JPH05128501A - 磁気デイスク - Google Patents

磁気デイスク

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JPH05128501A
JPH05128501A JP31321091A JP31321091A JPH05128501A JP H05128501 A JPH05128501 A JP H05128501A JP 31321091 A JP31321091 A JP 31321091A JP 31321091 A JP31321091 A JP 31321091A JP H05128501 A JPH05128501 A JP H05128501A
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JP
Japan
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diameter
magnetic
magnetic disk
substrate
rtm
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Application number
JP31321091A
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English (en)
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Junya Tada
準也 多田
Shinichi Yasuda
晋一 保田
Kenji Yamada
賢治 山田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの浮上安定性を向上せしめ、CS
S作動時に磁気ディスクや磁気ヘッドの損傷を阻止し、
磁気ヘッドの磁気ディスクへの吸着を防止して、その耐
久性を向上せしめた磁気ディスクを提供する。 【構成】 円盤状の非磁性基板上に、直接に若しくは下
地層を介して、強磁性金属薄膜からなる磁気記録層が形
成されてなる磁気ディスクにおいて、かかる非磁性基板
が粗面化された表面を有すると共に、該非磁性基板の半
径方向の表面粗さを示すRtm(径)とRpm(径)と
が、次式: 2≦Rtm(径)/Rpm(径)≦2.5 200Å≦Rtm(径)≦600Å を満足し、且つ該非磁性基板の周方向の表面の粗さピッ
チを示すSm(周)が、5μm 〜12μm である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、強磁性金属薄膜層を磁気記録層
とする磁気ディスクに関し、更に詳しくは、突起の少な
い特定の表面性状を有する基板を用いた、耐久性や吸着
特性に優れた磁気ディスクに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、コンピュータ等のデータの外部
記憶装置として、ハードディスクドライブ装置が使用さ
れてきている。そして、このハードディスクドライブ装
置における磁気記録媒体としての磁気ディスクには、そ
の基板として、高純度アルミニウム基板、セラミック基
板、ガラス基板、プラスチック基板等の非磁性基板が用
いられている。また、このような基板には、強磁性金属
薄膜からなる磁気記録層が、直接に若しくは所定の下地
層を介して形成され、以て目的とする磁気ディスクとさ
れている。例えば、高純度アルミニウム基板は、一般
に、その表面をアルマイト処理した後、鏡面仕上げした
り、或いは無電解Ni−Pメッキ処理した後、鏡面仕上
げする等の処理が施された後、その上に所定の磁気記録
層が形成されて、磁気ディスクとされているのである。
【0003】ところで、このような基板から得られる磁
気ディスクを使用したハードディスクドライブ装置にお
いては、磁気ヘッドの浮動スライダを軽荷重で常時磁気
ディスク面に接触させ、記録・再生時(作動時)には浮
上せしめるコンタクト・スタート・ストップ(CSS)
方式が採用され、磁気ヘッドと磁気ディスクが微小空気
層を介して摺動させられることとなるところから、ディ
スク表面の潤滑性や耐久性、更には磁気ヘッドが磁気デ
ィスク表面にコンタクトした時のヘッド・ディスク間の
吸着特性の改善のために、(a)磁気ディスク基板表面
を粗面化する、(b)磁性薄膜、保護膜を形成した後、
ディスク表面を潤滑剤で被覆する等の対策がとられてい
る。
【0004】そして、そのうち、ディスク基板の基板面
または基板面上に設けられた下地層の表面を粗面化する
手法(a)にあっては、一般に、ポリエステルフィルム
上にアルミナ粉を塗布した研磨テープや、アルミナ粉、
