JPH05140515A - 貯蔵安定性の改良された感圧接着材 - Google Patents

貯蔵安定性の改良された感圧接着材

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JPH05140515A
JPH05140515A JP30283891A JP30283891A JPH05140515A JP H05140515 A JPH05140515 A JP H05140515A JP 30283891 A JP30283891 A JP 30283891A JP 30283891 A JP30283891 A JP 30283891A JP H05140515 A JPH05140515 A JP H05140515A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
pressure
organic polymer
group
rubber
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JP30283891A
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English (en)
Inventor
Kenji Mogami
健二 最上
Masato Mori
眞人 森
Yuzuru Kondo
譲 近藤
Toshibumi Hirose
俊文 広瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】常温で液状のゴム系有機重合体を主成分とする
組成物を架橋・硬化させて得られた基材に、感圧接着剤
層が積層されたテープ状ないしシート状の感圧接着材。
この感圧接着剤層の組成物は、次のものをを主成分とす
る。(A)重合体分子当り平均して少なくとも1個のカ
ルボキシル基を有する有機重合体、及び、(B)分子中
に少なくとも1個の極性基を有する粘着付与樹脂。 【効果】本発明の感圧接着材は、常温におけるタックに
優れており、初期の高温剥離接着強度が高く、しかも貯
蔵安定性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の組成物を硬化さ
せて得られた柔軟性をもつ基材に感圧接着剤層が積層さ
れた高い接着力(剪断接着力及び剥離接着力)を有し、
かつ貯蔵安定性の優れたテープ状ないしシート状の感圧
接着材に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】従来から、比較的高い接着力を有
するテープ状ないしシート状の感圧接着材を得る方法が
いくつか知られている。例えば、感圧接着剤層を厚くす
る方法が知られているが、接着剤層の厚さには限界があ
るので接着力にも限界がある。
【0003】また、基材に厚めのフォームを用いると感
圧接着材の接着性は比較的良好になるが、最も一般的な
ウレタンフォームやポリエチレンフォーム等の場合、比
較的高い剪断接着力を有するようにすると剥離接着力が
充分ではなくなり、比較的高い剥離接着力を有するよう
にすると感圧接着材としての剪断接着力に限界があり、
比較的高い剥離接着力と比較的高い剪断接着力とを併せ
持たせるのが容易ではなく、満足のいく特性のものが得
られていないという問題がある。
【0004】このような問題を解決するため、特定種の
気泡を特定割合で含む感圧接着材が得られている(特開
昭 58-125776号公報)。然し、この感圧接着材は重合す
ると感圧接着性を有する状態になる組成物を泡立てた後
基材の上に乗せ、この泡が消えないうちに現場で重合さ
せて感圧接着性を有する状態にしなければならないとい
う、形態的にも製法的にもかなり特殊なものとなるとい
う欠点がある。
【0005】なお、前記気泡の代りに、紫外線重合を採
用したガラス微小バブル含有感圧接着テープ(特開昭 5
3-141346号公報及び特開昭62-34976号公報)等も実施さ
れているが、充分量の黒色顔料を添加すると紫外線が遮
断されて重合が遮断されるため、市場が希望する暗色外
観の製品が得られにくいという欠点があった。
【0006】また、感圧接着剤層として従来一般に使用
されているゴム系粘着剤に比べてアクリル系粘着剤が初
期並びに最終接着力、耐候性及び耐老化性に優れている
ことが知られている。その中でもカルボキシル基を含有
する重合体を主成分とするアクリル系粘着剤は、被着体
表面への化学的投錨効果及び凝集力の向上により接着力
が優れている。然し、このようなアクリル系粘着剤は、
粘着剤中のカルボキシル基と反応するような化合物ない
し粘着剤を軟化させるような化合物、例えば金属化合物
や塩基性化合物等を含有する硬化触媒又は加硫促進剤、
フィラー、顔料、ゴム状有機重合体の未反応物等を含む
基材に積層した場合、基材から移行するこれら化合物に
