JPH05153932A - 抗酸化性スパイス抽出液の製造方法 - Google Patents

抗酸化性スパイス抽出液の製造方法

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JPH05153932A JP4071560A JP7156092A JPH05153932A JP H05153932 A JPH05153932 A JP H05153932A JP 4071560 A JP4071560 A JP 4071560A JP 7156092 A JP7156092 A JP 7156092A JP H05153932 A JPH05153932 A JP H05153932A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明で、貯蔵中沈澱を生じないスパイスの抗
酸化剤抽出液の製造方法に関する。 【構成】 本方法は極性溶媒から得たスパイス抽出物を
飽和油と混合し、極性溶媒を蒸発し、非極性溶媒を得た
ペーストに添加し、次いで非極性溶媒を蒸発して抗酸化
剤抽出物の透明油を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗酸化性スパイスの抽出
液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】スパ
イスから天然抗酸化剤を製造する通例方法では、最終生
成物は一般に粉末である。この粉末は常にそのまま使用
できるとは限らない。何故ならある種の媒体、特に液体
媒体にこれを添加すると完全可溶化の点で問題を生ずる
ことがあり、これは最終生成物を許容しえないものにす
るからである。従ってある種の適用では、抗酸化剤粉末
は先ず第一に液体相に溶解しなければならない。中性
の、不活性食用油は液体相として使用することが好まし
い。しかし、粉末を油に添加中でさえ沈澱が形成する。
これらの沈澱は濾過により除去することは困難であり、
生成物の製造では技術上の理由および外観上の理由で安
定化させることはやっかいである。
【0003】日本特許出願JP第58−208383号
明細書(長谷川香料KK)は飽和C 6-12脂肪酸トリグリ
セリドおよびセージおよびローズマリーからの天然抗酸
化剤混合物を含有する液体抗酸化剤に関する。これらの
スパイスは常法により抽出し、乾燥し、そしてトリグリ
セリド混合物と混合する。このシステムの不利は、透明
な抗酸化剤濃縮液を得ることができず、および/又は他
方では、トリグセリドに部分可溶性の成分が存在するた
め貯蔵中沈積物を形成し、チキソトロープ効果を生ずる
ことである。
【0004】不透明であるという事実は液体抗酸化剤生
成物を不均質にし、処理化合物に添加することが一層困
難になる。
【0005】本発明により提示される問題は液体天然抗
酸化剤の製造方法を供することであり、この方法により
長期貯蔵する場合沈積物を全く形成しない透明な非チキ
ソトロープ組成物が得られる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は抗酸化剤スパイ
ス抽出液の製造方法に関し、この方法では極性溶媒から
得たスパイス抽出物を飽和油と混合し、極性溶媒を蒸発
し、非極性溶媒を生成したペーストに添加し、均質化
後、沈澱を分離し、次いで非極性溶媒を蒸発して抗酸化
剤抽出物の透明油を得る。
【0007】本発明方法は1工程(例1〜3および5)
で行なうことができる、すなわち、全量のスパイス抽出
物を直接飽和油と混合して上記処理後抗酸化剤抽出物の
透明油を得る。
【0008】しかし、実際上の理由で本発明方法はスパ
イス混合抽出物画分から数工程で行なうこともできる。
これは各画分に対し油に不溶の除去すべき物質含量を低
減する(例4)。従って、抗酸化剤抽出物の透明油を得
るために上記と同じ方法を採用するが、スパイス抽出物
の1画分だけを使用する。極性溶媒中のスパイス抽出物
の第2画分は次に上記油と混合し、次いで上記操作、す
なわち極性溶媒の蒸発、得たペーストに非極性溶媒の添
加、均質化、沈澱の分離および非極性溶媒の蒸発を反復
して抗酸化剤抽出物の別の透明油を得る。スパイス抽出
物は2つ以上の画分に分画される場合、上記操作を反復
することにより方法を継続できる。以下の記載のため、
方法は1工程で行なうものと仮定する。しかし、1工程
に対し記載されるものは方法を数工程で行なう場合にも
同様に正しいと理解すべきである。
【0009】本発明により得た脂質組成物はフライ油、
マヨネーズ、マーガリンに、又サラミ、ハム、シリア
ル、魚および任意の他の食品に、酸化に対し保護を要す
る化粧品又は医薬品に使用できる。
【0010】出発物質として使用するスパイスはセー
ジ、ローズマリー、タイム、オレガノ又はセイボリのよ
うな抗酸化剤成分を単独又は混合物で含有する任意のス
パイスでよい。スパイスとは、全体のスパイスまたは粉
砕スパイスおよびスパイス残渣、すなわち蒸気によりス
トリッピングしたスパイス又はEP307626号明細
書により処理したスパイスの双方を意味する。
【0011】使用油は環境温度、好ましくは冷蔵貯蔵温
度で液体でなければならない。飽和C6-12脂肪酸トリグ
