JPH0563421A

JPH0563421A - 車両用のガラスアンテナ

Info

Publication number: JPH0563421A
Application number: JP22027391A
Authority: JP
Inventors: Yoji Nagayama; 長山洋治; Toru Hirotsu; 透弘津; Tokio Tsukada; 塚田時雄
Original assignee: Central Glass Co Ltd
Current assignee: Central Glass Co Ltd
Priority date: 1991-08-30
Filing date: 1991-08-30
Publication date: 1993-03-12

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】加熱線条下部余白部の狭い場所の設けたもので
あっても、ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯ま
での非常に広範囲の周波数帯域において受信利得を向上
せしめた車両用ガラスアンテナを提供することを目的と
する。【構成】車両用後部窓ガラス１の防曇用加熱線条２の下
部余白部に設けたガラスアンテナにおいて、コ字形状エ
レメントあるいは長方形状エレメントを左右に各１個配
設し、導電線条で接続した主エレメント４と該主エレメ
ント４の一部から垂直に下方に延び、さらに一方の側方
部に向けて水平に延びる補助エレメント５を少なくとも
具備するとともに、該一方の側方部において給電するよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等車両の後部窓ガ
ラスに設けたガラスアンテナに関し、特にＴＶ放送波と
ＦＭラジオ放送波を受信するに好適なガラスアンテナに
関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】近年、ＡＭ、ＦＭなどのラ
ジオ放送波以外にもＴＶ放送波を受信するための車両用
ガラスアンテナが要望されるようになり、前部窓ガラス
に垂直アンテナを設けるもの（特開昭61-203702 号）、
後部窓ガラスの防曇用加熱線条上部余白部にＦＭラジオ
放送波、ＴＶ放送波を受信するアンテナを設けるもの
（特開昭61-121603 号）など種々の提案がされている
が、後部窓ガラスは複数の加熱線条が面積の大部分を占
めるためアンテナの占有面積が小さくなり、単独のアン
テナでは勿論、複数のアンテナを設けてダイバーシティ
受信を行っても、必ずしも十分な受信利得を得ることが
できなかった。

【０００３】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、加熱線条下部余白部の狭い場所であっても、
ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯までの非常に
広範囲の周波数帯域において受信利得を向上せしめた車
両用ガラスアンテナを提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明は、車両用後部
窓ガラスの防曇用加熱線条の下部余白部に設けたガラス
アンテナにおいて、コ字形状エレメントあるいは長方形
状エレメントを左右に各１個配設し、導電線条で接続し
た主エレメントと該主エレメントの一部から垂直に下方
に延び、さらに一方の側方部に向けて水平に延びる補助
エレメントを少なくとも具備するとともに、該一方の側
方部において給電するようにしたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明者らは、車両用後部窓ガラスの加熱線状
の下部余白部にコ字形状エレメントあるいは長方形状エ
レメントを左右に各１個配設して、導電線条で接続した
エレメントがＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波までの広
帯域にわたり主アンテナとして作用することを見出し、
本発明をなしたものであり、このエレメントの一部から
垂直に下方に延び、さらに一方の側方部に向けて水平に
延びるＬ字形状エレメントを少なくとも付加するととも
に、該一方の側方部において給電することにより、この
部分が指向特性の改善、あるいはインピーダンスの調整
をする補助アンテナとして作用して受信利得を向上させ
るものである。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図１〜図９は、それぞれ本発明のガラスアンテ
ナを自動車用後部窓ガラスに設けた実施例１〜実施例９
を示す正面図である。

【０００７】実施例１単板ガラス自動車の後部窓ガラスに装着した例で、図１
に示すように板ガラス１の車内側には、防曇用加熱線条
２、２、・・・、２、ブスバー３、３とともに、加熱線
条下部余白部の側方部に、２個コ字形状エレメント
４₁、４₂を水平に配設した導電線条４₃で接続した主
エレメント４とＬ字形状エレメント５を給電点６ととも
に、スクリーン印刷、焼成して形成する。

【０００８】このようにして得られた車両用ガラスアン
テナの各部の寸法をＡ₁＝1,180 ｍｍ、Ａ₂＝1,470 ｍ
ｍ、Ｂ＝700 ｍｍ、Ｃ₁＝Ｃ₂＝300 ｍｍ、Ｄ₁＝Ｄ₂
＝320 ｍｍ、Ｅ＝100 ｍｍ、Ｆ＝680 ｍｍ、Ｇ＝20ｍ
ｍ、Ｈ＝70ｍｍ、Ｉ＝60ｍｍ、Ｊ＝30ｍｍとしたものに
よって76MHz 〜108MHzのＦＭラジオ放送波１〜１２チャ
ンネルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、470MHz〜770MHzの
ＴＶ放送波ＵＨＦ帯の水平偏波における平均の受信利得
を測定して、標準のダイポールアンテナの受信利得を０
dBとしたときの利得差（以下、ダイポール比と略称す
る）で示すと、それぞれ、−１８．３ｄＢ、−１９．３
ｄＢ、−１８．１ｄＢとなり、従来の実用に供されてい
る良好な車両用ガラスアンテナの受信利得がＦＭラジオ
放送波、ＴＶ放送波ＶＨＦ帯に対してそれぞれ平均値で
約−２０ｄＢ、約−２０ｄＢ、約−１９ｄＢであるの
で、全ての帯域で上回っており良好なアンテナであるこ
とがわかる。