よって徐々に感圧接着材の接着強度が低下していく、即
ち貯蔵安定性に劣るという欠点があった。特に、自動車
用途を始め多くの用途で被着体として用いられている軟
質PVCに対する高温接着強度の低下が著しい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、テープ状ない
しシート状の感圧接着材であって、常温でのタックに優
れ、特に軟質PVCに対して比較的高い初期高温接着力
を有し、かつ貯蔵安定性に優れた感圧接着材を提供する
ものである。
【0008】即ち、本発明は、常温で液状のゴム系有機
重合体を主成分とする組成物を架橋・硬化させて得られ
た基材に、(A)重合体分子当り平均して少なくとも1
個のカルボキシル基を有する有機重合体、及び、(B)
分子中に少なくとも1個の極性基を有する粘着付与樹脂
を主成分とする組成物からなる感圧接着剤層が積層され
てなるテープ状ないしシート状の感圧接着材に関する。
【0009】特に、本発明は、(a)珪素原子に結合し
た水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
成することにより架橋し得る珪素含有基を分子中に少な
くとも1個有する常温で液状のゴム系有機重合体、及び
(b)硬化触媒を主成分とし、更に粘着付与樹脂を含有
した硬化性組成物を硬化させて得られた基材に、(A)
アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステルからな
る群から選ばれる単量体60〜99.5重量%、カルボ
キシル基含有単量体0.05〜20重量%及びこれらの
単量体と共重合し得る単量体0〜30重量%からなる共
重合体、及び(B)分子中に少なくとも1個の極性基を
有する粘着付与樹脂を主成分とする組成物からなる感圧
接着剤層が積層されてなるテープ状ないしシート状の感
圧接着材に関する。
【0010】本発明でいうゴム系有機重合体は、硬化後
にゴム状となり柔軟性を有する。なお、本明細書でいう
柔軟性を有するとは、常温でごく僅かな指の力で曲げら
れることは勿論であるが、常温での弾性率が5×107
dyn/cm2 以下であることを意味する。
【0011】このような特定のゴム系有機重合体として
は、例えば分子中に少なくとも1個の反応性珪素基を有
する常温で液状のゴム系有機重合体(以下、ゴム系有機
重合体(a)ともいう)、また反応性基として例えば水
酸基、イソシアネート基、グリシジル基、アクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、アミド
基、カルボキシル基、メルカプト基等を分子中に少なく
とも1個有する常温で液状の有機重合体等が挙げられる
が、硬化後の基材の柔軟性の点からゴム系有機重合体
(a)が好ましい。
【0012】前記した特定のゴム系有機重合体の主鎖は
硬化物がゴム状物となる有機重合体である限り特に限定
はない。ゴム系有機重合体(a)に含有されている反応
性珪素基は良く知られた基であり、室温においても架橋
し得るという特徴を有している。このような反応性基の
例としては、一般式、 Xa −Si(R)−[−O−Si(R)(X)−]m − (式中、Xは水酸基又は加水分解性基であり、Rは炭素
数1〜20の1価の炭化水素基であり、aは0、1、2
又は3であり、mは0又は1〜19である)で示される
トリオルガノシロキサン基である。
【0013】前記の加水分解性基の具体例としては、例
えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル
オキシ基等の一般に知られている基が挙げられる。これ
らのうちではアルコキシ基が加水分解性がマイルドであ
り、取扱い易いという点から特に好ましい。
【0014】前記式におけるRの具体例としては、メチ
ル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、フェニル基等のアリ−ル基、ベンジ
ル基等のアラルキル基、トリメチルシロキサン基等が挙
げられる。また、一部の水素原子が置換された炭化水素
基であってもよい。これらのうちではメチル基が特に好
ましい。
【0015】前記のゴム系有機重合体(a)の1分子に
は少なくとも1個、好ましくは1.2〜6個の反応性珪
素基が含有される。1分子中に含有される反応性珪素基
の数が1個未満になると硬化が不充分になるので好まし
くない。また、6個を超えると硬化物の柔軟性が充分で
なくなる。
【0016】前記のゴム系有機重合体(a)において、
反応性珪素基は分子末端に存在することが好ましい。分
子末端に反応性珪素基が存在する場合には、架橋点間分
子量が大となるため、柔軟で高伸びの硬化物が得やすい
という利点がある。
【0017】また、ゴム系有機重合体(a)の分子量
は、該ゴム系有機重合体(a)が常温で液状であること
が必要であるため、500〜50,000程度、特に
