JP2872106B2 - 接触式磁気ディスク装置 - Google Patents

接触式磁気ディスク装置

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JP2872106B2 JP12404896A JP12404896A JP2872106B2 JP 2872106 B2 JP2872106 B2 JP 2872106B2 JP 12404896 A JP12404896 A JP 12404896A JP 12404896 A JP12404896 A JP 12404896A JP 2872106 B2 JP2872106 B2 JP 2872106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に関し、特に、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク媒体
に接触摺動しながら記録・再生を行う接触式磁気ディス
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記憶ファイルの分野におい
て、高記録密度化が着実に向上している。このため、磁
気ディスク装置では、情報の書込み・読出しを行う磁気
ヘッドと情報を保持している磁気ディスク媒体との間隙
をより小さくすることが、高記録密度化の重要な要素の
1つとなっている。ここで、磁気ヘッドと磁気ディスク
媒体との間隙を小さくするために、磁気ヘッドおよびコ
ンタクトパッドを備える磁気ヘッドスライダが磁気ディ
スク媒体の媒体面に接触摺動しながら記録・再生を行
う、いわゆる、接触式磁気ディスク装置が開発されてい
る(例えば、「H.Hamilton:Journal
of Magnetic Societyof Ja
pan,Vol.15, Supplement N
o.S2(1991)483」および「特開平5−50
8808号公報」参照)。
【0003】この種の接触式磁気ディスク装置では、磁
気ディスク媒体と磁気ヘッドスライダのコンタクトパッ
ドとの接触による両者の摩耗を防ぐために、磁気ディス
ク媒体上に潤滑剤が塗布される。
【0004】しかし、このような接触式磁気ディスク装
置では、磁気ディスク媒体の高速回転による遠心力によ
って磁気ディスク媒体上の潤滑剤が外周部に移動してし
まい、磁気ディスク媒体の内周部や中周部では潤滑剤の
膜厚が減少してしまう現象が生じている。
【0005】なお、浮上式磁気ディスク装置において
も、CSS(Contact Start Stop)
方式が採用される場合には、作動開始時に磁気ヘッドス
ライダが磁気ディスク媒体から浮上するまでの間,およ
び停止時に磁気ディスク媒体の回転が停止するまでの間
には、磁気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体とが慴動
状態にある。したがって、このような磁気ディスク装置
においては、磁気ディスク媒体上に潤滑剤が塗布されて
おり、潤滑剤の枯渇に関する問題も生じている。
【0006】このような従来の浮上式磁気ディスク装置
に関する「磁気ディスク媒体上の潤滑剤が枯渇するのを
防ぐための技術」としては、磁気ディスク媒体上の保護
膜を水素化炭素や窒素化炭素として、さらにその上の潤
滑剤を極性基を有するようにすることによって潤滑剤と
保護膜との結合を強めることが行われていた(「特開平
6−333231号公報」参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の接触式
磁気ディスク装置では、磁気ディスク媒体の高速回転に
よる遠心力によって磁気ディスク媒体上の潤滑剤が外周
部に移動してしまい、磁気ディスク媒体の内周部や中周
部では潤滑剤の膜厚が減少してしまうので、磁気ディス
ク媒体や磁気ヘッドスライダ(コンタクトパッド)が摩
耗損傷してしまうという問題点があった。そして、この
ような問題点は、接触式磁気ディスク装置に関する高記
録密度および高信頼性の実現の障害となっていた。
【0008】このような問題点を回避するために、CS
S方式の浮上式磁気ディスク装置で採用されている「潤
滑剤と保護膜との結合を強める技術」により、接触式磁
気ディスク装置において磁気ディスク媒体上の潤滑剤と
保護膜との結合力を強めても、磁気ディスク媒体や磁気
