JPH05141443A - 油圧圧着式クラツチ - Google Patents

油圧圧着式クラツチ

Info

Publication number
JPH05141443A
JPH05141443A JP3094649A JP9464991A JPH05141443A JP H05141443 A JPH05141443 A JP H05141443A JP 3094649 A JP3094649 A JP 3094649A JP 9464991 A JP9464991 A JP 9464991A JP H05141443 A JPH05141443 A JP H05141443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
main body
disk
stroke
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3094649A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2611881B2 (ja
Inventor
Kenichi Omori
謙一 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP3094649A priority Critical patent/JP2611881B2/ja
Publication of JPH05141443A publication Critical patent/JPH05141443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611881B2 publication Critical patent/JP2611881B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧圧着式クラッチにおいて、クラッチを切
ったとき、クラッチディスクが速やかにエンジンのクラ
ンクシャフトに固定された油圧装置の本体の摩擦部材か
ら離脱するようにすることであり、またこれによってク
ラッチの引きずりを防止してギヤ入れ及びギヤ抜きを軽
快に行わせることができるようにすることであり、また
クラッチの断接を敏速に行わせることができるようにす
ることである。 【構成】 プレッシャプレート押圧用のピストンのスト
ロークを高温時には小さくし、低温時には大きくするよ
うにした油圧圧着式クラッチのクラッチディスクの戻し
ばねとして皿ばねをクラッチディスクと油圧装置の本体
との間に配設したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧圧着式クラッチに
係り、特にクラッチを切ったとき速やかにクラッチディ
スクを、クランクシャフトに固定された油圧装置の本体
の摩擦部材から離脱させてクラッチの引きずりを完全に
防止するようにした油圧圧着式クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、手動変速式のトランスミッション
又は該手動変速式のトランスミッションを流体圧シリン
ダを採用したアクチュエータにより自動変速化したトラ
ンスミッションにおいては、乾式又は湿式等の機械式ク
ラッチが必要であり、特にクラッチの耐久性を向上さ
せ、またクラッチの断接を敏速に行わせるために油圧圧
着式クラッチが提案されている。しかし、従来の油圧圧
着式クラッチにおいては、クラッチカバーとクラッチデ
ィスクとの間の間隔が常に一定であったので、プレッシ
ャプレート押圧用のピストンのストロークが一定である
結果、低温時には、オイルの粘性が非常に大きくなるた
め、クラッチの切れが悪くなり、いわゆるクラッチの引
きずりが生じ、このクラッチの引きずりに起因するトル
クが大きくなり、ギヤが入りにくかったり、入っても抜
けにくい等の問題が発生する場合があった。
【0003】この問題を解消するための一案としては、
ピストンのストロークを大きくすることが考えられる
が、こうすると高温時にクラッチの断接が緩慢となり、
敏速な変速操作を行うことができなくなるという不具合
が生ずる。
【0004】また他の方法としては、ピストンのストロ
ークを温度によって変化させ、即ち高温時にはストロー
クを小さくし、低温時にはストロークを大きくする方法
があるが、該方法によるとクラッチの本体とピストンに
固着されたプレッシャプレートとの間の間隔が温度によ
り変化するためクラッチを切ったときのクラッチディス
クの位置を例えばピストンのストロークが大きい低温時
に本体とプレッシャプレートとの中央部に位置するよう
に調節すると、高温時に該クラッチディスクは本体側に
偏った位置に,また高温時において調節すると、低温時
にクラッチディスクはプレッシャプレート側に偏った位
置となり、クラッチの断接が緩慢となり、敏速な変速操
作を行うことができなくなったり、クラッチの引きずり
が生じるという不具合が生ずる結果となる。