1,000〜20,000程度のものが好ましい。
【0018】前記の基材用組成物を構成する特定のゴム
系有機重合体以外に使用され得る成分として、基材の柔
軟性を調節し、強度を高めるために使用される粘着付与
樹脂がある。粘着付与樹脂としては特に限定はなく、通
常使用される粘着付与樹脂であれば使用できる。
【0019】このような粘着付与樹脂の具体例として
は、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テ
ルペン−フェノール樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹
脂、低分子量ポリスチレン樹脂、テルペン樹脂等が挙げ
られる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上混合
して用いてもよい。これらの中では、特にフェノール樹
脂系やフェノール含有樹脂系のものが、柔軟性、高伸び
及び高強度を発現し易いので好ましい。粘着付与樹脂の
使用量は、ゴム系有機重合体(a)と共に用いる場合、
ゴム系有機重合体(a)100重量部に対して0〜14
0重量部、更には5〜80重量部が好ましい。該量が1
40部を超えると高弾性率となり、ゴム的な性質が充分
得られなくなるので好ましくない。
【0020】前記基材用組成物を構成する特定のゴム系
有機重合体と共に用いられる成分として硬化触媒があ
る。硬化触媒は、本発明に用いられるゴム系有機重合体
に作用して架橋・硬化せしめ、安定な基材組成物を生成
させる。前記ゴム系有機重合体(a)と共に用いる硬化
触媒には特に限定はなく、通常使用されるシラノール縮
合用触媒が用いられる。
【0021】このような硬化触媒の具体例としては、例
えば、チタン酸エステル、錫カルボン酸塩類、有機ジル
コニウム化合物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エス
テルとの反応物、キレート化合物、オクチル酸鉛、アミ
ン化合物、酸性燐酸エステル、飽和又は不飽和の多価カ
ルボン酸又はその酸無水物、アミン化合物と酸性燐酸エ
ステル、飽和又は不飽和の多価カルボン酸又はその酸無
水物との反応物、その他酸性触媒、塩基性触媒等公知の
シラノール触媒が挙げられる。前記チタン酸エステルの
具体例としては、例えば、テトラブチルチタネート、テ
トラプロピルチタネート等が挙げられる。
【0022】前記錫カルボン酸塩類の具体例としては、
例えば、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジマレエ
−ト、ジブチル錫アセテ−ト、オクチル酸錫、ナフテン
酸錫等が挙げられる。前記有機ジルコニウム化合物の具
体例としては、例えば、ジルコニウムテトライソプロポ
キサイド、ジルコニウムテトラブトキサイド等が挙げら
れる。
【0023】前記キレート化合物の具体例としては、例
えば、アルミニウムトリスアセチルアセトナ−ト、アル
ミニウムトリスエチルアセトアセテ−ト、ジイソプロポ
キシアルミニウムエチルアセトアセテ−ト等の有機アル
ミニウム化合物、ジブチル錫ジアセチルアセトナ−ト、
ジルコニウムテトラアセチルアセトナ−ト、チタンテト
ラアセチルアセトナ−ト等のキレート化合物、等が挙げ
られる。
【0024】前記アミン化合物の具体例としては、例え
ば、ブチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、
ジラウリルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルラ
ウリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、モノエタ
ノ−ルアミン、トリエチレントリアミン、グアニジン、
2-エチル−4-メチルイミダゾ−ル、1,8-ジアザビシクロ
(5,4,0 )ウンデセン-7(DBU)等が挙げられる。ま
た、前記酸性燐酸エステルとは、 −O−P(=O)(OH)− の部分を含む燐酸エステルのことであり、例えば、 (R4 O)d −P(=O)−(OH)3-d (式中、dは1又は2、R4 は有機残基を示す)で示
される有機酸性燐酸エステル等の酸性燐酸エステルが挙
げられる。この有機酸性燐酸エステルの具体的例として
は、例えば、(CH3 O)2 P(O)OH、(CH
3 O)P(O)(OH)2 、(C2 5 O)2 P(O)
OH、(C2 5 O)P(O)(OH)2 、[(C
3 2 CHO]2 P(O)OH、(CH3 2 CHO
P(O)(OH)2 、(C4 9 O)2 P(O)OH、
(C4 9 O)P(O)(OH)2 、(C8 17O)2
P(O)OH、(C8 17O)P(O)(OH)2
(C1021O)2 P(O)OH、(C1021O)P
(O)(OH)2 、(C1327O)2 P(O)OH、
