JPH05138668A - 離型用ポリエステルフイルム - Google Patents

離型用ポリエステルフイルム

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JPH05138668A
JPH05138668A JP33005591A JP33005591A JPH05138668A JP H05138668 A JPH05138668 A JP H05138668A JP 33005591 A JP33005591 A JP 33005591A JP 33005591 A JP33005591 A JP 33005591A JP H05138668 A JPH05138668 A JP H05138668A
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polyester
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Akira Sato
彰 佐藤
Katsuhiko Furukawa
勝彦 古川
Kazuyuki Akatsu
一之 赤津
Shinichi Kinoshita
信一 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】十分な接着性を発揮でき、しかも、剥離性に優
れ、且つ、剥離後の樹脂シートのインキ接着性を損なう
ことのない離型用ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリ
オレフィン及び/又はその変性品を含有するコート層を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離型用ポリエステルフ
ィルムに関するものであり、詳しくは、各種樹脂のキャ
スティングに使用される離型用ポリエステルフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、靱性、平滑
性、平面性、耐熱性等に優れるために、離型用フィルム
として広く使用されている。例えば、離型用ポリエステ
ルフィルムの上に、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂(以下「塩ビ」と略す)等の各樹脂のエマル
ジョン又は溶液をキャスティングし、加熱処理後に離型
用ポリエステルフィルムから剥離して樹脂シート得る方
法が知られている。
【0003】近年、塩ビに各種顔料を配合して得た着色
塩ビシートをカットして貼り合わせるマークシートが注
目されている。上記の塩ビマークシート、特に、粘着加
工済の塩ビマークシートの生産に際しては、通常、塩ビ
と顔料や可塑剤等の添加物とを溶媒に均一に分散させて
エマルジョン又は溶液を調製し、次いで、当該エマルジ
ョン又は溶液を離型用ポリエステルフィルム上にキャス
ティングしたのち乾燥して塩ビシートとなし、次いで、
当該塩ビシートの上に粘着剤と離型紙とを順次ラミネー
トした後、離型用ポリエステルフィルムから剥離する方
法が採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離型用
フィルムとして通常のポリエステルフィルムを使用した
場合、ポリエステルフィルムと塩ビシートとの離型性が
重く、塩ビシートの剥離面の光沢が失われて商品価値が
低下する。斯かる傾向は、剥離スピードを速くした場合
に顕著であり、また、時としては、塩ビシートが破れて
しまう。
【0005】上記の問題を解決するために、シリコン樹
脂をコートした離型用ポリエステルフィルムが提案され
ている。しかしながら、シリコン樹脂コートの離型用ポ
リエステルフィルムを使用した場合、粘着剤のラミネー
ト工程において塩ビが離型用ポリエステルフィルムから
剥離すると言う問題がある。また、塩ビの剥離面にシリ
コン樹脂が転移するために、塩ビ表面に印刷を施す場合
のインキ接着性が悪くなると言う欠点がある。
【0006】また、帰来性反射シートは、ガラスビーズ
を含有したアクリル樹脂溶液を離型用ポリエステルフィ
ルム上にキャスティングして乾燥した後、樹脂層の上に
金属を蒸着し、その上に更に粘着剤と離型紙をラミネー
トした後、離型用ポリエステルフィルムを剥離する方法
によって製造される。しかしながら、帰来性反射シート
の製造においても、従来公知の離型用ポリエステルフィ
ルムを使用した場合には、塩ビシートの製造の場合と同
様の問題がある。
【0007】本発明は、上記実情に鑑み成されたもので
あり、その目的は、十分な接着性を発揮でき、しかも、
剥離性に優れ、且つ、剥離後の樹脂シートのインキ接着
性を損なうことのない離型用ポリエステルフィルムを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリオレ
フィン及び/又はその変性品を含有するコート層を設け
て成ることを特徴とする離型用ポリエステルフィルムに
存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
離型用ポリエステルフィルムにおいて、ベースフィルム
を構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはその
エステル形成性誘導体およびグリコール成分とから合成
される高結晶の線状飽和ポリエステルである。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート等が挙げられる。上記のポリエ
