JPH08329453A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH08329453A
JPH08329453A JP13137195A JP13137195A JPH08329453A JP H08329453 A JPH08329453 A JP H08329453A JP 13137195 A JP13137195 A JP 13137195A JP 13137195 A JP13137195 A JP 13137195A JP H08329453 A JPH08329453 A JP H08329453A
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JP
Japan
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layer
lubricant
magnetic
recording medium
magnetic recording
Prior art date
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Application number
JP13137195A
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English (en)
Inventor
Masayuki Sorita
昌之 返田
Satoshi Uchino
悟司 内野
Katsuya Masuda
克也 増田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ゾーンテクスチャー加工面を有する磁気記録媒
体において、データ領域上での磁気ヘッド吸着を抑制す
ることができる磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁気記録媒体の非磁性基体の表面には、ゾー
ンテクスチャー加工が施され、そのテクスチャー加工面
は大きな粗さのCSS領域と小さな粗さのデータ領域に
分割されている。CSS領域はディスク中心から半径方
向位置15〜18.5mmの範囲で、データ領域はディスク中心
から半径方向位置20.2〜46.5mmの範囲である。保護層の
表面には液体潤滑剤の潤滑層5が形成されている。デー
タ領域における潤滑層の層厚をCSS領域の層厚(15〜
21Å程度)比して薄く形成すると(13Å以下)、データ
領域におけるヘッド吸着は起こり難くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等のハー
ドディスク装置などに使用される磁気ディスク等の磁気
記録媒体及びその製造方法に関し、特に、媒体表面に塗
布された液体潤滑層に関する。
【0002】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置に用いられている
一般的な磁気記録媒体の構成は、図6に示す如く、非磁
性基板11上に非磁性金属層12を形成して非磁性基体
1とし、この基体1の上に非磁性金属下地層2を積層し
た後、この金属下地層2上に、強磁性合金体であるCo
−Cr−Ta(コバルト−クロム−タンタル)、または
Co−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)などによ
り磁性層3を薄膜状に積層形成し、さらに、この磁性層
上にカーボン保護層4を形成して成る。そして、この保
護層4の上には、液体潤滑剤からなる潤滑層5が塗布さ
れている。
【0003】非磁性の基体1としては、例えばAl−M
g合金の非磁性基板11に無電解メッキによりNi−P
メッキ層12を形成したもの、アルマイト基体、ガラス
基体、セラミック基体、などが用いられる。そして、こ
の基体1を必要に応じて研磨し、テクスチャー加工など
により凹凸を形成する場合もある。この非磁性の基体1
を約200 °Cに加熱しながら、Ar雰囲気下のスパッタ
リングにより層厚約200nm のCrからなる非磁性金属下
地層2、層厚約30nmのCo−Cr−Taなどからなる磁
性層3、および層厚約15nmのカーボンからなる保護層4
を順次スパッタ法により積層成形する。そして、保護層
4上に、フロロカーボン系の液体潤滑剤を塗布して層厚
約2nmの潤滑層5を形成し、磁気ディスクを製造する。
【0004】このような磁気ディスクがハードディスク
装置などに実装されると、装置の記録ヘッドとの接触動
作を繰り返すこととなる。これは、一般に、ハードディ
スク装置などにおいて、停止時にヘッドと磁気ディスク
表面が接触する状態であり、この状態から稼動時のみに
ヘッドが磁気ディスク表面から僅かに浮上して、情報の
