JP3199422B2 - 磁気ディスク - Google Patents
磁気ディスクInfo
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Description
−タ記憶装置である磁気ディスク装置に用いられる磁気
ディスクに関するものである。
される基板としてアルミ合金基板,ガラス基板またはプ
ラスチック基板等が使用されているが現在はアルミ合金
基板が主流である。一般にアルミ合金基板上にNi−P
メッキ処理後ポリッシュ加工を施し、その後円周方向に
基板表面を粗すテクスチャ−加工が施されている。テク
スチャ−加工の目的は基板上に設けられる磁性層に円周
方向に沿って磁気異方性を付けるとともに、表面を粗す
ことにより磁気ヘッドと磁気ディスク接触時の接触面積
を減らすことにより摩擦摩耗特性,吸着特性を向上させ
ることにある。
タ−ト・ストップ方式(以下CSS方式と略す)を採用
しており、装置停止時は磁気ヘッドと磁気ディスクは接
触状態である。そして、磁気ディスク装置が起動すると
磁気ヘッドと磁気ディスクは摺動し始め、磁気ディスク
が所定の回転数に達した時点で約0.2〜0.3μmの
隙間を持って磁気ヘッドは磁気ディスク上を浮上する。
返し摺動することにより摩擦摩耗特性が劣化し、磁気デ
ィスクが損傷する場合もある。その為、磁気ディスク表
面に固体潤滑剤または液体潤滑剤を被覆するなどの対策
が行われている。しかし磁気ディスクに潤滑剤を塗布す
ることにより磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着を起こし
装置スタ−ト時に磁気ディスクを回転させるモ−タが回
転不可能になり磁気ヘッド,磁気ディスクに損傷を引き
起こす。
クスチャ−加工が主流であり、加工材には研磨砥粒をテ
−プに固定保持したラッピングテ−プが用いられてい
る。そこで加工法としては磁気ディスク基板を回転させ
ながら研磨テ−プを押し付け加工することが行われてい
る。従来からテクスチャ−粗さを表す方法としては図8
に示すように中心線粗さRa(ここでRaとはJISB
0601に規定された定義を用いる。),中心線Oから
最大凸部までの高さRp,中心線Oから最大凹部まで深
さRv,凸部の高さの最大値から最小値までの幅δh及
び半径方向に50μmの範囲での凸部の数などがある。
図9に示すように従来テクスチャ−ではRaが約80〜
100Å,Rp/Rv>0.5,δh>200Åでしか
も凸部の数は100個前後になっている。ところが近
年、磁気ディスク装置は高密度化・大容量化の要請が強
く、そのため磁気ヘッドの浮上量が低下しており、現在
では約0.1μm以下にまで達しようとしている。その
ため磁気ディスクの表面粗さRaを極力小さくしても吸
着しないようなテクスチャ−の開発が試みられている。
では磁気ヘッド浮上量0.1μm以下の低浮上でCSS
試験を行った場合、磁気ヘッドの摺動時間と摺動距離が
増加し磁気ディスク表面が摩耗しヘッドクラッシュが生
じてしまう問題点があった。それに加え磁気ヘッドの浮
上量を0.1μm以下で安定して浮上させる為に磁気デ
ィスクのテクスチャ−粗さRaは極力小さくされており
従来技術ではCSS特性が劣化しないような潤滑膜厚で
は磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着し装置が回転不可能
になる問題点があった。
で、磁気ヘッド浮上量0.1μm以下の低浮上量におい
てもCSS特性が劣化せず、しかも浮上特性及び吸着特
性に優れた磁気ディスクを提供することを目的とする。
にテクスチャ−の凸部の高さの最大値と最小値の差を5
0〜110Åにするとともに半径方向に凸部の数が50
μmの範囲で150〜230個であり、最も高い凸部の
高さRpと最も低い凹部の深さRvの比Rp/Rvが
0.1〜0.3の範囲に入る様にした。
ディスクとの摺動面の表面積を大きくすることができ
る。
ク媒体の断面図を示す。図1において1は基板で、基板
1は直径3.5インチのアルミ合金基板2にラップ加工
を施し、その上にNi−Pメッキ膜3を15〜20μm
被覆させた構成となっている。この基板1にポリッシュ
加工を施し鏡面仕上げした後、アルミナ砥粒が塗布され
たラッピングテ−プを用いて円周方向に溝を形成するテ
クスチャ−加工を施した。その後DCマグネトロンスパ
ッタ法によりCr下地膜4,Co−Ni−Cr磁性膜
5,カ−ボン保護膜6を順次被着し更に潤滑膜7を被覆
した。
示す。本実施例のテクスチャ−は基板1を100〜30
