JP2848354B2 - 磁気ヘッドスライダおよび磁気ディスク装置 - Google Patents
磁気ヘッドスライダおよび磁気ディスク装置Info
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- Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
Description
ダおよび磁気ディスク装置に関し、特に、磁気ヘッドス
ライダが磁気ディスク媒体と密接して相対移動し、記録
再生を行う接触式磁気ディスク装置に関する。
て、高記録密度化が着実に向上している。このため、磁
気ディスク装置では、情報の書き込み・読み出しを行う
磁気ヘッドと情報を保持している磁気ディスク媒体との
間隙をより小さくすることが、高密度記録化の重要な要
素の1つとなっている。磁気ヘッドと磁気ディスク媒体
との間隙を小さくするために、磁気ヘッドが磁気ディス
ク媒体面に接触摺動しながら記録再生を行う、いわゆ
る、接触式磁気ディスク装置が開発されている(例え
ば、「H.Hamilton:Journal of
Magnetic Society of Japa
n, Vol.15,Supplement No.S
2(1991)483」、および「特願平5−5088
08号(特表平5−814495号公報)」参照)。
気ディスク媒体と磁気ヘッドスライダのコンタクトパッ
ドとの接触による両者の摩耗損傷を防ぐために、磁気デ
ィスク媒体上に潤滑剤が塗布される。
置では、磁気ディスク媒体の高速回転による遠心力によ
って磁気ディスク媒体上の潤滑剤が外周部に移動するこ
とによって、磁気ディスク媒体の内周部や中周部では潤
滑剤の膜厚が減少してしまう現象が生じている。
も、CSS(Contact Start Stop)
方式が採用される場合には、動作開始時に磁気ヘッドス
ライダが磁気ディスク媒体から浮上するまでの間、およ
び停止時に磁気ディスク媒体の回転が停止するまでの間
には、磁気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体とが摺動
状態にある。したがって、このような磁気ディスク装置
においては、磁気ディスク媒体上に潤滑剤が塗布されて
おり、潤滑剤の枯渇に関する問題も生じている。
に関する「磁気ディスク媒体上の潤滑剤が枯渇するのを
防ぐための技術」としては、磁気ディスク媒体上の保護
膜として水素化炭素や窒素化炭素を用い、さらにその上
に塗布する潤滑剤を極性基を有するようにすることによ
って潤滑剤と保護膜との結合を強めることが行われてい
た(「特開平6−333231号公報」参照)。
に関する「磁気ディスク媒体上の潤滑剤が枯渇するのを
防ぐための技術」としては、ヘッド・サスペンションに
毛細管現象によって潤滑剤を磁気ディスク媒体表面に供
給するヘッド・サスペンション・ウィック統合システム
が適用されていた(「特開平6−223533号公報」
参照)。
渇するのを防ぐための技術」の他の技術として、コンタ
クトパッドの前縁がその後縁より幅を広くすることによ
って、コンタクトパッドの下の磁気ディスク媒体上の潤
滑剤の減少を抑制していた(「特開平6−12808号
公報」および「特開平6−44718号公報」参照)。
また、磁気ヘッドが磁気ディスク媒体の内周から外周ま
で移動したときにスキュー角が発生しても、コンタクト
パッドの下の潤滑剤の減少を抑制するために、コンタク
トパッドの形を適正化した発明が、「特開平7−147
070号公報」に開示されている。コンタクトパッドの
側面の角度を、スキュー角の最大絶対値よりも大きくす
ることにより、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク媒体
内径から外径に移動するとき、コンタクトパッドのシー
ク動作の全角度範囲にわたって潤滑剤減少抑制効果を発
揮させている。また、前記「特開平7−147070号
公報」には、コンタクトパッド形状として、その前縁部
が、後縁部と非平行であることが記述されているが、こ
の効果は、スキュー付きの前縁部は、局所ディスク速度
が低いディスク内径で余分のエア・ベアリング揚力を提
供し、局部ディスク速度がより高いためにエア・ベアリ
ング効果が大きいディスク外径でより小さな揚力を提供
することが目的であった。
磁気ディスク装置では、磁気ディスク媒体の高速回転に
よる遠心力によって磁気ディスク媒体上の潤滑剤が外周