ステルは、ホモポリマーであっても他の第3成分を共重
合させたコポリマーであってもよい。
【0010】上記のポリエステルには、得られるフィル
ムに滑性を持たせるために、粒子添加法や粒子析出法に
よって微粒子を含有させることが好ましい。粒子添加法
で使用される微粒子としては、後述の有機系または無機
系の各微粒子を使用することができる。また、上記のポ
リエステルには、マットフィルムを得るために、大粒子
を積極的に添加することもできる。離型用ポリエイテル
フィルムがマットフィルムの場合には、樹脂シートの剥
離面は、表面が均一に粗れて艶消しされた表面となる。
【0011】本発明の離型用ポリエステルフィルムにお
いて、コート層を構成するポリオレフィン及び/又はそ
の変性品(以下、「ポリオレフィン等」と略記する)と
しては、例えば、次の(1)〜(5)に記載の化合物を
基本骨格として有する化合物を挙げることができる。そ
して、ポリオレフィン等は、水に溶解または分散させて
用いられる。
【0012】(1)エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系不
飽和炭化水素の単独または共重合体からなるワックス、
樹脂、ゴム状物。該当する化合物としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ
−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−
1−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0013】(2)上記のα−オレフィンの2種以上と
共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体。該当する
化合物としては、例えば、エチレン−プロピレン−ブダ
ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペン
タジエン共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデン
ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1,5
−ヘキサジエン共重合体、イソブテン−イソブレン共重
合体等が挙げられる
【0014】(3)上記のα−オレフィンと共役または
非共役ジエンとの共重合体。該当する化合物としては、
例えば、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−エ
チリデンノルボルネン共重合体等が挙げられる。 (4)上記のα−オレフィン(特にエチレン)と酢酸ビ
ニルとの共重合体およびその完全もしくは部分ケン化
物。 (5)上記のα−オレフィンの単独または共重合体に上
記の共役もしくは非共役ジエンまたは酢酸ビニル等をグ
ラフトさせたグラフト重合体およびその完全もしくは部
分ケン化物。
【0015】上記のポリオレフィン等を水に溶解または
分散させ、且つ、凝集が起こらないように安定化させる
ためには、従来公知の界面活性剤を併用することもでき
るし、水溶性ポリエステル等の親水性ポリマーを分散化
の際に共存させる方法も有効である。また、ポリオレフ
ィン等の骨格に共重合またはグラフト等により、カルボ
ン酸基、スルホン酸基、アミノ基、ポリエーテル、アル
キロールアミド基やそれらの塩類等の親水性基を有する
ビニル化合物を導入することにより水溶化または水分散
化を容易にすることもできる。
【0016】特に好ましいポリオレフィン等は、上記の
親水性基を有するビニル化合物を導入することにより、
界面活性剤や他の親水性ポリマーを使用すせずに、水に
分散または溶解したソープレスあるいは自己乳化型のポ
リオレフィン等である。
【0017】上記のポリオレフィン等をポリエステルフ
ィルムに外観良くコートし、且つ、コート層とポリエス
テルフィルムとの接着性を向上させるために、改質した
ポリオレフィン等を使用するだけでなく水性高分子と混
合してコートすることが好ましい。
【0018】上記の目的に好適に使用し得る水性高分子
としては、経営開発センター出版部編集「水溶性高分子
・水分散型樹脂総合技術資料集」(昭和56年1月23
日発行)に記載の水性高分子が挙げられる。具体的に
は、例えば、メチルセルロースやヒドロキシエチルセル
ロースなどのセルロース誘導体、澱粉、アルギン酸、ア
ラビアゴム、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン系
樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これ
らは、水に溶解、乳化または懸濁する水性高分子であ
る。
【0019】特に、ポリエステルフィルムとの接着性の
良好な水性高分子が好ましい。斯かる水性高分子として
は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピ
ロリドン及びこれらの共重合体等を挙げることができる
がこれらに限定されるものではない。また、これらの化
合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0020】ポリウレタン系樹脂としては、ポリイソシ
アネート、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤などを主要
原料成分とする水性ウレタン樹脂を使用することができ
る。ウレタン樹脂の水性化に当たっては、ポリイソシア
ネート、ポリオール及び鎖長延長剤に親水性基を導入し
たものを用いるのが一般的手法である。また、ポリウレ
タンの未反応イソシアネート基と親水性基を有する化合
物とを反応させる方法を採用することもできる。また、
ポリウレタン系樹脂として、ポリシロキサン基、フッ素
化アルキル基、エポキシ基等を有する化合物をグラフト
またはブロック重合して変性したものを用いてもよい。
【0021】ポリアクリル系樹脂としては、アルキルア
クリレート及び/又はアルキルメタクリレートを主要な
成分とし、これに反応性の官能基を有するビニル系単量
体を共重合した水性ポリアクリル系樹脂を使用すること
ができる。上記の反応性の官能基としては、カルボキシ
ル基またはその塩類、酸無水物基、スルホン酸基または
その塩類、アミド基、アミノ基、水酸基、エポキシ基な
どが挙げられる。特に、ポリエステルフィルムとの接着
性、塗膜強度という観点から、カルボキシル基、アミノ
基、水酸基、エポキシ基などを含有する水性ポリアクリ
ル系樹脂が好ましい。また、ポリアクリル系樹脂とし
て、ポリシロキサン基、フッ素化アルキル基、エポキシ
基等を有する化合物をグラフトまたはブロック重合して
変性したものを用いてもよい。
【0022】ポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸およびそれ
らのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
一方、ポリエステル系樹脂のグリコール成分としては、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族
グルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂環族グリコール、p−キシレンジオールなどの芳香
族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ
(オキシアルキレン)グリコールを用いることができ
る。
【0023】ポリエステル系樹脂としては、上述したエ
ステル形成性成分からなる飽和線状ポリエステルのみな
らず、3価以上のエステル形成性成分を有する化合物あ
るいは反応性の不飽和基を有する化合物をポリエステル
成分とするものでもよい。ポリエステル系樹脂は、水に
対する溶解性、分散性を向上させるために、スルホン
酸、カルボン酸またはその塩類等を有するものであるこ
とが好ましい。また、ポリエステル系樹脂として、ポリ
シロキサン基、フッ素化アルキル基、エポキシ基、アミ
ド基などを有する炭素二重結合を有する化合物をグラフ
トして変性したものを用いてもよい。
【0024】ポリビニルピロリドンとしては、純粋なポ
リビニルピロリドンまたはスチレンや他のビニル系モノ
マーと共重合体した共重合体等も使用できる。
【0025】本発明において、コート層とポリエステル
フィルムとの密着性を強くし、且つ、コート層と塩ビ等
のシート層との離型性を向上させるため、コート層中の
ポリオレフィン及び/又はその変性品の割合をコート層
の総重量に対して1〜80重量%とするのが好ましい。
1重量%未満では離型性が不十分であり、80重量%を
超えるとコート層のポリエステルフィルムへの接着性が
十分に向上されない。
【0026】また、上記のポリオレフィン及び/又はそ
の変性品には、離型用ポリエステルフィルムに滑りを付
与するために、無機系または有機系の微粒子を分散させ
ることもできる。
【0027】無機系微粒子としては、例えば、シリカ、
シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾ
ル、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、
バリウム塩、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化
アンチモンゾル、いわゆる導電性金属の各微粒子等が挙
げられる。有機系微粒子としては、例えば、フッ素系樹
脂、エポキシ系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、アクリ
ル系樹脂の各微粒子等が挙げられる。また、上記の他、
無機微粒子を核とした有機重合体微粒子を使用すること
もできる。斯かる有機重合体微粒子は、無機系微粒子の
存在下でポリマーを重合することにより得ることができ
る。また、微粒子の表面を所謂カップリング剤で処理し
て使用することもできる。斯かる表面処理により、コー
ト層を形成した際に当該微粒子の他の成分との親和性を
増すことができる。
【0028】特に好ましい微粒子はシリカゾルである。
シリカゾルとは、「高分子加工」、1974年発行、第
23巻、第149〜155頁に示されているように、一
般的には、ケイ酸ソーダよりアルカリイオンを除くこと
により生成したものである。シリカゾルとしては、不純
物を含有しないシリカゾルも使用できるが、斯かるシリ
カゾルは、コロイド状態が不安定なため凝集し易い。従
って、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、アンモ
ニウムイオン等により表面が安定化されたシリカゾルが
好ましい。市販品としては、日産化学工業株式会社のス
ノーテックス(商品名)、触媒化成工業株式会社のキャ
タロイド(商品名)、du pont社のLudox