読み取り動作または書込み動作が行われるCSS(コン
タクト・スタート・ストップ)方式が採用されているた
めである。従って、電源のオン・オフ動作に伴いヘッド
の摺動状態が発生するため、媒体表面の耐磨耗性や潤滑
性が不十分な場合、この摺動が繰り返されることによっ
て表面が磨滅し、程度のひどい場合には磁性層3が破損
して記録再生が不可能となる。
【0005】この対策として、耐磨耗性を向上させる目
的で、非磁性金属層(Ni−Pメッキ)12上にテクス
チャー加工を施し粗さを付与し、その粗さが保護層4の
表面にまで反映させるようにしている。媒体表面の粗さ
が大きければ大きい程、ヘッドと媒体の接触面積が減少
する。このため、テクスチャー加工の第1段目の加工で
は、大きな砥粒のテープ(ベースフィルム上に砥粒とバ
インダを接着したもの)で擦り付けるテープテクスチャ
ー加工を施すか、大きな砥粒のスラリーでスラリーテク
スチャー加工(パッドに砥粒と研磨液を滴下してテクス
チャー加工すること)を施し、ベースの粗さを付けた
後、第2段目の加工では、小さな砥粒のテープ又はスラ
リーを用いて初段加工時に発生した異常突起を除去する
ようにしている。ここで、第2段目のテクスチャー加工
で突起を除去すればする程、粗さが細かくなるため、ヘ
ッド浮上量を低くすることができるものの、逆に、耐磨
耗性が劣化してしまう。テクスチャー加工面の粗さ度に
対して耐磨耗性の向上と低浮上化とが二律背反している
ため、両者がバランスする点に粗さ度を合わせる必要が
あった。このため、低浮上化と耐磨耗性を両立させるこ
とが不可能であった。
【0006】そこで、本件出願人は、特願平7−315
6号を以て、ヘッドの低浮上化と媒体耐磨耗性を両立さ
せることが可能のテクスチャー加工面を備えた磁気記録
媒体を開示した。その磁気記録媒体は、図7に示すよう
に、非磁性金属層12の表面に、いわゆるゾーンテクス
チャー加工を施し、そのテクスチャー加工面は大きな突
起12aを有し大きな粗さのCSS領域と小さな突起1
2bを有し小さな粗さのデータ領域とに分割されてい
る。CSS領域は粗さ度が高いので、ヘッドの接触度が
低くなり耐磨耗性が向上しており、またCSS領域以外
のデータ領域は異常突起が無く粗さ度が低いので、ヘッ
ドの低浮上化が達成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなゾーンテ
クスチャー媒体の表面にスピンコート法で液体潤滑剤を
塗布した場合、図8に示すように、最内周位置での吐出
ノズルの停止時間に対する潤滑層の膜厚分布が得られ
る。このスピンコート法は最内周位置で吐出ノズルを停
止させてから半径方向外側へシーク動作させて塗布する
ものであり、最内周位置での吐出ノズルの停止時間がそ
れぞれ0.05秒,0.2秒,0.5秒,1.0秒の場合を示してある。
図8に示されているように、最内周位置での停止時間が
0.05秒,0.2秒と短すぎると、充分な潤滑剤量が供給され
ず、データ領域外周側が未塗布状態のまま残る。逆に、
最内周位置での停止時間が1.0 秒以上で可制御性のある
時間の場合、CSS領域の膜厚は均一化しているもの
の、CSS領域の膜厚に比してデータ領域の膜厚の方が
外周に向かうにつれ厚くなっている。なお、最内周位置
での停止時間が0.5 秒の場合は、半径方向位置が大きく
なるにつれ膜厚が単調的に減少しているが、データ領域
での膜厚が不均一であり、またノズル停止時間のバラツ
キにより再現性が乏しい。
【0008】このように、ゾーンテクスチャ媒体の表面
にスピンコート法で液体潤滑剤を塗布した場合には、一
般的に、データ領域の膜厚の方がCSS領域の膜厚に比
べて厚くなっているため、異常時に磁気ヘッドがデータ
領域上で停止した場合、厚い潤滑層によって磁気ヘッド
の吸着現象が起こり易く、記録再生が不可能になる場合
があった。
【0009】そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、ゾーンテクスチャー加工面を有する磁気記録媒体に
おいて、データ領域上での磁気ヘッド吸着を抑制するこ
とができる磁気記録媒体及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の講じた手段はゾーンテクシュチャー加工面
に合わせて潤滑層の層厚を塗り分けたものである。即
ち、本発明は、非磁性基板の上に非磁性金属層を形成し
て非磁性基体とし、この非磁性基体の上に非磁性金属下
地層,磁性層,保護層を順次積層し、この保護層の上に
液体潤滑層を塗布して成る磁気記録媒体において、上記
非磁性金属層の表面にテクスチャー加工により施された
粗さ面が粗さ度の高いCSS領域と粗さ度の低いデータ
領域とに分割して成り、上記CSS領域上の潤滑層の層
厚に比して上記データ領域上の潤滑層の層厚が薄いこと
