JPH05217159A - 磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク

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Publication number
JPH05217159A
JPH05217159A JP2030192A JP2030192A JPH05217159A JP H05217159 A JPH05217159 A JP H05217159A JP 2030192 A JP2030192 A JP 2030192A JP 2030192 A JP2030192 A JP 2030192A JP H05217159 A JPH05217159 A JP H05217159A
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JP
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film
disk
magnetic head
magnetic
css
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Application number
JP2030192A
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English (en)
Inventor
Takaaki Hamada
隆明 濱田
Shinichi Yasuda
晋一 保田
Tadahito Kanaizuka
唯人 金井塚
Kazuhiro Hosomi
和弘 細見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Nippon Steel Corp
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗特性(耐久性)の向上と磁気ヘッドの
低浮上化が図れる磁気ディスクを提供すること。 【構成】 基板1と、硬化処理膜2と、磁気記録層3
と、カーボン保護膜4とでその主要部が構成され、か
つ、データエリアに対しCSSゾーン上の膜厚が1.0
1〜1.30倍に設定されたパーフロロポリエーテル系
の潤滑膜5が上記保護膜4上に形成されて成るもの。そ
して、CSSゾーン上の潤滑膜5の膜厚がデータエリア
に較べ1.01〜1.30倍の範囲で厚く設定されてい
るため磁気ヘッドの繰返し浮上・着陸操作に対する耐久
性(耐摩耗特性)の向上が図れる一方、データエリア上
の潤滑膜5の膜厚はCSSゾーンより薄く設定されてい
るため摩擦係数の低減と磁気ヘッドの低浮上化が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非磁性基板上に磁気記録
層と保護膜並びに潤滑膜を備え、ディスクの回転に伴う
空気流により磁気ヘッドをディスク面から浮上させる一
方、ディスクの回転停止に伴いディスク面のCSSゾー
ン上へ上記磁気ヘッドを停止させるCSS方式(コンタ
クト・スタート・アンド・ストップ方式)に適用される
磁気ディスクに係り、特に、耐久性すなわち耐摩耗特性
の向上と磁気ヘッドの低浮上化が図れる磁気ディスクの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報処理システムにおける外部記憶装置
の中で、上記CSS方式(コンタクト・スタート・アン
ド・ストップ方式)を採用した磁気ディスク装置等に適
用される磁気ディスクにおいては、非操作時に上記磁気
ディスクと磁気ヘッド面とが面接触し、また、操作開始
時と停止時において磁気ディスクと磁気ヘッド面とが接
触摺動する。
【0003】そこで、非操作時における磁気ディスク面
への磁気ヘッドの吸着現象を防止し、かつ、接触摺動時
における磁気ディスクと磁気ヘッド双方のダメージを最
小にしてその耐久性を向上させるため、従来においては
上記非磁性基板を粗面化処理しこの粗面化処理に伴って
保護膜表面が粗面状態になっている磁気ディスクが適用
されている。
【0004】すなわち、この種の磁気ディスクは、図2
に示すように粗面化処理された非磁性基板aと、この基
板a上にメッキあるいはスパッタリング法等の手段で成
膜された磁気記録層bと、この磁気記録層b上に成膜さ
れたカーボン、SiO2 膜等から成り表面研磨処理され
た保護膜cと、スピンコート法等の手段により上記保護