ヘッドスライダの摩耗損傷を防ぐことは十分にはできな
かった。その理由は、接触式磁気ディスク装置では、磁
気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体とが常に接触して
いるために、磁気ディスク媒体上の潤滑剤が移動しやす
く、磁気ディスク媒体上の潤滑剤と保護膜との結合力を
強めた効果がほとんど生じないためである。
【0009】本発明の目的は、上述の点に鑑み、磁気デ
ィスク媒体や磁気ヘッドスライダの摩耗損傷の防止を十
分な程度に実現し、高記録密度で高信頼性の接触式磁気
ディスク装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の接触式磁気ディ
スク装置の第1のものは、磁気ヘッドおよびコンタクト
パッドを備える磁気ヘッドスライダと、潤滑剤が塗布さ
れた磁気ディスク媒体と、各種の電子回路とを有するこ
とを前提として、潤滑剤供給シーク動作間隔が経過する
毎にクロック信号を出力するタイマ回路と、潤滑剤供給
シーク動作間隔の経過を示すクロック信号が前記タイマ
回路によって出力される毎に前記磁気ディスク媒体の外
周部から内周部に向かう潤滑剤供給シーク動作を前記磁
気ヘッドスライダに行わせるように制御するシーク動作
制御回路とを有する。
【0011】また、本発明の接触式磁気ディスク装置の
第2のものは、磁気ヘッドおよびコンタクトパッドを備
える磁気ヘッドスライダと、潤滑剤が塗布された磁気デ
ィスク媒体と、各種の電子回路とを有することを前提と
して、無シーク動作間隔が潤滑剤供給基準時間に達する
とシーク動作要求信号を出力するタイマ回路と、シーク
動作要求信号が前記タイマ回路によって出力されると前
記磁気ディスク媒体の外周部から内周部に向かう潤滑剤
供給シーク動作を前記磁気ヘッドスライダに行わせるよ
うに制御するシーク動作制御回路とを有する。
【0012】なお、上記の発明における磁気ディスク媒
体の最外周に潤滑剤飛散防止層を形成することも可能で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の接触式磁気ディスク装置
の実施の形態を示すブロック図である。
【0015】この接触式磁気ディスク装置は、磁気ディ
スク媒体1(ここでは、媒体面上に塗布される潤滑剤1
5(図2参照)を含むものとする)と、磁気ヘッドスラ
イダ2と、スピンドルモータ3と、ボイスコイルモータ
4と、リード/ライト回路5と、インタフェース回路6
と、シーク動作制御回路7と、タイマ回路8とを含んで
構成されている。
【0016】図2(a)は、磁気ディスク媒体1の基本
的な構成を示す断面図である。磁気ディスク媒体1は、
磁気記録担体である磁性層13を支える構造物である基
板11と、磁性層13から発生する磁束の通り道となる
下地層12と、磁気記録情報が蓄えられる部分である磁
性層13と、磁気ヘッドスライダ2との摺動による磁性
層13の摩耗損傷や磁性層13自身の腐食劣化に対する
保護を行う保護膜14と、磁気ヘッドスライダ2と磁気
ディスク媒体1とが接触摺動する際に摩擦抵抗を低減さ
せるために塗布される潤滑剤15と、潤滑剤15が遠心
力によって磁気ディスク媒体1から飛散してしまうこと
を防止する潤滑剤飛散防止層16(潤滑剤飛散防止層1
6の内周部には潤滑剤溜まりが形成される)とを含んで
構成されている。
【0017】なお、磁気ディスク媒体1において、基板
11,下地層12,磁性層13,保護膜14,潤滑剤1
5,および潤滑剤飛散防止層16の材料や形成方法等は
特に限定されるものではなく、公知の材料や形成方法を
特別な制限なく用いることができる。
【0018】また、図2(b)に示したように、潤滑剤
飛散防止層16を設けない磁気ディスク媒体1を本発明
の接触式磁気ディスク装置の構成要素とすることも可能
である。図2(b)に示した磁気ディスク媒体1は、潤
滑剤飛散防止層16の有無以外は図2(a)に示した磁
気ディスク媒体1と同様のものである。
【0019】図3〜図5は、本発明の接触式磁気ディス
ク装置の原理および動作を説明するための図である。
【0020】図3および図4を参照すると、磁気ヘッド
スライダ2は、コンタクトパッド21と、磁気ヘッド2
2とを含んで構成されている。
【0021】次に、以上のように構成された接触式磁気
ディスク装置の原理および動作について説明する。
