JPH05152821A

JPH05152821A - 車両用のガラスアンテナ

Info

Publication number: JPH05152821A
Application number: JP31478091A
Authority: JP
Inventors: Yoji Nagayama; 長山洋治; Junichiro Ieiri; 家入潤一郎
Original assignee: Central Glass Co Ltd
Current assignee: Central Glass Co Ltd
Priority date: 1991-11-28
Filing date: 1991-11-28
Publication date: 1993-06-18

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】加熱線条下部余白部の狭い場所に設けたもので
あっても、ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯ま
での非常に広範囲の周波数帯域において受信利得を向上
せしめる。【構成】車両用後部窓ガラス１の防曇用加熱線条２の下
部余白部に設けたガラスアンテナにおいて、垂直線条を
窓ガラス１のほぼ中央部に配設し、上端部に水平線条を
接続した逆Ｌ字形状の主エレメント４と、平行な水平２
線を少なくとも一方の端部から１００ｍｍの間において
垂直線条により接続し、該水平２線のそれぞれの一部か
ら垂直線条と水平線条を介して前記主エレメントの垂直
線条に接続されるインピーダンス調整用エレメント５
と、該インピーダンス調整用エレメント５の下方を一方
の側方部から少なくとも中央部まで延び、前記主エレメ
ント４の垂直線条に接続される補助エレメント７を具備
するとともに、該一方の側方部において給電するように
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等車両の後部窓ガ
ラスに設けたガラスアンテナに関し、特にＴＶ放送波と
ＦＭラジオ放送波を受信するに好適なガラスアンテナに
関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】近年、ＡＭ、ＦＭなどのラ
ジオ放送波以外にもＴＶ放送波を受信するための車両用
ガラスアンテナが要望されるようになり、前部窓ガラス
に垂直アンテナを設けるもの（特開昭61-203702 号）、
後部窓ガラスの防曇用加熱線条上部余白部にＦＭラジオ
放送波、ＴＶ放送波を受信するアンテナを設けるもの
（特開昭61-121603 号）など種々の提案がされている
が、後部窓ガラスは複数の加熱線条が面積の大部分を占
めるためアンテナの占有面積が小さくなり、単独のアン
テナでは勿論、複数のアンテナを設けてダイバーシティ
受信を行っても、必ずしも十分な受信利得を得ることが
できなかった。

【０００３】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、加熱線条下部余白部の狭い場所であっても、
ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯までの非常に
広範囲の周波数帯域において受信利得を向上せしめた車
両用ガラスアンテナを提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明は、車両用後部
窓ガラスの防曇用加熱線条の下部余白部に設けたガラス
アンテナにおいて、垂直線条を窓ガラスのほぼ中央部に
配設し、上端部に水平線条を接続した逆Ｌ字形状の主エ
レメントと、平行な水平２線を少なくとも一方の端部か
ら１００ｍｍの間において垂直線条により接続し、該水
平２線のそれぞれの一部から垂直線条と水平線条を介し
て前記主エレメントの垂直線条に接続されるインピーダ
ンス調整用エレメントと、該インピーダンス調整用エレ
メントの下方を一方の側方部から少なくとも中央部まで
延び、前記主エレメントの垂直線条に接続される補助エ
レメントを具備するとともに、該一方の側方部において
給電するようにしたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明者らは、車両用後部窓ガラスの加熱線条
の下部余白部のほぼ縦方向中央部に垂直部を配設し、上
端部に水平線条を接続した逆Ｌ字形状のエレメントがＦ
Ｍラジオ放送波からＴＶ放送波までの広帯域にわたり主
アンテナとして作用するとともに、平行２線の少なくと
も一方の端部から１００ｍｍの間において垂直線条に接
続し、この上下の水平２線の一部から垂直線条と水平線
条を介して前記逆Ｌ字形状のエレメントの垂直線条に接
続されるエレメントがインピーダンスを調整する作用を
して、さらに受信利得を向上させることを見出し、本発
明をなしたものであり、さらに一方の側方部に設けた給
電点からインピーダンス調整用エレメントの下方を少な
くとも中央部まで延びるエレメントを付加して主エレメ
ントの垂直線条に接続することにより、この部分が指向
特性の改善、あるいはインピーダンスの調整をする補助
アンテナとして作用して、受信利得の向上に寄与するも
のである。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図１〜図４は、それぞれ本発明のガラスアンテ
ナを自動車用後部窓ガラスに設けた実施例１〜実施例４
を示す正面図である。