部に移動することによって、磁気ディスク媒体の内周部
や外周部では潤滑剤の膜厚が減少してしまうので、磁気
ディスク媒体や磁気ヘッドスライダ(コンタクトパッ
ド)が摩耗損傷してしまうという問題点があった。そし
て、このような問題点は、接触式磁気ディスク装置に関
する高記録密度および高信頼性の実現の障害となってい
た。
S方式の浮上式磁気ディスク装置で採用されている「潤
滑剤と保護膜との結合を強める技術」により、接触式磁
気ディスクにおいて磁気ディスク媒体上の潤滑剤と保護
膜との結合力を強めても、磁気ディスク媒体や磁気ヘッ
ドスライダの摩耗損傷を防ぐことはできなかった。その
理由は、接触式磁気ディスク装置では、磁気ヘッドスラ
イダと磁気ディスク媒体とが常に接触しているために、
磁気ディスク媒体上の潤滑剤が移動しやすく、磁気ディ
スク媒体上の潤滑剤と保護膜との結合力を強めた効果が
ほとんど生じないためである。
って潤滑剤を供給する方法は1μm以下の薄い潤滑膜に
適用することが困難であり、高記録密度に対応した接触
式磁気ディスクには適用できなかった。その理由は、潤
滑膜を厚くすると磁気ヘッドと磁気ディスク媒体との間
隔が大きくなってしまい、記録密度が磁気ヘッドと磁気
ディスク媒体との距離に大きく依存するので高記録密度
を達成できないからである。
報」、「特開平6−44718号公報」および「特開平
7−147070号公報」に開示してあるコンタクトパ
ッドの形状では、遠心力によって潤滑剤が外周部に移動
してしまうことを防止することは困難である。その理由
は、これらのコンタクトパッド形状では潤滑剤を磁気デ
ィスク媒体の外周部から内周部へ移動させることができ
ないからである。
ィスク媒体や磁気ヘッドスライダの摩耗損傷の防止を十
分な程度に実現し、高記録密度で高信頼性の磁気ディス
ク装置を提供することにある。特に、遠心力により外周
方向に移動した潤滑剤を内周方向へ移動させることがで
きる磁気ヘッドスライダを提供することにある。また、
その磁気ヘッドスライダを備えた磁気ディスク装置を提
供することにある。
明する。
例を示した斜視図である。磁気ヘッドスライダ進行方向
前方に溝を形成したコンタクトパッドAを2つ配置し、
磁気ヘッドスライダ進行方向後方に非対称形状のコンタ
クトパッドBを1つ配置したものである。これらのコン
タクトパッドAおよびコンタクトパッドBは、磁気ディ
スク媒体と密接して相対移動する際の圧力を受ける部分
として作用すると同時に、磁気ディスク媒体上に塗布さ
れた潤滑剤を外周部から内周部へ移動させる機能を有し
ていることが特徴である。
ダに用いるコンタクトパッドが磁気ディスク媒体上を摺
動している状態を表している図である。図2(b)は、
従来の磁気ヘッドスライダに用いられているコンタクト
パッドが磁気ディスク媒体上を摺動している状態を表し
ている図である。図2(b)では潤滑剤がコンタクトパ
ッドでかき分けられている状態が磁気ディスク媒体の内
周方向と外周方向で対称となっているが、図2(a)の
本発明に用いるコンタクトパッドでは潤滑剤の流れが内
外周で非対称となっており、外周部から内周部へ潤滑剤
が移動していることがわかる。
いる別のコンタクトパッドを示す図(a)とこのコンタ
クトパッドが磁気ディスク媒体上を摺動している状態を
表している図(b)である。コンタクトパッドの磁気ヘ
ッドスライダ進行方向最前方部(A点)と最内周部(B
点)を結ぶ線分(AB)の半径方向成分(AB’)の大
きさを、コンタクトパッドの磁気ヘッドスライダ進行方
向最前方部(A点)と最外周部(C点)を結ぶ線分(A
C)の半径方向成分(AC’)の大きさよりも大きくす
ることによって、図2で示したコンタクトパッドAと同
様に、潤滑剤の流れが内外周で非対称となっており、外
周部から内周部へ潤滑剤を移動させることができる。
ィスク媒体上を摺動する力をコンタクトパッドの形状に
よって潤滑剤を外周から内周へ移動させる力に変換して
いることが動作原理となっている。これによって、磁気
ディスク媒体上の潤滑剤が内周部や中周部においても枯
渇することを防止できる。
ライダを磁気ディスク媒体の外周部から内周部に向かっ
てシーク動作を行うこと、または、磁気ディスク装置が
一定時間シーク動作を行わなかった場合に、磁気ヘッド
スライダを磁気ディスク媒体の外周部から内周部に向か
ってシーク動作を行うことによって、潤滑剤の枯渇の防
止効果が顕著になる。その理由は、シーク動作間隔が長
すぎたり、磁気ディスク媒体の全面にわたってシーク動