(C1327O)P(O)(OH)2 、(HOC6
12O)P(O)(OH)2 、[(CH2 OH)(CHO
H)O]2 P(O)OH、[(CH2 OH)(CHO
H)O]−P(O)−(OH)2 、[(CH2 OH)
(CHOH)C24 O]2 P(O)OH、[(CH2
OH)(CHOH)C2 4 O]P(O)(OH)2
等が挙げられる。
【0025】これらのうちでは、アミン化合物、酸性燐
酸エステル、飽和又は不飽和の多価カルボン酸又はその
酸無水物、アミン化合物と酸性燐酸エステル、飽和又は
不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物との反応物
が、基材の柔軟性及び伸びが良好であり、また低温特性
の優れた感圧接着材が得られるという点から好ましい。
【0026】これら硬化触媒の使用量は、ゴム系有機重
合体(a)100重量部に対して0.1〜10重量部、
更には0.5〜8重量部が好ましい。該量が0.1部未
満では触媒効果が充分でなく、10部を超えると硬化が
速すぎて支持体への塗布作業性が悪くなる。これ以外に
使用される成分としては、基材の物性を調整するために
用いられるフィラーや基材用組成物の粘度を調整するた
めに溶剤が使用できる。
【0027】このようなフィラーの具体例としては、例
えば、シリカ微粉体、炭酸カルシウム、クレー、タル
ク、酸化チタン、亜鉛華、珪藻土、硫酸バリウム、カー
ボンブラック、及び微小中空体等が挙げられる。
【0028】無機系球状微小中空体としては、ガラス球
状微小中空体、シリカバルーン、フライアッシュバルー
ン、シラスバルーン等がある。このような無機系球状微
小中空体の具体例として、ガラス球状微小中空体では、
日本板硝子(株)製のカルーン、住友スリーエム(株)
製のスコッチライト、旭硝子(株)製のセルスターZ−
28、シリカバルーンでは、旭硝子(株)製のQ−CE
L、シラスバルーンとしてはイチヂ化成(株)製のウイ
ンライト、三機工業(株)製のサンキライト等が挙げら
れる。有機系球状微小中空体としては、ユニオンカーバ
イト社製のフェノール樹脂バルーン”UCAR”等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合
して用いてもよい。更に、これら球状微小中空体の表面
をシラン化合物、ポリプロピレングリコール等で処理し
たものも使用することができる。これら微小中空体は、
基材の柔軟性、伸び及び強度を損なうことなく軽量化さ
せるために使用される。
【0029】これら無機系及び有機系球状微小中空体の
使用量は、ゴム系有機重合体(a)100重量部に対し
て3〜50重量部、更には5〜30重量部が好ましい。
該量が3部未満では軽量化が充分達成されず、50部を
超えると基材の伸び及び強度が低下するので好ましくな
い。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性
剤等がそれぞれの目的に応じて用いられるが、これらに
限定されるものではない。
【0030】本発明において、ゴム系有機重合体に他の
成分を混合するに当たっては、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、プラネタリーミキサー等の混合機を用いて行え
ばよく、このうち粘着付与樹脂を用いる場合は、これを
予め1〜100μm程度の微粉末状態に粉砕しておくこ
とにより、容易に混合することが可能になる。粘着付与
樹脂の微粉末は、塗工前に必ずしも均一溶解状態である
必要はなく、ゴム系有機重合体に小さな粒子として不均
一分散状態で存在していても構わない。
【0031】前述のようにして調製された硬化性組成物
から硬化シートを製造するには、通常該組成物がシリコ
ン剥離紙等へ塗工され、乾燥、硬化させることにより達
成される。
【0032】前記塗工法には特に限定はなく、硬化性組
成物を通常のコーターを用いて塗工すればよい。塗工
後、乾燥・硬化工程に入るが、乾燥硬化条件としては、
常温ないし150℃で0.5〜30分程度行われる。本
発明のテープ状ないしシート状の感圧接着材は、このよ
うにして得られた硬化シートを基材とし、これに感圧接
着剤層が積層されて製造される。
【0033】本発明に用いられる感圧接着剤は、(A)
重合体分子当り平均して少なくとも1個のカルボキシル
基を有する有機重合体、及び、(B)分子中に少なくと
も1個の極性基を有する粘着付与樹脂を主成分とする組
成物からなるものである。
【0034】ここでいう重合体分子当り平均して少なく
とも1個のカルボキシル基を有する有機重合体として
は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエ
ステルからなる群から選ばれる単量体60〜99.5重
量%、カルボキシル基含有単量体0.05〜20重量%
