JPH0778870B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0778870B2 JPH0778870B2 JP25307987A JP25307987A JPH0778870B2 JP H0778870 B2 JPH0778870 B2 JP H0778870B2 JP 25307987 A JP25307987 A JP 25307987A JP 25307987 A JP25307987 A JP 25307987A JP H0778870 B2 JPH0778870 B2 JP H0778870B2
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- Japan
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- magnetic
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強磁性金属薄膜からなる磁性層を備えた磁気デ
ィスクなどの磁気記録媒体に関し、詳しくは磁性層上に
保護層および液体潤滑剤からなる潤滑層を有する磁気記
録媒体に関する。
ィスクなどの磁気記録媒体に関し、詳しくは磁性層上に
保護層および液体潤滑剤からなる潤滑層を有する磁気記
録媒体に関する。
強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体
(以下単に媒体とも称する)は一般に非磁性基板上に硬
質の非磁性金属下地層を設け、その上に磁性層を形成
し、さらにその上に保護層を設けてなる。保護層の役割
は腐食に弱い磁性層表面を被覆して耐食性を高めると共
に、磁気ヘッドとの摩擦・磨耗あるいは吸着などの現象
に対する機械的耐久性を向上させることにあり、安定・
堅ろうで潤滑性のある薄膜,例えば炭素薄膜などが用い
られる。しかしながら、このような保護層によっても十
分な機械的耐久性を得るには至らない。
(以下単に媒体とも称する)は一般に非磁性基板上に硬
質の非磁性金属下地層を設け、その上に磁性層を形成
し、さらにその上に保護層を設けてなる。保護層の役割
は腐食に弱い磁性層表面を被覆して耐食性を高めると共
に、磁気ヘッドとの摩擦・磨耗あるいは吸着などの現象
に対する機械的耐久性を向上させることにあり、安定・
堅ろうで潤滑性のある薄膜,例えば炭素薄膜などが用い
られる。しかしながら、このような保護層によっても十
分な機械的耐久性を得るには至らない。
そこで、さらに媒体の表面,すなわち保護層の表面を適
度にあれた状態として、媒体と磁気ヘッドとの摩擦・磨
耗をより少なくする,また吸着が発生しにくくすること
が行われている。また、保護層の上に液体潤滑剤を塗布
して潤滑層を形成することにより摩擦・磨耗をより低減
し、機械的耐久性を改善することも行われている。
度にあれた状態として、媒体と磁気ヘッドとの摩擦・磨
耗をより少なくする,また吸着が発生しにくくすること
が行われている。また、保護層の上に液体潤滑剤を塗布
して潤滑層を形成することにより摩擦・磨耗をより低減
し、機械的耐久性を改善することも行われている。
ところが、上述のように媒体表面をあれた状態にしよう
とすると、あらくする過程で突起が発生する。媒体表面
に突起が存在すると、情報の記録・再生に際しての媒体
回転時に突起が磁気ヘッドと衝突し、磁気ヘッドを傷つ
けたりあるいはヘッドクラッシュを起こす可能性が高く
なるという問題が生じる。
とすると、あらくする過程で突起が発生する。媒体表面
に突起が存在すると、情報の記録・再生に際しての媒体
回転時に突起が磁気ヘッドと衝突し、磁気ヘッドを傷つ
けたりあるいはヘッドクラッシュを起こす可能性が高く
なるという問題が生じる。
また、保護層上に液体潤滑剤を塗布すると、摩擦・磨耗
は低減するが、磁気ヘッドの吸着に関しては、塗布する
ことにより吸着しやすくなるという問題がある。
は低減するが、磁気ヘッドの吸着に関しては、塗布する
ことにより吸着しやすくなるという問題がある。
本発明は、これらの問題点を解消して、摩擦係数が小さ