を特徴とする。
【0011】このような潤滑層の厚みを変えて塗布する
方法として、本発明では2つの方法を採用している。ま
ず第1の方法としては、回転させた媒体の最内周で吐出
ノズルにより液体潤滑剤を吐き出し、所定時間停止した
後、最外周にまでシークさせて潤滑層をスピンコート法
で形成する際、上記媒体表面の相対的な上記シーク速度
は外周に向けて増加する可変速度であることを特徴とす
る。媒体に対してノズルの掃引速度を変えても良いし、
ノズルの掃引速度は一定のまま、媒体の回転速度を変え
ても良い。
【0012】第2の方法としては、回転させた媒体の最
内周から最外周にまで液体潤滑剤を吐き出すべき吐出ノ
ズルをシークさせて潤滑層をスピンコート法で形成する
際、高濃度潤滑剤を吐き出すべき第1の吐出ノズルと低
濃度潤滑剤を吐き出すべき第2の吐出ノズルを随伴同位
置でシークさせながら、上記CSS領域上では第1の吐
出ノズルで高濃度潤滑剤のみを吐き出すると共に、上記
データ領域上では第2の吐出ノズルで低濃度潤滑剤のみ
を吐き出することを特徴とする。
【0013】
【作用】ゾーンテクシュチャー媒体において、データ領
域の潤滑剤の層厚の方がCSS領域の潤滑剤の層厚に比
べ薄くなっていると、不必要な潤滑剤がない分、データ
領域でのヘッド吸着を抑制することができ、記録再生障
害を無くすことができる。他方、ゾーンテクシュチャー
媒体ではCSS領域は粗さ度が高いために、保護層表面
の不純物吸着点の密度も高くなっている。そこでCSS
領域の方を潤滑剤を厚く塗布することで、その不純物吸
着点の官能基を潤滑剤分子で塞いでおくことができるた
め、不純物吸着を抑制でき、ヘッド側への転写を無くす
ことができるので、CSS耐久性を高めることができ
る。
【0014】また第1の塗布方法によれば、ノズルが外
周に向かう程にシーク速度が速くなっているため、塗布
面積の増大と共に、ノズルの停留時間が相対的に減少す
るので、データ領域の塗布層の厚みを薄くできる。
【0015】更に第2の塗布方法によれば、第1のノズ
ルによりCSS領域上を塗る潤滑剤の濃度が高いので、
その上の潤滑層の層厚は均一で厚くなり、また第2のノ
ズルによりデータ領域を塗る潤滑剤の濃度は低いので、
その上の潤滑層の層厚は均一で薄く) なる。2つのノズ
ルで領域毎の塗り分けを行っているので、同一領域内で
は層厚の均一化が容易である。
【0016】
【実施例】以下に添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。
【0017】〔実施例1〕本例の磁気記録媒体は、図6
に示す如く、Al,ガラス等の非磁性基板11とこの上
に形成したNi−Pメッキの非磁性金属層12からなる
非磁性基体1の表面に、ゾーンテクスチャー加工を施
し、そのテクスチャー加工面は大きな粗さのCSS領域
と小さな粗さのデータ領域に分割されている。このよう
な非磁性基体1の表面に、Cr等の非磁性金属下地層
2、Co−Cr−Taなどからなる強磁性合金体の磁性
層3、及びカーボン保護層4が順次積層形成されてお
り、保護層4の表面には液体潤滑剤の潤滑層5が形成さ
れている。
【0018】本例のCSS領域はディスク中心から半径
方向位置15〜18.5mmの範囲で、データ領域はディスク中
心から半径方向位置20.2〜46.5mmの範囲である。ここ
で、データ領域とCSS領域での潤滑層5の層厚を変え
ながら摩擦係数を測定した。図1(a)は潤滑層5の層
厚に対するデータ領域での摩擦(静止摩擦係数)の変化
を示すグラフで、図1(b)は潤滑層5の層厚に対する
CSS領域での最大摩擦係数(CSS回数が40k回後
の摩擦係数)の変化を示すグラフである。本例において
は、CSS領域の規格値μ1は0.35としてあり、データ
領域の規格値μ2は0.5 としてある。図1(a)のグラ
フでは潤滑層5の層厚に対して単調的に摩擦係数が増加
している。層厚が厚くなると、ヘッド吸着が生じること
が理解できる。ヘッド吸着が起こり難くするためには、
データ領域における潤滑層5の層厚は13Å以下であるこ
とが望ましい。図1(a)のグラフでは、潤滑層5の層
厚が増すと単調的に摩擦係数が減少し、更に層厚が増す
と緩やかに摩擦係数が増大して行く。摩擦係数の極小部
分が存在している。CSS耐久性を向上させるために
は、層厚がその極小部分、即ち、15〜21Å程度の範囲に
あることが望ましい。この結果から明らかなように、デ
ータ領域における潤滑層5の層厚(13Å以下)はCSS
領域における潤滑層5の層厚(15〜21Å程度)よりも薄
いことが望ましく、データ領域におけるヘッド吸着を抑
制できる。ここで、CSS領域は粗さ度が高いために、
保護層表面の不純物吸着点の密度も高くなっているが、
潤滑剤を厚く塗布することで、その不純物吸着点の官能