【0022】(1) 本発明の接触式磁気ディスク装置
の原理
【0023】以下に、本発明の基本的な考え方について
説明する。この説明に際しては、図1〜図5を参照する
が、より一般的な説明内容となるので各図に付した符号
には言及しない。
【0024】接触式磁気ディスク装置に用いられる磁気
ディスク媒体では、回転による遠心力のために最上面に
塗布された潤滑剤が内周部から外周部に移動する。その
ために、最外周に潤滑剤が溜まり潤滑剤の膜厚が大きい
領域が存在し、内周部では潤滑剤の膜厚の減少が生じる
こととなる(図2参照)。
【0025】接触式磁気ディスク装置では、浮上式磁気
ディスク装置と異なり、常に磁気ヘッドスライダと磁気
ディスク媒体とが接触しているために(図3および図4
参照)、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク媒体の外周
部に位置する場合には、大きな膜厚の潤滑剤によって生
じる大きなメニスカス力によって磁気ヘッドと磁気ディ
スク媒体との接触面の側面(コンタクトパッド側壁)に
潤滑剤が付着する(図4参照)。
【0026】このような「コンタクトパッド側壁への潤
滑剤の付着」は、上述した内周部における潤滑剤の膜厚
の減少をより大きくすることになる。
【0027】ここで、図5に示したように、磁気ヘッド
を外周部から内周部に移動させること、すなわちシーク
動作を行わせることを考える。このようなシーク動作を
行わせると、潤滑剤の膜厚が小さいディスク内周部では
メニスカス力が小さいので、磁気ヘッドに付着していた
潤滑剤が磁気ヘッドから離脱して磁気ディスク媒体上
(特に、その内周部)に供給されることになる。以下で
は、このシーク動作を「潤滑剤供給シーク動作」と呼ぶ
ことにする。
【0028】このように、潤滑剤供給シーク動作によっ
て内周部における潤滑剤の膜厚減少や枯渇を防止もしく
は抑制できるということが、本発明の成立根拠となって
いる。
【0029】本発明によると、以上の原理に基づき、磁
気ヘッドスライダおよび磁気ディスク媒体の摩耗損傷を
防止することができ、接触式磁気ディスク装置に関する
高記録密度および高信頼性を実現することができる。
【0030】なお、上記に加えて、「磁気ディスク媒体
の外周部に潤滑剤飛散防止層を設ける」という考え方を
採用することにより、潤滑剤に加わる遠心力を潤滑剤飛
散防止層によって受け止めることができ、磁気ディスク
媒体の外部に潤滑剤が飛散することを防止することが可
能になる。
【0031】(2) 図1に示す接触式磁気ディスク装
置の動作
【0032】初めに、従来技術と同様の動作について説
明する。
【0033】磁気ディスク媒体1は、スピンドルモータ
3に取り付けられており、所定の回転速度(例えば、1
分間に5400回転の速度)で回転している。
【0034】一方、磁気ヘッドスライダ2は、ボイスコ
イルモータ4に取り付けられており、磁気ディスク媒体
1の媒体面上のある半径位置にシーク動作を行う。
【0035】以上のような動作によって、磁気ヘッドス
ライダ2の磁気ヘッド22は、磁気ディスク媒体1上の
特定の領域における情報の記録・再生を行う。
【0036】再生時における磁気ヘッド22からの電気
信号(リード信号)は、リード/ライト回路5を介し、
インタフェース回路6に送られる。また、記録時におけ
る磁気ヘッド22への電気信号(ライト信号)は、リー
ド/ライト回路5を介し、インタフェース回路6から送
られる。
【0037】上記のようなシーク動作や記録・再生動作
を実現するために、ボイスコイルモータ4はシーク動作
制御回路7に接続されており、シーク動作制御回路7は
タイマ回路8を介してリード/ライト回路5に接続され
ている。
【0038】次に、本発明に特有の動作について説明す
る。
【0039】タイマ回路8は、あらかじめ設定された一
定時間である潤滑剤供給シーク動作間隔を計時する。そ
して、潤滑剤供給シーク動作間隔が経過する毎に、潤滑
剤供給シーク動作を促すクロック信号を出力する。
【0040】シーク動作制御回路7は、タイマ回路8に
よって出力されたクロック信号を受信する毎に、ボイス
コイルモータ4を介して磁気ヘッドスライダ2に磁気デ
ィスク媒体1の外周部から内周部に向かうシーク動作
(潤滑剤供給シーク動作)を行わせるように制御する。
すなわち、タイマ回路8によって発生される一定時間