作を行わなかったりすると、磁気ディスク媒体全面に潤
滑剤を再供給できなくなるからである。
mg以上10mg以下にすることによっても、潤滑剤の
枯渇の防止効果が顕著になる。その理由は、磁気ヘッド
スライダの質量が小いさすぎるとコンタクトパッドが潤
滑剤を掻き分けるときの抵抗によって摺動が不安定にな
り潤滑剤供給ができなくなってしまい、磁気ヘッドスラ
イダの質量が大きすぎると磁気ディスク媒体に追従でき
なくなり潤滑剤供給ができなくなってしまうからであ
る。
気ヘッドスライダおよび磁気ディスク媒体の摩耗損傷を
防止することができ、磁気ディスク装置に関する高記録
密度および高信頼性を実現することができる。
ク装置の具体的な実施の形態について説明する。
基本構成を示す断面図である。
3mmのガラスが用いられる。
を100nmの膜厚に成膜して形成される。
rTaPtを30nmの膜厚に成膜して形成される。
モンドライクカーボンを5nmの膜厚に成膜して形成され
る。
ルオロポリエーテルを、原則として10nmの膜厚に成膜
して形成される。なお、後述するように、潤滑剤49の
膜厚は変更させる。この場合に、潤滑剤49の膜厚の変
化は、ディップ溶液の濃度を制御することによって実現
される。
幅0.5mmおよび厚さ0.03mmのステンレスが用いら
れる。サスペンションばねによって、磁気ヘッドスライ
ダを磁気ディスク媒体に押し付けるときの荷重は500
mgfとした。
および厚さ1mmのステンレスが用いられる。
いられる。
1mm、長さ1.2mmおよび厚さ0.3mmのAl2 O3 −
TiCが用いられ、その質量は2mgである。また、磁
気ヘッドスライダの質量を変化させる場合には、磁気ヘ
ッドスライダの寸法または材質を変化させた。
膜をヨーク材料とした薄膜ヘッドが用いられる。
TiC基板上にケミカルベーパーデポジション法によっ
てダイヤモンドライクカーボンを4μm 堆積させた後、
アルゴンイオンによるミリング加工によって形成したも
のを用いた。コンタクトパッド表面のパターン形状は、
後述するように、マスク形状およびミリング条件を変化
させることによって変化させた。
の形態の斜視図を示す。図1に示した磁気ヘッドスライ
ダは、磁気ヘッドスライダ進行方向前方に溝を形成した
円形コンタクトパッドAを2個、後方に図3に示した形
状のコンタクトパッドBを1個配置した。これら2つの
コンタクトパッドは、それぞれ以下の位置に配置した。
コンタクトパッドAは、磁気ヘッドスライダ進行方向前
方の縁から50μm 、内周および外周の縁からそれぞれ
50μm の位置を中心として直径30μm とした。コン
タクトパッドBは、磁気ヘッドスライダ進行方向後方の
縁から50μmの内外周の中心位置に配置した。なお、
コンタクトパッドの溝深さは10nm、溝の幅は5μm 、
溝の長手方向とスライダ進行方向とのなす角度を30度
とした。また、図3に示したコンタクトパッドの寸法
は、AC’=10μm 、AB’=20μm 、B’D=3
0μm 、C’E=30μm とした。
を形成したスライダの例を図5に示す。溝形成と内外周
非対称を組み合わせることによって、それぞれ単独に用
いる場合よりも効果が顕著になることが期待される。こ
のコンタクトパッドの形状は、図3におけるAC’=1
0μm 、AB’=20μm 、B’D=30μm 、C’E
=30μm とし、溝深さは50nm、溝の幅は7μm 、溝
の長手方向とスライダ進行方向とのなす角度を45度と
し、溝の中心がコンタクトパッドの重心位置を通るよう
に溝の位置を配置した。
したように、サスペンションばね41に取り付け、この
サスペンションばねは、ばね支持機構42を介してシー
ク機構43に取り付けられる。磁気ヘッドスライダ10
は毎分5400回転で回転してる磁気ディスク媒体44
に密接して摺動させ、シーク機構43によって磁気ディ
スク媒体の半径方向に移動させている。
7、保護膜48、潤滑剤49、磁気ヘッドスライダ1
0、磁気記録再生素子40、サスペンションばね41、
ばね支持機構42、シーク機構43およびコンタクトパ
ッドA11の材料,形成方法などは特に限定されるもの
ではなく、公知の材料,形成方法を特別な制限なく用い
ることができる。
トパッドAを、磁気ヘッドスライダ進行方向前方の縁か
ら50μm 、内周および外周の縁からそれぞれ50μm
の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッドスライダ
進行方向後方の縁から50μm の内外周の中心位置に1