ダイヤモンド粉等を油性或いは水性溶媒中に分散させた
研磨液を用いて、基板の円周方向に略同心円状の基板粗
面化加工、所謂テクスチャ加工を施すことが提案されて
いる。
【0005】しかしながら、上述の如きテクスチャ加工
においては、それによって実現される粗さに制限を与え
ず、また表面の微小突起の発生についての考慮なしに基
板表面を研磨して粗面化すると、テクスチャ加工時に局
所的にささくれ、突起が出現する場合があり、それが磁
気ディスクとした後においても基板表面に存在して、磁
気ヘッドがそのような突起に当たり、浮上安定性の劣
化、ヘッドの破損、またディスクの耐久性の低下を惹き
起こす問題を内在している。また、浮上安定性の劣化に
伴い、信号品質の低下を招き、SNRの低下やエラーカ
ウント数の増加が惹起される場合もあった。
【0006】また、かかる突起やささくれの発生を抑え
るために、表面凸部を平坦化したりすると、磁気ディス
クドライブ中において、磁気ディスク上に磁気ヘッドが
静止している時に、磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着す
るという現象が発生し、その場合、それらを相対的に無
理に回転させると、それら磁気ヘッド、磁気ディスクに
損傷を与えてしまう問題があった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き従来
の問題を悉く解消して、磁気ヘッドの浮上安定性を向上
せしめ、CSS作動時に磁気ディスクや磁気ヘッドの損
傷を阻止し、磁気ヘッドの磁気ディスクへの吸着を防止
して、その耐久性を向上せしめた磁気ディスクを提供す
ることを、その課題とするものである。
【0008】
【解決手段】そして、本発明者等は、上記の課題を解決
するためには、基板表面の粗さの大きさや表面の性状
(平坦度とピッチ)が重要なパラメータであることを、
実験を通じて見い出し、本発明を完成するに至ったので
ある。
【0009】すなわち、本発明は、円盤状の非磁性基板
上に、直接に若しくは下地層を介して、強磁性金属薄膜
からなる磁気記録層が形成されてなる磁気ディスクにお
いて、かかる非磁性基板が粗面化された表面を有すると
共に、該非磁性基板の半径方向の表面粗さを示すRtm
(径)とRpm(径)とが、次式: 2≦Rtm(径)/Rpm(径)≦2.5 200Å≦Rtm(径)≦600Å を満足し、且つ該非磁性基板の周方向の表面の粗さピッ
チを示すSm(周)が、5μm 〜12μm であることを
特徴とする磁気ディスクを、その要旨とするものであ
り、これによって上記した課題を有利に解決し得たので
ある。
【0010】
【具体的構成・作用】要するに、本発明者等による検討
の結果、磁気ディスクを与える非磁性基板の半径方向の
表面粗さを示すRtm(径)が減少すると、磁気ヘッド
が磁気ディスクに吸着し易くなり、そのため、かかるR
tm(径)を200Å以上にしておくことが必要となる
一方、Rtm(径)が600Åを越えると、CSS特性
が劣化して、磁気ディスクに損傷が発生したり、摩擦係
数が過度に大きくなってしまうことが明らかとなったの
である。
【0011】また、Rtm(径)/Rpm(径)につい
ては、その値が2.5より大きくなると、基板の粗面凸
部頂上部分が平坦となり、磁気ヘッドが磁気ディスクに
吸着されてしまう問題を生じる一方、その値が2よりも
小さくなると、CSS特性が悪化して、磁気ディスクに
損傷が発生してしまう問題があることが明らかとなった
のである。
【0012】さらに、非磁性基板の周方向の表面の粗さ
ピッチを示すSm(周)に関し、その値が12μm より
も大きくなると、基板の円周方向に平坦度が増加して、
吸着し易くなってしまう問題があり、一方、その値が5
μm よりも小さくなると、基板粗面に突起が増加し、C
SS特性が劣化して、磁気ディスクに損傷が発生した
り、摩擦係数が過度に大きくなってしまう問題を生じる
ことが明らかとなったのである。
【0013】このため、本発明に従う磁気ディスクは、
それを構成する非磁性基板の表面粗さを前述の如き範囲
内に規定することによって、形成されるものであって、
これにより、基板表面、ひいてはディスク表面の突起の
発生が抑えられた状態で、粗さの山頂部が平坦化し過ぎ
て、磁気ディスクと磁気ヘッドとが吸着するという現象
を効果的に阻止することが出来ることとなったのであ
る。
【0014】ところで、本発明における非磁性基板の半
径方向の表面粗さを示す一つの尺度であるRtm(径)
とは、図1に示されるように、基準長さ:L内の最高山
頂から最深谷底までの高さ:Rmaxの適数個(一般に
は5つ)の連続する基準長さでの各値の平均値であり、
また非磁性基板の半径方向の表面粗さを示す他の一つの
