JPH05150535A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05150535A
JPH05150535A JP33786191A JP33786191A JPH05150535A JP H05150535 A JPH05150535 A JP H05150535A JP 33786191 A JP33786191 A JP 33786191A JP 33786191 A JP33786191 A JP 33786191A JP H05150535 A JPH05150535 A JP H05150535A
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直之 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電安定性および繰り返し安定性に優れた電
子写真感光体を提供する。 【構成】 下引き層として、変性ポリアミド樹脂または
ポリビニルブチラ―ル樹脂と熱硬化性樹脂を組み合わせ
て成膜し、電荷発生層に酸化電位0.8V以上,2.0
V未満(vs SCE)の電荷発生材料を使用し、電荷
輸送層には酸化電位1.2V以下の電荷輸送材料を使用
する。また、電荷発生材料と電荷輸送材料の電位差を
0.2V以上,1.0V未満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高機能な電子写真感光
体に関し、特に帯電安定性や繰り返し安定性に優れ、耐
環境性を向上させた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】近年、ノンインパクトプ
リンタ技術の発展に伴い、高画質、高速化の可能な電子
写真方式の光プリンタが広く普及しつつあり、それらの
要求に耐えうる感光体の開発が盛んである。電子写真感
光体の有する欠点として、暗減衰が大きい、帯電性が悪
い、残留電位が高い、耐環境性が悪い、白抜け黒ポチ等
の画像欠陥が発生し易いなどの問題が知られている。こ
のような問題点を解決するために、導電性支持体上と感
光層との間に、樹脂層を設けることが試みられている。
しかしながら、従来から公知の樹脂においては、感光体
が有する欠点の一部しか改善されず、技術的にも極めて
不十分なものであった。例えば、ナイロン類を使用した
場合には、ギ酸等の特殊な溶媒にしか溶解しないため、
塗工の作業が困難であり、溶解液の安定性も低いもので
ある。また、環境特性においても吸湿し易いために高湿
な雰囲気では画像カブリを起こしてしまうという問題が
ある。さらに、このような樹脂層には、支持体表面の凹
凸を滑らかにする効果と支持体からの電荷注入を防ぐブ
ロッキング効果を兼ね備えることが必要であるが、ブロ
ッキング効果を強くし過ぎると支持体からの電荷注入は
防ぐが、電荷発生層で発生した対電荷が逃げにくくなる
という問題が起こる。本発明は上記の問題を解決するた
めになされたもので、耐環境性や耐溶剤性を向上させ、
繰り返し使用における電位上昇を小さく抑えた高機能な
電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に、少なくとも下引き層、電荷発生層および電荷輸送
層を有する積層型電子写真感光体において、下引き層
が、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂からなることを特徴と
する電子写真感光体である。ここで、熱可塑性樹脂は、
アミド結合の20〜50モル%が下記一般式:
【化2】 (式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Rはメチ
ル基、エチル基、n−あるいはi−プロピル基またはn
−,i−あるいはt−ブチル基を表す。)で示される構
造の置換アミド結合よりなる6ナイロン、または6ナイ
ロンを構成成分として含む共重合ナイロンを主体とする
変性ポリアミド樹脂であるか、あるいはポリビニルブチ
ラ―ル樹脂であることが望ましい。また、これらの樹脂
だけでは、ブロッキング効果や耐環境特性ともに不十分
であり、その課題改善のために熱硬化性樹脂を加える。
熱硬化性樹脂としては、アミノ樹脂、フェノ―ル樹脂、
アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である
ことが望ましい。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の配合割
合は特に限定されないが、全樹脂中の熱硬化性樹脂の量
が5〜50%であるのが適当である。50%を超えると
残留電位が上昇したり、膜がもろく、固くなる等、成膜
性が悪くなりやすい。
【0004】また、本発明による積層型電子写真感光体
において、電荷発生層が酸化電位0.8V以上、2.0
V未満の電荷発生材料を含有することが望ましく、電荷
輸送層が酸化電位1.2V以下の電荷輸送材料を含有す
ることが望ましく、電荷発生層を構成する電荷発生材料
と電荷輸送層を構成する電荷輸送材料の酸化電位の差
が、0.2V以上、1.0V未満であることにより、各
層間の電荷注入は良好に制御される。
【0005】以下、本発明を詳記する。導電層を有する
支持体としては、電子写真感光体において公知のものな