及びこれらの単量体と共重合し得る単量体0〜30重量
%からなる共重合体が挙げられる。
【0035】前記のアクリル酸及びメタクリル酸のアル
キルエステルの具体例としては、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチル
アルコール、シクロヘキシルアルコール、2-エチルヘキ
シルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、メトキ
シエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、ブト
キシエチルアルコール、ベンジルアルコール、グリシジ
ルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等の
1価のアルコールのアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステル、n-ブチルアルコール、2-エチルヘキシルア
ルコール等のエタアクリル酸エステルが挙げられる。こ
れらのうちでは、ブチルアクリレート又は2-エチルヘキ
シルアクリレートが好ましい。
【0036】また、前記カルボキシル基含有単量体の具
体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸等があり、好ましくはアクリ
ル酸が挙げられる。
【0037】更に、上記単量体と共重合し得るその他の
単量体も用いることができる。例えば、エチレン、スチ
レン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、各種のマレイン酸ジエステル、各種N−置換アク
リルアミド又はメタクリルアミド、各種ビニルエーテ
ル、各種フマル酸エステル、ポリイソブチレン、ポリブ
テン等が挙げられる。このうちでは、粘着剤の凝集力向
上という点から酢酸ビニルが好ましい。このような共重
合体は、架橋剤によって通常架橋して用いられている。
【0038】前記の架橋剤は有機重合体中のカルボキシ
ル基の一部を架橋させて充分な凝集力と耐熱性とを粘着
剤に付与するために使用される。架橋剤としては、フェ
ニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及び
ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネー
ト化合物、メラミン化合物、尿素化合物及びエポキシ化
合物等が挙げられる。これらの中でも、被着体に対する
投錨効果の点からポリイソシアネート化合物が好まし
い。これら架橋剤の使用量は、該有機重合体(A)10
0重量部に対し0.05〜30重量部、更には0.1〜
10重量部が好ましい。
【0039】本発明では、更に、分子中に少なくとも1
個の極性基を有する粘着付与樹脂が、粘着剤中のカルボ
キシル基と反応するような化合物ないし粘着剤を軟化さ
せるような化合物、例えば金属化合物や塩基性化合物、
ゴム状有機重合体の未反応物等によって徐々に感圧接着
材の接着強度が低下していくのを防ぐ目的で粘着剤に添
加される。この分子中に少なくとも1個の極性基を有す
る粘着付与樹脂の具体例としては、例えば、フェノール
樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、テルペン−フェノール樹脂等のフェノール系樹
脂、及び、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、ロジンエステ
ル樹脂、水素添加ロジンエステル樹脂等のロジン系樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上混合して用いてもよい。これらの中では、特にフェ
ノール樹脂とロジンエステル樹脂との混合物が優れた貯
蔵安定性を発現し易いので好ましい。
【0040】粘着付与樹脂の使用量は、該有機重合体
(A)100重量部に対して0.5〜80重量部、更に
は1〜40重量部が好ましい。該量が0.5部未満では
貯蔵安定性の改良効果が充分でなく、80部を超えると
粘着剤層のタックが損なわれ、初期接着性が悪くなる。
【0041】また、前述したように、感圧接着剤層が基
材に塗工され、乾燥・硬化することによっても本発明の
感圧接着剤を製造することができるが、これらの方法に
限定されるものではない。このようにして形成される感
圧接着剤層の厚さには特に限定はないが、通常5μm〜
1mm程度、好ましくは25〜200μmのものであ
る。
【0042】このようにして得られた感圧接着材は、常
温での弾性率が1×108 dyn/cm2 以下であり、特に5
1×107 dyn/cm2 以下であるという柔軟性と、剥離接
着強度、剪断接着強度、保持率とも高いという好ましい
接着特性を有し、かつ外観的にも黒色を含む有色配合が