膜c上に塗布形成された潤滑膜dとでその主要部が構成
されており、かつ、磁気ヘッドの浮上・着陸時の衝撃に
伴う記録データの損傷を避ける観点から、この種の磁気
ディスクにおいては図3に示すように非操作時と操作開
始並びに停止時に磁気ヘッドが接触されるCSSゾーン
αと、データが格納され磁気ヘッドが接触しないデータ
エリアβとに区画されている。
【0005】そして、上記CSSゾーンαにおいては、
ディスクの回転起動・停止時に磁気ヘッドの浮上・着陸
が容易に行えるよう磁気ヘッドの浮上面とディスク表面
とが滑り易くかつ離れ易いことが、また、磁気ヘッドと
ディスクとが長時間接触していても上記吸着現象等が起
こり難い特性を備えていることが要請され、更に、繰返
しの浮上・着陸操作に耐えられるようこれ等特性が長期
に亘って変化し難いことも要請されている。
【0006】このため、従来の磁気ディスクにおいては
上述したようにCSSゾーンαを含むディスク全面に潤
滑膜dが塗布形成され、この潤滑膜dを磁気ヘッドの着
陸時にクッション材として作用させると共に磁気ヘッド
の接触摺動時に潤滑剤として作用させて上記CSSゾー
ンαの特性を具備させている。
【0007】ところで、上記潤滑膜dの膜厚が厚くなる
と上述したクッション作用が良好になり磁気ヘッドの繰
返し浮上・着陸操作に対する耐久性(後述するCSSテ
スト性すなわち耐摩耗特性)は向上するが、その反面、
ディスク表面の摩擦係数が大きくなり磁気ヘッドとディ
スクとが接触摺動する際にディスクを回転させる駆動モ
ータに負荷がかかり過ぎてモータを損傷させてしまう弊
害があり、かつ、上述した磁気ヘッドの吸着現象も起こ
り易くなる弊害があった。反対に上記潤滑膜dの膜厚が
薄くなるとディスク表面の摩擦係数が小さくなるため駆
動モータの損傷と磁気ヘッドの吸着現象が起こり難くな
るが、磁気ヘッドの着陸時におけるクッション材として
の作用が不十分になるため磁気ヘッドの繰返し浮上・着
陸操作に対する耐久性(すなわちCSSテスト性)が低
下してしまう弊害があった。
【0008】このため、従来においてはこれ等の点に配
慮し上記潤滑膜dの膜厚を適正値に設定する方法が採ら
れており、かつ、ディスクの耐久性(すなわちCSSテ
スト性)を重視する観点から上記設定に当りCSSゾー
ンαにおける潤滑膜dの膜厚については若干厚めに設定
することが望ましいとされていた。
【0009】これに対し、上記データエリアβにおいて
はこの領域への磁気ヘッドの接触停止がなされず、か
つ、外部からの衝撃によって例外的に磁気ヘッドが接触
摺動してしまうことを除きこの領域への磁気ヘッドの接
触摺動もないため上記CSSゾーンαとはその要請され
る特性が相違している。
【0010】そして、このデータエリアβにおける潤滑
膜dの膜厚については、上記磁気ヘッドの接触摺動時に
おける駆動モータへの負荷を軽減させる観点から薄めに
設定することが望ましいとされていた。
【0011】この様に上記CSSゾーンαにおける潤滑
膜dの膜厚については厚い方が望ましく、反対にデータ
エリアβにおける潤滑膜dの膜厚は薄い方が望ましいと
されていながら、従来の磁気ディスクにおいてはCSS
ゾーンαとデータエリアβを区別することなく同一膜厚
の潤滑膜dが塗布形成されていた。これは、CSSゾー
ンαとデータエリアβとで潤滑膜dの膜厚を変えるため
には製造時における工程数が増えることとその割りには
効果が少ないと考えられていた点と、膜厚を変えるにし
てもその変える基準がディスク表面の粗面化状態によっ
て一定しないと考えられ現実的には設定困難とされてい
たことによるものであった。
【0012】このため、従来においては上記CSSゾー
ンαとデータエリアβ両方の特性が使用限界を越えない
範囲で上記潤滑膜dの膜厚を適正値に設定する方法が採
られていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、相反する特性
を十分に満足させる潤滑膜dの膜厚範囲は極めて狭いか
あるいは存在しないためその設定には困難が伴い、従っ
て、実際には磁気ディスクの耐久性を重要視する背景か
らCSSゾーンαの特性により整合させた膜厚に設定さ
れていた。
【0014】このため、データエリアβにおいて磁気ヘ
ッドとディスクとが外部からの衝撃等により接触摺動し
た際、その領域の摩擦係数が大きいことに起因して駆動
モータを損傷させ易いといった問題点があった。
【0015】特に、近年においては再生信号のSN比を
向上させる目的で磁気ヘッドの浮上量を低く設定する方