【０００７】実施例１単板ガラスを自動車の後部窓ガラスに装着した例で、図
１に示すように板ガラス１の車内側には、防曇用加熱線
条２、２、・・・、２、ブスバー３、３とともに、加熱
線条下部余白部には、窓ガラスのほぼ縦方向中央部に配
設される垂直線条４₁、水平線条４₂から構成される逆
Ｌ字形状の主エレメント４と、平行な水平２線の両端を
垂直線条により接続した長方形状エレメント５₁を主た
る構成として水平２線の一部から垂直線条を介して水平
線条５₂、５₃により主エレメントの垂直線条４₁に接
続されるインピーダンス調整用エレメント５と、インピ
ーダンス調整用エレメント５の下方を一方の側方部に設
けた給電点６からほぼ中央部まで水平に延びる補助エレ
メント７を給電点６とともに、導電ペーストによりスク
リーン印刷、焼成して形成する。

【０００８】このようにして得られた車両用ガラスアン
テナの各部の寸法をＡ₁＝１１８０ｍｍ、Ａ₂＝１４０
０ｍｍ、Ｂ＝７００ｍｍ、Ｃ＝５００ｍｍ、Ｄ＝９０ｍ
ｍ、Ｅ＝５００ｍｍ、Ｆ＝４０ｍｍ、Ｇ＝６８０ｍｍ、
Ｈ＝２０ｍｍ、Ｉ＝２０ｍｍとしたものによって７６Ｍ
Ｈｚ〜１０８ＭＨｚの国内と米国のＦＭラジオ放送波、
１〜１２チャンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、４７
０ＭＨｚ〜７７０ＭＨｚのＴＶ放送波ＵＨＦ帯の水平偏
波における平均の受信利得を測定して、標準のダイポー
ルアンテナの受信利得を０dBとしたときの利得差（以
下、ダイポール比と略称する）で示すと、それぞれ、−
１８．１ｄＢ、−１８．８ｄＢ、−１８．０ｄＢとな
り、従来の実用に供されている良好な車両用ガラスアン
テナの受信利得がＦＭラジオ放送波、ＴＶ放送波ＶＨＦ
帯に対してそれぞれ平均値で約−２０ｄＢ、約−２０ｄ
Ｂ、約−１９ｄＢであるので、全ての帯域で上回ってお
り良好なアンテナであることがわかる。

【０００９】実施例２〜実施例４図２に示す実施例２は、主エレメント水平線条４₂をイ
ンピーダンス調整用エレメント５とは反対側に配設し、
その先端を３００ｍｍ折返すとともに、インピーダンス
調整用エレメント５を水平２線の一端のみを垂直線条で
接続したもの、図３に示す実施例３は、主エレメントの
水平線条の長さを３５０ｍｍとし、インピーダンス調整
用エレメント５の垂直線条による接続個所を変えるとと
もに、補助エレメント８、補助エレメント９を付加した
もの、図４に示す実施例４は、インピーダンス調整用エ
レメントの垂直線条による接続を端部から１００ｍｍの
位置で接続し、補助エレメント７を窓ガラス縦方向中心
線ＣＬを１５０ｍｍ程越えて水平に延ばし折り返して主
エレメント４の垂直線条４₁に接続するとともに、防曇
用加熱線条上部余白部に別のアンテナ１０を配設したも
のである。

【００１０】このような車両用ガラスアンテナによっ
て、７６ＭＨｚ〜１０８ＭＨｚのＦＭラジオ放送波、１
〜１２チャンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、４７０
ＭＨｚ〜７７０ＭＨｚのＴＶ放送波ＵＨＦ帯の水平偏波
における受信利得（ダイポール比）を測定して平均値で
示すと、実施例２のアンテナはそれぞれ−１８．４ｄ
Ｂ、−１８．７ｄＢ、−１８．４ｄＢ、実施例３のアン
テナはそれぞれ−１８．２ｄＢ、−１８．５ｄＢ、−１
８．３ｄＢ、実施例４のアンテナはそれぞれ−１８．４
ｄＢ、−１８．７ｄＢ、−１８．１ｄＢとなり実施例１
とほぼ同等の良好な結果が得られた。

【００１１】なお、実施例４は本発明のアンテナと加熱
線条上部に設けた別のアンテナ１０と組合わせてダイバ
ーシティ受信を行うと好適である。以上、好適な実施例
により説明したが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、種々の応用が可能である。

