JPH06333231A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH06333231A JPH06333231A JP14286893A JP14286893A JPH06333231A JP H06333231 A JPH06333231 A JP H06333231A JP 14286893 A JP14286893 A JP 14286893A JP 14286893 A JP14286893 A JP 14286893A JP H06333231 A JPH06333231 A JP H06333231A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protective film
- recording medium
- magnetic recording
- carbon protective
- nitrogen
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 潤滑剤層の飛散および枯渇を有効に抑制し得
る磁気記録媒体およびその製造方法を提供すること。 【構成】 磁性膜４上に水素及び窒素を含有する炭素保
護膜５を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層６を備えていること。
る磁気記録媒体およびその製造方法を提供すること。 【構成】 磁性膜４上に水素及び窒素を含有する炭素保
護膜５を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層６を備えていること。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体およびそ
の製造方法に係り、とくに炭素保護膜及び潤滑剤層を備
えた記録媒体およびその製造方法に関する。
の製造方法に係り、とくに炭素保護膜及び潤滑剤層を備
えた記録媒体およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】磁気記録装置では、一般に、作動開始前
には、磁気記録媒体と磁気ヘッドが接触状態にあり、作
動開始時には磁気ヘッドが磁気記録媒体から浮上するま
で、また停止時には磁気記録媒体の回転が停止するま
で、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが摺動状態にあるコン
タクト・スタート・ストップ方式（以下「ＣＳＳ方式」
と呼ぶ）が採用されている。
には、磁気記録媒体と磁気ヘッドが接触状態にあり、作
動開始時には磁気ヘッドが磁気記録媒体から浮上するま
で、また停止時には磁気記録媒体の回転が停止するま
で、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが摺動状態にあるコン
タクト・スタート・ストップ方式（以下「ＣＳＳ方式」
と呼ぶ）が採用されている。
【０００３】一方、磁気記録媒体の素材としては、パー
フロロアルキルポリエーテルから成る潤滑膜及び炭素保
護膜を有するスパッタ媒体が主流となりつつある。この
場合、従来例にあっては、ＣＳＳ方式を採用により、磁
気記録媒体と磁気ヘッドの摺動部分が摩耗し、磁気記録
媒体と磁気ヘッドの摩擦力がＣＳＳ回数の増加に伴い上
昇し、ついにはモーターのトルクを越えて装置が起動不
可能となることがあった。炭素保護膜は一般にアルゴン
を反応ガスとするスパッタリング法により形成されてい
るが、近年、水素ガス又は炭化水素ガスを添加すること
が提案されている。この添加ガスにより炭素保護膜中に
水素が取り込まれ、この水素含有素膜上にパーフロロア
ルキルポリエーテルから成る潤滑剤を塗布すると摩擦力
の上昇を抑制し得ることが確認されている。更に、潤滑
剤としては官能機を有するパーフロロアルキルポリエー
テルの使われることも多い。
フロロアルキルポリエーテルから成る潤滑膜及び炭素保
護膜を有するスパッタ媒体が主流となりつつある。この
場合、従来例にあっては、ＣＳＳ方式を採用により、磁
気記録媒体と磁気ヘッドの摺動部分が摩耗し、磁気記録
媒体と磁気ヘッドの摩擦力がＣＳＳ回数の増加に伴い上
昇し、ついにはモーターのトルクを越えて装置が起動不
可能となることがあった。炭素保護膜は一般にアルゴン
を反応ガスとするスパッタリング法により形成されてい
るが、近年、水素ガス又は炭化水素ガスを添加すること
が提案されている。この添加ガスにより炭素保護膜中に
水素が取り込まれ、この水素含有素膜上にパーフロロア
ルキルポリエーテルから成る潤滑剤を塗布すると摩擦力
の上昇を抑制し得ることが確認されている。更に、潤滑
剤としては官能機を有するパーフロロアルキルポリエー
テルの使われることも多い。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た水素含有炭素膜は潤滑剤の保持性が悪いことから、磁
気記録装置として長期間使用すると、潤滑剤層が飛散し
又枯渇して摩耗力が大きくなり、このためヘッドクラッ
シュを起こし易いという不都合があった。
た水素含有炭素膜は潤滑剤の保持性が悪いことから、磁
気記録装置として長期間使用すると、潤滑剤層が飛散し
又枯渇して摩耗力が大きくなり、このためヘッドクラッ
シュを起こし易いという不都合があった。
【０００５】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、とくに潤滑剤層の飛散および枯渇を有効に抑
制し得る磁気記録媒体およびその製造方法を提供するこ
とを、その目的とする。
を改善し、とくに潤滑剤層の飛散および枯渇を有効に抑
制し得る磁気記録媒体およびその製造方法を提供するこ
とを、その目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明では、磁気記録媒
体については、磁性膜上に水素及び窒素を含有する炭素
保護膜を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層を設ける、という構成をとっている。ま
た、磁気記録媒体の製造方法については、スパッタリン
グ法による炭素保護膜の形成工程において反応ガスとし
てアンモニアガスを添加することにより水素及び窒素含
有炭素膜を有する磁気記録媒体を形成する、という構成
をとっている。これによって前述した目的を達成しよう