セリセリド混合物、オリーブ油、ハイブリドヒマワリ
油、ハイブリドベニバナ油、ココアバターやオレインお
よびサル脂のオレインから選択する。トリグセリセリド
混合物はC8-10脂肪酸、すなわちカプリル酸およびカプ
リル酸の混合物であることが好ましい。極性溶媒抽出相
は油の添加前未溶解粒子(非極性物質)を含んではなら
ない。
【0012】油は10:1〜1:2の油対乾燥スパイス
抽出物の重量比で極性溶媒抽出相と混合する。次に極性
溶媒は真空加熱して完全蒸発し、粘稠かつ曇り性で、か
なりの割合の油不溶性物質を含有する不利のあるペース
トが残る。この糖蜜状ペーストから、特に濾過および遠
心分離のような通例方法により、不溶性物質を分離する
ことは非常に困難である。問題は非極性溶媒による化学
処理により解決し、この処理により濾過の困難性および
チキソトロープ問題の原因となる成分を除去できる。
【0013】従って、一方では、このペーストに非極性
溶媒を添加することは濾過できるように混合物を稀釈す
るためであり、他方では油に部分可溶性の物質を沈澱さ
せるためである。非極性溶媒は1:5〜1:20の油対
非極性溶媒の重量比で添加し、形成懸濁液は環境温度で
撹拌して均質化する。上記のように、非極性溶媒は油に
部分可溶性であり、非極性溶媒による処理を行なわない
と次に生成物の貯蔵中沈澱するような処理スパイスのい
くつかの成分を沈澱させる。
【0014】次に混合物は加圧濾過し、沈澱は非極性溶
媒により洗い、すべての抗酸化剤物質および油は非極性
溶媒相中に移す。この濾過工程前、例えば、油および非
極性溶媒混合物を4〜20℃のオーダの温度で約10時
間放置することにより、又は混合物を低温で表面掻取り
熱交換器を通すことにより沈澱を完結させることが好ま
しい。濾過後、非極性溶媒は蒸発して透明油を得る。
【0015】僅かな曇りが生ずると、油は4℃で非極性
溶媒により第2回処理を行ない、放置し、濾過し、そし
て非極性溶媒は蒸発して透明な油を回収する。
【0016】非極性使用溶媒は飽和、任意には分枝およ
び任意には環状C5-8 炭化水素、その混合物、揮発性芳
香族炭化水素および塩素化溶媒から選択する。ヘキサ
ン、シクロヘキサン又は石油エーテルの使用は好まし
い。
【0017】2〜7%の抗酸化剤成分を含有する脂質組
成物を製造することが好ましい。
【0018】スパイス抽出液の形成後、組成物は使用ス
パイスのタイプにより脱色および脱臭するのがよい。脱
色するには、組成物は活性炭又は漂白土と混合し、形成
混合物は少なくとも1時間加熱し、次いで濾過する。着
色原因物質は活性炭又は漂白土上に吸着される。脱臭す
るには、組成物は落下フィルムまたは薄層向流を過熱蒸
気により真空ストリッピングすることが好ましい。
【0019】ローズマリーおよびセージの他に、例えば
タイム、オレガノ、セイボリー又はクローブを含む他の
スパイスは抗酸化性を有することが知られる。これらの
スパイスの抗酸化剤成分は、水に部分可溶性の液体物質
又は揮発性物質である。従って、これらのスパイスは本
発明方法により液体形の抗酸化剤抽出物の製造に適す
る。
【0020】スパイス混合物は本発明により処理でき
る。この場合、オレオレジンはスパイス混合物から抽出
し、次に本発明方法を使用して油に溶解し、精油および
スパイスの抗酸化剤の双方を含有する高芳香性生成物を
得る。
【0021】
【実施例】本発明は次例により説明する。
【0022】例1 EP307626号明細書による方法により得た1.8
kgのローズマリー抽出物は室温で36リットルのエタノ
ールに溶解する。得た溶液は3kgの飽和C6-12脂肪酸ト
リグリセリド混合物と混合する。エタノールは環境温度
で真空除去し、得たペーストは20℃で30リットルの
ヘキサンと混合する。次に懸濁液は窒素雰囲気下で60
分攪拌する。1夜放置後、懸濁液は濾過し、濾過ケーキ
は、ヘキサンにより洗滌後除去し、すべての抗酸化剤物
質および油を回収する。ヘキサンは真空蒸発し、3.6
%の抗酸化剤成分を含有する3.10kgの透明オレンジ
色油を得る。この油は6ケ月貯蔵後全く沈積物を形成せ
ず、透明のままである。
【0023】例2 15kgの粉砕ローズマリーは窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら2時間、75リットルの94%エタノールにより20
℃で2回抽出する。濾過後、エタノール相は飽和C6-12
脂肪酸トリグリセリドの3.75kgの混合物と混合し、
形成混合物は真空濃縮してすべてのエタノールを除去す
る。30リットルのヘキサンを60℃で形成ペーストに
添加し、得た溶液は12℃で1夜攪拌する。12℃で濾
過後、濾過ケーキはヘキサンにより1回洗滌後除去す
る。ヘキサンは真空除去し、3.4%の抗酸化剤成分を
含有する3.8kgの透明褐色油を得る。
【0024】例3 15kgの粉砕ローズマリーを窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら2時間、75リットル94%エタノールにより還流下
に2回抽出する。エタノール相は飽和C6-12脂肪酸トリ
グリセリドの2.7kgの混合物と混合し、形成混合物は