尺度であるRpm(径)は、図2に示されるように、基
準長さ:L内に存在する最高山頂の粗面の凹凸の平均線
から上の部分の最大高さ:Rpの適数個(一般には5
つ)の連続する基準長さで決定された各Rpの平均値で
あると定義されるものである。
【0015】なお、上記の基準長さ:Lは、図1及び図
2に示されるRtm(径)、Rpm(径)の粗さ算出模
式図にある通り、粗さを算出するためのデータを取り込
む範囲を決めているものであり、連続する基準長さを幾
つにするかは、データサンプリング方法によって異なる
ため、それらRtm(径)やRpm(径)が、一般的な
5つの連続する基準長さでの各値の平均値に限定される
ものではないことが理解されるべきである。
【0016】さらに、非磁性基板の周方向の表面の粗さ
ピッチを示すSm(周)とは、図3に示されるように、
一つの基準長さ:Lで算定された粗面の凹凸の平均線上
での粗さ曲線一周期分の間隔の平均値である。
【0017】また、本発明においては、基板の粗面の凸
部頂上部分の平坦度を評価する指標として、Rtm
(径)/Rpm(径)を採用しているが、図4における
(a)から明らかなように、同一ピッチの鋸刃状の断面
を有する粗面を考えた場合、上記したRtmとRpmの
定義から、Rtm/Rpm=2となるのであり、そして
図4の(a)の状態から、その凸部頂上部分が平坦とな
ると、図4における(b)から明らかなように、Rtm
/Rpm>2となるのであり、更にその平坦度が増す
と、Rtm/Rpmの値は増加するようになるのであ
る。
【0018】ところで、図5には、本発明に従う磁気デ
ィスクの一例に係るものの切断面の一部を示す模式図が
示されているが、そこにおいて、2は、円盤状を呈する
非磁性基板であって、例えばアルミニウム板、アルミニ
ウム合金板、セラミック板、硬質プラスチック板等の公
知の材質の円盤状の基材2aと、その上に形成された硬
化処理層2bとから構成されている。なお、かかる硬化
処理層2bは、後の粗面化処理を有効に行ない、目的と
する表面性状を有利に実現するためのものであって、例
えば無電解メッキにより、Ni−P合金層やNi−Cu
−P合金層を基材2a表面に設けて、その表面を硬化処
理したものである。なお、このような硬化処理層2b
は、公知の手法に従って適宜に形成されるものであっ
て、前述の如きメッキ層に代えてアルマイト処理層等の
公知の硬化層を設けることが出来る。そして、このNi
−Pメッキ層等の硬化処理層2bを基材2a上に設けて
なる基板2には、従来と同様にして、ラップ加工やポリ
ッシュ加工が施され、その表面粗さ:Rmax(基準長
さ内の最高山頂から最深谷底までの高さ)が、通常、3
00Å以下となるように鏡面加工が実施されるのであ
る。
【0019】次いで、このようにして得られた基板2に
対して、その表面の粗面化がテクスチャ加工によって行
なわれるが、その際、基板の半径方向の表面粗さを示す
Rtm(径)とRpm(径)及び基板の周方向の表面の
粗さピッチを示すSm(周)が前述した範囲内の値とな
るように、基板表面の粗面化が実施されるのである。具
体的には、例えば、ポリエステルベースフィルム上にア
ルミナ砥粒を結着させた研磨テープを用い、それを一定
の力で基板2の表面に、換言すれば硬化処理層2bの表
面に押し付け、その押し付け力を0.5〜2.5kg程
度、ディスク回転数を75〜200rpm程度、加工時
間を30〜180秒程度として、テクスチャ加工するこ
とにより、実施されるものである。
【0020】そして、このようにして形成された前記R
tm(径)、Rpm(径)及びSm(周)の条件を満足
する表面性状を有する基板2には、所定の強磁性金属薄
膜からなる磁気記録層4が、その粗面化された表面上に
形成される。なお、かかる磁気記録層4は、γ−Fe2
3 からなるスパッタ膜、Co系、CoNi系、CoP
t系、CoCrTa系、Fe系のスパッタ膜或いは蒸着
膜、メッキ膜等の公知の強磁性金属薄膜にて構成される
ものである。また、かかる磁気記録層4の形成に先立っ
て、その下地層として、磁気特性を調整する等のため
に、Cr層、Cr合金層等を設けることも可能である。
【0021】さらに、かかる磁気記録層4の上には、従
来と同様に、カーボン膜の如き保護層6が形成され、更
にその上にフロロカーボン系潤滑剤を塗布したりするこ
と等により形成される潤滑層8が順次形成され、以て目
的とする磁気ディスクとされることとなる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
【0023】また、本発明には、以下の実施例の他に
も、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理