個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コンタクトパ
ッドの直径は30μm 、溝の幅は5μm 、溝の長手方向
とスライダ進行方向とのなす角度を30度とした。磁気
ディスク媒体上にはパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
を10nm塗布した。コンタクトパッドの溝深さは表1に
示したように0.1nm〜3000nmと変化させた。
コンタクトパッドBを、磁気ヘッドスライダ進行方向後
方の縁から50μm 、内周および外周の縁からそれぞれ
50μm の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッド
スライダ進行方向前方の縁から50μm の内外周の中心
位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コン
タクトパッド形状は、図3において、B’D=30μm
、C’E=30μm とした。AB’の長さおよびA
C’の長さを表2に示したようにAB’の長さを10μ
m または20μm としたとき、AC’の長さを5〜30
μm と変化させた。磁気ディスク媒体上には炭化水素系
潤滑剤を10nm塗布した。
に示したコンタクトパッドAを、磁気ヘッドスライダ進
行方向前方の縁から50μm 、内周および外周の縁から
それぞれ50μm の位置を中心としたところに2個、磁
気ヘッドスライダ進行方向後方の縁から50μm の内外
周の中心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用い
た。コンタクトパッドの直径は30μm 、溝の幅は5μ
m 、溝の長手方向とスライダ進行方向とのなす角度を4
0度とした。コンタクトパッドの溝深さは100nmとし
た。磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤はパーフル
オロポリエーテル系潤滑剤であり、膜厚は表3に示した
ように0.1〜300μm と変化させた。
たコンタクトパッドBを、磁気ヘッドスライダ進行方向
前方の縁から50μm 、内周および外周の縁からそれぞ
れ50μm の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッ
ドスライダ進行方向後方の縁から50μm の内外周の中
心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コ
ンタクトパッド形状は、図3において、AC’=10μ
m 、AB’=20μm、B’D=30μm 、C’E=3
0μm とした。磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤
はパーフルオロポリエーテル系潤滑剤であり、膜厚は表
3に示したように0.1〜300μm と変化させた。
パッドDを、磁気ヘッドスライダ進行方向前方の縁から
50μm 、内周および外周の縁からそれぞれ50μm の
位置を中心としたところに2個、磁気ヘッドスライダ進
行方向後方の縁から50μmの内外周の中心位置に1個
配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コンタクトパッ
ドDは、図3におけるAC’=10μm 、AB’=20
μm 、B’D=30μm 、C’E=30μm とし、溝深
さは50nm、溝の幅は7μm 、溝の長手方向とスライダ
進行方向とのなす角度を45度とし、溝の中心がコンタ
クトパッドの重心位置を通るように溝の位置を配置し
た。磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤はパーフル
オロポリエーテル系潤滑剤であり、膜厚は10nmとし
た。
たコンタクトパッドBを、磁気ヘッドスライダ進行方向
前方の縁から80μm 、内周および外周の縁からそれぞ
れ70μm の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッ
ドスライダ進行方向後方の縁から60μm の内外周の中
心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コ
ンタクトパッド形状は、図3において、AC’=12μ
m 、AB’=23μm、B’D=35μm 、C’E=3