(潤滑剤供給シーク動作間隔)毎のクロック信号によっ
てボイスコイルモータ4を制御し、図5に示すように磁
気ヘッドスライダ2を磁気ディスク媒体1の外周部から
内周部に向かってシーク動作させている。
【0041】なお、シーク動作制御回路7およびタイマ
回路8の動作を、次のようにすることも可能である(請
求項2参照)。
【0042】タイマ回路8は、磁気ヘッドスライダ2が
磁気ディスク媒体1をアクセスしない時間(シーク動作
が行われない時間)がどれだけであるかを計時し、その
時間(「無シーク動作間隔」という)があらかじめ設定
された一定の基準時間である潤滑剤供給基準時間に達す
ると潤滑剤供給シーク動作を促すシーク動作要求信号を
出力する。
【0043】シーク動作制御回路7は、タイマ回路8に
よって出力されたシーク動作要求信号を受信すると、ボ
イスコイルモータ4を介して磁気ヘッドスライダ2に磁
気ディスク媒体1の外周部から内周部に向かうシーク動
作(図5に示すような潤滑剤供給シーク動作)を行わせ
るように制御する。
【0044】
【実施例】次に、本発明の接触式磁気ディスク装置の具
体的な実施例について説明する。
【0045】(1) 磁気ディスク媒体1の具体的な構
造および形状
【0046】後述する本発明の接触式磁気ディスク装置
の実施例においては、以下に示すような構造および形状
を有する磁気ディスク媒体1(図2参照)が採用され
る。
【0047】 基板11には、直径90mmおよび厚
さ0.3mmのガラスが用いられる。
【0048】 下地層12は、スパッタ法によってC
rを100nmの膜厚に成膜して形成される。
【0049】 磁性層13は、スパッタ法によってC
oCrPtを30nmの膜厚に成膜して形成される。
【0050】 保護膜14は、スパッタ法によってダ
イヤモンドライクカーボンを5nmの膜厚に成膜して形
成される。
【0051】 潤滑剤15は、ディップ法によってパ
ーフルオロポリエーテルを原則として3nmの膜厚に成
膜して形成される。なお、後述するように、潤滑剤15
の膜厚は変更される。この場合に、潤滑剤15の膜厚の
変化は、ディップ溶液の濃度を制御することによって実
現される。
【0052】 潤滑剤飛散防止層16は、スパッタ法
によってSiO2 を高さ100nmに積層して形成され
る。なお、潤滑剤飛散防止層16が形成されない実施例
も存在する。
【0053】(2) 各種の実施例の内容
【0054】いくつかの特性の差異により、ここでは、
38の実施例(実施例番号が1〜38である第1の実施
例〜第38の実施例)を設定した。これらの実施例は、
後述する慴動耐久性試験の試験対象としたもので、実際
に試作したものである。なお、これらの実施例と従来技
術との比較を行うために、本発明の考え方を採用しない
従来の接触式磁気ディスク装置の例(以下、比較例とい
う)も併せて設定している。
【0055】ここに、特性の差異とは、「潤滑剤供給シ
ーク動作間隔の経過毎に潤滑剤供給シーク動作が行われ
るか、無シーク動作間隔が潤滑剤供給シーク基準時間に
到達する毎に潤滑剤供給シーク動作が行われるか、の
別」,「潤滑剤供給シーク動作間隔または潤滑剤供給基
準時間の差異」,「潤滑剤飛散防止層16の有無」,お
よび「潤滑剤15の膜厚の差異」が該当する。
【0056】以下の〜に、第1実施例〜第38実施
例の内容および比較例の内容について説明する。
【0057】 第1実施例 a.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置(磁気ヘッド
スライダ2が磁気ディスク媒体1上を慴動する際に移動
可能な磁気ディスク媒体1の半径方向の位置)は、21
mm〜44mm(磁気ディスク媒体1の中心からの距
離)の間で変化させた。また、磁気ヘッドスライダ2の
摺動半径位置を変化させる時間間隔は、0.1秒〜10
時間の間で変化させた。磁気ヘッドスライダ2の摺動半
径位置および磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置を変
化させる時間間隔は、乱数を用いて不規則に変化させ
た。 b.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置を変化させた
場合には、移動直後に記録・再生動作を行った。 c.シーク動作制御回路7の制御により、潤滑剤供給シ
ーク動作間隔を1秒として潤滑剤供給シーク動作を行っ
