JPH05141007A - 閉鎖形断面材の接合部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円形鋼管や角形鋼管などの閉鎖形断面材を二
面剪断形のボルト接合によって接合可能にした閉鎖形断
面材の接合部構造を提供する。 【構成】 接合される上下鋼管1,2 の接合部の内側と外
側とに複数枚の接合プレート5,6 を双方に跨がって添え
付け、当該接合プレート5,6 と上下鋼管1,2とを複数本
の接合ボルト11によってボルト止めし、かつ、鋼管２の
接合端部に前記上下鋼管1,2 の接合部の内側に添え付け
られる接合プレート５と、当該接合プレート５と上下鋼
管1,2 間に締め付けられる接合ボルト11を取り付けるた
めの開口部４を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、円形鋼管や角形鋼管
などの閉鎖形断面材の接合部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、建築・土木工事において円形形管
や角形鋼管などの閉鎖形断面材が広く使用され、閉鎖形
断面材どうしの接合にはおもに溶接方法が適用さてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、溶接方法は天
候や溶接工の熟練度などによって溶接精度が大きく左右
されるという課題がある。このため、高力ボルトによる
接合が望ましく、しかも一面剪断形よりも二面剪断形の
接合とするほうが接合が確実であり、またボルトの本数
も極力減らせる。

【０００４】この発明はこのような前記従来の課題を解
消するために提案されたもので、円形鋼管や角形鋼管な
どの閉鎖形断面材を二面剪断形のボルト接合によって接
合可能にした閉鎖形断面材の接合部構造を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる閉鎖形
断面材の接合部構造は、接合される閉鎖形断面材の接合
部の内側と外側とに複数枚の接合プレートが双方に跨が
って添え付けられ、当該接合プレートと閉鎖形断面材間
に複数本の接合ボルトが締め付けられ、前記閉鎖形断面
材の少なくとも一方の接合部側端部に前記閉鎖形断面材
接合部の内側に添え付けられる接合プレートと、当該接
合プレートと閉鎖形断面材間に締め付けられる接合ボル
トを取り付けるための開口部が設けられている。

【０００６】

【実施例】図１は、この発明の一実施例を示す鋼管柱の
接合部の斜視図であり、また、図２及び図３はその縦断
面図である。

【０００７】図において、鋼管1,2 が上下に突き合わせ
られ、鋼管1,2 の各側面部に複数個のボルト孔3,3 が上
下左右に所定間隔おきに形成され、また、鋼管１の一側
部1aには開口部４が形成されている。

【０００８】鋼管１及び２の一側面部1a及び2aを除く三
側面部の表側と内側には、上下鋼管1,2 の双方の側面部
に跨がって接合プレート５と６がそれぞれ添え付けら
れ、一側面部1a及び2aの表側と内側には上下鋼管1,2 の
双方の側面部に跨がってスプライスプレート7a,7b がそ
れぞれ添え付けられている。

【０００９】接合プレート５及び６にはボルト孔３に対
応して複数個のボルト孔９が複数個形成され、スプライ
スプレート7a,7b にはボルト孔３に対応して複数個のボ
ルト孔10が形成されている。また、スプライスプレート
7bは開口部４より上下鋼管1,2 の中に入れられるように
やや幅狭く形成され、また、開口部４の外側より一側面
部1a及び1bの内側に手に持って添え付けられるように把
手7c,7c が形成されている。把手7cはスプライスプレー
ト7bの略中央部に直接小孔を穿設することにより形成さ
れている。

【００１０】一方、スプライスプレート7aは開口部４よ
り多少幅広く形成されており、最終的に開口部が隠れる
ようになっている。なお、スプライスプレート7aには、
把手はなくとも良い。

【００１１】ボルト孔10は上下に細長い長孔に形成さ
れ、その一部が後述する接合ボルト11の頭11a を楽に通
せるルーズ孔10a になっている。尚、実施例のボルト孔
10は接合ボルト二本分のボルト孔が連続して形成され、
また、ルーズ孔10a も二本の接合ボルト11の頭11a を同
時に通せる間隔に形成されている（図4,5 参照）。