くて摩擦・磨耗が少なく、かつ、磁気ヘッドの吸着が起
きにくく、しかも突起の少ない表面を有する磁気記録媒
体を提供することを目的とする。
くて摩擦・磨耗が少なく、かつ、磁気ヘッドの吸着が起
きにくく、しかも突起の少ない表面を有する磁気記録媒
体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、非磁性
基板上に形成された強磁性金属薄膜からなる磁性層上に
保護層,液体潤滑剤を塗布した潤滑層を順次積層して設
けてなる磁気記録媒体において、前記保護層表面の中心
線平均粗さRaが40Å以上100Å以下の範囲内にあり、か
つ、前記潤滑層を形成する液体潤滑剤の膜厚が30Å以上
60Å以下の範囲内にある磁気記録媒体とする。
基板上に形成された強磁性金属薄膜からなる磁性層上に
保護層,液体潤滑剤を塗布した潤滑層を順次積層して設
けてなる磁気記録媒体において、前記保護層表面の中心
線平均粗さRaが40Å以上100Å以下の範囲内にあり、か
つ、前記潤滑層を形成する液体潤滑剤の膜厚が30Å以上
60Å以下の範囲内にある磁気記録媒体とする。
媒体の保護層表面を、Raが40Å以上100Å以下の範囲内
にあるように微細にあれた表面状態にすることにより、
突起がほとんどなくしかも磁気ヘッドの吸着しにくい表
面となる。しかし、このような表面は平滑すぎて摩擦係
数がまだかなり大きい。この保護層の上に、その微細に
あれた表面状態に対応した適量の液体潤滑剤を塗布して
膜厚が30Å以上60Å以下の範囲内の潤滑層を均一に形成
することにより摩擦係数は大幅に低減され十分に小さく
なり、摩擦・磨耗は非常に少なくなる。しかも、液体潤
滑剤の膜厚は保護層表面のRaと同程度以下と十分薄膜で
あり、潤滑層は保護層の微細にあれた表面の凹凸に沿っ
た均一な膜として形成されるので、液体潤滑剤を塗布し
ても磁気ヘッドが吸着しやすくなるという現象は起こら
ない。
にあるように微細にあれた表面状態にすることにより、
突起がほとんどなくしかも磁気ヘッドの吸着しにくい表
面となる。しかし、このような表面は平滑すぎて摩擦係
数がまだかなり大きい。この保護層の上に、その微細に
あれた表面状態に対応した適量の液体潤滑剤を塗布して
膜厚が30Å以上60Å以下の範囲内の潤滑層を均一に形成
することにより摩擦係数は大幅に低減され十分に小さく
なり、摩擦・磨耗は非常に少なくなる。しかも、液体潤
滑剤の膜厚は保護層表面のRaと同程度以下と十分薄膜で
あり、潤滑層は保護層の微細にあれた表面の凹凸に沿っ
た均一な膜として形成されるので、液体潤滑剤を塗布し
ても磁気ヘッドが吸着しやすくなるという現象は起こら
ない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
実施例1 Al合金ディスク基板の表面に切削および研削加工を施し
て平坦にし、その上に無電解めっき法でNi−P合金層を
膜厚約30μmに形成する。このNi−P合金層表面を研
削,研摩して膜厚11μmで鏡面状の層に仕上げる。続い
てこのNi−P合金層鏡面に研磨テープで微細にあらすテ
クスチャー加工を施して中心線平均粗さRaが80Åの表面
にした。
て平坦にし、その上に無電解めっき法でNi−P合金層を
膜厚約30μmに形成する。このNi−P合金層表面を研
削,研摩して膜厚11μmで鏡面状の層に仕上げる。続い
てこのNi−P合金層鏡面に研磨テープで微細にあらすテ
クスチャー加工を施して中心線平均粗さRaが80Åの表面
にした。
このようにして得られた、表面がRaで80Åと微細にあれ
たNi−P合金層で被覆されたAl合金ディスク基板上に、
マグネトロンスパッタ装置を用い、膜厚約1500ÅのCr下
地層,膜厚約500ÅのCo合金磁性層,膜厚約400Åの炭素
保護層を順次形成した。このとき炭素保護層表面のRaは
100Åとなった。この炭素保護層上にフロロカーボン系
の液体潤滑剤フォンブリンAM−2001(商品名,モンテジ
ソン製)を次の条件でスピンコートして潤滑層を形成し
磁気記録媒体とした。
たNi−P合金層で被覆されたAl合金ディスク基板上に、
マグネトロンスパッタ装置を用い、膜厚約1500ÅのCr下