5μm とした。磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤
はパーフルオロポリエーテル系潤滑剤であり、膜厚は1
0nmとした。磁気ヘッドスライダの質量を表4に示した
ように0.01〜50mgと変化させた。
の比較を行うために、本発明の考え方を採用しない従来
の磁気ヘッドスライダの例(比較例)として、図2
(b)に示したコンタクトパッドCを、磁気ヘッドスラ
イダ進行方向前方の縁から50μm 、内周および外周の
縁からそれぞれ50μm の位置を中心としたところに2
個、磁気ヘッドスライダ進行方向後方の縁から50μm
の内外周の中心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダ
を用いた。コンタクトパッドの直径は30μm とした。
磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤の膜厚は100
nmとした。
に示した磁気ヘッドスライダを、毎分5400回転の磁
気ディスク媒体上に、半径23mmから42mmの範囲を1
分間に1回磁気ディスク媒体の全面をシークし、その後
ランダムな半径位置で摺動させ記録再生を行った。これ
らの動作を繰り返すような摺動耐久性試験を行った。接
触式磁気ディスク装置の信頼性評価方法として記録再生
信号のエラーレイトが初期値の2倍になったときの稼働
時間求めた。この摺動耐久性試験の試験結果(稼働時
間)を表1〜表4に示す。
たコンタクトパッドBを、磁気ヘッドスライダ進行方向
前方の縁から50μm 、内周および外周の縁からそれぞ
れ50μm の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッ
ドスライダ進行方向後方の縁から50μm の内外周の中
心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コ
ンタクトパッド形状は、図3において、AC’=10μ
m 、AB’=20μm、B’D=30μm 、C’E=3
0μm とした。磁気ディスク媒体上にフッ素化炭素系潤
滑剤を10nm塗布した。これらの磁気ヘッドスライダ
を、毎分5400回転の磁気ディスク媒体上に、半径2
3mmから42mmの範囲を表5に示した潤滑剤供給シーク
時間ごとに外周から内周に向かって1回シーク動作を行
い、その後ランダムな半径位置で摺動させ記録再生を行
った。これらの動作を繰り返すような摺動耐久性試験を
行った。接触式磁気ディスク装置の信頼性評価方法とし
て記録再生信号のエラーレイトが初期値の2倍になった
ときの稼働時間求めた。この摺動耐久性試験の試験結果
(稼働時間)を表5に示す。
たコンタクトパッドBを、磁気ヘッドスライダ進行方向
前方の縁から50μm 、内周および外周の縁からそれぞ
れ50μm の位置を中心としたところに2個、磁気ヘッ
ドスライダ進行方向後方の縁から50μm の内外周の中
心位置に1個配置した磁気ヘッドスライダを用いた。コ
ンタクトパッド形状は、図3において、AC’=10μ
m 、AB’=20μm、B’D=30μm 、C’E=3
0μm とした。磁気ディスク媒体上にシリコーン油系潤
滑剤を10nm塗布した。これらの磁気ヘッドスライダ
を、毎分5400回転の磁気ディスク媒体上に、半径2
3mmから42mmの範囲を、ランダムな時間間隔でシーク
動作させ、無シーク動作の時間が表6に示した潤滑剤供
給基準時間を越えた場合に、外周から内周に向かって1
回シーク動作を行い、その後ランダムな半径位置で摺動
させ記録再生を行った。これらの動作を繰り返すような
摺動耐久性試験を行った。接触式磁気ディスク装置の信
頼性評価方法として記録再生信号のエラーレイトが初期
値の2倍になったときの稼働時間求めた。この摺動耐久
性試験の試験結果(稼働時間)を表6に示す。
結果および比較例の試験結果を参照すると、以下の〜
に示す考察が可能となる。
に関する試験結果を参照すると、コンタクトパッドの摺
動面に、磁気ヘッドスライダの進行方向を前方としたと
きに前方外周部から後方内周部に向かう溝を作製した場
合には、溝を作製しなかった場合(比較例の場合)に比
べて、エラーレイトが初期値の2倍になった稼働時間が
少なくとも4倍以上になっている。すなわち、コンタク
トパッドの摺動面に、磁気ヘッドスライダの進行方向を
前方としたときに前方外周部から後方内周部に向かう溝
を設けることによって、高記録密度で高信頼性の磁気デ