らば、如何なるものも使用することができる。本発明に
用いる変性ポリアミド樹脂は、6ナイロンまたは6ナイ
ロンを構成成分として含む共重合ナイロンを、例えば、
T.L.Cairnsら(J.Am.Chem.Soc.,71,P651(1949))が提
案するような方法で変性し、作製することができる。反
応は、次式のように進み、ナイロンのアミド結合が極性
基によって置換される。
【化3】 (式中、XおよびRは前記と同じ意味である。)
【0006】例えば、6ナイロンまたは6ナイロンを構
成成分として含む共重合ナイロンのギ酸溶液に、ホルマ
リンのアルコ―ルまたはメルカプタン溶液を作用させた
後、水/アセトン混合液などの貧溶媒中に注ぎ、アンモ
ニアで中和することによって変性ポリアミドの沈澱が生
じる。また、工業的には、上記6ナイロンまたは共重合
ナイロンに、高温、高圧下でりん酸触媒を用いて、直接
にホルマリンとアルコ―ルまたはメルカプタンを作用さ
せて作製することができる。置換度が進むにつれて、樹
脂の結晶性、融点、弾性率は低下し、溶解性、柔軟性は
増大する。置換度は、反応条件によって広範囲で選択す
ることができるが、本発明においては、置換度が20〜
50モル%、好ましくは30〜40モル%のものが用い
られる。この置換領域のものが、最もアルコ―ルに可溶
で、溶液状態での安定性が良い。20モル%より低いも
のは、溶剤溶解性や密着性、および体積抵抗率において
特性を満足することができない。他方、置換度が50モ
ル%より高くなると、反応条件設定が困難になる。アミ
ド結合の置換基の種類は、変性反応に用いる溶剤によっ
て選択することができ、アルコ―ルを用いる場合は、例
えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、イソブト
キシメチル基等を有するものが得られ、メルカプタンを
用いる場合は、例えば、エチルチオメチル基、イソブチ
ルチオメチル基等を有するものが得られる。この上記変
性ポリアミド樹脂のアミド結合に置換した極性基の機能
により、下引き層の体積抵抗を制御することができ、体
積抵抗は温度、湿度に依存しないことから、電子写真特
性の温湿度依存性が改善される。本発明に用いるポリビ
ニルブチラ―ル樹脂は、公知のものが使用できる。
【0007】しかし、ブロッキング効果や環境特性に関
してはこれらの樹脂単体では十分でないため、熱硬化性
樹脂を加える事により改善をはかる。本発明に用いる熱
硬化性樹脂としては、メラミン樹脂,尿素樹脂,ベンゾ
グナミン樹脂等のアミノ樹脂、フェノ―ル樹脂、熱硬化
性アクリル樹脂、ウレタン樹脂等がある。熱可塑性樹脂
と熱硬化性樹脂との比率は、支持体からの電荷注入量を
阻止し、電荷発生層で発生した対電荷を逃がすという特
性を持たなければならないため、静電気特性の値をみな
がら調整することが望ましい。下引き層の膜厚は、0.
05〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度が適当
である。熱硬化性樹脂を混合することにより、膜硬度が
向上し耐溶剤性も上がるので、後述する電荷発生層を形
成する際に用いる溶剤選択が容易になる。上記熱可塑性
樹脂と熱硬化性樹脂の混合体を溶解させる溶剤として
は、例えば、メタノ―ル、エタノ―ル、n−ブタノ―
ル、イソプロパノ―ル、トルエン、キシレン、フェノ―
ル等を単独もしくは2種類以上混合して使用することが
できる。塗布膜を形成する塗工法としては、スピンコ―
タ―、アプリケ―タ―、スプレ―コ―タ―、バ―コ―タ
―、浸積コ―タ―、ドクタ―ブレ―ド、ロ―ラ―コ―タ
―、カ―テンコ―タ―、ビ―ドコ―タ―等装置を用いて
行い、乾燥は90〜180℃、好ましくは100〜15
0℃の範囲の温度で30〜70分の範囲の時間で行うこ
とができる。
【0008】本発明による電荷発生層は、CdS,S
e,ZnO等の無機材料あるいはアゾ系顔料,インジゴ
系顔料,ピリリウム系顔料,チアピリリウム系顔料,フ
タロシアニン系顔料,ペリレン系顔料,ペリノン系顔
料,多環キノン系顔料,スクエアリウム化合物,シアニ
ン色素等の有機材料の電荷発生材料の中から、酸化電位
0.8V以上,2.0V未満(vs SCE)の材料を
選択する。また、この値を満足するならば、2種以上混
ぜて用いてもよい。上記電荷発生材料の酸化電位とは、
第1酸化波のピ―ク値(Eox)を示し、実際には、支持
電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム,テトラフルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム,過塩素酸リチウム等の塩類を用い、溶媒としてメ
タノ―ル、エタノ―ル、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド等を用い、電極として飽和カロメル電極を使用
し、サイクリックボルタンメトリによって測定できる。
ただし、測定は、上記の方法に限定されるものではな
く、ポテンシオメトリ―、ポ―ラログラフィ―によって
も求められる。本発明では、支持電解質としてテトラフ
ルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、溶媒と
してアセトニトリル、電極として飽和カロメル電極を使
