JP3429530B2 - 磁気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用クランプ - Google Patents
磁気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用クランプInfo
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Description
ヘッドが浮上走行しながら情報の記録又は再生を行う磁
気記録再生方法及びその装置並びにこれら方法及び装置
に用いられる磁気ディスク固定用クランプに関する。
ック型パーソナルコンピュータにいたる種々のコンピュ
ータにおける外部記憶装置の主流をなすハードディスク
装置においては、通常、磁気ディスク上に磁気ヘッドを
気流によって浮上走行させながら情報の記録又は再生を
行う方式が採用されている。この方式において、回転す
る磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上させる方式として
は、従来、以下の各方式が採用されていた。
止時に磁気ヘッドのヘッドスライダーと磁気ディスクが
接触状態にあり、装置が起動されて後ヘッドスライダー
がディスクと接触摺動しながら徐々に浮上していく、C
SS(Contact Start Stop)方式があげられる。本CS
S方式は、その原理上、ヘッドスライダー、ディスクの
両者が間欠的あるいは完全接触摺動することを回避でき
ないため、そこから派生する様々なトライボロジー現象
が、装置の信頼性を著しく損ねているのが現状である。
すなわち、ヘッドスライダー/ディスク間(Head Disk
Interface 、以下HDIと略称する)における接触摺動
状態下で発生する摩擦力が、ディスク側に機械的な摩耗
損傷を与え、磁性層自体をも破壊してしまう“ヘッドク
ラッシュ現象”、さらには中心線平均粗さで数nmから
数十nm程度の超精密加工が施されたヘッドスライダー
及びディスク両者が吸着し、ディスクを回転させるスピ
ンドルの起動が困難となる“スティクション現象”など
がその問題としてあげられる。
を阻害するこれらのトライボロジー問題に対し、従来よ
り次のような対策が施されてきた、。すなわち、ディス
ク円周上に磁気ヘッドのヘッドスライダーが離着陸を行
うための専用の領域(以下、ランディングゾーンとい
う)を設け、さらにその領域に対し、テクスチャリング
を施す方法(特開平4−172616)、あるいは、保
護膜、潤滑膜の膜厚を実際に情報を記録する領域よりも
厚くして、ランディングゾーンの機械的耐久性を向上さ
せる方式(特開平4−341921等)が知られてい
る。
における問題点を改善するため、ディスクをある一定の
回転数まで回転させた後、ヘッドスライダーをそのディ
スク上にのせて浮上させ、原理上両者が接触することな
く情報の記録再生を行うダイナミックローディング方式
(例えば特開平4−251403に開示)が提案されて
いる。
ては、ディスク自体の耐久性、強いては装置自体の信頼
性を向上させる一定の効果が得られているが、なお、以
下のような問題点のあることがわかった。
スク基板自体にテクスチャリングを施す必要があるが、
その場合、その表面凹凸を創成するプロセスにおいて不
可避的に生成される加工生成物(バリ等)がヘッドスラ
イダーの浮上安定性を阻害するおそれがある。この傾向
は、ラッピングテープあるいはスラリー等により、アル
ミ合金製ディスク基板などに物理的に表面凹凸を形成す
る、いわゆるメカニカルテクスチャリング方式において
顕著となる。本方式における上記問題点は、近年一層要
求が高まりつつあるヘッドスライダーの低浮上高さ化に
おいて、一層深刻になっている。
設けると、実際にデータの記録・再生を行う領域とは異
なる特殊な加工(テクスチャリング、保護膜あるいは潤
滑膜厚を厚くするなど)を行わなければならないととも
に、その領域においては情報の記録・再生ができないた
め、記録容量が低減してしまうという問題がある。ま
た、仮にランディングゾーンにも磁気記録層を設けたと