【0005】該不具合を解消するために、本願出願人
は、形状記憶合金製ばねを本体とクラッチディスクとの
間に装着してクラッチを切ったときのクラッチディスク
の位置を温度に関係なく常に本体とプレッシャプレート
との中央部に位置させるものを提案したが、クラッチデ
ィスクの戻し力を十分に大きくしてクラッチの切れを確
実にするためには、形状記憶合金製ばねの形状が大きく
なってしまい、そのコストが高くつくと共に、油圧圧着
式クラッチが大型となってしまうという点で不利であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、プレッシャプレート押圧用のピス
トンのストロークを高温時には小さくし、低温時には大
きくするようにした油圧圧着式クラッチのクラッチディ
スクの戻しばねを皿ばねとして、油圧装置の本体とクラ
ッチディスクとの間に配設することにより、クラッチを
切ったときのクラッチディスクの位置が高温時の小さな
ストロークの中央となるように調節してクラッチを切っ
たときクラッチディスクが速やかに本体から離脱するよ
うにすることであり、またこれによってクラッチの引き
ずりを防止してギヤ入れ及びギヤ抜きを軽快に行わせる
ことができるようにすることである。また他の目的は、
上記構成によりクラッチの断接を敏速に行わせることが
できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】要するに本発明は、エン
ジンのクランクシャフトに固定された本体と、該本体に
固定されたシリンダ室の内部に摺動自在に収容され高温
時にはストロークを小さくし、低温時にはストロークを
大きくするように構成されたプレッシャプレート押圧用
のリング状のピストンと、前記ピストンにより押圧され
たとき前記本体と共に一体的に回転すると共にインプッ
トシャフトに対してその軸方向に摺動自在に装着された
クラッチディスクと、前記本体と前記クラッチディスク
との間に配設され高温時において狭くされた前記本体と
前記プレッシャプレートとの隙間の略中央に前記クラッ
チディスクを位置させるように該クラッチディスクを前
記プレッシャプレートに向けて押圧付勢する皿ばねとを
備え、前記シリンダ室への圧力油の供給が遮断されたと
き速やかに前記クラッチディスクを前記本体から離脱さ
せるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】以下本発明をを図面に示す実施例に基いて説
明する。図1から図6において、本発明に係る油圧圧着
式クラッチ1は、エンジン(図示せず)のクランクシャ
フト6に固定された本体14と、プレッシャプレート押
圧用のリング状のピストン16と、クラッチディスク1
1と、皿ばね60とを備えている。
【0009】まず油圧圧着式クラッチの基本的構成につ
いて説明すると、クラッチハウジング5内にエンジン
(図示せず)のクランクシャフト6が回動自在に嵌合し
ていて、該クラッチハウジング5内に突出しており、ク
ランクシャフト6の一端にはボルト8によってフレック
スプレート9が固定され、該フレックスプレート9には
プレッシャプレート10をクラッチディスク11に対し
て圧着するための油圧装置12がボルト13によって固
定されている。油圧装置12は、本体14と、シリンダ
15と、リング状のピストン16と、油圧ポンプの一例
たるベーンポンプ18とからなる。本体14は、フレッ
クスプレート9と共に回転可能に円形に形成されてお
り、ボルト13によってフレックスプレート9に固定さ
れ、その中心部には軸受19を介してインプットシャフ
ト20が回動自在に装着され、クラッチディスク11側
の対向面14aには摩擦部材21が固着されている。
【0010】シリンダ15は、本体14と共に回転可能
に円形に形成され、ボルト22により本体14に固定さ
れ、内部にはシリンダ室15b及びこれに連通するオイ
ル通路15cが形成されている。シリンダ室15bとオ
イル通路15cとは連通穴15dにより連通接続され、
オイル通路15cはベーンポンプ18のスリーブ18a
に軸受23を介して回動自在に支承されかつベーンポン
プ18のボス部18bに複数のシール部材24,25を
介して回動自在に嵌挿されたリテーナ26のオイル通路
26aに連通接続され、リテーナ26はシリンダ15に
シール部材27を介して固着されている。そしてリテー
ナ26のオイル通路26aは、ベーンポンプ18のボス
部18bに固定された電磁弁収容部18f内に収容され
た電磁弁(図示せず)を介してベーンポンプ18のオイ
ル吐出口18cに連通接続されたオイルギャラリ18d
に連通し、該ベーンポンプから吐出されるオイルが該電
磁弁により制御されてボス部18bに形成された高圧側
オイルギャラリ18gからリテーナ26に形成された連
通穴26dを通って高圧の状態で供給されるようになっ
ている。なお、オイル通路15cの端部は鋼球15eに
よって密閉されている。またシリンダ15には、オイル
通路15cとは異なる円周方向位置に、オイル通路15
fが形成されており、該オイル通路は油圧装置12内の