0rpmの回転数で回転させながら各粒度のアルミナ砥
粒が塗布されたラッピングテ−プ8を0〜50cm/s
の揺動速度をもってディスク上にコンタクトロ−ル9を
介して0.5〜1.5Kg/cm2の圧力で30s間押
し当てることにより作製した。Raの変化に対してはラ
ッピングテ−プ塗布砥粒の粒度を変化させることにより
又、δh(凸部の高さの最大値から最小値までの幅)を
変化させたサンプル,Rp/Rvを変化させたサンプル
及び凸部の数(半径方向の長さ50μmの範囲に対し
て)を変化させたサンプルについては揺動速度と回転数
を変化させることにより作製した。テクスチャ−粗さ測
定に関しては、ランクテ−ラ−ホブソン社製のタリステ
ップにより測定を行った。測定条件はスタイラス径:
0.1×2.5μm,測定長:50μm,カットオフ周
波数:25Hzである。
果を図3,図4に示す。浮上試験としては磁気ヘッドを
0.06μmの浮上量で磁気ディスク上に浮上させ半径
20mm〜45mmまでシ−クさせた時のヘッド・ディ
スク間の接触をAE(アコ−スティックエミッション)
センサ−にて感知しコンピュ−タによりヒット数をカウ
ントさせた。図3のサンプルとしてはδhを変化させた
サンプルであり、図4はRp/Rvを変化させたサンプ
ルでともにRaは60Åである。
ヒット数が増加するのが分かる。これは基板の粗さが同
じでもテクスチャ−凸部のばらつき(δh)が少ないと
磁気ヘッドが低浮上している時ヘッド・ディスク間の接
触する確率が少ないので安定して浮上しシ−クできる為
である。また図4においてはRp/Rvが0.5を越え
る辺りから急激にAEヒット数が増加することが分か
る。これはRp/Rvが大きくなることにより異常な突
起が増加しヘッド・ディスク間の接触する確率が増える
為AEヒット数も増加する。これらのことより低浮上で
安定してシ−クするためには基板に設けられたテクスチ
ャの粗さとしてδhを約150Å以下及びRp/Rvを
0.5以下にする必要がある。
6に示す。CSS試験は周速9m/sで約0.1μmの
ウインチェスタ−モノリシックマイクロスライダ−を使
用して、半径25mm,回転数3600rpm,立ち上
がり10s,立ち下がり20sのパティCSS装置にて
2万回後の動摩擦係数μKの値を測定した。
同じものを用い、図6のサンプルとしては50μmの範
囲での凸部の数を変化させたものであり、ともにRaは
60Åである。図5においてδhが約200Åを越すあ
たりから2万回後のμKは0.3以上になり摩耗特性が
劣化するのが分かる。これは磁気ヘッドが低浮上してい
る時、δhが大きければ大きいほどヘッドがディスク上
の凸部の高い部分に衝突する時の衝撃が大きくなり摩耗
しやすくなりヘッドクラッシュする可能性がある。そこ
でδhが約200Å以下であれば異常に突出した突起物
がないのでCSS時に磁気ヘッドが磁気ディスク上に離
陸,着陸する際の衝激が小さく摩耗しにくくなり、磁気
ヘッドの低浮上化におけるCSS特性を満足することが
できる。また図6においては凸部の数が約150個以下
になると摩耗特性が劣化するのが分かる。これは凸部の
数はディスクの表面積に対応し多いほど表面積が大きい
と言うことである。そこで表面積が大きいとヘッド・デ
ィスク間の接触面積が減少するため摩耗特性が向上す
る。低浮上化におけるCSS特性を満足する為には凸部
の数は約150個以上が望ましい。
結果を図7に示す。吸着試験としては実際のハ−ドディ
スクドライブに磁気ディスク2枚,磁気ヘッド4個組み
込むことにより測定を行った。試験環境は60℃,80
%RHの高温高湿環境下に24時間放置後の静止摩擦係
数の上昇δμsを測定した。
長さの範囲の凸部の数が約100〜150個以下になる
と吸着傾向を示しており50個以下になるとδμsが
0.2以上になり磁気ディスクを回転させるモ−タが回
転困難になる。これもCSS時と同様凸部の数が多くな
ることによりディスク表面積が増加し装置停止時のヘッ
ド・ディスク間の接触面積を減少させることによる吸着
特性の向上である。
れたテクスチャの粗さとしてテクスチャ−の凸部の高さ
の最大値から最小値までの幅δhを50〜110Åにす
るとともに最も高い凸部の高さRpと最も低い凹部の深
さRvの比Rp/Rvを0.1〜0.3にすることによ
って、低浮上で安定してシ−クすることができる。また
δhを50〜110Åにするとともに半径方向の50μ
mの範囲の凸部の数が150〜230個であれば異常に
突出した突起物がなく、さらに磁気ディスクの表面積が