基を潤滑剤分子で塞いでおくことができる。このため、
不純物吸着を抑制でき、ヘッド側への転写を無くすこと
ができるので、CSS耐久性を高めることができる。
【0019】〔実施例2〕図2は本発明の実施例2に係
るスピンコート法の概要を示す。スピンコート法は回転
させた媒体20上の最内周に液体潤滑剤を吐出ノズル2
1により吐出させ、所定時間停止した後、最外周まで吐
出ノズル21をシーク(掃引)させることにより潤滑層
5を形成する。なお、媒体20の裏面上も同様にして潤
滑層5を形成する。そこで、本例では吐出ノズル21の
シーク速度を変化させて潤滑剤を塗布するようにしてい
る。図3はシーク速度を変更したときの潤滑層の層厚分
布を示す。ここで最内周の位置での停止時間は0.1 秒と
してある。シーク速度Vが一様速である10mm/secの場
合、図8に示す場合と同等に、データ領域の潤滑剤の層
厚がCSS領域のそれよりも厚くなっている。しかし、
a=10,b=0.2,0.5,0.8 としてシーク速度Vを、V
=a+bRの如く、半径方向位置Rに対して線形的(単
調的)に増加するようにした場合は、データ領域の潤滑
剤の層厚がCSS領域のそれよりも薄くなっている。外
周に向かう程にシーク速度を速くすると、塗布面積の増
大と共に、ノズルの単位面積当たりの停留時間が相対的
に減少するので、塗布層の厚みを薄くできるからであ
る。但し、シーク速度が速すぎると、潤滑剤の量と溶媒
の蒸発速度のバランスが崩れて潤滑剤の膜厚にむらが生
じやすくなる。本例での最適なシーク速度はV=10+0.
8 R(mm/sec)であった。なお、本例では吐出ノズル2
1の媒体20に対するシーク速度を可変制御している
が、吐出ノズル21のシーク速度を一定としたまま、媒
体の回転数を可変するようにしても良い。
【0020】〔実施例3〕図4(a)は本発明の実施例
3に係るスピンコート法の概要を示す。本例のスピンコ
ート法は高濃度潤滑剤を吐出する第1の吐出ノズル22
と低濃度潤滑剤を吐出する第2の吐出ノズル23を用い
てそれぞれCSS領域とデータ領域を塗り分けるように
なっている。本例の第1のノズル22及び第2のノズル
23は最内周から外周に向かって半径方向に同時にシー
ク動作する。図4(b)に示す如く、最初に最内周(半
径位置14mm)では第1のノズル22により高濃度の潤滑
剤の吐出が開始するが、第2のノズル23からの低濃度
の潤滑剤は吐出されていない。CSS領域は第1のノズ
ル22によって高濃度の潤滑剤のみが塗布される。そし
てCSS領域の外周付近(半径位置19mm)でノズル23
からの低濃度潤滑剤の吐出も開始し、データ領域の内周
付近(半径位置20mm)でノズル22により高濃度の潤滑
剤の吐出が止み、ノズル23からの低濃度潤滑剤の吐出
は最外周(半径位置46mm)で終了する。従って、データ
領域は第2のノズル23からの低濃度の潤滑剤のみが塗
布される。
【0021】図5は第1のノズル22で0.1wt %の濃度
の潤滑剤(高濃度潤滑剤)を、第2のノズル23で0.01
wt%の濃度の潤滑剤(低濃度潤滑剤)をそれぞれ吐出さ
せて塗布したときの潤滑層の層厚分布を示す。CSS領
域を塗る潤滑剤の濃度は高いので、その上の潤滑層の層
厚は均一で厚く(18Å程度) なっており、またデータ領
域を塗る潤滑剤の濃度は低いので、その上の潤滑層の層
厚は均一で薄く(11Å程度) なっている。CSS領域と
データ領域の境界領域を形成する19〜20mmの変遷領域で
は、高濃度潤滑剤と低濃度潤滑剤が混ざり合うため、そ
の中間的な層厚となっている。従って、この塗膜方法に
よれば、2つのノズルで領域毎の塗り分けを行っている
ので、同一領域内では層厚が均一であり、実施例2の方
法に比してゾーンテクスチャー媒体の最適な潤滑剤の膜
厚分布を得ることが確認できた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ゾーン
テクスチャー加工面に合わせて潤滑層の層厚を塗り分
け、データ領域上の層厚をCSS領域上のそれよりも薄
くした構造に特徴を有するものである。従って、次の効
果を奏する。
【0023】 データ領域の潤滑剤の層厚の方がCS
S領域の潤滑剤の層厚に比べ薄くなっていると、データ
領域でのヘッド吸着を抑制することができ、記録再生障
害を無くすことができる。他方、CSS領域の潤滑剤が
厚いと、不純物吸着を抑制でき、ヘッド側への転写を無
くすことができるので、CSS耐久性を高めることがで
きる。
【0024】 第1の方法によれば、ノズルが外周に
向かう程にシーク速度が速くなっているため、塗布面積
の増大と共に、ノズルの停留時間が相対的に減少するの
で、データ領域の塗布層の厚みを薄くできる。
【0025】 第2の方法によれば、第1のノズルに