式が採られており、潤滑膜dの膜厚が大きく設定されて
いると磁気ヘッドの底面に潤滑膜dの一部が付着し易く
なるためヘッドの浮上走行が不安定になる問題点があ
り、かつ、これに伴って磁気ディスクが損傷され易くな
る問題点があった。
【0016】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、耐久性(CSS
テスト性)の向上と磁気ヘッドの低浮上化が共に図れる
磁気ディスクを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、上記CSS
ゾーンとデータエリア上の潤滑膜の膜厚比についてこれ
をある範囲に設定した場合にディスクの粗面化状態如何
に拘らず耐久性(CSSテスト性)の向上と磁気ヘッド
の低浮上化が図れることを各種実験を通じ発見して本発
明を完成するに至ったものである。
【0018】すなわち請求項1に係る発明は、ディスク
の回転に伴う空気流により磁気ヘッドをディスク面から
浮上させる一方、ディスクの回転停止に伴いディスク面
のCSSゾーン上へ上記磁気ヘッドを停止させるCSS
方式に適用され、データが格納されるデータエリアの表
面とこのエリアから区画された上記CSSゾーンの表面
に潤滑膜を備える磁気ディスクを前提とし、上記CSS
ゾーン上に設けられる潤滑膜の膜厚が、データエリア上
に設けられる潤滑膜の膜厚より1.01〜1.30倍に
設定されていることを特徴とするものである。
【0019】この様な技術的手段において上記非磁性基
板としては、例えば、高純度アルミニウム、アルミニウ
ム合金、セラミックス、硬質プラスチック等から成る円
盤状基板が挙げられ、この基板上に無電解メッキ等によ
りNi−P合金、Ni−Cu−P合金等の被膜を形成し
てその表面を硬化処理したものが適用できる。
【0020】尚、この基板は公知のように研摩テープや
研摩液を使用して板材の円周方向にほぼ同心円状の傷を
つける粗面化加工、いわゆるテクスチャ加工を施す。
【0021】次に、上記磁気記録層を構成する記録材料
としては、γ−Fe2 3 から成るスパッタリング膜
や、Co系、CoNi系、CoNiCr系、CoPt
系、CoCrTa系、Fe系等のスパッタリング膜、蒸
着膜、メッキ膜等従来と同様の材料が適用でき、かつ、
磁気特性を調整するために下地層としてCr、Cr合金
等の被膜を設けてもよい。
【0022】また、上記磁気記録層を保護する保護膜と
しては、従来と同様にスパッタリング法、CVD(化学
的気相成長)法等の適宜成膜手段により成膜されたカー
ボン、SiO2 、SiN、SiAlON、ZrO2 膜等
が適用でき、また、この保護膜上に塗布形成される潤滑
膜としては、通常この種の媒体に使用できるものであれ
ば任意の潤滑剤が適用可能である。
【0023】このような潤滑剤の例として、脂肪酸又は
その金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石
鹸、脂肪酸アルコール又はそのアルコキシド、脂肪酸ア
ミン、多価アルコール、ソルビタンエステル、マンニッ
タンエステル、硫黄化脂肪酸、脂肪族メルカプタン、高
級アルキルスルホン酸、パラフィン、変性シリコーンオ
イル、フッ素系潤滑剤等が挙げられる。
【0024】中でもフッ素系潤滑剤が好ましく、例え
ば、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル
カルボン酸エステル類、カルボン酸パーフルオロアルキ
ルエステル類、パーフルオロアルキルカルボン酸パーフ
ルオロアルキルエステル類、パーフルオロジカルボン酸
エステル誘導体、ジカルボン酸エステル誘導体、パーフ
ルオロカルボン酸アミド、5−パーフルオロカルボニル
アミノ−1−アミノ−カルボキシルペンタン誘導体、パ
ーフルオロアルキルカルボン酸アミン塩類、カルボン酸
パーフルオロアルキルアミン類、パーフルオロアルキル
スルホン酸アミン塩類、スルホン酸パーフルオロアルキ
ルアミン塩類、パーフルオロアルキルスルホン酸パーフ
ルオロアルキルアミン塩類等が好ましい。
【0025】そして、これ等の潤滑剤をスピンコート法
やディッピング法等の塗布手段により保護膜上に塗布し
て潤滑膜を形成するものである。この場合、この技術的
手段においては上記CSSゾーン上に成膜される潤滑膜
の膜厚についてデータが格納されるデータエリア上に成
膜される潤滑膜の膜厚より1.01〜1.30倍に設定
することを特徴とするものである。
【0026】尚、上記CSSゾーンとデータエリア上に