大きくなるので、CSS時に磁気ヘッドが磁気ディスク
上に離陸、着陸する際の衝撃が小さく摩耗しにくくな
り、磁気ヘッドの低浮上化におけるCSS特性を満足す
ることができる。さらにδhを50〜110Åにすると
ともに半径方向に凸部の数を50μmの範囲で150〜
230個とし、Rp/Rvが0.1〜0.3の範囲に入
る様にすることにより、シーク時の安定した浮上と摩耗
及び吸着特性(CSS特性)を同時に満たすことができ
る。
性基板上に少なくとも磁性層を設け、かつ浮上量が0.
1μm以下の磁気ヘッドと共に用いるための磁気ディス
クにおいて、テクスチャーの凸部の高さの最大値と最小
値の差を50〜110Åにするとともに、半径方向に沿
った長さ50μmの範囲の凸の数を150〜230個と
し、または/およびRp/Rvを0.1〜0.3にした
ことにより異常突起の発生を防ぐことができ磁気ヘッド
が0.1μm以下の低浮上量で安定浮上できる。
ッド・ディスク間の衝撃が小さくテクスチャ−溝の密度
が大きい為ヘッド・ディスク間の接触面積が小さくなる
ことにCSS特性及び吸着特性が向上する。すなわち磁
気ヘッドの低浮上化における高信頼性のディスクが提供
できる。
図
摩擦係数μKを示す図
示す図
静止摩擦係数の上昇δμsを示す図
示す図
Claims (3)
- 【請求項1】テクスチャ−加工を施した非磁性基板上に
少なくとも磁性層を設け、かつ浮上量が0.1μm以下
の磁気ヘッドと共に用いるための磁気ディスクであっ
て、テクスチャ−の凸部の高さの最大値と最小値の差が
50〜110Åであるとともに半径方向に沿った長さ5
0μmの範囲内での凸部の数が150〜230個である
ことを特徴とする磁気ディスク。 - 【請求項2】テクスチャー加工を施した非磁性基板上に
少なくとも磁性層を設け、かつ浮上量が0.1μm以下
の磁気ヘッドと共に用いるための磁気ディスクであっ
て、テクスチャ−の凸部の高さの最大値と最小値の差が
50〜110Åであるとともに最も高い凸部の高さRp
と最も低い凹部の深さRvの比Rp/Rvが0.1〜
0.3であることを特徴とする磁気ディスク。 - 【請求項3】テクスチャー加工を施した非磁性基板上に
少なくとも磁性層を設け、かつ浮上量が0.1μm以下
の磁気ヘッドと共に用いるための磁気ディスクであっ
て、テクスチャ−の凸部の高さの最大値と最小値の差が
50〜110Åであるとともに半径方向に沿った長さ5
0μmの範囲で凸部の数が150〜230個であり、し
かも最も高い凸部の高さRpと最も低い凹部の深さRv
の比Rp/Rvが0.1〜0.3であることを特徴とす
る磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31209191A JP3199422B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 磁気ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31209191A JP3199422B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 磁気ディスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05151556A JPH05151556A (ja) | 1993-06-18 |
JP3199422B2 true JP3199422B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=18025127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31209191A Expired - Lifetime JP3199422B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 磁気ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3199422B2 (ja) |
-
1991
- 1991-11-27 JP JP31209191A patent/JP3199422B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05151556A (ja) | 1993-06-18 |
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