容易であり、コスト的にも比較的安価であるので、自動
車用製品(例えば、サイドモール、エンブレムモール、
ウエザーストリップ等の接着)、電気製品、室内調度
品、表示板、建築材料等の組立、固定等の用途に好適に
使用でき、その工業的価値は非常に高い。
【0043】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1、2 1分子当り平均1.5個のジメトキシシリル基: −Si(CH3 )(OCH3 2
【0044】を有する平均分子量7,500のプロピレ
ンオキシドからなる重合体100重量部、ストレート系
ノボラックフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製
PR−50731)の微粉末(平均粒径15μm)20
重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(大内新興
化学(株)製ノクラックNS−6)1重量部、紫外線吸
収剤(チバガイギー社製チヌビン327)1重量部、カ
ーボンブラック(旭カーボン(株)製#80)1重量部
を、3本ペイントロールで4回混練して混合した。その
後、シラスバルーン(イヂチ化成(株)製ウインライト
MSB5011)7.5重量部及び硬化触媒としてジラ
ウリルモノメチルアミン(花王(株)製ファーミンM2
−20)と、ジ−2-エチルヘキシルホスフェート
((株)大八化学工業所製DP−8R)の中和混合物を
5重量部加えて混合し、減圧脱泡した。
【0045】得られた硬化性組成物を、ドクターブレー
ドを用い、シリコン剥離紙(東洋メタライジング(株)
製セラピールQ−1)の上に厚み1.0mmになるように
塗工した後、140℃で20分間、加熱硬化処理して基
材となる硬化シートを得た。
【0046】一方、感圧接着剤層は次のようにして形成
した。即ち、アクリル酸ブチル90重量%、アクリル酸
8重量%及び酢酸ビニル2重量%の共重合体の40%酢
酸エチル/トルエン(重量比1/1)溶液100重量部
に対し、架橋剤としてフェニルジシイソシアネートの4
0%酢酸エチル溶液2重量部及びストレート系ノボラッ
クフェノール樹脂(住友デュレズ(株)製PR−507
31:軟化点95℃)の40%酢酸エチル溶液を第1表
に示したように所定量計量し、ドクターブレードを用
い、シリコン剥離紙(リンテック(株)製WBG−70
EN)の上に糊厚が100μmになるように塗工し、1
00℃で5分間、乾燥、硬化させた。得られた感圧接着
剤層を硬化シートの両面に気泡が入らないように貼合せ
ることにより本発明の両面接着テープを得た。貯蔵安定
性を評価するため、得られた両面接着テープを23℃又
は50℃で所定時間処理し、下記項目を測定した。結果
を第1表に示す。 高温180°剥離強度:
【0047】厚さ50μmのPETフィルムで裏打ちし
た幅2.5cmの両面接着テープ片を作成し、これを厚み
1.2mmの軟質PVC(ポリ塩化ビニル)板に貼合わせ
た。これを室温で1日放置した後、島津製オートグラフ
を用いて80℃雰囲気下で50mm/分の引張速度で18
0°剥離強度を測定した。 常温タック:常温(23℃)における両面テープの粘着
剤面のタックを指触で評価した。判断基準は以下の通り
である。 ○……良い。 △……やや劣る。 ×……ほとんどない。 実施例3、4
【0048】実施例1の感圧接着剤中に配合したフェノ
ール樹脂の40%酢酸エチル溶液を、第1表に示した量
のロジンエステル樹脂(荒川化学(株)製KE−31
1:軟化点95℃、酸価10、安定化ロジンエステル)
の40%酢酸エチル溶液に代えたほかは実施例1と同様
にして行った。実施例1と同様の項目を測定した結果を
第1表に示す。 実施例5
【0049】実施例1の感圧接着剤中に配合したフェノ
ール樹脂の40%酢酸エチル溶液を、第1表に示した量
のフェノール樹脂とロジンエステル樹脂との混合物(4
0%酢酸エチル溶液)に代えたほかは実施例1と同様に
して行った。実施例1と同様の項目を測定した結果を第
1表に示す。 比較例1〜3
【0050】実施例1の感圧接着剤中に配合したフェノ
ール樹脂の40%酢酸エチル溶液の量を、第1表に示し
たように変更したほかは実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様の項目を測定した結果を第1表に示す。 比較例4
【0051】実施例1の感圧接着剤中に配合したフェノ
ール樹脂の40%酢酸エチル溶液を、石油樹脂(三井石
油化学工業(株)製FTR6100:軟化点91℃、酸
価0.1以下、スチレン系樹脂)の40%酢酸エチル溶
液に変更したほかは実施例1と同様にして行った。実施