解されるべきである。
【0024】先ず、直径:3.5インチのアルミニウム
−マグネシウム合金円板2aを用いて、その円板上に、
公知の無電解メッキ手法にて、Ni−P合金層2bを形
成せしめた。次いで、このNi−Pメッキしてなる基板
2に対して、ラップ加工及びポリッシュ加工を施して、
表面粗さ:Rmax(基準長さ内の最高山頂から最深谷
底までの高さ)が300Å以下の表面精度を有する直
径:3.5インチの基板を複数枚作製した。
【0025】そして、このようにして得られた基板2の
表面に対して、ポリエステルベースフィルム上に平均粒
径:2μm のアルミナ砥粒を結着させた研磨テープを用
いて、下記表1の加工条件下に、テクスチャ加工を施し
た。このテクスチャ加工に際し、ロール押力を変えるこ
とにより、ディスク半径方向の粗さを制御し、研磨テー
プをディスクの半径方向に周期的に揺動する回数(ロー
ル揺動回数)に対し、加工時のディスク回転数を変化さ
せることで、ディスク円周方向の粗さを制御した。
【0026】
【表1】表 1 ロール押力 : 0.5〜2.5kg ディスク回転数: 75〜200rpm 加工時間 : 30〜180sec ロール揺動回数: 170回/min 揺動幅 : 3mm
【0027】かかるテクスチャ加工によって製造された
各種の基板の表面粗さを測定して、その結果を下記表2
に示す。なお、ここで、Rtm(径)及びRpm(径)
は、何れも、図1及び図2に示されるように、5つの連
続する基準長さでの各値の平均値として示されている。
また、基板の表面粗さの測定は、先端の形状が2.5μ
m ×2.5μm のダイヤモンドからなるスタイラスを基
板表面に約2mgの荷重で押し付け、約0.5mmの範囲で
移動させた場合のスタイラスの振動より、表面の形状を
アナログ信号としてコンピュータに入力し、基板表面の
表面粗さを算出することにより、行なった。
【0028】
【表2】
【0029】次いで、これら各種の基板上にDCマグネ
トロンスパッタリング法により、基板温度:300℃、
Arガス圧:10mTorr、DC投入電力:5W/cm
2 の条件下に、Crを500Åの厚さに成膜して下地膜
とした後、かかる下地膜上に、更に、基板とスパッタ用
ターゲットの間に150Vの負バイアス電圧を加えて、
CoCrTa磁気記録媒体4を300Åの厚さにて成膜
した。その後、そのような磁気記録媒体4上に、上記の
Cr下地膜の成膜と同様な条件下にて、カーボン保護膜
6を形成し、更にその上にスピンコート法にて潤滑剤を
約20Åの厚さで塗布して潤滑層8を形成し、目的とす
る各種の磁気ディスクを作製した。
【0030】かくして得られた各種の磁気ディスクにつ
いて、摩擦係数を測定した。即ち、磁気ディスクを駆動
モータによって1rpmで回転出来る状態にして、その
磁気ディスク上にスライダ材質がAl2 3 ・TiCの
磁気ヘッドを設置し、磁気ディスクを1rpmで回転し
た時に、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の摩擦により
生じる力を測定して、磁気ディスクが静止状態から回転
状態に移った直後の最大摩擦係数(静止摩擦係数μs
呼ぶ)と、1rpmで磁気ディスクを回転した時のディ
スク1周に亘る摩擦係数の平均値(動摩擦係数:μk
呼ぶ)を求めた。なお、磁気ヘッドの荷重は7.2gf
とした。
【0031】また、磁気ヘッドが磁気ディスク上で浮上
・静止を繰り返すCSS試験を行ない、CSSサイク
ル:20000回後の静止摩擦係数を測定した。なお、
かかるCSS試験で、回転数:3600rpm、CSS
サイクル:20000回、サイクルタイム:30秒、試
験半径:20mm、試験環境:23℃、40%RH、クリ
ーン度<100なる条件が採用された。
【0032】さらに、磁気ヘッドを磁気ディスク上に接
触させ、30℃、80%RHの環境下に結露しないよう
にして、48時間放置した後の静止摩擦係数(吸着係数
と呼ぶ)を測定した。それぞれの試料(磁気ディスク)
についての測定結果を、下記表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】かかる表3の結果から明らかなように、本
発明に係る試料No.1〜8の磁気ディスクにあって
は、何れも、静止摩擦係数(μs )は0.37以下とな
っており、且つ動摩擦係数(μk )も0.29以下とな
っている。一方、比較例である試料No.9〜14にお
いては、何れも、Rtm(径)/Rpm(径)>2.5
となっており、特に、Sm(周)=15.4μm の試料
No.14では、μs ,μk 共、0.70以上となり、
大きな摩擦係数を有するものとなっている。また、CS
S20000回後の静止摩擦係数を見ると、試料No.