地層,膜厚約500ÅのCo合金磁性層,膜厚約400Åの炭素
保護層を順次形成した。このとき炭素保護層表面のRaは
100Åとなった。この炭素保護層上にフロロカーボン系
の液体潤滑剤フォンブリンAM−2001(商品名,モンテジ
ソン製)を次の条件でスピンコートして潤滑層を形成し
磁気記録媒体とした。
希釈液 フロリナート77 (商品名,3M製) 希釈濃度 0.1% 液量 150μ スピンコーター回転数 3600rpm スピンコーター回転時間 15sec このようにしてスピンコートされた潤滑層の膜厚をユリ
プソメータ,ESCA,FT−iRなどで測定したところ約30Åで
あった。
プソメータ,ESCA,FT−iRなどで測定したところ約30Åで
あった。
この媒体について、表面の突起数および摩擦係数を調べ
るためにグライドハイトテスト(GHT)とスライディン
グコンタクトテストとを行った。
るためにグライドハイトテスト(GHT)とスライディン
グコンタクトテストとを行った。
グラインドハイトテストは媒体表面の突起数を調べるテ
ストであって、媒体を回転させ回転数に応じて浮上走行
する磁気ヘッドを媒体の半径方向に移動させ、磁気ヘッ
ドが媒体表面の突起に衝突したときの衝撃を磁気ヘッド
のアームに取り付けたAE(アコースティックエミッショ
ン)素子で検出して突起の有無および個数を知る方法
で、磁気ヘッドを0.15μmの低浮上量で走行させたとき
の突起数を調べたところ1.2個/媒体片面であった。
ストであって、媒体を回転させ回転数に応じて浮上走行
する磁気ヘッドを媒体の半径方向に移動させ、磁気ヘッ
ドが媒体表面の突起に衝突したときの衝撃を磁気ヘッド
のアームに取り付けたAE(アコースティックエミッショ
ン)素子で検出して突起の有無および個数を知る方法
で、磁気ヘッドを0.15μmの低浮上量で走行させたとき
の突起数を調べたところ1.2個/媒体片面であった。
また、スライディングコンタクトテストは、磁気ヘッド
に所定の垂直荷重をかけて媒体表面に接触させた状態で
所定の回転速度で媒体を回転させたとき摺動する磁気ヘ
ッドに加わる摩擦力を歪ゲージで検知して摩擦係数を知
る方法で一種の摩擦・磨耗試験である。垂直荷重10gf,
媒体回転数86.7rpmで媒体中心から半径42mmの位置で、
チタン酸カルシウムミニコンポジットヘッドを1時間摺
動させたときの摩擦係数の最大値は0.20であった。
に所定の垂直荷重をかけて媒体表面に接触させた状態で
所定の回転速度で媒体を回転させたとき摺動する磁気ヘ
ッドに加わる摩擦力を歪ゲージで検知して摩擦係数を知
る方法で一種の摩擦・磨耗試験である。垂直荷重10gf,
媒体回転数86.7rpmで媒体中心から半径42mmの位置で、
チタン酸カルシウムミニコンポジットヘッドを1時間摺
動させたときの摩擦係数の最大値は0.20であった。
さらに、媒体表面に磁気ヘッドを接触停止させて放置し
たが吸着は起こらなかった。
たが吸着は起こらなかった。
比較例1 比較のために、実施例1と同様の媒体で液体潤滑剤を塗
布しない前のもの、すなわち潤滑層を設けず炭素保護層
を表面とする媒体について、実施例1と同様のテストを
行ったところ、突起数は実施例1の媒体と変わらず1.2
個/媒体片面であったが、摩擦係数の最大値は0.38と大
きな数値を示した。
布しない前のもの、すなわち潤滑層を設けず炭素保護層
を表面とする媒体について、実施例1と同様のテストを
行ったところ、突起数は実施例1の媒体と変わらず1.2
個/媒体片面であったが、摩擦係数の最大値は0.38と大
きな数値を示した。
以上の結果より、実施例1の媒体は突起数が少なく、か
つ、摩擦係数の最大値が小さく、しかも磁気ヘッドの吸
着も起こらない良好な媒体であり、表面のRaが100Å程
度である保護層上に液体潤滑剤を膜厚30Å程度に均一に
塗布して潤滑層を形成することが有効であることが判
る。
つ、摩擦係数の最大値が小さく、しかも磁気ヘッドの吸
着も起こらない良好な媒体であり、表面のRaが100Å程
度である保護層上に液体潤滑剤を膜厚30Å程度に均一に
塗布して潤滑層を形成することが有効であることが判
る。
実施例2 実施例1において、液体潤滑剤の希釈濃度を0.1%から
