JPH04355248A - 磁気テープ走行規制ポスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気テープを記録・再生
するビデオテープレコーダーの磁気テープ走行規制ポス
トの改良に関するものであって、詳しくは、磁気テープ
の磁性面が接触走行する規制ポスト表面の改良に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、磁気記録分野ではビデオテープレ
コーダーの小型軽量化，ディジタル等の高画質化への開
発が進んでいる。これに伴って磁気テープも高密度・長
時間記録の要が高まり短波長記録に有利かつ薄手化可能
な強磁性金属薄膜を記録媒体とする磁気テープが盛んに
検討されている。

【０００３】ビデオテープレコーダーの高画質化におい
て、前述の磁気テープの特徴を最大限発揮するポイント
は、磁気テープの表面性を小さくし磁気ヘッドとのスペ
ーシングを少なくすると同時に小型軽量化に伴う厳しい
走行系に対しいかに特性の維持を図るかにある。磁気テ
ープの表面性が小さくなると磁性面側が接触走行してい
る磁気テープ走行規制ポストとの間で摩擦係数が高く不
安定な走行が起こり易くなる。この為、ジッターなどが
発生し画質劣化につながる。又、強磁性金属薄膜もダメ
ージが発生し易く、ドロップアウトの増加あるいは磁性
層の剥離といった致命的に欠陥が発生し信頼性の確保が
困難となる。

【０００４】このことは、磁気テープのバックコート面
側が接触走行している磁気テープ走行規制ポストの間で
もいえる。すなわち、バックコート内に含まれる走行性
を良好に保つ無機系の粒子も磁性面への凹凸転写を考慮
し微粒子化され表面性が小さくなることにある。

【０００５】この様な中にあって、特に影響度合の大き
い磁気テープ磁性面とそれが接触走行する規制ポストと
の間で次のことが検討されている。磁気テープでは、最
適潤滑剤の検討、規制ポストでは最適表面粗さあるいは
金属材料、又はこれらの炭化物，窒化物及び酸化物等の
表面処理がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気テ
ープ表面の潤滑剤においては、磁気テープ表面を高速摺
接する磁気ヘッドやシリンダーあるいは、走行規制ポス
ト等でかき取られその効果の持続性がない。また、かき
取られた潤滑剤が磁気ヘッド，シリンダー及びポスト表
面に多く溜ると逆に磁気テープのはり付きが起こり走行
不能となる。

【０００７】一方、規制ポスト表面の最適粗さにおいて
は、磁気テープの表面性が小さいためにポスト表面は粗
くする方向で最適表面粗さを確保し、磁気テープ表面と
の真実接触面積を小さくすることが必要である。規制ポ
ストは一般的にＦｅ−Ｃｒ系のステンレス鋼が使用され
その表面の仕上げ方法は、施盤等により規制的に凹凸を
形成させる方法、あるいはラッピングテープにより不規
則に凹凸を形成させる方法などがある。

【０００８】しかし、これらの方法で加工されたポスト
表面は、バリや鋭い突起が多い。これにより磁気テープ
を接触走行させると磁気テープ表面にひっかきキズ、さ
らには磁性層の剥離が発生する。また、ポスト表面が初
期的に最適粗さが確保されていても磁気テープの長時間
走行により凹凸が摩耗するために磁気テープとの真実接
触面積が増し摩擦係数の上昇により不安定な走行性を引
き起こす。

【０００９】次に、金属材料又はこれらの炭化物，窒化
物及び酸化物等の表面処理法においても磁気テープとの
真実接触面積の点からも下地であるポスト表面の最適粗
さは重要であり、前述と同様に磁気テープ表面のひっか
きキズあるいは磁性層の剥離現象が起こり満足するもの
でない。

【００１０】本発明は上記課題点を鑑みてなされたもの
で、磁気テープを安定に走行させかつ極めて高い長期信
頼性を確保した磁気テープ走行規制ポストを提供するも
のである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために磁気テープ走行規制ポストをアルミニウム
−シリコン合金の基体とし、そのアルミニウム生地中に
ほぼ均一分散されている大きさ０．１〜３．０ミクロン
径のシリコン粒子をケミカルあるいはドライエッチング
法により表層部のみアルミニウム生地面より突出させさ
らにこの表面にダイヤモンド又は、ダイヤモンド状炭素
保護膜を形成させた構成を持つものである。

【００１２】

【作用】上記、構成を持つ磁気テープ走行規制ポストに
より磁気テープと規制ポスト表面との真実接触面積が少
なくなりあらゆる環境下での摩擦係数を低く押え常に磁
気テープの安定な走行性が得られる。又、突出させたシ
リコン粒子は、丸味を帯びた微粒子なので磁気テープ表
面へのひっかきキズや磁性層の剥離等の現象は発生しな
い。

【００１３】さらに、シリコン粒子を突出させた表面の
上に硬質でかつ薄膜形成できるダイヤモンド又はダイヤ
モンド状炭素保護膜を配することにより磁気テープを長
時間走行させても表面の形状に変化がなく長期にわたり
高信頼性が確保できる。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
について説明する。

【００１５】図１に本発明の一実施例における磁気テー
プ走行規制ポストの断面図を示す。図１において、１は
アルミニウム−シリコン合金の基体、２はアルミニウム
生地面、３はケミカルエッチングによりアルミニウム生
地面２を選択的に溶出させ、表面に突出させたシリコン
粒子である。４はその表面にメタンガスの炭化水素ガス
を原料ガスとしたプラズマ・インジェクション法で形成
させた厚み１０ｎｍのダイヤモンド状炭素保護膜である
。