1〜8では0.53以下となっているが、試料No.9
〜15のものでは0.75を越えており、特に、試料N
o.12,14及び15ではディスクに損傷が発生して
おり、クラッシュ状態になっていた。
【0035】また、吸着係数については、本発明に従う
試料No.1〜8は0.63以下となって、吸着係数は
低くなっているが、比較例である試料No.9〜15で
は、そのうちの試料No.12及び15の0.43,
0.41を除き、何れも0.63以上となっており、吸
着し易いことが認められる。
【0036】Rtm(径)と吸着係数との関係を図6に
示すが、この図から明らかなように、吸着係数はRtm
(径)が減少すると上昇しており、Rtm(径)を20
0Å以上にしておくことが必要なことが分かる。そし
て、Rtm(径)が600Åを越えると、表2及び表3
の試料No.12に示されるように、CSS特性が劣化
し、ディスクに損傷が発生したり、CSS20000回
後の静止摩擦係数が上昇してしまう問題が発生するので
ある。
【0037】また、同様に、Rtm(径)/Rpm
(径)と吸着係数との関係を図7に示すが、それから明
らかなように、ばらつきは大きいものの、Rtm(径)
/Rpm(径)の値が上昇すると、つまり基板の粗面凸
部頂上部分の平坦度が増加すると、吸着係数は増大する
ことが分かる。吸着係数の大きさから、Rtm(径)/
Rpm(径)の値は2.5以下が望ましいことが分か
る。また、Rtm(径)/Rpm(径)の値が2よりも
小さくなると、試料No.15の結果より、CSS特性
が劣化し、ディスクに損傷が発生するようになるのであ
る。
【0038】さらに、Sm(周)と吸着係数との関係を
見ると、図8の如くなり、Sm(周)が大きくなると、
つまり円周方向に平坦度が増加した場合には吸着係数は
増大し、その吸着係数の大きさからSm(周)は12μ
m 以下が望ましいことが分かる。一方、試料No.13
の結果から明らかなように、Sm(周)が5μm よりも
小さくなると、基板粗面に突起が増加し、CSS特性が
劣化し、CSS20000後の静止摩擦係数が大きくな
ったり、ディスクに損傷が発生し易くなるのである。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う磁気ディスクは、Rtm(径)が200Å〜60
0Å、Rtm(径)/Rpm(径)が2〜2.5、Sm
(周)が5μm 〜12μm である表面性状の粗面化され
た非磁性基板を用いて構成されるものであるところか
ら、粗面凸部頂上部分が平坦化し過ぎて、磁気ディスク
と磁気ヘッドとが吸着するという現象を効果的に防ぐこ
とが出来、またコンタクト・スタート・ストップ時に磁
気ヘッドのスライダが磁気ディスク面に当たり、磁気ヘ
ッドや磁気ディスクが損傷したりするクラッシュ状態に
なることを防止することが出来、以て磁気ヘッドや磁気
ディスクの耐久性が効果的に向上せしめられ得て、その
長寿命化が達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Rtmを算出するための説明図である。
【図2】Rpmを算出するための説明図である。
【図3】Smを算出するための説明図である。
【図4】粗面化された基板表面の断面を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の一実施例に係る磁気ディスクの切断面
の一部を示す説明図である。
【図6】実施例におけるRtm(径)と吸着係数の関係
を示すグラフである。
【図7】実施例におけるRtm(径)/Rpm(径)と
吸着係数の関係を示すグラフである。
【図8】実施例におけるSm(周)と吸着係数の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
2 基板 2a 基材 2b 硬化処理層 4 磁気記録層 6 保護層 8 潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 賢治 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の非磁性基板上に、直接に若しく
    は下地層を介して、強磁性金属薄膜からなる磁気記録層
    が形成されてなる磁気ディスクにおいて、 かかる非磁性基板が粗面化された表面を有すると共に、
    該非磁性基板の半径方向の表面粗さを示すRtm(径)
    とRpm(径)とが、次式: 2≦Rtm(径)/Rpm(径)≦2.5 200Å≦Rtm(径)≦600Å を満足し、且つ該非磁性基板の周方向の表面の粗さピッ
    チを示すSm(周)が、5μm 〜12μm であることを
    特徴とする磁気ディスク。
JP31321091A 1991-10-31 1991-10-31 磁気デイスク Pending JPH05128501A (ja)

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