【０００９】実施例２〜実施例５図２に示す実施例２は、主エレメントを側方部分に配設
し、Ｃ₁＝245 ｍｍ、Ｃ₂＝300 ｍｍ、Ｄ₁＝345 ｍ
ｍ、Ｄ₂＝300 ｍｍ、Ｅ＝55ｍｍ、Ｆ＝300 ｍｍ
、Ｇ＝25ｍｍ、Ｈ＝85ｍｍ、Ｉ＝60ｍｍ、Ｊ＝10ｍ
ｍ、Ｋ＝200 ｍｍとするとともに、補助エレメント７を
付加したもの、図３に示す実施例３は、主エレメントの
形状を変え、Ｃ₁＝200 ｍｍ、Ｃ₂＝400 ｍｍ、Ｄ₁
＝200ｍｍ、Ｄ₂＝500 ｍｍ、Ｅ＝50ｍｍ、Ｆ
＝615 ｍｍ、Ｇ＝20ｍｍ、Ｉ₁＝40ｍｍ、Ｉ₂＝50ｍ
ｍ、Ｊ＝30ｍｍとしたもの、図４に示す実施例４は主エ
レメントの形状を変え、補助エレメント８を付加すると
ともに、Ｃ₁＝Ｃ₂＝250ｍｍ、Ｅ＝100 ｍｍ、Ｇ＝20
ｍｍ、Ｈ＝70ｍｍ、Ｉ＝50ｍｍ、Ｊ＝40ｍｍ、Ｌ＝250
ｍｍとしたもの、図５に示す実施例５は主エレメントの
形状を変え、コ字形状エレメント４₂の一端を折り返す
とともに、加熱線条上部余白部に別のアンテナ９を設け
たものであり、窓ガラス、加熱線条の構成、寸法は実施
例１と同じとしたものである。

【００１０】このような車両用ガラスアンテナによって
76MHz 〜108MHzのＦＭラジオ放送波、１〜１２チャンネ
ルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、470MHz〜770MHzのＴＶ
放送波ＵＨＦ帯の受信利得（ダイポール比）を測定した
ところ、実施例２のアンテナはそれぞれ−１８．８ｄ
Ｂ、−１９．８ｄＢ、−１９．０ｄＢ、実施例３のアン
テナはそれぞれ−１８．５ｄＢ、−１９．１ｄＢ、−１
８．６ｄＢ、実施例４のアンテナはそれぞれ−１８．６
ｄＢ、−１９．７ｄＢ、−１８．８ｄＢ、実施例５のア
ンテナはそれぞれ−１８．６ｄＢ、−１９．６ｄＢ、−
１８．１ｄＢとなり実施例１とほぼ同等の良好な結果が
得られた。

【００１１】なお、実施例２は側方部にアンテナを設け
ることにより、加熱線条下部余白部の中央部分にはハイ
マウントストップランプを設けることができる。また、
実施例５は本発明のアンテナと加熱線条上部に設けた別
のアンテナと組合わせてダイバーシティ受信を行うと好
適である。

【００１２】実施例６、実施例７主エレメントとして長方形状エレメントを左右に各１個
配設した例であり、図６に示す実施例６はＣ₁＝Ｃ₂＝
350 ｍｍ、Ｅ＝100 ｍｍ、Ｇ＝20ｍｍ、Ｈ＝80ｍｍ、Ｉ
＝30ｍｍ、Ｊ＝50ｍｍとしたもの、図７に示す実施例７
は主エレメントの形状を変え、補助エレメント１０を付
加したものである。

【００１３】このような車両用ガラスアンテナによって
76MHz 〜108MHzのＦＭラジオ放送波、１〜１２チャンネ
ルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、470MHz〜770MHzのＴＶ
放送波ＵＨＦ帯の受信利得（ダイポール比）を測定した
ところ、実施例６のアンテナはそれぞれ−１８．５ｄ
Ｂ、−１９．２ｄＢ、−１８．３ｄＢ、実施例７のアン
テナはそれぞれ−１８．４ｄＢ、−１９．６ｄＢ、−１
８．７ｄＢとなり実施例１とほぼ同等の良好な結果が得
られた。