0.2%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は60Åであった。この媒体に
ついて実施例1と同様のテストを行った結果、突起数は
1.2個/媒体片面と変わらず、摩擦係数の最大値は0.17
とさらに小さくなり、しかも磁気ヘッドの吸着は起こら
ず優れた媒体であった。
0.2%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は60Åであった。この媒体に
ついて実施例1と同様のテストを行った結果、突起数は
1.2個/媒体片面と変わらず、摩擦係数の最大値は0.17
とさらに小さくなり、しかも磁気ヘッドの吸着は起こら
ず優れた媒体であった。
比較例2 実施例1において、液体潤滑剤の希釈濃度を0.1%から
0.05%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は15Åであった。この媒体に
ついて実施例1と同様のテストを行った結果、突起数は
変わらないが摩擦係数の最大値は0.29と実施例よりは大
きく、液体潤滑剤塗布の効果があまりでていない。
0.05%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は15Åであった。この媒体に
ついて実施例1と同様のテストを行った結果、突起数は
変わらないが摩擦係数の最大値は0.29と実施例よりは大
きく、液体潤滑剤塗布の効果があまりでていない。
比較例3 実施例1において、液体潤滑剤の希釈濃度を0.1%から
0.5%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は140Åであった。この媒体
について実施例1と同様のテストを行った結果、摩擦係
数の最大値が1.10と大幅に増加し、磁気ヘッドを媒体に
接触停止して放置したら10分間で吸着が起きた。
0.5%に変えたこと以外は実施例1に準じて媒体を作製
したところ、潤滑層の膜厚は140Åであった。この媒体
について実施例1と同様のテストを行った結果、摩擦係
数の最大値が1.10と大幅に増加し、磁気ヘッドを媒体に
接触停止して放置したら10分間で吸着が起きた。
以上の結果により、保護層表面に塗布する液体潤滑剤の
効果はその膜厚により大幅に変わることが判る。さら
に、この液体潤滑剤の膜厚の影響を調べるために、保護
層の表面粗さをRaで20Å,40Å,150Åと変え、それぞれ
の表面に対して液体潤滑剤の膜厚を0,15Å,30Å,60Å,1
40Åとした媒体を作製し、実施例1と同様のテストを行
った結果を、前述の実施例,比較例の結果も含めてまと
めて第1表に示す。総合評価欄において、◎印は優,○
印は良,△はやや不良,×印は不良であることを示す。
効果はその膜厚により大幅に変わることが判る。さら
に、この液体潤滑剤の膜厚の影響を調べるために、保護
層の表面粗さをRaで20Å,40Å,150Åと変え、それぞれ
の表面に対して液体潤滑剤の膜厚を0,15Å,30Å,60Å,1
40Åとした媒体を作製し、実施例1と同様のテストを行
った結果を、前述の実施例,比較例の結果も含めてまと
めて第1表に示す。総合評価欄において、◎印は優,○
印は良,△はやや不良,×印は不良であることを示す。
第1表に見られるように、保護層の表面粗さがRaで20Å
および150Åの媒体は突起数が多くて不良である。このR
aが40Åおよび100Åの媒体は突起数は少なくて良好であ
る。
および150Åの媒体は突起数が多くて不良である。このR
aが40Åおよび100Åの媒体は突起数は少なくて良好であ
る。
また、液体潤滑剤の膜厚によって摩擦係数の最大値が異
なってくる。膜厚30Åおよび60Åの媒体はこの値が小さ
く、膜厚がこれより薄くなっても厚くなってもこの摩擦
係数の最大値は大きくなり、特に膜厚140Åの媒体にお
いては磁気ヘッドの吸着が起きる。これを図を用いて説
明すると、保護層の表面粗さに対して液体潤滑剤の塗布
量が少なく膜厚が薄い場合、第2図の概念的要部部分断
面図に示すように液体潤滑剤1は磁性層3の上に形成さ