用し、電荷発生材料5に対し、樹脂1の割合で分散した
溶液を白金に塗工した対電極を用いることにより、サイ
クリックボルタンメトリ―にて酸化電位を測定した。
【0009】電荷発生層を塗工によって形成する際に用
いうる樹脂としては、広範囲な絶縁性樹脂から選択で
き、またポリビニルアントラセンやポリビニルピレンな
どの有機光導電性ポリマ―から選択できる。また好まし
くは、ポリビニルブチラ―ル、ポリアリレ―ト、ポリカ
―ボネ―ト、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸
ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリ
ビニルピリジン、セルロ―ス系樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリケト
ン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタ―ル、フェノ―
ル樹脂、メラミン樹脂、カゼイン、ポリビニルピロリド
ン等の絶縁樹脂を挙げることができる。電荷発生層中に
含有する樹脂は、90重量%以下、好ましくは50重量
%以下が適している。また、これらの樹脂は、1種また
は2種以上組み合わせてもよい。これらの樹脂を溶解す
る溶剤は、樹脂の種類によって異なり、塗工時に、下引
き層に影響を与えないものから選択するのが望ましい。
具体的には、メタノ―ル,エタノ―ルなどのアルコ―ル
類、ベンゼン,キシレン,ジクロルベンゼンなどの芳香
族炭化水素、アセトン,メチルエチルケトンなどのケト
ン類、酢酸エステル,メチルセロソルブなどのエステル
類、クロロホルム,ジクロルメタン,ジクロルエタン,
四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭化水素、テトラヒ
ドロフラン,ジオキサンなどのエ―テル類、N,N−ジ
メチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドな
どのアミド類およびジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類が用いられる。
【0010】塗布膜を形成する塗工法としては、下引き
層形成時と同様な装置が用いられ、乾燥は、40〜18
0℃、好ましくは60〜120℃の範囲の温度で30〜
70分の範囲の時間で行うことができる。乾燥後、膜厚
は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜1μm程度が
適当である。
【0011】本発明による電荷移動層は、ヒドラゾン化
合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェ
ニルアミン化合物、ベンジジン化合物、オキサゾ―ル化
合物などの電荷移動材料の中から、酸化電位0.8eV
以下の材料を選択する。また、この値を満足するなら
ば、2種以上混ぜて用いても良い。酸化電位が0.8e
Vを超えると、良好な特性の電子写真感光体が得られな
い。電荷移動層を塗工によって形成する際に用いうる樹
脂は、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリメチルメタク
リレ―ト、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂ポリアリレ―
ト、ポリエステル、ポリカ―ボネ―ト、ポリスチレン、
アクリロニトリル―ブタジエンコポリマ―、アクリロニ
トリル−スチレンコポリマ―、ポリビニルブチラ―ル、
ポリビニルホルマ―ル、ポリスルホン、ポリアミド、塩
素化ゴムなどの絶縁樹脂、ポリビニルカルバゾ―ル、ポ
リエポキシプロピルカルバゾ―ル、ポリビニルアントラ
セン、ポリビニルピレンなどが用いられる。これらの樹
脂は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
電荷移動層中に含有する樹脂は、90重量%以下、好ま
しくは50重量%以下が適している。
【0012】これらの樹脂を溶解する溶剤は、樹脂の種
類によって異なり、電荷発生層の塗工時に影響を与えな
いものから選択することが望ましい。具体的には、ベン
ゼン,キシレン,リグロイン,モノクロルベンゼン,ジ
クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、アセトン,メチ
ルエチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン類、メ
タノ―ル,エタノ―ル,イソプロパノ―ルなどのアルコ
―ル類、酢酸エチル,メチルセロソルブなどのエステル
類、四塩化炭素,クロロホルム,ジクロルメタン,ジク
ロルエタン,トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン
化炭化水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの
エ―テル類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−
ジメチルアセトアミドなどのアミド類およびジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類が用いられる。塗布膜