しても、従来技術では表面凹凸状態、さらには、保護膜
あるいは潤滑膜の厚さが他の領域と異なっているため、
情報の記録・再生を一様にできないという問題が残る。
ディング方式では、その原理上、CSS方式に比べ飛躍
的にディスク耐久性の向上が見込まれるが、高速回転す
るディスクにヘッドスライダーをローディングする際
に、両者が接触してしまうという問題がある。これは、
ローディングの瞬間に、高速回転するディスク上に発生
する空気流が乱れ、その結果ヘッドスライダー自体の浮
上が不安定となるために発生する現象と考えられ、最悪
の場合、ディスク表面が損傷してしまう結果となる。こ
の傾向は、ヘッドスライダーがより低浮上化されるに従
い、一層顕著となる。さらに本方式は、ヘッドスライダ
ーをディスク面に対し、垂直方向に上げ下げするための
機構が必要となるため、ハードディスク装置自体が大き
くなってしまうといった問題が発生していた。
のであり、磁気ディスクの記録可能領域を減少させるこ
となく磁気ディスクの耐久性を著しく向上させることが
できる磁気記録再生方法及びその装置並びにこれら方法
及び装置に用いることができる磁気ディスク固定用クラ
ンプを提供することを目的としたものである。
めに本発明にかかる磁気記録再生方法は、 (構成1) 磁気ディスク固定用クランプによって磁気
ディスクを回転軸に固定して回転させ、この磁気ディス
ク上を浮上型磁気ヘッドを浮上走行させて記録再生を行
う磁気記録再生方法において、前記磁気ディスク固定用
クランプに、前記浮上型磁気ヘッドが浮上走行を開始又
は終了する動作を行うことができる領域であるランディ
ングゾーンを設け、前記浮上型磁気ヘッドが浮上走行を
開始又は終了する際には、前記浮上型磁気ヘッドが前記
磁気ディスク固定用クランプ上に設けたランディングゾ
ーンに位置するようにし、このランディングゾーン上で
浮上走行を開始して磁気ディスク上に移行し、又は、磁
気ディスク上からランディングゾーンに移行して浮上走
行を終了するようにしたことを特徴とする構成とし、ま
た、本発明にかかる磁気記録再生装置は、(構成2)
磁気ディスクを回転させる回転装置と、この回転装置の
回転軸に磁気ディスクを固定する磁気ディスク固定用ク
ランプと、前記磁気ディスク上を浮上走行して記録再生
を行う浮上型磁気ヘッドと、前記回転装置及び前記浮上
型磁気ヘッドの走行制御を行う制御装置を備えた磁気記
録再生装置において、前記磁気ディスク固定用クランプ
には、前記浮上型磁気ヘッドが浮上走行を開始又は終了
する動作を行うことができるランディングゾーンが設け
られ、前記制御装置は、前記浮上型磁気ヘッドの浮上走
行の開始又は終了時において、該浮上型磁気ヘッドが前
記磁気ディスク固定用クランプ上に設けられたランディ
ングゾーンに位置するようにし、このランディングゾー
ン上で浮上走行を開始して磁気ディスク上に移行し、又
は、磁気ディスク上からランディングゾーンに移行して
浮上走行を終了するように制御する機能を備えたもので
あることを特徴とする構成とし、さらに、本発明にかか
る磁気ディスク固定用クランプは、(構成3) 磁気デ
ィスクを磁気記録再生装置における回転装置の回転軸に
固定するための磁気ディスク固定用クランプであって、
表面に、浮上型磁気ヘッドが浮上走行を開始又は終了す
る動作を行うことができるランディングゾーンを設けた
ことを特徴とする構成としたものである。
上走行開始時又は終了時には、磁気ヘッドは、磁気ディ
スクの上でなく、磁気ディスク固定用クランプの上のラ
ンディングゾーン上に位置している。すなわち、磁気ヘ
ッドは磁気ディスク固定用クランプの上で浮上走行状態
になってから磁気ディスク上に移行し、あるいは、磁気
ディスク上を浮上走行していた磁気ヘッドは該クランプ
上に移行してから浮上走行を終了する。したがって、C
SS方式においてもダイナミックローディング方式にお
いても、浮上走行開始時や終了時において、磁気ディス
クに損傷を与えるおそれが全くない。また、この場合、
磁気ディスク固定用クランプと磁気ディスクとの境界部
を、この境界部を磁気ヘッドが通過する時に浮上走行の