れた保護層2の凹部にたまり、保護層2の全表面を覆う
均一な膜厚の潤滑層を形成することができないので、摩
擦係数はあまり低減されず耐摩擦・磨耗特性は改善され
ない。逆に液体潤滑剤の塗布量が多く膜厚が厚い場合
は、第3図に示すように、液体潤滑剤1が保護層2の微
細にあれた表面を埋めつくしてしまい、液体潤滑剤で形
成される潤滑層の表面粗さは小さくなり、耐摩擦・磨耗
特性は改善されるが吸着しやすい表面になり摩擦係数も
大きくなる。これらに対して、保護層の表面粗さに対応
して適量の液体潤滑剤が塗布された場合には、第1図に
示すように、液体潤滑剤1は保護層2の微細にあれた表
面の凹凸に沿った均一な膜厚の薄膜の潤滑層を形成する
ので摩擦係数が大幅に低減して耐摩擦・磨耗特性が改善
され、しかも磁気ヘッドの吸着も起こりにくい。
なってくる。膜厚30Åおよび60Åの媒体はこの値が小さ
く、膜厚がこれより薄くなっても厚くなってもこの摩擦
係数の最大値は大きくなり、特に膜厚140Åの媒体にお
いては磁気ヘッドの吸着が起きる。これを図を用いて説
明すると、保護層の表面粗さに対して液体潤滑剤の塗布
量が少なく膜厚が薄い場合、第2図の概念的要部部分断
面図に示すように液体潤滑剤1は磁性層3の上に形成さ
れた保護層2の凹部にたまり、保護層2の全表面を覆う
均一な膜厚の潤滑層を形成することができないので、摩
擦係数はあまり低減されず耐摩擦・磨耗特性は改善され
ない。逆に液体潤滑剤の塗布量が多く膜厚が厚い場合
は、第3図に示すように、液体潤滑剤1が保護層2の微
細にあれた表面を埋めつくしてしまい、液体潤滑剤で形
成される潤滑層の表面粗さは小さくなり、耐摩擦・磨耗
特性は改善されるが吸着しやすい表面になり摩擦係数も
大きくなる。これらに対して、保護層の表面粗さに対応
して適量の液体潤滑剤が塗布された場合には、第1図に
示すように、液体潤滑剤1は保護層2の微細にあれた表
面の凹凸に沿った均一な膜厚の薄膜の潤滑層を形成する
ので摩擦係数が大幅に低減して耐摩擦・磨耗特性が改善
され、しかも磁気ヘッドの吸着も起こりにくい。
かくして、保護層の表面粗さがRaで40Åであり、膜厚30
Åまたは60Åの液体潤滑剤を塗布されたNo.8およびNo.9
の媒体は突起が少なく、かつ非常に優れた機械的耐久性
を有する媒体となり、保護層の表面粗さがRaで100Åで
あり、膜厚30Åまたは60Åの液体潤滑剤を塗布されたN
o.13およびNo.14の媒体(実施例1および2の媒体)も
また突起が少なく、かつ機械的耐久性の良好な媒体とな
る。
Åまたは60Åの液体潤滑剤を塗布されたNo.8およびNo.9
の媒体は突起が少なく、かつ非常に優れた機械的耐久性
を有する媒体となり、保護層の表面粗さがRaで100Åで
あり、膜厚30Åまたは60Åの液体潤滑剤を塗布されたN
o.13およびNo.14の媒体(実施例1および2の媒体)も
また突起が少なく、かつ機械的耐久性の良好な媒体とな
る。
以上の結果より、保護層の表面粗さをRaで40Å以上100
Å以下の範囲内にし、その上に形成する液体潤滑剤から
なる潤滑層の膜厚を30Å以上60Å以下の範囲内とするこ
とにより、摩擦係数が小さく、耐摩擦・磨耗特性が優
れ、かつ磁気ヘッドの吸着が起きにくく、しかも突起の
少ない表面を有する媒体が得られることが判る。
Å以下の範囲内にし、その上に形成する液体潤滑剤から
なる潤滑層の膜厚を30Å以上60Å以下の範囲内とするこ
とにより、摩擦係数が小さく、耐摩擦・磨耗特性が優
れ、かつ磁気ヘッドの吸着が起きにくく、しかも突起の
少ない表面を有する媒体が得られることが判る。
上述のように、本発明によれば、摩擦係数が小さくて摩
擦・磨耗が少なく、磁気ヘッドの吸着が起きにくく、し
かも突起の少ない表面を有する機械的耐久性の著しく向
上した、強磁性金属薄膜磁気記録媒体を得ることができ
る。このような媒体を搭載した固定磁気ディスク装置は
非常に信頼性が向上し、得られる効果は極めて大きい。
擦・磨耗が少なく、磁気ヘッドの吸着が起きにくく、し
かも突起の少ない表面を有する機械的耐久性の著しく向
上した、強磁性金属薄膜磁気記録媒体を得ることができ
る。このような媒体を搭載した固定磁気ディスク装置は