空間12aに連通穴15gを介して連通接続されると共
に、オイル通路26aとは異なる円周方向位置に形成さ
れたオイル通路26cに連通し、該オイル通路26cは
上記と別の電磁弁(図示せず)を介してオイルギャラリ
18dに連通し、ベーンポンプ18から吐出されるオイ
ルが該電磁弁により制御されてボス部18bに形成され
た低圧側オイルギャラリ18hからリテーナ26に形成
された連通穴26eを通って低圧の状態で空間12aに
供給され、クラッチを切るための油圧が得られるように
なっている。また空間12a内のオイルは、ベーンポン
プ18のオイル吸入口(図示せず)に連通した連通穴1
5hから排出されてベーンポンプ18の該オイル吸入口
に吸入されるようになっている。
【0011】ピストン16は、リング状に形成されてお
り、そのクラッチディスク11側の側面16aにはプレ
ッシャプレート10が固着されており、シール部材17
を介してシリンダ室15b内に水平方向に摺動自在に収
容され、図中左方に移動することでプレッシャプレート
10をクラッチディスク11に押圧するように構成され
ている。
【0012】図2も参照して、ベーンポンプ18は、ボ
ルト28によりクラッチハウジング5に固定され、その
本体18eは3分割されてボルト29により結合され、
内部にはロータ30がブッシュ31を介してスリーブ1
8aに支承されて回動自在に収容されている。またロー
タ30はリング32内に収容されており、該リングの内
面32aにはロータに形成された複数の放射状の溝30
aに摺動自在に収容されたベーン33が回転に伴なう遠
心力で接触しながら摺動し、機密を保ちながらオイルを
圧縮し得るようになっている。またロータ30の内周面
の2箇所には動力伝達用の切欠30bが形成され、該切
欠にリテーナ26の端部26bが係合し、該リテーナか
らロータ30に動力が伝達されるようになっている。リ
ング32の中心とロータ30の回転中心とは所定の偏心
量だけ偏心しており、この偏心量は可変とされている。
即ち、ベーンポンプ18の本体18eの側方にはリング
押圧ピン47を押圧付勢する圧力設定用の圧縮ばね34
がボルト35で本体に固定されたカバー36内に収容さ
れ、該圧縮ばね34がリング32により圧縮されること
で偏心量が小さくなるように構成されている。またベー
ンポンプ18の本体18eの内周面にはストッパ37が
固定され、該ストッパによりリング32の上下方向位置
が設定されるようになっている。
【0013】次に、形状記憶合金製圧縮ばね53を用い
たバルブ装置54の構成について説明すると、該バルブ
装置は、ピストン16の円周方向に等間隔で3箇所に装
着され、ピストン16のトランスミッション側の側面1
6bに形成された凹陥部16c内に完全に収容されるよ
うにしたもので、側面16bからは全く突出しないよう
に構成され、弁体50とバイアス用圧縮ばね52と形状
記憶合金製圧縮ばね53とからなる。弁体50は、クラ
ンクシャフト6方向に摺動してその先端50aが連通穴
15dを遮蔽しピストン16のストロークを制限するよ
うにしたもので、中空に形成され、円筒部50bと該円
筒部の一端に形成されたフランジ部50cと先端50a
に形成された弁部50dと形状記憶合金製圧縮ばね53
を収容するための穴50eとからなり、弁部50dの直
径は連通穴15dの直径よりも大きく形成され、該弁部
が連通穴15dに対して押圧されると該連通穴が先端5
0aにより遮蔽されるようになっている。バイアス用圧
縮ばね52は、弁体50をピストン16に向けて押圧付
勢するようにしたもので、形状記憶合金でない通常の金
属製のばねであり、弁体50の円筒部50bに装着さ
れ、その一端52aは弁体50のフランジ部50cに当
接し、他の一端52bは凹陥部16cと同一の形状の略
菱形に形成された蓋部材55に当接して凹陥部16c内
に收容されている。そしてそのばね定数は、形状記憶合
金製圧縮ばね53の記憶形態(伸張状態)への復帰力よ
りも圧縮力が弱く、形状記憶合金製圧縮ばね53の二次
永久変形加工形態(圧縮状態)への復帰時には該形状記
憶合金製圧縮ばねを圧縮し得るような値に設定されてい
る。蓋部材55は、弁体50の円筒部50bが嵌合する
穴55aを有し、夫々2本のねじによりピストン16に
固定され、該蓋部材のピストン16への装着時にはその
表面がピストン16の側面16bと面一となるようにな
っている。形状記憶合金製圧縮ばね53は、弁体50の
穴50e内に收容され、弁体50を連通穴15dに向け
て押圧付勢し温度の変化により伸張するように記憶が施
されたものであって、伸張状態を記憶形態とし、圧縮状
態を二次永久変形加工形態として製作されている。即
ち、温度が一定値を超えると、記憶形態に復帰するた
め、形状記憶合金製圧縮ばね53は非常に強い伸張力を
発生して伸張しようとし、温度が一定値以下になると、
二次永久変形加工形態に復帰してもよいように、伸張状
態を維持する力が失われるようになっている。
【0014】形状記憶合金は、Ni−Ti合金と、Cu