とするものである。
体については、磁性膜上に水素及び窒素を含有する炭素
保護膜を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層を設ける、という構成をとっている。ま
た、磁気記録媒体の製造方法については、スパッタリン
グ法による炭素保護膜の形成工程において反応ガスとし
てアンモニアガスを添加することにより水素及び窒素含
有炭素膜を有する磁気記録媒体を形成する、という構成
をとっている。これによって前述した目的を達成しよう
とするものである。
【０００７】
【作 用】炭素保護膜に水素及び窒素を含有させその上
に少なくとも１つ以上の極性基を有するパーフロロアル
キルポリーテルを被覆すると、潤滑剤層の極性基と炭素
保護膜中の窒素が化学結合を起こし強固に結合するため
潤滑剤の保持性が向上し、潤滑剤の飛散を抑制すること
ができる。
に少なくとも１つ以上の極性基を有するパーフロロアル
キルポリーテルを被覆すると、潤滑剤層の極性基と炭素
保護膜中の窒素が化学結合を起こし強固に結合するため
潤滑剤の保持性が向上し、潤滑剤の飛散を抑制すること
ができる。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図２に基
づいて説明する。まず図１において、アルミニウム基板
１上にはニッケルーリンの下地膜２がメッキにより形成
され、更にスパッタリングによりクロム下地膜３，コバ
ルトクロムタンタル合金の磁性膜４が形成されている。
づいて説明する。まず図１において、アルミニウム基板
１上にはニッケルーリンの下地膜２がメッキにより形成
され、更にスパッタリングによりクロム下地膜３，コバ
ルトクロムタンタル合金の磁性膜４が形成されている。
【０００９】次に、水素及び窒素含有炭素保護膜５の形
成工程中において反応ガスとしてアルゴンガスにアルゴ
ンガスの流量の２５％のアンモニアガスが添加され、水
素含有量が４５％，窒素含有量が１５％である炭素保護
膜５が２０〔ｎｍ〕形成される。
成工程中において反応ガスとしてアルゴンガスにアルゴ
ンガスの流量の２５％のアンモニアガスが添加され、水
素含有量が４５％，窒素含有量が１５％である炭素保護
膜５が２０〔ｎｍ〕形成される。
【００１０】この上に、潤滑剤６として、モンテフルオ
ス社製（伊）で商品名Fomblin Z-DOL 〔構造式「ＨＯＨ
2 Ｃ−ＣＦ2 −（ＯＣＦ2 ＣＦ2 ）p −（ＯＣＦ2 ）q
−ＯＣＦ2 −ＣＨ2 ＯＨ」：ｐ，ｑは１以上の整数〕を
３〔ｎｍ〕被覆した。
ス社製（伊）で商品名Fomblin Z-DOL 〔構造式「ＨＯＨ
2 Ｃ−ＣＦ2 −（ＯＣＦ2 ＣＦ2 ）p −（ＯＣＦ2 ）q
−ＯＣＦ2 −ＣＨ2 ＯＨ」：ｐ，ｑは１以上の整数〕を
３〔ｎｍ〕被覆した。
【００１１】比較例として、磁性膜までは実施例と同じ
とし、その上に反応ガスにアルゴン及び水素を使用した
炭素保護膜を２０「ｎｍ」形成し、潤滑剤としてＦｏｍ
ｂｌｉｎ Ｚ−ＤＯＬを３「ｎｍ」被覆した。
とし、その上に反応ガスにアルゴン及び水素を使用した
炭素保護膜を２０「ｎｍ」形成し、潤滑剤としてＦｏｍ
ｂｌｉｎ Ｚ−ＤＯＬを３「ｎｍ」被覆した。
【００１２】図２に、本実施例と比較例について８０
〔℃〕雰囲気中において１５０００〔ｒｐｍ〕で５００
時間回転させた後の潤滑剤層の膜厚である。この図２よ
り、本実施例の水素及び窒素含有炭素保護膜は比較例の
水素含有炭素保護膜に比べ潤滑剤層の減少が少なく潤滑
剤の保持性が良いことが分かる。
〔℃〕雰囲気中において１５０００〔ｒｐｍ〕で５００
時間回転させた後の潤滑剤層の膜厚である。この図２よ
り、本実施例の水素及び窒素含有炭素保護膜は比較例の
水素含有炭素保護膜に比べ潤滑剤層の減少が少なく潤滑
剤の保持性が良いことが分かる。
【００１３】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、炭素保護膜に水素及び窒素を含有
させその上に少なくとも１つ以上の極性基を有するパー
フロロアルキルポリーテルを被覆したので、潤滑剤層の
極性基と炭素保護膜中の窒素が化学結合を起こし強固に
結合するため、潤滑剤の保持性が向上し、潤滑剤の飛散
を有効に抑制することができるという従来にない優れた
磁気記録媒体およびその製造方法を提供することができ
る。そして、この本発明にかかる磁気記録媒体にあって
は長期間使用しても、摩耗力の増大を抑えることがで
き、このため、ヘッドクラッシュの発生を大幅に低減す
ることができるという優れた効果を備えている。
ので、これによると、炭素保護膜に水素及び窒素を含有
させその上に少なくとも１つ以上の極性基を有するパー
フロロアルキルポリーテルを被覆したので、潤滑剤層の
極性基と炭素保護膜中の窒素が化学結合を起こし強固に
結合するため、潤滑剤の保持性が向上し、潤滑剤の飛散
を有効に抑制することができるという従来にない優れた
磁気記録媒体およびその製造方法を提供することができ
る。そして、この本発明にかかる磁気記録媒体にあって
は長期間使用しても、摩耗力の増大を抑えることがで
き、このため、ヘッドクラッシュの発生を大幅に低減す
ることができるという優れた効果を備えている。
【図１】本発明の磁気記録媒体の断面図である。
【図２】本実施例と従来例との比較を示す図表である。
４ 磁性膜としてのコバルトクロム・タンタル合金磁性
膜 ５ 炭素保護膜としての水素及び窒素含有の炭素保護膜 ６ 潤滑材層
膜 ５ 炭素保護膜としての水素及び窒素含有の炭素保護膜 ６ 潤滑材層
Claims (3)
- 【請求項１】 磁性膜上に水素及び窒素を含有する炭素
保護膜を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層を備えていることを特徴とする磁気記録
媒体。 - 【請求項２】 前記炭素保護膜は、その水素含有量が１
０〜５０ａｔｍ％、窒素含有量が３〜２０ａｔｍ％であ
ることを特徴とした請求項１記載の磁気記録媒体。 - 【請求項３】 磁性膜上に水素及び窒素を含有する炭素
保護膜を有し、その上に少なくとも一つ以上の極性基を
有する潤滑剤層を備えた磁気記録媒体において、前記炭
素保護膜を、当該炭素保護膜のスパッタリング法による
形成工程中で、反応ガスとしてアンモニアガスを添加す