た。すなわち、1秒毎に1回だけ磁気ディスク媒体1の
最外周である半径44mmの位置から最内周である半径
21mmの位置まで磁気ヘッドスライダ2のシーク動作
を行い、再びそのシーク動作前の慴動半径位置に戻す動
作を、上述のaおよびbの動作の繰返しの間に挿入し
た。 d.磁気ディスク媒体1としては、図2(b)に示すよ
うな「潤滑剤飛散防止層16のないもの」を用いた。 e.潤滑剤15の膜厚は3nmとした。
【0058】 第2実施例〜第16実施例 潤滑剤供給シーク動作間隔以外は第1実施例と同様に
し、潤滑剤供給シーク動作間隔を2秒〜10時間の範囲
で図6に示すように変化させた。
【0059】 第17実施例 a.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置は、21mm
〜44mmの間で変化させた。また、磁気ヘッドスライ
ダ2の摺動半径位置を変化させる時間間隔は、0.1秒
〜10時間の間で変化させた。磁気ヘッドスライダ2の
摺動半径位置および磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位
置を変化させる時間間隔は、乱数を用いて不規則に変化
させた。 b.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置を変化させた
場合には、移動直後に記録・再生動作を行った。 c.シーク動作制御回路7の制御により、潤滑剤供給基
準時間を1秒として潤滑剤供給シーク動作を行った。す
なわち、磁気ヘッドスライダ2が同一摺動半径位置に留
まっている時間間隔が1秒を越える毎に1回だけ、磁気
ディスク媒体1の最外周である半径44mmの位置から
最内周である半径21mmの位置まで磁気ヘッドスライ
ダ2のシーク動作を行い、再びそのシーク動作前の慴動
半径位置に戻す動作を、上述のaおよびbの動作の繰返
しの間に挿入した。 d.磁気ディスク媒体1としては、図2(b)に示すよ
うな「潤滑剤飛散防止層16のないもの」を用いた。 e.潤滑剤15の膜厚は3nmとした。
【0060】 第18実施例〜第32実施例 潤滑剤供給基準時間以外は第17実施例と同様にし、潤
滑剤供給基準時間を2秒〜10時間の範囲で図6に示す
ように変化させた。
【0061】 第33実施例 a.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置は、21mm
〜44mmの間で変化させた。また、磁気ヘッドスライ
ダ2の摺動半径位置を変化させる時間間隔は、0.1秒
〜10時間の間で変化させた。磁気ヘッドスライダ2の
摺動半径位置および磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位
置を変化させる時間間隔は、乱数を用いて不規則に変化
させた。 b.磁気ヘッドスライダ2の摺動半径位置を変化させた
場合には、移動直後に記録・再生動作を行った。 c.シーク動作制御回路7の制御により、潤滑剤供給シ
ーク動作間隔を5分として潤滑剤供給シーク動作を行っ
た。 d.磁気ディスク媒体1としては、図2(a)に示すよ
うな「潤滑剤飛散防止層16のあるもの」を用いた。 e.潤滑剤15の膜厚は3nmとした。
【0062】 第34実施例〜第38実施例 潤滑剤15の膜厚以外は第33実施例と同様にし、潤滑
剤15の膜厚を4nm〜50nmの範囲で図6に示すよ
うに変化させた。
【0063】 比較例 潤滑剤供給シーク動作を行わない点を除いて、第1実施
例と同様にした。
【0064】(3) 実施例を対象とする慴動耐久性試
【0065】上記のような構成の本発明の接触式磁気デ
ィスク装置の各実施例(比較例を含む)について、本願
発明の発明者は、慴動耐久性試験を実施した。すなわ
ち、各実施例について、信頼性評価方法として、記録・
再生信号のエラーレイトが初期値の2倍になったときの
稼働時間を求めた。この慴動耐久性試験の試験結果(稼
働時間)を図6に示す。
【0066】図6の試験結果を参照すると、以下の〜
に示す考察が可能となる。
【0067】 第1実施例〜第32実施例および比較
例に関する試験結果を参照すると、潤滑剤供給シーク動
作を行った場合には、潤滑剤供給シーク動作を行わなか
った場合(比較例の場合)と比べて、エラーレイトが初
期値の2倍になった稼働時間が少なくとも5倍以上にな