【００１２】主エレメントについて、アンテナとして主
に作用するのは水平線条であり、垂直線条は導電線条と
してもよいが、全くアンテナとして作用しない訳ではな
いので、主エレメントの一部として扱う。水平線条の長
さＣは３００〜６００ｍｍの範囲で適宜選択すればよい
が、好ましくは３５０〜５５０ｍｍの範囲がよい。ま
た、車種によっては実施例２に示すように端部を折り返
した方がよい場合があり、この場合に折り返す長さは主
エレメントの垂直線条までは到達しない範囲で、例えば
１００〜５００ｍｍの範囲とすればよい。垂直長さＤは
６０〜１２０ｍｍの範囲で適宜選択すればよい。また、
垂直線条４₁は厳密に縦方向中心線上に設ける必要はな
く、左右に５０ｍｍ程度まではずらしてもよい。

【００１３】インピーダンス調整用エレメントについ
て、主として作用するのは水平２線を垂直線条で接続し
た長方形状などのエレメントであり、水平２線のそれぞ
れに接続される短小な垂直線条と水平線条５₂、５₃は
寄与の度合が少ないが、全く作用しない訳ではないの
で、インピーダンス調整用エレメントの一部となす。水
平２線の長さＥは２００〜５００ｍｍ、好ましくは２５
０〜４５０ｍｍの範囲で、垂直長さＦは１０〜５０ｍ
ｍ、好ましくは２０〜４０ｍｍの範囲で適宜選択すれば
よい。また、水平２線の少なくとも一方において、垂直
線条により接続するが、この場合に必ずしも端部におい
て接続する必要はなく、実施例４に示すように、端部か
ら１００ｍｍの間で接続すればよい補助エレメント７に
ついて、水平長さＧは４００〜８００ｍｍ、好ましくは
５００〜７００ｍｍの範囲で適宜選択すればよい。ま
た、実施例４に示すように、折り返し部を設けてもよ
い。

【００１４】その他の、例えば実施例３のエレメント
８、９として示すような補助エレメントについては、必
ずしもなくてもよいが、インピーダンスの調整、指向性
改善、広帯域性改善、加熱線条との容量結合等を目的と
する各種の補助エレメントを付加することができる。

【００１５】また、本発明のガラスアンテナは単独でも
使用可能であるが、実施例４に示すような加熱線条上部
余白部に設けたガラスアンテナ、前部窓ガラスに設けた
ガラスアンテナ、側部窓ガラスに設けたガラスアンテナ
もしくはポールアンテナなどと組み合わせて、ＦＭラジ
オ放送波、ＴＶ放送波に対してダイバーシティ受信を行
うとさらに好ましい結果を得ることができる。

【００１６】また、後部窓ガラスに合わせガラスを使用
する場合には、ガラスアンテナは銅線などの金属細線を
ポリビニールブチラールなどの中間膜に埋め込んで形成
してもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明のガラスアンテナは、特定形状の
主エレメントに特定形状のインピーダンス調整用エレメ
ントを接続して、さらに補助エレメントを付加すること
により、加熱線条下部の狭い余白部に設けたものであっ
ても、ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯までの
７６ＭＨｚ〜７７０ＭＨｚの非常に広範囲にわたる周波
数帯域において受信利得を向上させるもので、他の場所
に設けたアンテナとダイバーシティ受信を行うと、さら
に好結果を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例１を示す正面図である。

【図２】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例２を示す正面図である。

【図３】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例３を示す正面図である。

【図４】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例４を示す正面図である。

【符号の説明】

１板ガラス２防曇用加熱線条４主エレメント５インピーダンス調整用エレメント６給電点７補助エレメント

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車両用後部窓ガラスの防曇用加熱線条の
下部余白部に設けたガラスアンテナにおいて、垂直線条
を窓ガラスのほぼ中央部に配設し、上端部に水平線条を
接続した逆Ｌ字形状の主エレメントと、平行な水平２線
を少なくとも一方の端部から１００ｍｍの間において垂
直線条により接続し、該水平２線のそれぞれの一部から
垂直線条と水平線条を介して前記主エレメントの垂直線
条に接続されるインピーダンス調整用エレメントと、該
インピーダンス調整用エレメントの下方を一方の側方部
から少なくとも中央部まで延び、前記主エレメントの垂
直線条に接続される補助エレメントを具備するととも
に、該一方の側方部において給電するようにしたことを
特徴とする車両用のガラスアンテナ。