ることを特徴とした磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14286893A JPH06333231A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14286893A JPH06333231A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06333231A true JPH06333231A (ja) | 1994-12-02 |
Family
ID=15325475
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14286893A Pending JPH06333231A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06333231A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5889635A (en) * | 1996-09-13 | 1999-03-30 | Nec Corporation | Magnetic head slider and magnetic disk apparatus for redistributing a lubricant |
| US6403194B1 (en) | 1998-09-03 | 2002-06-11 | Hitachi, Ltd. | Magnetic recording medium, process for producing same and magnetic disc apparatus |
| US10074396B2 (en) | 2015-09-18 | 2018-09-11 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus |
| US10079036B2 (en) | 2015-07-08 | 2018-09-18 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus |
| US10199064B2 (en) | 2015-02-18 | 2019-02-05 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium, and magnetic recording and reproducing apparatus |
| US10559320B2 (en) | 2014-12-19 | 2020-02-11 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6486312A (en) * | 1986-05-09 | 1989-03-31 | Tdk Corp | Magnetic recording medium |
| JPH03205615A (ja) * | 1990-01-05 | 1991-09-09 | Victor Co Of Japan Ltd | 磁気記録媒体 |
| JPH05225556A (ja) * | 1991-12-16 | 1993-09-03 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 保護膜を改良した磁気記録ディスク |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP14286893A patent/JPH06333231A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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| JPS6486312A (en) * | 1986-05-09 | 1989-03-31 | Tdk Corp | Magnetic recording medium |
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Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5889635A (en) * | 1996-09-13 | 1999-03-30 | Nec Corporation | Magnetic head slider and magnetic disk apparatus for redistributing a lubricant |
| US6403194B1 (en) | 1998-09-03 | 2002-06-11 | Hitachi, Ltd. | Magnetic recording medium, process for producing same and magnetic disc apparatus |
| US7037607B2 (en) | 1998-09-03 | 2006-05-02 | Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. | Magnetic recording medium, process for producing same and magnetic disc apparatus |
| US10559320B2 (en) | 2014-12-19 | 2020-02-11 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus |
| US10199064B2 (en) | 2015-02-18 | 2019-02-05 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium, and magnetic recording and reproducing apparatus |
| US10079036B2 (en) | 2015-07-08 | 2018-09-18 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus |
| US10074396B2 (en) | 2015-09-18 | 2018-09-11 | Showa Denko K.K. | Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19951205 |