気流を乱さないような形状関係にしておくだけで、磁気
ディスク上においては、磁気ヘッドが常に安定した浮上
走行のみを行うようにできる。その結果、浮上高さをさ
らに低減させることも可能となる。しかも、ランディン
グゾーンを磁気ディスク上に設ける必要がないから、磁
気ディスクの記録領域を狭めることもない。また、装置
の機構も、磁気ディスク固定用クランプにランディング
ゾーンを設ける等の極めて簡単な構成ですむ。
の浮上及び着陸を、従来のように磁気ディスク上で行わ
ない方式であるため、HDIでのスティクションを低減
させるためのテクスチャーを磁気ディスクに施す必要が
なく、また、磁気ディスク基板上の磁性層自体の耐腐食
性が十分である場合には、その磁性層上に保護膜、ある
いは潤滑膜を設ける必要がないから、これにより磁気ヘ
ッドのさらなる低浮上化が可能となる。
よりも高記録密度化が可能で、しかも磁気ディスクの機
械的耐久性が半永久的となり、また、ダイナミックロー
ディング方式のような複雑な機構を用いる必要もなくな
るため、装置の小型化が可能であり、かつより低価格で
ハードディスク装置を提供できる。なお、例えば、ダイ
ナミックローディング方式と併用すれば、磁気ディスク
のみならず、磁気ヘッドの耐久性も飛躍的に向上させる
ことが可能となる。
置に用いることができる磁気ディスク固定用クランプが
得られる。
部構成を示す側面図、図2は実施例1にかかる磁気記録
再生装置の要部構成を示す平面図、図3は磁気ディスク
固定用クランプの表面部の部分断面図である。以下、こ
れらの図面を参照にしながら実施例1を説明する。な
お、この実施例の磁気記録再生装置の構成の多くは従来
から周知のハードディスク装置と同様であるので、以下
では、主として本実施例に特徴的な部分を中心に説明
し、周知の従来装置と同様の部分の説明は省略する。
用スピンドル、符号2は磁気ディスク固定用クランプ、
符号3は磁気ディスク、符号4は浮上型磁気ヘッドスラ
イダー、符号5は制御装置である。
ク固定用クランプ2によって磁気ディスク回転用スピン
ドル1に固定して回転させ、浮上型磁気ヘッドスライダ
ー4をこの磁気ディスク3の上で浮上走行させることに
よって磁気記録再生を行うものである。このため、磁気
ディスク回転用スピンドル1は、モータ1aの回転軸で
あって、該モータ1aを制御装置5によって制御するこ
とにより、所定の回転数で回転制御されるようになって
いる。また、浮上型磁気ヘッドスライダー4は、ヘッド
保持腕4aに固定保持され、図示しないヘッド移動装置
によって磁気ディスク3の半径方向に移動できるように
なっており、この移動装置は制御装置5によって制御さ
れる。
固定用クランプ2の上部表面に、浮上型磁気ヘッドスラ
イダー4が浮上走行を開始又は終了する動作を行うため
の領域であるランディングゾーン2bを設け、また、制
御装置5に、浮上型磁気ヘッドスライダー4の浮上走行
の開始又は終了時において、該浮上型磁気ヘッドスライ
ダー4が磁気ディスク固定用クランプ2上に設けられた
ランディングゾーン2bに位置するようにし、このラン
ディングゾーン2a上で浮上走行を開始して磁気ディス
ク3上に移行し、又は、磁気ディスク3上からランディ
ングゾーン2bに移行して浮上走行を終了するように制
御する機能を設けた点である。
ィスク3の中心孔3aに嵌合する嵌合部2dの上部周囲
を外周に向けて突出させて磁気ディスク3を係合する係
合部2eを形成し、この係合部2eの上側をその表面が
この係合部2eの外周端部から中心に向けて上方に角度
θ(=5°)なすように断面テーパ状に形成し、中心部
の頂部に平坦部2cを形成し、さらに、この平坦部2c
から裏面に貫通する貫通孔2fを形成したものである。
部2cに至る部位の表面部全面には、図3に示されるよ
うに、テクスチャリング処理を施したNiーP下地層2
2、SiO2 保護層23及び潤滑層24を順次積層して
いる。そして、上記係合部2eの外周端部から平坦部2
cに至る表面における係合部2eに近い円環状の領域を
ランディングゾーン2bとした。この場合、表面全面を
ランディングゾーンとして使用できるが、内周側になる