非常に信頼性が向上し、得られる効果は極めて大きい。
第1図,第2図および第3図は、媒体の保護層および液
体潤滑剤塗布膜を示す概念的な要部部分断面であり、第
1図は本発明の一実施例のもの、第2図は液体潤滑剤の
塗布量が少ない比較例のもの、第3図は液体潤滑剤の塗
布量が多い比較例のものである。 1……液体潤滑剤、2……保護層、3……磁性層。
体潤滑剤塗布膜を示す概念的な要部部分断面であり、第
1図は本発明の一実施例のもの、第2図は液体潤滑剤の
塗布量が少ない比較例のもの、第3図は液体潤滑剤の塗
布量が多い比較例のものである。 1……液体潤滑剤、2……保護層、3……磁性層。
Claims (4)
- 【請求項1】非磁性基板上に形成された強磁性金属薄膜
からなる磁性層上に保護層,液体潤滑剤を塗布した潤滑
層を順次積層して設けてなる磁気記録媒体において、前
記保護層表面の中心線平均粗さRaが40Å以上100Å以下
の範囲内にあり、かつ、前記潤滑層を形成する液体潤滑
剤の膜厚が30Å以上60Å以下の範囲内にあることを特徴
とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の媒体におい
て、保護層が炭素からなることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項記載の
媒体において、液体潤滑剤がフロロカーボン系であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1項,第2項または第3
項いずれかに記載の媒体において、磁性層がコバルト
(Co)合金系であることを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25307987A JPH0778870B2 (ja) | 1987-10-07 | 1987-10-07 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25307987A JPH0778870B2 (ja) | 1987-10-07 | 1987-10-07 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0196820A JPH0196820A (ja) | 1989-04-14 |
JPH0778870B2 true JPH0778870B2 (ja) | 1995-08-23 |
Family
ID=17246196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25307987A Expired - Fee Related JPH0778870B2 (ja) | 1987-10-07 | 1987-10-07 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0778870B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03130919A (ja) * | 1989-07-07 | 1991-06-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体 |
US5637373A (en) | 1992-11-19 | 1997-06-10 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
US6805941B1 (en) | 1992-11-19 | 2004-10-19 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
-
1987
- 1987-10-07 JP JP25307987A patent/JPH0778870B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0196820A (ja) | 1989-04-14 |
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