(商品名)、Nalco Chemical社のNal
coag(商品名)、Monsanto社のsyton
(商品名)などを利用することができる。更に、四塩化
ケイ素を気相熱分解して得たシリカ粉体を水に分散した
シリカゾルは、安定なシリカゾルであり、好適に使用す
ることもできる。斯かるシリカゾルとしては、日本アエ
ロジル株式会社のアエロジル(商品名)などが挙げられ
る。
【0029】また、本発明においては、コート層の耐溶
剤性、耐水性、耐ブロッキング性、耐擦傷性を改善する
ために、コート液の成分として架橋剤を使用するのが好
ましい。架橋剤としては、メチロール化あるいはアルキ
ロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アク
リルアミド系、アミド系などの化合物、エポキシ化合
物、アジリジン化合物、ポリイソシアヌレート、ブロッ
クポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタン
カップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング
剤、熱、過酸化物、光反応性のビニル化合物や感光性樹
脂が挙げられる。また、コート液中には、コート性を向
上するために、本発明の効果を損わない範囲で、潤滑
剤、帯電防止剤、消泡剤等を含有させてもよい。
【0030】本発明の離型用ポリエステルフィルムは、
未延伸ポリエステルシートにコート液をコートし、次い
で、逐次あるいは同時に二軸延伸したのち熱処理する方
法、または、一軸延伸フィルムにコート液をコートし、
次いで、先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸したのち
熱処理する方法等によって得られる。そして、必要に応
じ、コート液をコートする前のポリエステルフィルムに
対してコロナ処理や紫外線処理のような物理的処理を施
すこともできる。
【0031】上記の未延伸ポリエステルシートは、ポリ
エステルを270〜320℃でシート状に溶融押出した
後、40〜70℃で冷却固化して得ることができる。上
記のコート方法としては、特に制限はなく、薄くコート
できる方法であれば、いかなる方法であってもよい。例
えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーテ
ィング方式」に示されるリバースロールコーター、グラ
ビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターに
よる方法を挙げることができる。また、上記の延伸は、
ロール法延伸とステンター法延伸とを組み合わせた延伸
方法を採用することができる。
【0032】特に、次の製造方法は推奨される好ましい
方法である。すなわち、先ず、ロール延伸法により、6
0〜150℃で2〜6倍に延伸し、次いで、得られた一
軸延伸ポリエステルフィルムにコート液をコートし、次
いで、適当な乾燥を施し又は施さずして、テンター内で
先の延伸方向とは直角方向に80〜150℃で2〜6倍
に延伸し、更に、150〜250℃で1〜600秒間熱
処理を行なう。
【0033】本発明の離型用ポリエステルフィルムにお
いては、樹脂のコーティングに適した強度、すなわち、
破断強度が10kg/mm2 〜40kg/mm2 であることが好
ましい。また、コーティング時の耐熱性を考慮し、15
0℃で5分間加熱処理した際の収縮率が5%以下である
ことが好ましい。また、ベースのポリエステルフルムの
厚さは、好ましくは3〜500μmの範囲であり、コー
ト層の厚さは、好ましくは0.01〜5μm、更に好ま
しくは0.02〜1μmの範囲である。そして、コート
層の厚さが上記の範囲未満の場合は均一厚みのコート層
が得難く、また、上記の範囲を超える場合は滑り性が低
下して取り扱いが困難となる。
【0034】
【実施例】以下、実施例および及び比較例を挙げて、本
発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超え
ない限り、以下の実施例に限定されるものではない。な
お、以下の実施例および比較例において「部」は「重量
部」を意味する。また、各測定項目は以下の方法に従っ
た測定した。
【0035】(1)離型性の評価 離型用ポリエステルフィルムのコート層側面に塩ビエマ
ルジョン(日本ゼオン(株)製G−576)を塗工し、
140℃で2分間乾燥後、200℃で2分間エージング
して厚さ70μmの塩ビ薄膜を形成する。上記の塩ビ薄
膜の上に巾15mmの粘着テープ(ニチバン(株)製セ
ロテープ)を圧着し、引張試験機により、離型用ポリエ
ステルフィルムと塩ビ薄膜との剥離強度を求める。剥離
強度は、g/15mm巾の単位で示す。 (2)コート層外観 コートムラの有無を肉眼で判定し、コートムラが実質的
にない場合を「良好」とした。
【0036】(3)塩ビシートの印刷性 離型用ポリエステルフィルムから剥離して得た塩ビシー
トの剥離面にマジクにてペイントとし、そのハジキの有
無により評価する。ハジキが実質的に無い場合を「良
好」とした。 (4)ポリエステルの固有粘度 ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解して測
定する。測定温度は30℃とした。 (5)粒子の平均粒径 アルコール中に粒子を分散させてコールターカウンター
にて測定する。
【0037】また、表1に記載の各成分の内容は次の通
りである。 (1)ポリオレフィンはいずれも分散体であり、各ポリ