っている。すなわち、潤滑剤供給シーク動作を行うこと
によって、高記録密度で高信頼性の接触式磁気ディスク
装置を提供できるという効果を得ることができる。
【0068】 潤滑剤供給シーク動作間隔が1分〜1
時間の場合に、エラーレイトが初期値の2倍になった稼
働時間が大きくなっている。すなわち、潤滑剤供給動作
間隔を1分以上60分以下にすることによって、より効
果的に接触式磁気ディスク装置の性能を向上させること
ができる。
【0069】 第9実施例と第33実施例とを比較す
ると、潤滑剤飛散防止層16を設けることによってエラ
ーレイトが初期値の2倍になった稼働時間が2倍以上に
なっていることが分かる。すなわち、潤滑剤飛散防止層
16を設けることによって、「高記録密度で高信頼性の
接触式磁気ディスク装置を提供できる」という効果がさ
らに顕著になる。
【0070】 潤滑剤飛散防止層16を設けた上で潤
滑剤15の膜厚のみを変化させた第33実施例〜第38
実施例の試験結果を比較すると、潤滑剤15の膜厚の大
きさを5nm以上とするとエラーレイトが初期値の2倍
になった稼働時間が著しく長くなっており、潤滑剤飛散
防止層16を設けた場合における潤滑剤15の膜厚は5
nm以上がより適切な範囲であることが分かる。
【0071】以上の〜に示す考察から、本発明の接
触式磁気ディスク装置では、従来の接触式磁気ディスク
装置と比較して少なくとも5倍の耐久性が達成され、高
信頼性を確保することができることが分かる。
【0072】また、以上の〜に示す考察から、本発
明の接触式磁気ディスク装置における「潤滑剤供給シー
ク動作間隔」,「潤滑剤供給基準時間」,および「潤滑
剤の平均膜厚」はそれぞれ以下の範囲の値が適切な値で
あることが分かる。 「潤滑剤供給シーク動作間隔」および「潤滑剤供給基準
時間」:1分以上60分以下 「潤滑剤の平均膜厚」:5nm以上100nm以下
【0073】なお、以上のように一定の適切な値の範囲
が存在する理論的根拠は、以下にあると考えられる。
【0074】「潤滑剤供給シーク動作間隔」および「潤
滑剤供給基準時間」については、あまりに長いと本発明
を適用したこととはならず、あまりに短いとシーク動作
が過多となって潤滑剤が分解して劣化することにより潤
滑剤本来の役割を果たさなくなるからである。
【0075】「潤滑剤の平均膜厚」については、あまり
に小さいと潤滑剤が磁気ディスク媒体の媒体面に強く吸
着し潤滑剤供給シーク動作によって潤滑剤が移動しにく
くなるので潤滑剤供給が行われにくくなり、あまりに大
きいと磁気ヘッドの記録・再生特性が悪くなるからであ
る。なお、平均膜厚が大きい場合の範囲指定値である
「100nm」は、図6に示す試験結果から求められる
ものではなく、従来からの考え方に基づいて求められる
ものである。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
以下に示すような効果が生じる。
【0077】第1の効果は、遠心力によって磁気ディス
ク媒体の外周部に溜まった潤滑剤を潤滑剤供給シーク動
作によって磁気ディスク媒体の全面に再供給できること
により、潤滑剤の膜厚の減少や枯渇を防止または抑制で
きることである。これにより、磁気ヘッドスライダおよ
び磁気ディスク媒体の摩耗損傷を防止することができ、
高記録密度で高信頼性の接触式磁気ディスク装置を提供
できるようになる。
【0078】第2の効果は、潤滑剤飛散防止層を設ける
ことにより、潤滑剤に加わる遠心力を潤滑剤飛散防止層
によって受け止めてその遠心力を緩和させることがで
き、磁気ディスク媒体外周部に溜まった潤滑剤の飛散を
防止できることである。これにより、潤滑剤供給シーク
動作の効率を高めることができ、さらに高記録密度で高
信頼性の接触式磁気ディスク装置を提供できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接触式磁気ディスク装置の実施の形態
を示すブロック図である。
【図2】図1中の磁気ディスク媒体の基本的な構成を示
す断面図である。
【図3】本発明の接触式磁気ディスク装置の原理および
動作を説明するための図であり、磁気ディスク媒体の内
周部で磁気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体とが接触
している状態を示す断面図である。
【図4】本発明の接触式磁気ディスク装置の原理および