程、この表面と浮上型磁気ヘッドスライダー4との相対
速度が小さくなり、それにともなってヘッドスライダー
の浮上高さが低下してしまうため、ここでは、中心から
半径10mm±1mmの同心円により囲まれる円環状の
領域をランディングゾーン2bと規定した。
合部2dを磁気ディスク3の中心孔3aに嵌合した後、
これらの中心を磁気ディスク回転用スピンドル1の中心
に一致させて該磁気ディスク回転用スピンドル1の上部
固定面に載置し、次いで、固定ビス2aを貫通孔2fに
通して磁気ディスク回転用スピンドル1のねじ孔にねじ
込むことによって磁気ディスク3を磁気ディスク回転用
スピンドル1に固定するものである。
ようにして製作した。
ような形状に機械加工して基体21を得た。次に、図3
に示されるように、係合部2eの外周端部から平坦部2
cに至る表面に無電解メッキ法でNi−P下地層22を
約20μmの厚さに形成した。次に、ラッピングテープ
によりNi−P下地層22の表面に同心円状のメカニカ
ルテクスチャー22aを形成した。その際、SiC砥粒
タイプ(GC#3000、平均砥粒径:5μm)のラッ
ピングテープを使用し、テクスチャリング装置に取り付
けたサンプル(ディスク固定用クランプ1)の回転速度
を200rpm、テープ送り速度を50cm/min、
テープ圧力を1.0kgf/cm2 に設定して、テクス
チャー加工を行った。本テクスチャリングによって作製
した表面凹凸は、中心線平均粗さで5nmであった。次
に、メカニカルテクスチャー22aを形成したものをH
CFC溶媒(旭ガラス製AK−225)中で5min間
超音波洗浄して後、そのメカニカルテクスチャー22a
上にSiO2 保護膜23並びに潤滑層24を形成した。
SiO2 保護膜23は、RFスパッタリング法によりメ
カニカルテクスチャー22a上に約20nm厚に成膜し
た。その際の雰囲気ガスは、純度99.9%のアルゴン
ガスおよび純度99.9%の酸素ガスを使用し、ガス
圧:5m Torr(ガス流量、Ar:02 =10:5
SCCM)、投入電力:100W、背圧:10-7Tor
r、加熱なしの条件で行った。また、潤滑層24は、デ
ィッピング法により形成しているが、潤滑剤にPFPE
(Fomblin AM2001)、そしてその溶媒に
HCFC(旭ガラス製AK−225)を使用し、平均膜
厚で2nmの厚さとした。
2におけるテーパ状部の角度θを10°にした以外は、
実施例1と同一の構成を有するものである。
2におけるテーパ状部の角度θを15°にした以外は、
実施例1〜2と同一の構成を有するものである。
2におけるテーパ状部の角度θを20°にした以外は、
実施例1〜3と同一の構成を有するものである。
2におけるテーパ状部の角度θを35°にした以外は、
実施例1〜3と同一の構成を有するものである。
ィスク固定用クランプ2の表面に設けられたランディン
グゾーン2bから、磁気ディスク3上まで移動させた際
の浮上型磁気ヘッドスライダー4の浮上特性を、図4及
び図5に示した構成の試験装置によって調べた。この試
験装置は、磁気ディスク3を回転させる磁気ディスク固
定用スピンドル1及びモータ1a並びにその回転制御装
置、浮上型磁気ヘッドスライダー4を磁気ディスク3上
で移動させる機構(磁気ヘッド保持腕4a、ヘッドマウ
ント41及びヘッドマウント移動機構40からなる)、
そして、浮上型磁気ヘッドスライダー4と磁気ディスク
3との接触を検出するためのAEセンサー、そのAE信
号の増幅器及びデジタルオシロスコープ等から構成され
る。本試験において使用した磁気ディスク3は、テクス
チャー加工を施しておらず、直径65mmのガラス基板
上にCr(200nm)/CoNiCr(40nm)/
SiO2 (5nm)をRFスパッタリング法により形成
したものを用いている。本磁気ディスク3におけるCo
NiCr上のSiO2 は、磁性層の耐腐食性を向上させ
る目的で設けられたものである。また、本試験で使用し
た浮上型磁気ヘッドスライダー4は、ヘッドスライダー
材質がAl2 O3 −TiCである市販の磁気ヘッド(I
BM3370タイプ、インライン型、ヘッド荷重:6.