ィスク装置を提供できるという効果を得ることができ
る。
下の場合にエラーレイトが初期値の2倍になった稼働時
間が大きくなっている。すなわち、前記溝構造の深さを
1nm以上1000nm以下にすることによって、より効果
的に磁気ディスク装置の性能を向上させることができ
る。
と、図3におけるAB’長さをAC’長さよりも大きく
した場合に、エラーレイトが初期値の2倍になった稼働
時間が37倍以上になっている。すなわち、コンタクト
パッドの形状として、コンタクトパッドの磁気ヘッドス
ライダ進行方向最前方部と最内周部を結ぶ線分の半径方
向成分の大きさを、コンタクトパッドの磁気ヘッドスラ
イダ進行方向最前方部と最外周部を結ぶ線分の半径方向
成分の大きさよりも大きくすることによっても、高記録
密度で高信頼性の磁気ディスク装置を提供できるという
効果を得ることができる。
ると、潤滑剤の膜厚を1nm以上100nm以下とした場合
に、エラーレイトが初期値の2倍になった稼働時間が5
倍以上になっている。すなわち、潤滑剤膜厚は1nm以上
100nm以下がより適切な範囲であることがわかる。
実施例を比較すると、実施例32のエラーレイトが初期
値の2倍になった稼働時間が、実施例5および実施例9
のそれよりも著しく長くなっている。すなわち、コンタ
クトパッドの形状として、コンタクトパッドの磁気ヘッ
ドスライダ進行方向最前方部と最内周部を結ぶ線分の半
径方向成分の大きさを、コンタクトパッドの磁気ヘッド
スライダ進行方向最前方部と最外周部を結ぶ線分の半径
方向成分の大きさよりも大きくし、かつ、コンタクトパ
ッドの摺動面に、磁気ヘッドスライダの進行方向を前方
としたときに前方外周部から後方内周部に向かう溝構造
を設けることによって、「高記録密度で高信頼性の磁気
ディスク装置を提供できる」という効果がさらに顕著に
なる。
ると、磁気ヘッドスライダの質量を0.1mg以上10
mg以下とした場合に、それ以外の場合と比較してエラ
ーレイトが初期値の2倍になった稼働時間が少なくとも
4倍以上になっている。すなわち、磁気ヘッドスライダ
の質量は0.1mg以上10mg以下がより適切な範囲
であることがわかる。
ると、潤滑剤供給シーク時間を1分以上1時間以下とし
た場合に、それ以外の場合と比較してエラーレイトが初
期値の2倍になった稼働時間が少なくとも2倍以上にな
っている。すなわち、潤滑剤供給シーク時間は1分以上
1時間以下がより適切な範囲であることがわかる。
ると、潤滑剤供給基準時間を1分以上1時間以下とした
場合に、それ以外の場合と比較してエラーレイトが初期
値の2倍になった稼働時間が少なくとも2倍以上になっ
ている。すなわち、潤滑剤供給基準時間は1分以上1時
間以下がより適切な範囲であることがわかる。
気ディスク装置では、従来の磁気ディスク装置と比較し
て少なくとも4倍以上の耐久性が達成され、高信頼性を
確保することができることが分かる。
明の接触式磁気ディスク装置における「コンタクトパッ
ドの溝の深さ」、およびが「潤滑剤膜厚」にはそれぞれ
以下の範囲の値が適切な値であることが分かる。
上1000nm以下 「潤滑剤膜厚」:1nm以上100nm以下 なお、以上のように一定の適切な値の範囲が存在する理
論的根拠は、以下にあると考えられる。
は、1nm未満のようにあまりに小さいと本発明を適用し
たことにならず、1000nmより大きいと溝に空気流に
よる圧力が働いてしまい、潤滑剤が溝の中を流れるのを
妨げることにより本発明の効果が発揮されないからであ
る。
いと潤滑剤が磁気ディスク媒体の媒体面に強く吸着し潤
滑剤を外周から内周に移動しにくくなり本発明の効果が
発揮されなく、また、あまりに大きいと磁気ヘッドの記
録再生特性が悪くなるからである。
以下に示すような効果が生じる。
に移動してしまう潤滑剤を、コンタクトパッドの摺動面
に磁気ヘッドスライダの進行方向を前方としたときに前
方外周部から後方内周部に向かう溝を設けることによっ
て、または、コンタクトパッドの磁気ヘッドスライダ進
行方向最前方部と最内周部を結ぶ線分の半径方向成分の
大きさを、コンタクトパッドの磁気ヘッドスライダ進行
方向最前方部と最外周部を結ぶ線分の半径方向成分の大
きさよりも大きくすることによって、磁気ディスク媒体
の内周部および中周部の潤滑剤の膜厚の減少や枯渇を防
止または制御できることである。これにより、磁気ヘッ
ドスライダおよび磁気ディスク媒体の摩耗損傷を防止す
ることができ、高記録密度で高信頼性の磁気ディスク装