【００１４】実施例８〜実施例９主エレメントとしてコ字形状エレメントと長方形状エレ
メントを組み合わせて配設した例であり、図８に示す実
施例８はコ字形状エレメント４₂の一端を折り返し、Ｃ
₁＝400 ｍｍ、Ｃ₂＝350 ｍｍ、Ｅ＝50ｍｍ、Ｇ＝20
ｍｍ、Ｈ＝70ｍｍ、Ｉ₁＝40ｍｍ、Ｉ₂＝25ｍｍ、Ｊ
＝50ｍｍとしたもの、図９に示す実施例９は導電線条４
₃をコ字形状とし、Ｔ字形状の補助エレメント１１を付
加したものである。

【００１５】このような車両用ガラスアンテナによって
76MHz 〜108MHzのＦＭラジオ放送波、１〜１２チャンネ
ルにおけるＴＶ放送波ＶＨＦ帯、470MHz〜770MHzのＴＶ
放送波ＵＨＦ帯の受信利得（ダイポール比）を測定した
ところ、実施例９のアンテナはそれぞれ−１８．７ｄ
Ｂ、−１９．３ｄＢ、−１８．６ｄＢ、実施例９のアン
テナはそれぞれ−１８．８ｄＢ、−１９．５ｄＢ、−１
８．９ｄＢとなり実施例１とほぼ同等の良好な結果が得
られた。

【００１６】以上、好適な実施例により説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではなく、種々の応用が
可能である。主エレメントについて、左右に配設するエ
レメントはコ字形状エレメントとコ字形状エレメント、
長方形状エレメントと長方形状エレメント、コ字形状エ
レメントと長方形状エレメントの組合せを車種と受信周
波数に応じて適宜選択すればよいが、それぞれの水平長
さＣ₁、Ｃ₂、Ｄ₁、Ｄ₂は２００〜８００ｍｍ、好ま
しくは３００〜７００ｍｍの範囲がよく、垂直長さＩは
５〜７０ｍｍ、好ましくは１０〜６０ｍｍの範囲がよ
い。また、これらを接続する導電線条は水平線条だけで
なく、実施例９に示すようにコ字形状にすることもで
き、その水平長さＥは１０〜１５０ｍｍ、好ましくは４
０〜１２０ｍｍの範囲がよい。

【００１７】Ｌ字形状エレメントについては、垂直長さ
はＨは２０〜１００ｍｍ、好ましくは３０〜９０ｍｍの
範囲がよく、水平部の長さＦは２５０〜８００ｍｍ、好
ましくは３００〜７００ｍｍの範囲で適宜選択すればよ
い。

【００１８】補助エレメントについては必ずしもなくて
もよいが、インピーダンスの調整、指向特性改善、広帯
域特性改善あるいは加熱線条との容量結合などを目的と
して各種の補助エレメントを付加することも可能であ
る。

【００１９】また、本発明のガラスアンテナは単独でも
使用可能であるが、実施例５のように加熱線状上部余白
部に設けたガラスアンテナ、前部窓ガラスに設けたガラ
スアンテナ、側部窓ガラスに設けたガラスアンテナもし
くはポールアンテナなどと組み合わせて、ＦＭラジオ放
送波、ＴＶ放送波に対してダイバーシティ受信を行うと
さらに好ましい結果を得ることができる。

【００２０】また後部窓ガラスに合わせガラスを使用す
る場合には、ガラスアンテナは銅線などの金属細線をポ
リビニールブチラールなどの中間膜に埋め込んでで形成
してもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明のガラスアンテナは、特殊形状の
主エレメントとＬ字形状エレメントを組み合わせること
により、加熱線条下部の狭い余白部に設けたものであっ
ても、ＦＭラジオ放送波からＴＶ放送波ＵＨＦ帯までの
７６ＭＨｚ〜７７０ＭＨｚの非常に広範囲にわたる周波
数帯域において受信利得を向上させるもので、他の場所
に設けたアンテナとダイバーシティ受信を行うと、さら
に好結果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例１を示す正面図である。

【図２】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例２を示す正面図である。

【図３】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例３を示す正面図である。

【図４】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例４を示す正面図である。

【図５】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例５を示す正面図である。

【図６】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例６を示す正面図である。

【図７】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例７を示す正面図である。

【図８】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例８を示す正面図である。

【図９】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例９を示す正面図である。

【符号の説明】

１板ガラス２防曇用の加熱線条４主エレメント５Ｌ字形状エレメント６給電点

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車両用後部窓ガラスの防曇用加熱線条の
下部余白部に設けたガラスアンテナにおいて、コ字形状
エレメントあるいは長方形状エレメントを左右に各１個
配設し、導電線条で接続した主エレメントと該主エレメ
ントの一部から垂直に下方に延び、さらに一方の側方部
に向けて水平に延びる補助エレメントを少なくとも具備
するとともに、該一方の側方部において給電するように
したことを特徴とする車両用のガラスアンテナ。