【００１６】実施例１として、この様な基本構成を持つ
規制ポストをシリコン含有率（重量％）０．５〜１．０
％，７．０〜１０．０％及び１０．０〜１３．０％でＪ
ＩＳ規格Ａ２２１８，ＡＣ４ＢおよびＡ４０３２ＦＤの
３種類を作成した。長さは１０ｍｍ、径は３ｍｍとした
。 又、アルミニウム生地面２を選択的に溶出させるケミカ
ルエッチング法としては５％水酸化アルミニウム水溶液
を用い、浸積時間を１０秒とした。

【００１７】本実施例で得られた各種規制ポストの表面
粗さ、すなわち突出したシリコン粒子の高さを触針式表
面粗さ計で測定した結果、Ａ２２１８はＲｍａｘ１５〜
３０ｎｍ、ＡＣ４ＢはＲｍａｘ５０〜８０ｎｍ、そして
Ａ４０３２ＦＤはＲｍａｘ８０〜２００ｎｍであった。 比較例１は、実施例の各種規制ポスト材でアルミニウム
生地面２を選択的に溶出させシリコン粒子３を突出させ
たのみで、表面上にダイヤモンド状炭素保護膜４を配し
ないものを作成した。又、比較例２として、規制ポスト
材をＦｅ−Ｃｒ系のステンレス鋼でＪＩＳ規格４２０Ｊ
２とし、長さ１０ｍｍ、径３ｍｍで表面粗さを施盤加工
によりＲｍａｘ５０ｎｍ，１００ｎｍおよび２００ｎｍ
としたものをそれぞれ作成した。

【００１８】以上、本実施例および比較例１，２で作成
された各走行規制ポストの評価法を図面を参照しながら
説明する。図２は、８ｍｍビデオテープレコーダーの走
行系上面概略図を示す。図２において５は磁気テープで
あり、６，６′は磁気テープ磁性面が接触走行している
走行規制ポスト、７は磁気ヘッド搭載の回転シリンダー
、８は８ｍｍビデオテープレコーダー用カセットである
。磁気テープ５は図中の矢印ａ方向へ走行する。

【００１９】上記走行系に対して、作成された各種規制
ポストを、走行規制ポスト６，６′と差し替え、強磁性
合金薄膜を記録媒体とした磁気テープが装填されたカセ
ットを４０℃８０％Ｒ．Ｈ．の環境下で繰返し耐久走行
を実施した。なお、磁気テープはベースフィルム上に真
空蒸着法でＣｏ−Ｎｉ系の強磁性体が被覆させた蒸着テ
ープを使用した。

【００２０】評価項目は、初期１パス目と１００パス目
のジッター，ドロップアウト及び目づまりとした。本実
施例，比較例１・２で得られた各特性の結果を（表１）
に示す。

【００２１】なお、ドロップアウトの大きさは幅１５μ
ｓ、深さ−１６ｄＢ以上のものを検出した。そして（表
１）には、初期１パス目の値に対する走行１００パス目
の増加を倍数で表わした。

【００２２】

【表１】

【００２３】この（表１）からも明らかなように、比較
例２では、いずれの表面粗さの場合も初期から耐久走行
後通じて、ジッター，ドロップアウト及び目づまりの各
特性で満足のいく結果は得られなかった。また、比較例
１はジッター，目づまりにおいて、特に表面粗さの大き
いものが初期，耐久後とも発生がないがドロップアウト
は耐久走行後に初期に比べ増加しており、十分な課題解
決まで至らない。

【００２４】これに対し、実施例ではいずれの規制ポス
トとも、初期，耐久走行後通じて、ジッター，ドロップ
アウト及び目づまりの各特性にほとんど変化がなく磁気
テープと走行規制ポスト間で常に安定走行が保たれ、か
つ磁気テープ表面へのキズや剥離といったダメージも少
なく長期の信頼性が確保できることが判る。特に、シリ
コン含有率（重量％）が７％以上でありシリコン粒子の
突起高さが５０ｎｍ以上の場合が走行性の安定度が極め
て優れていた。

【００２５】なお、走行規制ポストで磁気テープのバッ
クコート面が接触走行するものについても本発明実施例
１の規制ポストで高い信頼性の維持が可能であることも
確認している。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明は、磁気テープ走行
規制ポストをアルミニウム−シリコン合金とし、表層部
において、シリコン粒子がアルミニウム生地面より突出
しており、さらにその上にダイヤモンド又はダイヤモン
ド状炭素保護膜を配した構成を持つものにすることによ
り磁気テープの安定した走行性能が得られるとともに、
長時間使用においても磁気テープ表面のキズや磁性層の
剥離といったダメージの発生もなく長期の信頼性が確保
できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気テープ走行規制ポストの断面図

【
図２】本発明の磁気テープ走行規制ポストの効果を評価
した８ｍｍビデオテープレコーダーの走行系部分の上面
概略図

【符号の説明】

１　　　　基体 ２　　　　アルミニウム生地面 ３　　　　シリコン粒子 ４　　　　ダイヤモンド状炭素保護膜 ５　　　　磁気テープ ６　　　　磁気テープ走行規制ポスト ６′　　磁気テープ走行規制ポスト ７　　　　回転シリンダー ８　　　　カセット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　アルミニウム−シリコン合金を基材と
   し、表層部においてシリコン粒子がアルミニウム生地面
   より突出しており、さらにその上にダイヤモンド又は、
   ダイヤモンド状炭素保護膜を配したことを特徴とする磁
   気テープ走行規制ポスト。