5gf、スライダー幅:2mm、ABS幅:350μ
m、公称F.H:0.085μm(v=5.86m/s
において))である。
ド、そして、実施例1〜5において作製した磁気ディス
ク固定用クランプ2を用いて、磁気ヘッドの浮上特性を
調べた結果を図6に示した。なおこの試験では、前記磁
気ディスク3をディスク回転用スピンドル1の上にの
せ、実施例1〜5の磁気ディスク固定用クランプ2を前
記磁気ディスク3の中心部にセットして、磁気ディスク
固定用スピンドル1にネジ止めし、スピンドル回転前
に、浮上型磁気ヘッドスライダー4を磁気ディスク固定
用クランプ2上のランディングゾーン2bにセットした
後、磁気ディスク回転用ピンドル1を回転させて浮上型
磁気ヘッドスライダー4を浮上させ、試験装置の移動機
構により浮上型磁気ヘッドスライダー4を磁気ディスク
固定用クランプ2のランディングゾーン2bから磁気デ
ィスク3の表面上に移動させ、その間のAE信号をモニ
ターしている。この際、スピンドルの回転数を5000
rpmとし、浮上型磁気ヘッドスライダー4を半径10
mm(ランディングゾーン2b上)から30mm(磁気
ディスク3上)まで1mm/sの速度で移動するように
設定した。
0mmにおいて、磁気ディスク回転用スピンドル1の回
転数を1000rpmまで低下させ、故意に浮上型磁気
ヘッドスライダー4と磁気ディスク3とを接触させたと
ころ、バックグランドノイズレベルの約10倍ものAE
出力電圧(2.5V)が観察されることがわかった。
=5〜20°)の磁気ディスク固定用クランプ2を使用
して、上記試験を行っても、観察されたAE信号はどの
半径位置でもバックグランドノイズレベルより、最大で
0.25V程度上昇しているだけであり、上記予備試験
結果も考慮すると浮上型磁気ヘッドスライダー4と磁気
ディスク3とが接触することなく、浮上型磁気ヘッドス
ライダー4が円滑に磁気ディスク3上に移動しているこ
とがわかる。また、実施例5(θ=35°)において
は、半径12mm付近(クランプとデスクの境界部分)
でAE信号が他の半径位置のそれよりも大きくなる傾向
が観察されているが、これはその境界部において、若干
空気流の状態が異なっており、浮上型磁気ヘッドスライ
ダー4の姿勢が瞬間的に変動するためと考えられる。し
かしながら、浮上型磁気ヘッドスライダー4と磁気ディ
スク3とが接触したときのような著しいAE信号(上記
予備試験結果)よりも、十分低い値であるため、問題は
ない。さらに本試験終了後、実施例1〜5の磁気ディス
ク固定用クランプによりクランプした磁気ディスクの表
面を走査型電子顕微鏡により観察したが、磁気ヘッドス
ライダーと接触したような損傷跡は見られなかった。
定用クランプ2の表面と磁気ディスク3の表面のなす角
(θ)を、5〜35°の範囲としているが、磁気ディス
クをスピンドルに保持する機能に支障がないかぎりは、
θを5°より低い角度に設定してもよく、また、磁気ヘ
ッドスライダーの浮上走行安定性に支障がないかぎりθ
を35°以上に設定してもよい。さらには、本ディスク
固定用クランプは一つのスピンドルに複数枚のディスク
を装着しているハードディスク装置に対しても、その適
用を排除するものではない。
定用クランプを構成する材料として、Al−Mg合金を
使用しているが、磁気ディスク回転用スピンドルの回転
負荷を可能なかぎり低減できる材料を使用することが望
ましく、例えばAl、Mg、Ti、Fe等の金属、ある
いはそれらを組み合わせた合金、さらにはガラス材料、
セラミック焼結体、カーボン焼結体、あるいは高分子材
料などを使用してもよい。
も実施例に示したものに限定されず、例えば、図7ない
し図9に示したようなものであってもよい。
クランプ200のランディングゾーン200bを、磁気
ディスク3の表面と平行で平坦な面としたものである。
クランプ300のランディングゾーン300bと、磁気
ディスク3の表面とが、同一面上になるようにしたもの
である。この場合、磁気ディスク固定用クランプ300
の外周部に複数の孔部を設けて、該孔部にばね300g
によって固定子300hを外方に押し付けるようにした
固定手段を設ける。
クランプ400のランディングゾーン400bと、磁気
ディスク3の表面とが、同一面上になるようにしたもの
であるが、磁気ディスク3の中心孔3aの内周部は通常
面取りが施されていることが多いので、磁気ディスク固
定用クランプ400の上面を面取り部に合致するように
外側に拡げて係合部としたものである。
ドスライダーとランディングゾーンのスティクションを
低減させるため、ランディングゾーン上にテクスチャー
を形成し、さらにはその機械的耐久性を向上させるべ
く、保護膜あるいは潤滑膜を設けているが、磁気ディス
ク固定用クランプの素材のみでこれらの機能が十分達成
できる場合は、この限りではない。
陸を磁気ディスク固定用クランプに設けられたランディ
ングゾーン上で行う以外はなんら限定されず、磁気ディ
スク並びに浮上型磁気ヘッドスライダーの全てに適用す
ることができる。
気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用
クランプによれば、磁気ヘッドの浮上走行開始時又は終
了時には、磁気ヘッドは、磁気ディスクの上でなく、磁