を形成する塗工法としては、下引き層、電荷発生層形成
時と同様な装置が用いられ、乾燥は、30〜160℃、
好ましくは60〜120℃の範囲の温度で30〜90分
の範囲の時間で行うことができる。乾燥後、膜厚は5〜
40μm、好ましくは10〜20μm程度が適当であ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、その要
旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものでは
ない。例の中で部とは、重量部を示す。 実施例1 60部のナイロン6−6(ウベナイロン2020B:宇
部興産社製)を100部の99%ギ酸に溶解し、60℃
に保持して攪拌する。一方、パラホルムアルデヒド60
部をアルカリを添加したメタノ―ル100部に溶解した
後、60℃に保持したものに上記ナイロン溶液を徐々に
加え、10分間攪拌した。次に、60部のメタノ―ルを
直ちに加え、さらに、60℃で20分間攪拌を続けた。
得られた反応溶液を、1500mlのアセトン/水混合
液(1:1)中に注ぎ、これに30%アンモニア水を滴
下して中和した。析出により、白色粉末を得た。これを
さらに水洗を重ねて精製し、置換度40モル%のメトキ
シメチル置換6ナイロン50部を得た。
【0014】得られたメトキシメチル置換6ナイロンに
熱硬化性樹脂(ダイヤナ―ル SE−5377:三菱レ
イヨン社製)3部を加えて、トルエン/n−ブタノ―ル
混合液(1:4)中に溶解し、アルミ板上に乾燥膜厚
0.5μmになるように塗布し、下引き層を得た。次
に、図1に示すX線回折像を持つX型無金属フタロシア
ニン(酸化電位:0.936V)3部、ブチラ―ル樹脂
(BX−1:積水化学社製)2部、テトラヒドロフラン
95部となるように塗料を調整した分散液を用いて、上
記下引き層上に塗布し、乾燥膜厚0.4μmの電荷発生
層を得た。次に、酸化電位0.44Vの1,1−ビス−
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエン8部をポリカ―ボネ―ト樹脂(Z
−200:三菱ガス化学社製)10部、ジクロルメタン
80部中に溶解した溶液を乾燥膜厚が15μmとなるよ
うに上記電荷発生層上に塗布し、電荷輸送層を得た。こ
のようにして、積層型の感光層を有する電子写真感光体
を作製した。
【0015】この感光体の半減露光量(E1/2)を静電
複写紙試験装置(EPA−8100:川口電機製作所
製)により測定した。即ち、暗所で−5kVのコロナ放
電により帯電させ、次いで照度5Luxの白色光で露光
し、表面電位が半分に減衰するのに必要な露光量E1/2
(Lux・sec)を求めた。また、1000回繰り返
して測定した際の変化量を求めた。さらに、環境変化で
画像評価をした。
【0016】実施例2 実施例1で使用したナイロン6−6に代えて、ナイロン
6−66−610(アミラン CM8000:東レ社
製)を用いて置換度35モル%のメトキシメチル置換6
ナイロン45部を得た。その得られたメトキシメチル置
換6ナイロン40部と、熱硬化性樹脂(ダイヤナ―ル
SE−5102:三菱レイヨン社製)1.3部を加えて
塗料化し、アルミ板上に乾燥膜厚0.5μmになるよう
に塗布して下引き層を得た。次に、図2に示すX線回折
像をもつチタニルフタロシアニン(酸化電位:1.25
V)5部を用いて、ブチラ―ル樹脂5部とともにテトラ
ヒドロフラン90部中に分散した塗料を用いて上記下引
き層上に塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を得
た。さらに、酸化電位0.67Vのo−メチル−p−ジ
ベンジルアミノベンズアルデヒド―ジフェニルヒドラゾ
ン15部と酸化電位0.44Vの1,1−ビス−(p−
ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエン5部を、ジクロルメタン80部中に溶解
した溶液を用いて乾燥膜厚が15μmの電荷輸送層を得
た。このようにして電子写真感光体を作製した。
【0017】実施例3 30モル%メトキシメチル置換されたナイロン(タイプ
8ナイロン T−8:ユニチカ社製)45部と、熱硬化
性樹脂(ダイヤナ―ル SE−5377:三菱レイヨン
社製)3部を加えて塗料化し、乾燥膜厚0.5μmの下
引き層を得た。その上に、実施例2と同様に電荷発生層
および電荷輸送層を積層して電子写真感光体を作製し
た。
【0018】実施例4 下引き層として、ブチラ―ル樹脂(BX−55:積水化
学社製)40部と熱硬化性樹脂(ダイヤナ―ル SE−
5377:三菱レイヨン社製)5部をテトラヒドロフラ
ン中に溶解し、乾燥膜厚0.3μmの下引き層を得た。
その上に、実施例2と同様に電荷発生層および電荷輸送
層を積層して電子写真感光体を作製した。
【0019】比較例1 実施例1において、メトキシメチル化しない共重合ナイ
ロンを用いて得た下引き層を用いた以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製した。 比較例2 比較例1で用いた下引き層上に、図3に示すX線回折像
をもつα型無金属フタロシアニン(酸化電位:0.95
V)を用いて、電荷発生層を得た。次に、酸化電位0.