それぞれ膜厚が相違する潤滑膜を形成する方法として
は、塗布手段として上記スピンコート法を適用した場合
には塗布液の滴下速度やディスクの回転数を適宜調整す
ることにより膜厚制御が可能であり、他方塗布手段とし
てディッピング法を適用した場合にはディスク面上に潤
滑膜を一様に成膜した後、適宜溶剤にてデータエリア上
に成膜された潤滑膜の一部を選択的に溶解除去してその
膜厚を薄くする方法などが利用でき、また、後者の方法
は塗布手段としてスピンコート法を適用した場合にも利
用可能である。
【0027】
【作用】請求項1に係る発明によれば、CSSゾーン上
に設けられる潤滑膜の膜厚が、データエリア上に設けら
れる潤滑膜の膜厚より1.01〜1.30倍に設定さ
れ、CSSゾーン上の潤滑膜の膜厚がデータエリアに較
べてその1.01〜1.30倍に設定されているため、
ディスクを回転させる駆動モータに加わる負荷を抑制し
ながら磁気ヘッドの繰返し浮上・着陸操作に対する耐久
性を向上させることが可能となり、他方、データエリア
上の潤滑膜の膜厚はCSSゾーンのそれより薄く設定さ
れているため、CSSゾーンに較べてその摩擦係数を低
減できると共に磁気ヘッドの底面に潤滑剤が付着し難く
なることから磁気ヘッドの低浮上化を図ることが可能と
なる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0029】尚、この磁気ディスクは、図1に示すよう
に粗面化処理されたアルミニウム−マグネシウム合金
(Mg:4重量部,Al:96重量部)から成る基板1
と、この基板1上に無電解メッキ法により成膜されたN
i−P合金の硬化処理膜2と、この硬化処理膜2上にク
ロムから成る下地層(図示せず)を介しDCマグネトロ
ンスパッタリング法にて成膜された厚さ300ÅのCo
CrTa磁気記録層3と、この磁気記録層3上にDCマ
グネトロンスパッタリング法で成膜されたカーボン保護
膜4とでその主要部が構成され、かつ、この保護膜4上
にCSSゾーンとデータエリアとでその膜厚が相違する
パーフロロポリエーテル系の潤滑膜5が形成されて成る
ものである。
【0030】[実施例1]この実施例に係る磁気ディス
クの製造工程を説明すると、まず、無電解メッキ法にて
Ni−P合金の硬化処理膜2が成膜された上記アルミニ
ウム−マグネシウム合金から成る直径3.5インチの基
板1に対し、ラップ加工及びポリッシュ加工を施して表
面粗さRmax (基準長さ内の最高山頂から最深谷底まで
の高さ)が300Å以下の表面粗度を有するディスク基
板を製造した。
【0031】上記粗さを有する基板1を回転させながら
その表面に対し、ポリエステルベースフィルム上に平均
粒径6μmのアルミナ砥粒が結着されて成る研摩テープ
を均一な力で一様に押付けてテクスチャ加工を施し、そ
の半径方向における表面粗さをRtmで630Åに設定し
た。
【0032】次に、このテクスチャ加工が施された基板
1をDCマグネトロンスパッタリング装置のチャンバー
内にセットし、チャンバー内の圧力が約10-7Torrにな
るまで真空ポンプ装置により排気した後、チャンバー内
に設置されたヒーターにより上記基板1を300℃に加
熱した。
【0033】そして、この基板1上に、DCマグネトロ
ンスパッタリング法により基板温度:300℃,Arガ
ス圧:10 mTorr,DC投入電力:5W/cm2 の条件
下で厚さ500ÅのCrを成膜して磁気特性を調整する
ための下地層(図示せず)を形成し、かつ、上記基板1
とスパッタリング用ターゲットの間に(−150V)の
バイアス電圧を印加して厚さ300ÅのCoCrTa磁
気記録層3を成膜した後、この上に上記下地層と同条件
でカーボン保護膜4を成膜した。
【0034】次に、このカーボン保護膜4表面上にスピ
ンコート法によりパーフロロポリエーテル系潤滑剤(モ
ンテジソン社製 商品名AM2001)を一様に塗布
し、CSSゾーン(ディスクの半径17.5mm〜25mm
の領域)とデータエリア(ディスクの半径25mm〜4
6.3mm『最外周』の領域)とでその膜厚が同一(3
0.2Å)に設定された潤滑膜5を形成した。
【0035】尚、上記潤滑膜5の膜厚(30.2Å)に
ついては、表1に示すようにその膜厚が24.1〜3
8.2Åに設定された8種類の中からCSSゾーンにお
けるCSSテスト、吸着テスト、初期摩擦係数テストが
共に良好な膜厚(30.2Åと32.0Å)を求めて選
定したものである。
【0036】ここで、上記『初期摩擦係数テスト』と
は、各膜厚の潤滑膜5が成膜されたディスクを回転スピ