オレフィンの内容は次の通りである。 ポリプロピレン(1):東邦化学工業株式会社製「ハイ
テックE−4333N」 ポリプロピレン(2):東邦化学工業株式会社製「ハイ
テックE−4B」 ポリエチレン:サイデン化学工業株式会社製「サイビノ
ールX288−369E−1」
【0038】(2)ポリウレタン樹脂:大日本インキ化
学工業株式会社製「ハイドランAP−40」 (3)ポリエステル系樹脂(1):大日本インキ化学工
業株式会社製「ファインテックスES−670」 (4)ポリエステル系樹脂(2):互応化学工業株式会
社製「プラスコートRZ−124」 (5)アルキロールメラミン:大日本インキ化学工業株
式会社製「ベッカミンJ101」 (6)コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製「ス
ノーテックスYL」
【0039】実施例1〜4 平均粒径1.6μmの非晶質シリカを600ppm含有
する、固有粘度0.66のポリエステルを295℃にて
溶融し、冷却された回転ドラム上にシート状に押し出し
て無配向シートを得た。次いで、95℃にて縦方向に
3.5倍延伸した後、その片面に表1に記載の組成から
成るコート液をコートした。引き続き、上記のフィルム
をテンターに導き、予熱工程を経て110℃で横方向に
3.6倍延伸した後、230℃にて10秒間熱処理し
た。得られた離型用ポリエステルフィルムは、フィルム
厚さ75μm、コート層厚さ約0.1μmであった。上
記の離型用ポリエステルフィルムは、表1の評価結果に
示す通り、何れの評価項目においても優れていた。
【0040】実施例5 非晶質シリカを含有しないポリエステルを用い、表1に
記載の組成から成るコート液を使用した他は、実施例1
と同様の方法により、フィルム厚さ75μm、コート層
厚さ約0.1μmの離型用ポリエステルフィルムを得
た。上記の離型用ポリエステルフィルムは、表1の評価
結果に示す通り、何れの評価項目においても優れてお
り、また、塩ビ薄膜の剥離面は良好な光沢を有してい
た。
【0041】実施例6 平均粒径2.4μmの非晶質シリカを1.8重量%含有
する固有粘度0.66のポリエステルを使用した以外
は、実施例1と同様にして、光沢度30%、表面粗度
(Ra)0.34μmの離型用ポリエステルフィルムを
得た。上記の離型用ポリエステルフィルムは、実施例1
と同様に何れの評価項目においても優れており、また、
塩ビ薄膜の剥離面は艶消し調となっていた。
【0042】比較例1 実施例1において、コート液を使用しない他は、実施例
1と同様の方法により、離型用ポリエステルフィルムを
得た。上記の離型用ポリエステルフィルムは、ポリエス
テルフィルムと塩ビ薄膜との間で剥離せず、剥離強度の
測定ができなかった。セロテープを使用せずに、無理に
塩ビ薄膜を剥離したところ、塩ビ薄膜が切れてしまっ
た。
【0043】
【表1】 実 施 例 1 2 3 4 5 <コート層の構成> 〔ポリオレフィン〕 ポリプロピレン(1) 5 − − − − ポリプロピレン(2) − − − − 10 ポリエチレン − 10 10 − − ポリオレフィンワックス − − − 70 − 〔水溶性高分子〕 ポリウレタン樹脂 65 60 − − 55 ポリエステル系樹脂(1) 20 20 − 20 20 ポリエステル系樹脂(2) − − 80 − − 〔その他〕 アルキロールメラミン 10 10 10 10 5 コロイダルシリカ − − − − 10 <評価結果> コート層外観 良好 良好 良好 良好 良好 剥離強度(g/15mm巾) 40 35 130 50 30 塩ビシートの印刷性 良好 良好 良好 良好 良好
【0044】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、十分な接
着性を発揮でき、しかも、剥離性に優れ、且つ、剥離後
の樹脂シートのインキ接着性を損なうことのない、離型
用ポリエステルフィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 27:06 33:04 67:00 75:00 B29L 7:00 4F (72)発明者 木下 信一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    にポリオレフィン及び/又はその変性品を含有するコー
    ト層を設けて成ることを特徴とする離型用ポリエステル
    フィルム。
  2. 【請求項2】 コート層がその構成成分として、ポリウ
    レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹
    脂の群か選ばれた1種または2種以上の樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の離型用ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル樹脂のキャスティング用であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の離型用ポリエ
    ステルフィルム。
JP3330055A 1991-11-19 1991-11-19 離型用ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP2506287B2 (ja)

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