動作を説明するための図であり、磁気ディスク媒体の外
周部で磁気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体とが接触
している状態を示す断面図である。
【図5】本発明の接触式磁気ディスク装置の原理および
動作を説明するための図であり、潤滑剤供給シーク動作
を示す斜視図である。
【図6】図1に示す接触式磁気ディスク装置の複数の実
施例(比較例を含む)に関する慴動耐久性試験の試験結
果を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク媒体 2 磁気ヘッドスライダ 3 スピンドルモータ 4 ボイスコイルモータ 5 リード/ライト回路 6 インタフェース回路 7 シーク動作制御回路 8 タイマ回路 11 基板 12 下地層 13 磁性層 14 保護膜 15 潤滑剤 16 潤滑剤飛散防止層 21 コンタクトパッド 22 磁気ヘッド

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドおよびコンタクトパッドを備
    える磁気ヘッドスライダと、潤滑剤が塗布された磁気デ
    ィスク媒体と、各種の電子回路とを有する接触式磁気デ
    ィスク装置において、 潤滑剤供給シーク動作間隔が経過する毎にクロック信号
    を出力するタイマ回路と、 潤滑剤供給シーク動作間隔の経過を示すクロック信号が
    前記タイマ回路によって出力される毎に前記磁気ディス
    ク媒体の外周部から内周部に向かう潤滑剤供給シーク動
    作を前記磁気ヘッドスライダに行わせるように制御する
    シーク動作制御回路とを有することを特徴とする接触式
    磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】 磁気ヘッドおよびコンタクトパッドを備
    える磁気ヘッドスライダと、潤滑剤が塗布された磁気デ
    ィスク媒体と、各種の電子回路とを有する接触式磁気デ
    ィスク装置において、 無シーク動作間隔が潤滑剤供給基準時間に達するとシー
    ク動作要求信号を出力するタイマ回路と、 シーク動作要求信号が前記タイマ回路によって出力され
    ると前記磁気ディスク媒体の外周部から内周部に向かう
    潤滑剤供給シーク動作を前記磁気ヘッドスライダに行わ
    せるように制御するシーク動作制御回路とを有すること
    を特徴とする接触式磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 磁気ディスク媒体の最外周に潤滑剤飛散
    防止層を形成することを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の接触式磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】 潤滑剤供給シーク動作間隔が1分以上6
    0分以下であることを特徴とする請求項1記載の接触式
    磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】 潤滑剤供給基準時間が1分以上60分以
    下であることを特徴とする請求項2記載の接触式磁気デ
    ィスク装置。
  6. 【請求項6】 潤滑剤供給シーク動作間隔が1分以上6
    0分以下であることを特徴とする請求項3記載の接触式
    磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】 潤滑剤供給基準時間が1分以上60分以
    下であることを特徴とする請求項3記載の接触式磁気デ
    ィスク装置。
  8. 【請求項8】 潤滑剤の平均膜厚が5nm以上100n
    m以下であることを特徴とする請求項3記載の接触式磁
    気ディスク装置。
  9. 【請求項9】 潤滑剤の平均膜厚が5nm以上100n
    m以下であることを特徴とする請求項6記載の接触式磁
    気ディスク装置。
  10. 【請求項10】 潤滑剤の平均膜厚が5nm以上100
    nm以下であることを特徴とする請求項7記載の接触式
    磁気ディスク装置。
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