ンドルにセットし、このディスクの半径20mmの位置
(CSSゾーン領域)に薄膜磁気ヘッド(スライダ材
質:Al2 3 ・TiC,スライダ寸法:長さ3.20
mm、幅:2.66mm,荷重:7.2g重)をおいた後、
ディスクを1rpmで回転させて各ディスクの1周の動
摩擦係数を測定し評価するテストであり、その摩擦係数
μが:μ≦0.3ならば良好、μ>0.3ならば不良と
し、それぞれ○、×で表示する。
【0037】また、上記『CSSテスト』とは、上記薄
膜磁気ヘッドを用い、0rpm(すなわち薄膜磁気ヘッ
ドがディスク面に接触している状態)→3600rpm
(すなわち薄膜磁気ヘッドがディスク面から浮上してい
る状態。尚、この例では浮上量:0.13μm)→0r
pm(すなわち薄膜磁気ヘッドが再び浮上状態から接触
状態に戻る)の工程を30秒の周期で行い、開始前の摩
擦係数、開始してから5,000回後の摩擦係数、2
0,000回後の摩擦係数をそれぞれ測定し評価するテ
ストであり、20,000回後の摩擦係数μが:μ≦
0.5ならば良好、μ>0.5ならば不良とし、それぞ
れを○、×で表示する。
【0038】他方、上記『吸着テスト』とは、薄膜磁気
ヘッドを各ディスク面上に接触させた状態で温度30
℃、湿度80%RHの環境下で48時間放置した後、デ
ィスクを回転させてディスクの起動時における摩擦係数
いわゆる吸着力を測定し評価するテストであり、その摩
擦係数μが:μ≦0.5ならば良好、μ>0.5ならば
不良とし、それぞれを○、×で表示する。
【0039】そして、これ等テスト結果が示された表1
からCSSゾーンにおけるCSSテスト、吸着テスト、
及び、初期摩擦係数テストが共に良好な膜厚(30.2
Åと32.0Å)を求め、この内から30.2Åを選定
したものである。
【0040】次に、潤滑膜5の膜厚が30.2Åに設定
されたディスクについて、このディスクの半径25mm〜
46.3mmの領域(データエリア)上の潤滑膜5の一部
を溶剤(パーフルオロアルキル系溶剤 住友スリーエム
社製商品名フロラード)により溶解除去しその膜厚が2
5.0Å(この膜厚に対し上記CSSゾーンの潤滑膜5
の膜厚は1.21倍に相当する)のディスクと、膜厚2
9.2Å(この膜厚に対し上記CSSゾーンの潤滑膜5
の膜厚は1.03倍に相当する)のディスクを求めて図
1に示された実施例1に係る磁気ディスクを得た。
【0041】尚、上記データエリアにおける潤滑膜5の
膜厚(25.0Åと29.2Å)については、表2に示
すようにその膜厚が同様の方法にて16.9Å〜36.
8Åに設定された6種類の中からデータエリアにおける
初期摩擦係数テストが良好な膜厚(上記25.0Åと2
9.2Å)を求めて選定したものである。
【0042】また、この実施例において上記潤滑膜5の
膜厚測定についてはX線光電子分光分析法(ESCA
法)が適用されている。
【0043】そして、この実施例に係る磁気ディスクに
おいては、そのCSSゾーンにおける潤滑膜5の膜厚が
CSSテスト、吸着テスト、初期摩擦係数テスト共に良
好な値(30.2Å)に設定され、他方、データエリア
における潤滑膜5の膜厚が初期摩擦係数が良好な値(2
5.0Åと29.2Å)に設定されているため、CSS
ゾーンにおいてはディスクの駆動モータに加わる負荷を
抑制しながら磁気ヘッドの繰返し浮上・着陸操作に対す
る耐久性が向上し、また、データエリアにおいてはCS
Sゾーンに較べてその摩擦係数の低減と磁気ヘッドの低
浮上化を図ることが可能となる。
【0044】このため、磁気ディスクの耐久性が飛躍的
に高まると共に再生信号のSN比も向上する利点を有し
ている。
【0045】
【表1】
【表2】 [実施例2]この実施例に係る3種類の磁気ディスク
は、半径方向における表面粗さRtmが約820Åに設定
されている点と、CSSゾーンにおける潤滑膜5の膜厚
が39.9Åに設定され、データエリアにおける潤滑膜
の膜厚がそれぞれ30.9Å(この膜厚に対し上記CS
Sゾーンの潤滑膜5の膜厚は1.29倍に相当する)、
35.2Å(この膜厚に対し上記CSSゾーンの潤滑膜
5の膜厚は1.13倍に相当する)、39.0Å(この
膜厚に対し上記CSSゾーンの潤滑膜5の膜厚は1.0
2倍に相当する)に設定されている点を除き実施例1に
係る磁気ディスクと略同一である。
【0046】尚、上記CSSゾーンにおける潤滑膜5の
膜厚については、実施例1と同様、8種類の中から表3
に示すようにCSSゾーンにおけるCSSテスト、吸着
テスト、初期摩擦係数テストが共に良好な膜厚(39.