−Zn−Al合金に大別されるが、Cu−Zn−Al合
金はNi−Ti合金より安価であり、温度変化に対する
追随性が速やかで、ヒステリシスが小さく、かつ変態温
度範囲が広いという利点があり、Ni−Ti合金は、形
状回復量が大きく、耐久性(熱サイクル)も2ケタ程高
く、機能的性質が優れ、信頼性が高いとされている。本
発明では、このいずれの合金も形状記憶合金製圧縮ばね
53に使用可能である。そして高温時には形状記憶合金
製圧縮ばね53がその記憶形態に戻ることにより弁体5
0が連通穴15dを遮蔽してシリンダ室15bを油圧ロ
ックすることによりピストン16のストロークを小さく
し、低温時にはバイアス用圧縮ばね52により形状記憶
合金製圧縮ばね53が圧縮されて弁体50がピストン側
に引き込まれて連通穴15dが開放され、ピストン16
のストロークを増大させるように構成されている。
【0015】次に、本発明の主要部をなすクラッチディ
スク作動用の皿ばね60について説明する。図3から図
6を参照して、皿ばね60は、通常の金属製のばねであ
り、大径部60aから小径部60bに向かい次第に小さ
くなる円錐台形状に形成され、本体14とクラッチディ
スク11との間に装着されてクラッチディスク11をシ
リンダ15に向けて押圧付勢するように構成されてい
る。即ち、クラッチディスク11がシリンダ15によっ
て押圧されると、皿ばね60も圧縮されてクラッチディ
スク11をシリンダ15に向けて押圧付勢し、シリンダ
15への圧力油の供給が遮断されると、クラッチディス
ク11は皿ばねによってシリンダ15に向けて移動させ
られるが、そのときの該クラッチディスクの位置は高温
時において小さくなったストロークS(図4参照)の
中央になるように調整されており、クラッチディスク1
1から摩擦部材21までの距離tと、プレッシャプレ
ート10までの距離tとが略等しい中央部に位置する
ようになっている。
【0016】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。まず油圧圧着式クラッ
チ1の作用について説明する。エンジンが回転すると、
クランクシャフト6、フレックスプレート9、油圧装置
12の本体14、シリンダ15、リテーナ26及びベー
ンポンプ18のロータ30が同一の速度で回転し、ベー
ンポンプ18から増圧されたオイルが吐出される。図1
に示す状態では、ベーンポンプ18からのオイルは、低
圧側オイルギャラリ18h、オイル通路26c、オイル
通路15f及び連通穴15gを通り、また電磁弁により
減圧されて空間12aのみに供給されて該空間には低圧
のオイルが充満し、オイル通路26c及びオイル通路1
5cには供給されていない。このため空間12a内に充
満した低圧のオイルによってプレッシャプレート10及
びピストン16は図中右方向に押圧されてクラッチディ
スク11は解放され、クラッチは切られている。そこで
クラッチを接続する場合には、電磁弁が作動してベーン
ポンプ18の吐出口18cとオイル通路26aとを連通
させ、高圧側オイルギャラリ18gから連通穴26dを
通ってオイル通路26aに高圧のオイルが流れ、該高圧
のオイルを該オイル通路26aからオイル通路15cに
供給する。すると、連通穴15dを通ってオイルがシリ
ンダ室15b内に流入し、該シリンダ室に高圧の油圧が
発生し、ピストン16はプレッシャプレート10を伴な
って図中左方向に移動し、クラッチディスク11を本体
14の摩擦部材21に押圧し、クラッチディスク11に
動力が伝達され、クラッチは接続される。またベーンポ
ンプ18のオイルを、電磁弁の作動によりオイル通路1
5Cに供給しないようにすることによって、シリンダ室
15b内の油圧を消失させ、空間12a内の低圧の油圧
によってプレッシャプレート10及びピストン16を図
中右方に押し戻してクラッチを切ることができる。
【0017】次に、形状記憶合金製圧縮ばね53を用い
たバルブ装置54の作用について説明する。図1、図3
及び図4において、高温時には、形状記憶合金製圧縮ば
ね53は、その記憶形態に強力に復帰しようとするか
ら、弁体50を押圧し、該弁体の先端50aの弁部50
dがシリンダ15の連通穴15dに当接する。この結
果、連通穴15dは弁体50の先端50aにより遮蔽さ
れ、シリンダ室15bは油圧ロックされ、ピストン16
のストロークが制限され、プレッシャプレート10はク
ラッチディスク11に接近し、プレッシャプレート10
とクラッチディスク11との間の間隔は小さくなり、ク
ラッチの断接を敏速に行わせることが可能となる。また
低温時になると、形状記憶合金製圧縮ばね53は、その
記憶形態に復帰しようとする力が消失するので、バイア
ス用圧縮ばね52の復原力が勝り、該バイアス用圧縮ば
ねにより形状記憶合金製圧縮ばね53は伸張状態から圧
縮状態、即ち二次永久変形加工状態へと戻され、弁体5
0の先端50aは、連通穴15dを開放するので、シリ
ンダ室15bの油圧ロックは解除されることになる。こ
の結果、ピストン16のストロークは増大し、プレッシ
ャプレート10とクラッチディスク11との間の間隔は