置を提供できる。
斜視図である。
を説明するための図であり、コンタクトパッド周辺の潤
滑剤の流れる状態を示している。
を説明するための図であり、別のコンタクトパッドにつ
いて潤滑剤の流れる状態を示している。
面図である。
トパッドの構造を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】磁気ヘッドおよびコンタクトパッドを備え
る磁気ヘッドスライダにおいて、磁気ディスク媒体表面
に塗布された潤滑剤を、前記磁気ヘッドスライダの摺動
に伴い磁気ディスク媒体の外周部から内周部へ移動させ
る構造を、前記コンタクトパッドの摺動面に設けること
を特徴とする磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項2】コンタクトパッドの摺動面に、磁気ヘッド
スライダの進行方向を前方としたときに前方外周部から
後方内周部に向かう溝を設けることを特徴とする請求項
1記載の磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項3】コンタクトパッドに設けた前記溝の深さが
1nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項
2記載の磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項4】コンタクトパッドの形状として、コンタク
トパッドの磁気ヘッドスライダ進行方向最前方部と最内
周部を結ぶ線分の半径方向成分の大きさを、コンタクト
パッドの磁気ヘッドスライダ進行方向最前方部と最外周
部を結ぶ線分の半径方向成分の大きさよりも大きくする
ことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項5】コンタクトパッドの形状として、コンタク
トパッドの磁気ヘッドスライダ進行方向最前方部と最内
周部を結ぶ線分の半径方向成分の大きさを、コンタクト
パッドの磁気ヘッドスライダ進行方向最前方部と最外周
部を結ぶ線分の半径方向成分の大きさよりも大きくし、
かつコンタクトパッドの摺動面に、磁気ヘッドスライダ
の進行方向を前方としたときに前方外周部から後方内周
部に向かう溝を設けることを特徴とする請求項1記載の
磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項6】磁気ヘッドおよびコンタクトパッドを備え
る磁気ヘッドスライダにおいて、磁気ディスク媒体表面
に塗布された潤滑剤を、前記磁気ヘッドスライダの摺動
に伴い磁気ディスク媒体の外周部から内周部へ移動させ
る構造を、前記コンタクトパッドの摺動面に設け、か
つ、磁気ヘッドスライダの質量が0.1mg以上10m
g以下であることを特徴とする磁気ヘッドスライダ。 - 【請求項7】表面に潤滑剤が塗布された磁気ディスク媒
体と、この磁気ディスク媒体上に密接された状態で相対
移動されて情報を記録または再生する磁気ヘッドと、こ
の磁気ヘッドとコンタクトパッドとを備えた磁気ヘッド
スライダと、この磁気ヘッドスライダを前記磁気ディス
ク媒体に押圧させる支持ばねとからなる磁気ディスク装
置において、前記磁気ヘッドスライダが請求項1〜6の
いずれかに記載の磁気ヘッドスライダであることを特徴
とする磁気ディスク装置。 - 【請求項8】磁気ディスク媒体に塗布された潤滑剤の膜
厚が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求
項7記載の磁気ディスク装置。 - 【請求項9】請求項7記載の磁気ディスク装置であっ
て、一定時間間隔ごとに前記磁気ヘッドスライダを磁気
ディスク媒体の外周部から内周部に向かって潤滑剤供給
シーク動作を行うことを特徴とする磁気ディスク装置。 - 【請求項10】請求項7記載の磁気ディスク装置であっ
て、無シーク動作間隔が潤滑剤供給基準時間に達する
と、磁気ヘッドスライダを磁気ディスク媒体の外周部か
ら内周部に向かってシーク動作を行うことを特徴とする
磁気ディスク装置。 - 【請求項11】潤滑剤供給シーク動作間隔が1分以上1
時間以下であることを特徴とする請求項9または10記
載の磁気ディスク装置。
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1997
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