プラテンドラム １３ 感熱記録材料 １４，２９ サーマルヘッド １５，３０ 光定着器 １６，３１ 紫外線ランプ １７ ブラシ ２１ 黒色ビロード ３２ 遮光部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱記録された感熱記録材料に電磁線を照
   射して光定着するサーマルプリンタの光定着器におい
   て、電磁線を発生する光源として、感熱記録材料と相対
   する面が略感熱記録材料の搬送路に沿った形状をしたラ
   ンプを用いたことを特徴とするサーマルプリンタの光定
   着器。
2. 【請求項２】 プラテンドラムの近傍に設けられ、熱記
   録された感熱記録材料に電磁線を照射して光定着するサ
   ーマルプリンタの光定着器において、電磁線を発生する
   光源として、感熱記録材料と相対する面がプラテンドラ
   ムの円筒面に沿った凹面形をしたランプを用いたことを
   特徴とするサーマルプリンタの光定着器。