97Vの2,5−ビス−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾ―ル8部を用いた以外
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。 比較例3 下引き層に、30モル%メトキシメチル置換されたナイ
ロン(タイプ8ナイロン T−8:ユニチカ社製)だけ
を用いた以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体
を作製した。以上示した実施例1〜4および比較例1〜
3で作製した電子写真感光体の諸特性を評価した結果を
以下に示す。
【0020】
【表1】静電気特性 ──────────────────────────────────── Vo E1/2 Vr DDR RUNNING (-V) (Lux・sec) (−V) (%) (V) ──────────────────────────────────── 実施例1 910 0.635 20 97.20 -30 実施例2 890 0.525 25 96.50 -40 実施例3 896 0.515 30 96.80 -35 実施例4 887 0.525 25 96.20 -35 比較例1 902 0.675 30 87.00 -80 比較例2 897 2.520 145 98.72 -667 比較例3 880 0.515 20 91.50 -40 ──────────────────────────────────── Vo ;表面電位 E1/2 ;半減露光量 Vr ;残留電位 DDR;暗減衰率 RUNNING;1000回繰り返し測定をした際の残
留電位変化量(2nd−1000th)
【0021】
【表2】 環境特性(画像カブリ状態) ────────────────────────────────── 雰囲気 常温常湿(25℃,50%) 高温高湿(35℃,80%) ────────────────────────────────── 実施例1 カブリ無し カブリ無し 実施例2 カブリ無し カブリ無し 実施例3 カブリ無し カブリ無し 実施例4 カブリ無し カブリ無し 比較例1 カブリ無し カブリ有り 比較例2 カブリ有り カブリ有り 比較例3 カブリ無し カブリ有り ──────────────────────────────────
【0022】
【発明の効果】本発明により得られた電子写真感光体
は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を組み合わせることに
より、支持体からの電荷注入や電荷発生層で発生した対
電荷の流れを調節し、耐環境性や耐溶剤性を格段に向上
させることができた。さらに、電荷発生層から電荷輸送
層への円滑な電荷の注入を満足させることにより、繰り
返し使用における電位上昇を小さく抑えることに優れた
効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で電荷発生材料として使用し
たX型無金属フタロシアニンのX線回折図である。
【図2】本発明の一実施例で電荷発生材料として使用し
たチタニルフタロシアニンのX線回折図である。
【図3】本発明の比較例で電荷発生材料として使用した
α型無金属フタロシアニンのX線回折図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも下引き
    層、電荷発生層および電荷輸送層を有する積層型電子写
    真感光体において、下引き層が熱可塑性樹脂と熱硬化性
    樹脂からなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、アミド結合の20〜5
    0モル%が下記一般式: 【化1】 (式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Rはメチ
    ル基、エチル基、n−あるいはi−プロピル基またはn
    −,i−あるいはt−ブチル基を表す。)で示される構
    造の置換アミド結合よりなる6ナイロン、または6ナイ
    ロンを構成成分として含む共重合ナイロンを主体とする
    変性ポリアミド樹脂である請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリビニルブチラ―ル樹
    脂である請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂がアミノ樹脂、フェノ―ル
    樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂
    である請求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 積層型電子写真感光体であって、電荷発
    生層が、酸化電位0.8V以上、2.0V未満(vs
    SCE)の電荷発生材料を含有する請求項1記載の電子
    写真感光体。
  6. 【請求項6】 積層型電子写真感光体であって、電荷輸
    送層が、酸化電位1.2V以下(vs SCE)である
    電荷輸送材料を含有する請求項1記載の電子写真感光
    体。
  7. 【請求項7】 積層型電子写真感光体であって、電荷発
    生層を構成する電荷発生材料と電荷輸送層を構成する電
    荷輸送材料の酸化電位差が0.2V以上、1.0V未満
    (vs SCE)である請求項1記載の電子写真感光
    体。
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