【００１２】そして、接合プレート５及び６のボルト孔
９とこれと対応する上下鋼管1,2 のボルト孔３、スプラ
イスプレート７a,7bのボルト孔10，10とこれと対応する
上下鋼管1,2 のボルト孔３をそれぞれ貫通する複数本の
接合ボルト11によって上下鋼管１と２が一体的に接合さ
れ、必要により上下鋼管1,2 の中にコンクリートが充填
されている。

【００１３】つづいて、接合方法を順をおって説明す
る。

【００１４】 先ず、鋼管１上端の一側面部1aを除く
三側面部の内側と外側に接合プレート５と６を接合ボル
ト11によってボルト止めする（図６参照）。かかる場
合、接合ボルト11は仮締めの状態に緩く締め付け、ま
た、接合プレート５及び６の上端を、鋼管１を鋼管２の
上に建て付けやすいように外側に傾いた状態にしてお
く。

【００１５】 つづいて、鋼管２の上に鋼管１を建て
付ける。そして、接合プレート５と６を上下鋼管１及び
２の内側と外側の側面部にそれぞれ密着させ、ボルト孔
３と及び９に接合ボルト11を締め付ける。この段階で、
精度調整を行い、本締めを行う（図7,8 参照）。

【００１６】 つづいて、上下鋼管１及び２の一側部
1a及び2aのボルト孔３に内側より外側に向けて接合ボル
ト11をナットを付けた状態でそれぞれ通し、一側面部1a
及び2aの内側には双方に跨がってスプライプレート7bを
添え付けるとともにボルト孔10を接合ボルト11に引っ掛
けて仮止めしておく。

【００１７】スプライスプレート７b を上下鋼管1,2 の
一側面部1a及び2aの内側に仮付けするには、スプライス
プレート7bを開口部４より上下鋼管1,2 の中に建て込
み、把手7c,7c 部分を持って上下鋼管1,2 の一側面部1a
及び2aの内側に垂直に添え付ける。また、ルーズ孔10a,
10a より接合ボルト11の頭11a を貫通させるともにスプ
ライスプレート7bを真下に移動させて接合ボルト11の軸
部をボルト孔10に嵌め込む（図９参照）。

【００１８】更に、上下鋼管1,2 の一側面部1a及び2aの
外側に、双方に跨がってスプライスプレート7aを添え付
け、ルーズ孔10a,10a より接合ボルト11に取り付けたナ
ットを貫通させ、最終的にナット（図省略）を締め付け
る。

【００１９】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているため以下に記載するような効果を有する。

【００２０】開口部より閉鎖形断面材の接合部の内側に
接合プレートを添え付けることができ、また、閉鎖形断
面材の内側からボルト締めも行うことができるため、円
形鋼管や角形鋼管などの閉鎖形断面材を従来略不可能で
あった二面剪断形のボルト接合によって確実強固に接合
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す鋼管の接合部の構造
を示す斜視図である。

【図２】図１における鋼管柱の接合部の構造を示すａ−
ａ線縦断面図である。

【図３】図１における鋼管柱の接合部の構造を示すｂ−
ｂ線縦断面図である。

【図４】スプライスプレートの正面図及び拡大図であ
る。

【図５】図４におけるスプライスプレートの一部拡大図
である。

【図６】接合を方法示す工程図である。

【図７】接合を方法示す工程図である。

【図８】接合を方法示す工程図である。

【図９】接合を方法示す工程図である。

【符号の説明】

1,2 …鋼管( 閉鎖形断面材) 、３…ボルト孔、４…開口
部、5,6 …接合プレート、7a,7b …スプライスプレー
ト、9,10…ボルト孔、11…接合ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接合される閉鎖形断面材の接合部の内側
   と外側とに複数枚の接合プレートを双方に跨がって添え
   付け、当該接合プレートと前記閉鎖形断面材とを複数本
   の接合ボルトによってボルト止めする閉鎖形断面材の接
   合部構造において、前記閉鎖形断面材の少なくとも一方
   の接合部側端部に前記閉鎖形断面材接合部の内側に添え
   付けられる接合プレートと、当該接合プレートと閉鎖形
   断面材間に締め付けられる接合ボルトを取り付けるため
   の開口部を設けたことを特徴とする閉鎖形断面材の接合
   部構造。