大きくなり、これによって、低温時においてオイルの粘
性が増大しても、クラッチの引きずりを防止することが
でき、クラッチは完全に切られ、ギヤ入れ及びギヤ抜き
は軽快に行われ、エアを利用したアクチュエータ等の負
荷を軽減することができる。
【0018】次に、図1から図4を参照して、本発明の
皿ばね60の作用について説明する。圧力油が供給され
てピストン16がプレッシャプレート10を伴なって図
中左方向に移動し、クラッチディスク11を本体14の
摩擦部材21に押圧し、クラッチディスク11に動力が
伝達されるクラッチの接続状態から、電磁弁の作動によ
りオイル通路15cへの圧力油の供給を遮断すると、シ
リンダ室15b内の油圧が消失するので、皿ばね60に
より押圧されているクラッチディスク11は、図中右方
向に移動するが、図4に示すストロークの小さな高温時
にはクラッチディスク11は、皿ばね60の操作力によ
ってtだけ図中右方向に移動させられて、そのストロ
ークSの中央の位置まで速やかに移動してクラッチが
切られる。また図3に示すストロークの大きな低温時に
は皿ばね60の操作力によってまずtだけ図中右方向
に移動させられて速やかにクラッチが切られ、続いて空
間12a内に充満した低圧のオイルがクラッチディスク
11と本体14及びプレッシャプレート10の間に流入
するので、更にクラッチディスク11を図中右方向に移
動させ(t)、ストロークSの中央に位置させてク
ラッチは完全に切られる。上述した如く皿ばね60の作
用により、シリンダ室15b内の油圧が消失すると直ち
にクラッチディスク11は本体14の摩擦部材21から
速かに離脱してクラッチが切られ、クラッチの断接を敏
速に行わせることが可能となり、また低温時においてオ
イルの粘性が増大しても、クラッチディスク11は皿ば
ね60の作用により確実に本体14から離脱しているの
でクラッチの引きずりを防止することができ、クラッチ
は完全に切られ、ギヤ入れ及びギヤ抜きを軽快に行うこ
とができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上記のようにプレッシャプレ
ート押圧用のピストンのストロークを高温時には小さく
し、低温時には大きくするようにした油圧圧着式クラッ
チのクラッチディスクの戻しばねを皿ばねとして、油圧
装置の本体とクラッチディスクとの間に配設したので、
クラッチを切ったときのクラッチディスクの位置が高温
時の小さなストロークの中央となるように調節してクラ
ッチを切ったときクラッチディスクが速やかに本体から
離脱するようにすることができる効果があり、またこの
結果、クラッチの引きずりを防止してギヤ入れ及びギヤ
抜きを軽快に行わせることができるという効果が得られ
る。またクラッチの断接を敏速に行わせることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧圧着式クラッチの縦断面図である。
【図2】べーンポンプの縦断面図である。
【図3】低温時における皿ばねの作用を示す要部拡大縦
断面図である。
【図4】高温時における皿ばねの作用を示す要部拡大縦
断面図である。
【図5】皿ばねの表面側を示す斜視図である。
【図6】皿ばねの裏面側を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 油圧圧着式クラッチ 6 クランクシャフト 10 プレッシャプレート 11 クラッチディスク 14 本体 15b シリンダ室 16 ピストン 20 インプットシャフト 60 皿ばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】 エンジンのクランクシャフトに固定された
    油圧装置の本体と、該本体に固定されたシリンダ室の内
    部に摺動自在に收容され高温時にはストロークを小さく
    し、低温時にはストロークを大きくするように構成され
    たプレッシャプレート押圧用のリング状のピストンと、
    前記ピストンにより押圧されたとき前記本体と共に一体
    的に回転すると共にインプットシャフトに対してその軸
    方向に摺動自在に装着されたクラッチディスクと、前記
    本体と前記クラッチディスクとの間に配設され高温時に
    おいて狭くされた前記本体と前記プレッシャプレートと
    の隙間の中央に前記クラッチディスクを位置させるよう
    に該クラッチディスクを前記プレッシャプレートに向け
    て押圧付勢する皿ばねとを備え、前記シリンダ室への圧
    力油の供給が遮断されたとき速やかに前記クラッチディ
    スクを前記本体から離脱させるように構成したことを特
    徴とする油圧圧着式クラッチ。
JP3094649A 1991-01-29 1991-01-29 油圧圧着式クラッチ Expired - Lifetime JP2611881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3094649A JP2611881B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 油圧圧着式クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3094649A JP2611881B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 油圧圧着式クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05141443A true JPH05141443A (ja) 1993-06-08
JP2611881B2 JP2611881B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=14116106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3094649A Expired - Lifetime JP2611881B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 油圧圧着式クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611881B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2611881B2 (ja) 1997-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2935893B1 (en) A vacuum pump having a disconnectable drive coupling
JPH05141443A (ja) 油圧圧着式クラツチ
US7069723B2 (en) Anti-reaction valve device, and control unit and hydraulically powered system comprising anti-reaction valve device
JP2611887B2 (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP2519547B2 (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP2666000B2 (ja) 油圧圧着式クラッチ及びその接続制御方法
JPH03194215A (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP3069257B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH0571563A (ja) クラツチブレーキ装置及びその制御方法
JP2905802B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886795B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH03194216A (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP2886816B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2590022B2 (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP2886796B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731463B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886794B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH04210129A (ja) 油圧圧着式クラッチ
JP3241821B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2931705B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3486509B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2989433B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2000310246A (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH10110746A (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2815742B2 (ja) 油圧式動力伝達継手