例1と同様の項目を測定した結果を第1表に示す。 第 1 表 実施 実施 実施 実施 実施 比較 比較 比較 比較 例1 例2 例3 例4 例5 例1 例2 例3 例4 粘着剤組成(部) BA/AA/VA共重合体 100 100 100 100 100 100 100 100 100 フェニルジイソシアネート 2 2 2 2 2 2 2 2 2 フェノール樹脂 5 20 − − 20 − 0.1 90 − ロジンエステル樹脂 − − 5 20 20 − − − − 石油樹脂 − − − − − − − − 20 貯蔵安定性 高温180°剥離強度(kg/25mm) 0日 2.0 2.2 1.6 1.9 2.2 1.4 1.4 0.5 1.6 23℃ 15日 2.0 2.2 1.7 1.9 2.2 1.3 1.3 0.7 1.4 30日 1.8 2.1 1.4 1.7 2.1 1.1 1.1 1.0 1.2 50℃ 7日 1.5 1.8 1.0 1.4 2.0 0.7 0.8 1.8 0.8 14日 0.9 1.4 0.4 0.7 1.8 0.1 0.2 3.1 0.1 常温タック 0日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ 23℃ 15日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ 30日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △〜× ○ 50℃ 7日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △〜× ○ 14日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ 以上の結果から、本発明の感圧接着材は、常温における
タックに優れ、初期の高温剥離接着強度が高く、しかも
貯蔵安定性に優れていることが判る。
【0052】
【発明の効果】本発明の感圧接着材は、常温におけるタ
ックに優れ、初期の高温剥離接着強度が高く、しかも貯
蔵安定性に優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状のゴム系有機重合体を主成分
    とする組成物を架橋・硬化させて得られた基材に、 (A)重合体分子当り平均して少なくとも1個のカルボ
    キシル基を有する有機重合体、及び、 (B)分子中に少なくとも1個の極性基を有する粘着付
    与樹脂 を主成分とする組成物からなる感圧接着剤層が積層され
    てなるテープ状ないしシート状の感圧接着材。
  2. 【請求項2】 前記(B)の粘着付与樹脂がフェノール
    系樹脂である請求項1に記載の感圧接着材。
  3. 【請求項3】 前記(B)の粘着付与樹脂がフェノール
    系樹脂とロジン系樹脂との混合物である請求項1に記載
    の感圧接着材。
  4. 【請求項4】 ゴム系有機重合体を主成分とする組成物
    が、 (a)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有
    し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪
    素含有基を分子中に少なくとも1個有する常温で液状の
    ゴム系有機重合体、及び (b)硬化触媒 を主成分とする硬化性組成物である請求項1に記載の感
    圧接着材。
  5. 【請求項5】 ゴム系有機重合体を主成分とする組成物
    が、 (a)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有
    し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪
    素含有基を分子中に少なくとも1個有する常温で液状の
    ゴム系有機重合体、及び (b)硬化触媒 を主成分とし、粘着付与樹脂を含有した硬化性組成物で
    ある請求項1に記載の感圧接着材。
  6. 【請求項6】 感圧接着剤層の主成分である有機重合体
    が、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステルか
    らなる群から選ばれる単量体60〜99.5重量%、カ
    ルボキシル基含有単量体0.05〜20重量%及びこれ
    らの単量体と共重合し得る単量体0〜30重量%からな
    る共重合体からなる請求項1に記載の感圧接着材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100405303B1 (ko) * 1999-08-31 2003-11-12 주식회사 엘지화학 가열활성 점착제 조성물
CN116162429A (zh) * 2023-02-18 2023-05-26 上海顶皓新材料科技有限公司 一种锂电池模组用耐热阻燃胶结剂及其制备方法

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