よりCSS領域上を塗る潤滑剤の濃度が高いので、その
上の潤滑層の層厚は均一で厚くなり、また第2のノズル
によりデータ領域を塗る潤滑剤の濃度は低いので、その
上の潤滑層の層厚は均一で薄く) なる。2つのノズルで
領域毎の塗り分けを行っているので、同一領域内では層
厚の均一化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1に係る磁気記録媒体
において潤滑層の層厚に対するデータ領域での静止摩擦
係数の変化を示すグラフ、(b)は潤滑層の層厚に対す
るCSS領域での最大摩擦係数の変化を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の実施例2に係るスピンコート法の概要
を示す平面図である。
【図3】実施例2に係るスピンコート法においてシーク
速度を変更したときの潤滑層の層厚分布を示すグラフで
ある。
【図4】(a)は本発明の実施例3に係るスピンコート
法の概要を示す平面図、(b)は実施例2に係るスピン
コート法において第1のノズルと第2のノスルの潤滑剤
吐出のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施例3に係るスピンコート法におい
て第1のノズルで0.1wt %の濃度の潤滑剤を、第2のノ
ズルで0.01wt%の濃度の潤滑剤をそれぞれ吐出させて塗
布したときの潤滑層の層厚分布を示すグラフである。
【図6】磁気記録媒体の一般的な層構成を示す模式的斜
視図である。
【図7】ゾーンテクスチャー媒体を示す断面図である。
【図8】潤滑層のスピンコート法において最内周位置で
の吐出ノズルの停止時間に対する潤滑層の膜厚分布を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…基体 2…金属下地層 3…磁性層 4…保護層 5…潤滑層 11…非磁性基板 12…非磁性金属層 21,23…ゴムローラ 22,24…テープ 12a…大きな突起 12b…小さな突起 20…磁気記録媒体 21…第1のノズル 22…第2のノズル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板の上に非磁性金属層を形成し
    て非磁性基体とし、前記非磁性基体の上に非磁性金属下
    地層,磁性層,保護層を順次積層し、この保護層の上に
    液体潤滑層を塗布して成る磁気記録媒体において、前記
    非磁性金属層の表面にテクスチャー加工により施された
    粗さ面が粗さ度の高いCSS領域と粗さ度の低いデータ
    領域とに分割して成り、前記CSS領域上の潤滑層の層
    厚に比して前記データ領域上の潤滑層の層厚が薄いこと
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定する磁気記録媒体の製造
    方法において、回転させた媒体の最内周で吐出ノズルに
    より液体潤滑剤を吐き出し、所定時間停止した後、最外
    周にまでシークさせて前記潤滑層をスピンコート法で形
    成する際、前記媒体表面の相対的な前記シーク速度は外
    周に向けて増加する可変速度であることを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に規定する磁気記録媒体の製造
    方法において、回転させた媒体の最内周から最外周にま
    で液体潤滑剤を吐き出すべき吐出ノズルをシークさせて
    前記潤滑層をスピンコート法で形成する際、高濃度潤滑
    剤を吐き出すべき第1の吐出ノズルと低濃度潤滑剤を吐
    き出すべき第2の吐出ノズルを同位置で随伴させてシー
    クさせながら、前記CSS領域上では第1の吐出ノズル
    で高濃度潤滑剤のみを吐き出すると共に、前記データ領
    域上では第2の吐出ノズルで低濃度潤滑剤のみを吐き出
    することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP13137195A 1995-05-30 1995-05-30 磁気記録媒体及びその製造方法 Pending JPH08329453A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6320728B1 (en) * 1998-05-19 2001-11-20 Seagate Technology Llc Laser textured magnetic surface micro-ridges/grooves to enhance magnetic recording performance

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