気ディスク固定用クランプの上のランディングゾーン上
に位置し、磁気ヘッドは磁気ディスク固定用クランプの
上で浮上走行状態になってから磁気ディスク上に移行
し、あるいは、磁気ディスク上を浮上走行していた磁気
ヘッドは該クランプ上に移行してから浮上走行を終了す
る。これにより、磁気ディスクの記録可能領域を狭める
ことなく、浮上走行開始時や終了時において、磁気ヘッ
ドと磁気ディスクとの接触によって磁気ディスクに損傷
を与えるおそれを完全に除去できるという効果を得てい
るものである。
要部構成を示す側面図である。
を示す平面図である。
面図である。
る。
る。
る。
図である。
図である。
図である。
固定用クランプ、2b…ランディングゾーン、3…磁気
ディスク、4…浮上型磁気ヘッドスライダー、5…制御
装置。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気ディスク固定用クランプによって磁
気ディスクを回転軸に固定して回転させ、この磁気ディ
スク上を浮上型磁気ヘッドを浮上走行させて記録再生を
行う磁気記録再生方法において、 前記磁気ディスク固定用クランプに、前記浮上型磁気ヘ
ッドが浮上走行を開始又は終了する動作を行うことがで
きる領域であるランディングゾーンを設け、 前記浮上型磁気ヘッドが浮上走行を開始又は終了する際
には、前記浮上型磁気ヘッドが前記磁気ディスク固定用
クランプ上に設けたランディングゾーンに位置するよう
にし、このランディングゾーン上で浮上走行を開始して
磁気ディスク上に移行し、又は、磁気ディスク上からラ
ンディングゾーンに移行して浮上走行を終了するように
したことを特徴とする磁気記録再生方法。 - 【請求項2】 磁気ディスクを回転させる回転装置と、
この回転装置の回転軸に磁気ディスクを固定する磁気デ
ィスク固定用クランプと、前記磁気ディスク上を浮上走
行して記録再生を行う浮上型磁気ヘッドと、前記回転装
置及び前記浮上型磁気ヘッドの走行制御を行う制御装置
を備えた磁気記録再生装置において、 前記磁気ディスク固定用クランプには、前記浮上型磁気
ヘッドが浮上走行を開始又は終了する動作を行うことが
できるランディングゾーンが設けられ、 前記制御装置は、前記浮上型磁気ヘッドの浮上走行の開
始又は終了時において、該浮上型磁気ヘッドが前記磁気
ディスク固定用クランプ上に設けられたランディングゾ
ーンに位置し、このランディングゾーン上で浮上走行を
開始して磁気ディスク上に移行し、又は、磁気ディスク
上からランディングゾーンに移行して浮上走行を終了す
るように制御する機能を備えたものであることを特徴と
する磁気記録再生装置。 - 【請求項3】 磁気ディスクを磁気記録再生装置におけ
る回転装置の回転軸に固定するための磁気ディスク固定
用クランプであって、 表面に、浮上型磁気ヘッドが浮上走行を開始又は終了す
る動作を行うことができるランディングゾーンを設けた
ことを特徴とする磁気ディスク固定用クランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15484793A JP3429530B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 磁気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用クランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15484793A JP3429530B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 磁気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用クランプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714275A JPH0714275A (ja) | 1995-01-17 |
JP3429530B2 true JP3429530B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=15593204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15484793A Expired - Lifetime JP3429530B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 磁気記録再生方法及びその装置並びに磁気ディスク固定用クランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3429530B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP15484793A patent/JP3429530B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0714275A (ja) | 1995-01-17 |
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