濃縮してすべてのエタノールを除去する。得たペースト
は60℃で30リットルヘキサンと混合し、得た溶液は
12℃で1夜攪拌する。次に2kgのセライト(濾過助
剤)を添加後12℃で非常にゆっくり濾過する。濾過ケ
ーキはヘキサンで2回洗滌する。ヘキサンは真空除去
し、4.2%の抗酸化剤成分を含有する2.93kgの透
明褐色油を得る。
【0025】例4 EP307626号明細書により得た1.5kgのローズ
マリー抽出物を80リットルのエタノールに溶解する。
この溶液20リットル(1/4)を3.25kgの飽和C
6-12脂肪酸トリグリセリド混合物と混合し、形成混合物
は濃縮してすべてのエタノールを除去する。油状マスを
得、これは液状で、50リットル ヘキサンに容易に採
取できる。得た溶液は30分攪拌し、2kgのセライト添
加後濾過し、濾過ケーキは50リットル ヘキサンによ
り2回洗滌する。ヘキサンは真空除去し、約1.4%抗
酸化剤成分を含有する3.4kgのオレンジ色油を得る。
この油は20リットルの初めのエタノール溶液と3回再
循環し、真空濃縮してエタノールを除去し、次いで各サ
イクルはヘキサンにより処理する。除々にサイクルを豊
富化するこの技術により5.4%の抗酸化剤含有量を有
する僅かに曇った油を得る。この油は80℃に加熱し、
氷水により4℃の温度に保持する表面掻取り熱交換器を
20リットル/時間の割合で通す。8℃の温度で熱交換
器から出る生成物は結晶沈積物を含有する。混合物は濾
過して5.3%の抗酸化剤成分を含有する完全に透明な
オレンジ色油を得る。
【0026】例5 2kgローズマリー、1kgセージ、1kgタイムおよび1kg
オレガノの混合物は25℃で25リットル エタノール
により2回抽出する。濾過後、エタノール相は1.5kg
の飽和C6-12脂肪酸トリグリセリド混合物と混合する。
エタノールを除去して緑褐色油を得る。油は20℃で2
0リットル ヘキサンと混合し、混合物は放置し、次に
濾過して固相およびガムを除去する。ヘキサンを真空除
去して1.76kgの透明緑色油を得、これは6ケ月貯蔵
後でさえ全く沈澱を生じない。
【0027】例6 例2又は3で得た油は、15gの活性炭を500gの油
と混合して脱色する。次に混合物は80℃に30分真空
加熱し、セライト層を通して濾過し、淡黄−オレンジ色
油を得る。出発生成物は濃褐−緑色であった。次に油は
180℃で過熱蒸気により薄層向流ストリッピングによ
り脱色する。使用装置は1ミリバールの真空下に、25
秒の滞留時間および10:1の油対蒸気比で1kg/時間
の油処理量で操作する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性溶媒から得たスパイス抽出物を飽和
    油と混合し、極性溶媒を蒸発し、非極性溶媒を生成ペー
    ストに添加し、均質化後、沈澱を分離し、次いで非極性
    溶媒を蒸発して抗酸化性抽出物の透明油を得ることを特
    徴とする、抗酸化性スパイス抽出液の製造方法。
  2. 【請求項2】 抗酸化性抽出物の透明油は極性溶媒中の
    別のスパイス抽出物画分と混合し、極性溶媒を蒸発し、
    非極性溶媒を生成ペーストに添加し、均質化後、沈澱を
    分離し、非極性溶媒を蒸発して抗酸化性抽出物を豊富化
    した透明油を得、そして操作は任意には別のスパイス抽
    出物画分により反復する、請求項1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 極性溶媒はエタノール又はメタノールで
    あり、非極性溶媒はヘキサン、シクロヘキサン又は石油
    エーテルである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 油は飽和C6-12脂肪酸トリグリセリド混
    合物、オリーブ油、ハイブリドヒマワリ油、ハイブリド
    ベニバナ油、ココアバターオレインおよびサル脂オレイ
    ンから成る群から選択する、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 処理スパイスは個別または混合物でセー
    ジ、ローズマリー、タイム、オレガノ、セイボリから選
    択する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 油は10:1〜1:2の油対乾燥スパイ
    ス抽出物重量比で極性溶媒相と混合する、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 非極性溶媒は1:5〜1:20の油対非
    極性溶媒重量比で添加する、請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 透明油は活性炭または漂白土により脱色
    処理し、そして落下フィルムまたは薄層を向流で蒸気ス
    トリッピングして脱臭する、請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の方法。
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