9Å)を求めて選定し、また、データエリアにおける潤
滑膜5の膜厚については、表4に示すように7種類の中
からデータエリアにおける初期摩擦係数が良好な膜厚
(上記30.9Å,35.2Å,及び、39.0Å)を
求めて選定したものである。
【0047】そして、この実施例に係る磁気ディスクに
おいても、そのCSSゾーンにおける潤滑膜5の膜厚が
CSSテスト、吸着テスト、初期摩擦係数テスト共に良
好な値(39.9Å)に設定され、他方、データエリア
における潤滑膜5の膜厚が初期摩擦係数が良好な値(3
0.9Å,35.2Å,及び、39.0Å)に設定され
ているため、磁気ディスクの耐久性が飛躍的に高まると
共に再生信号のSN比も向上する利点を有している。
【0048】
【表3】
【表4】 『確認』実施例1及び実施例2において求められた各磁
気ディスクの特性データから、ディスク基板の表面粗さ
が相違していても(実施例1においてその半径方向にお
ける表面粗さRtmは約630Å、実施例2においては約
820Å)CSSゾーン上に設けられる潤滑膜の膜厚を
データエリア上に設けられる潤滑膜の膜厚より1.01
〜1.30倍に設定することにより、磁気ディスクにお
ける耐久性(CSSテスト性)の向上と磁気ヘッドの低
浮上化が共に図れることが確認できた。
【0049】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、CSSゾ
ーン上の潤滑膜の膜厚がデータエリアに較べてその1.
01〜1.30倍に設定されているため、ディスクを回
転させる駆動モータに加わる負荷を抑制しながら磁気ヘ
ッドの繰返し浮上・着陸操作に対する耐久性を向上させ
ることが可能となり、他方、データエリア上の潤滑膜の
膜厚はCSSゾーンのそれより薄く設定されているた
め、CSSゾーンに較べてその摩擦係数を低減できると
共に磁気ヘッドの底面に潤滑剤が付着し難くなることか
ら磁気ヘッドの低浮上化を図ることが可能となる。
【0050】従って、磁気ディスクの耐久性が飛躍的に
高まると共に再生信号のSN比を向上できる効果を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る磁気ディスクの断面図。
【図2】従来の磁気ディスクの断面図。
【図3】磁気ディスクのCSSゾーンとデータエリアの
説明図。
【符号の説明】
1 基板 2 硬化処理膜 3 磁気記録層 4 保護膜 5 潤滑膜
フロントページの続き (72)発明者 保田 晋一 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 金井塚 唯人 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 細見 和弘 東京都港区新橋5−11−3 住友軽金属工 業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスクの回転に伴う空気流により磁気ヘ
    ッドをディスク面から浮上させる一方、ディスクの回転
    停止に伴いディスク面のCSSゾーン上へ上記磁気ヘッ
    ドを停止させるCSS方式に適用され、データが格納さ
    れるデータエリアの表面とこのエリアから区画された上
    記CSSゾーンの表面に潤滑膜を備える磁気ディスクに
    おいて、 上記CSSゾーン上に設けられる潤滑膜の膜厚が、デー
    タエリア上に設けられる潤滑膜の膜厚より1.01〜
    1.30倍に設定されていることを特徴とする磁気ディ
    スク。
JP2030192A 1992-02-05 1992-02-05 磁気ディスク Pending JPH05217159A (ja)

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