JPH051258A - 光学プラスチツク成形品用塗料組成物 - Google Patents

光学プラスチツク成形品用塗料組成物

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JPH051258A
JPH051258A JP3153117A JP15311791A JPH051258A JP H051258 A JPH051258 A JP H051258A JP 3153117 A JP3153117 A JP 3153117A JP 15311791 A JP15311791 A JP 15311791A JP H051258 A JPH051258 A JP H051258A
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titanium oxide
optical plastic
coating composition
group
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裕久 加藤
Michiyo Honda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高屈折率の光学プラスチック成形品であって
も、本体の光学的機能を阻害せず、かつ、プラスチック
成形品自体を光劣化等から十分に保護し得る光学プラス
チック成形品用塗料組成物を提供すること。 【構成】 下記必須成分を下記組成で含有することを特
徴とする光学プラスチック成形品用塗料組成物 (A) シラン化合物の加水分解物…1重量部、(B) 酸化チ
タンに酸化けい素が、酸化けい素/酸化チタン=0.0
3〜0.7の重量組成比で一体的に結合されてなり、粒
径が1〜100μmである酸化チタン系複合微粒子…
0.2〜5重量部、(C) 不飽和もしくは飽和の多価カル
ボン酸またはそれらの酸無水物…0.02〜0.5重量
部、(D) 熱硬化性触媒…0.01〜0.2重量部、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学プラスチック成形
品用塗料組成物に関する。
【0002】ここで、光学プラスチック成形品とは、眼
鏡レンズ、カメラ用レンズ、その他光学部品に使用され
るプラスチック成形品を意味する。
【0003】次に、本明細書における金属酸化物と化学
式の対応の一覧を示す。
【0004】 酸化チタン…Ti02 、酸化けい素…SiO2 なお、以下の説明で配合単位及び組成比は、特に断らな
い限り重量基準とする。粒径の単位「mμ」は、SI単
位の「nm」に相当する。
【0005】
【従来の技術】光学プラスチック成形品は、その軽量
性、優れた加工性・耐衝撃性などの特性故に、あらゆる
分野における利用が期待されている。しかし、耐擦傷
性、耐光性、耐熱性等に劣るため一定の限度がある。硬
度、耐擦傷性、耐光性は、屈折率が高い程、低下する傾
向にある。
【0006】これらの問題点を解決するために、ハード
コートを光学プラスチック成形品に施すことが一般的に
行われている。
【0007】そして、上記ハードコート用の塗料組成物
として、本発明者らは、先に、エポキシ基含有シラン化
合物、カルボン酸類、及び硬化剤からなる可染性の光学
プラスチック成形品用塗料組成物を提案し、一部実用化
した(特公昭57−42665号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、当該塗料組成
物を、高屈折率(屈折率1.6以上)の光学プラスチッ
ク成形品に適用した場合、塗膜の屈折率が1.50近辺
であるため、光学的干渉を起し、当該成形品の光学的機
能を阻害することが分った。
【0009】また、光学プラスチック成形品自体の光劣
化等により塗膜の密着性に問題が発生し易かった。
【0010】本発明は、上記にかんがみて、高屈折率の
光学プラスチック成形品であっても、本体の光学的機能
を阻害せず、かつ、プラスチック成形品自体を光劣化等
から十分に保護し得る光学プラスチック成形品用塗料組
成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を下
記構成により解決するものである。
【0012】下記必須成分を下記組成で含有することを
特徴とする光学プラスチック成形品用塗料組成物 (A) シラン化合物の加水分解物…1重量部、(B) 酸化チ
タンに酸化けい素が、酸化けい素/酸化チタン=0.0
3〜0.7の重量組成比で一体的に結合されてなり、粒
径が1〜100mμである酸化チタン系複合微粒子…
0.2〜5重量部、(C) 不飽和もしくは飽和の多価カル
ボン酸またはそれらの酸無水物…0.02〜0.5重量
部、(D) 熱硬化性触媒…0.01〜0.2重量部、
【0013】
【手段の詳細な説明】
A.シラン化合物の加水分解物: (1) 上記シラン化合物としては、下記一般式で示され
るエポキシ基含有シラン化合物を必須成分とする。
【0014】一般式: Ra 1b 2Si(OR34-(a+b) (式中R1 は炭素数2〜8のエポキシ基を含む有機基、
2 は炭素数1〜3の炭化水素基、ハロゲン炭化水素
基、アリール基、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、ア
ルコキシアルキル基、もしくは、アシル基である。ま
た、a=1、b=1又は2である。) シラン化合物の具体例を下記する。
【0015】「グリシドキシメチルトリメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、グリシド
キシメチルトリプロポキシシラン、グリシドキシメチル
トリブトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメト
キシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラ
ン、α−グリシドキシエチルトリプロポキシシラン、α
−グリシドキシエチルトリブトキシシラン、β−グリシ
ドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエ
チルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリ
プロポキシシラン、β−グリシドキシエチルトリブトキ
シシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、α
−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、α−グ
リシドキシプロピルトリブトキシシラン、β−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
トリプロポキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリ
ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、α
−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシ
ドキシブチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシブ
チルトリプロポキシシラン、α−グリシドキシブチルト
リブトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラ
ン、β−グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、β
−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、γ−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリブトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジトキシシラン、
グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、グリシド
キシメチルメチルジプロポキシシラン、グリシドキシメ
チルメチルジブトキシシラン、α−グリシドキシエチル
メチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチ
ルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジ
プロポキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジブ
トキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジブトキシシラ
ン。」 (2) 上記以外のシラン化合物としては、下記一般式で
示されるテトラアルコキシシランを併用することが望ま
しい。
【0016】一般式 Si(OR14 (式中、R1 は、アルキル基、又はアルコキシアルキル
基である。) テトラアルコキシシランの具体例を下記する。
【0017】「テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、テトラメチルメトキシシラン、テトラエチルエトキ
シシラン、テトラプロピルプロポキシシラン、テトラブ
チルブトキシシラン。」 (3) 一般式で示されるエポキシ基含有シラン化合物
は、耐摩耗性、可染性、耐衝撃性、透明性、耐熱水性、
可塑性などを塗膜(ハードコート)に付与し、一般式
で示されるテトラアルコキシシランは耐摩耗性を塗膜に
付与する。テトラアルコキシシランで示されるシラン化
合物は、エポキシ基含有シラン化合物に比べて耐熱水
性、可塑性を塗膜に付与しがたい。このため、本発明の
塗料組成物は、シラン化合物として、上記エポキシ基含
有シラン化合物単独、両者の組み合わせとする。この場
合の両シラン化合物の組成比は、前者、1部に対して、
後者は0.1〜2部が望ましい。
【0018】(4) シラン化合物の加水分解は、アルコキ
シ基との純水又は希塩酸水溶液などの酸性水溶液により
行う。また、シラン化合物と溶媒を混合した後加水分解
を行うことも可能である。
【0019】上記、溶媒としては、低級アルコール類、
ケトン類、エーテル類、およびトルエン、キシレン及び
単官能性のエポキシ類等が挙げられる。さらに、目的に
応じて初期縮合物の反応を短時間に進める場合は、50
〜80℃で5〜8h還流する。室温において行う場合
は、24〜84h放置する。
【0020】B.酸化チタン系複合微粒子: (1) 酸化チタン系複合微粒子は、酸化チタンに酸化けい
素が一体的に結合されてなるものであり、その配合量
は、上記シラン化合物の加水分解物1部に対して0.2
〜5部(望ましくは0.5〜3部)とする。
【0021】当該酸化チタン系複合微粒子が0.2部未
満では、塗膜に近紫外線遮断効果を付与することが期待
できず、また、5部を超すと塗膜白化、塗膜の耐擦傷性
の低下等の問題点が発生し易い。
【0022】また当該複合部粒子の粒径は、1〜100
mμ(望ましくは2〜60mμ)とする。1mμ未満で
は、塗膜の耐擦傷性及び屈折率の向上を期待できず、1
00mμを超すと塗膜白化の問題点が発生し易い。
【0023】(2) 酸化チタンと酸化けい素との結合態様
は、化学的に結合された複合酸化物タイプ、酸化け
い素が酸化チタンに均一に溶解されてなる固溶体タイ
プ、等がある。
【0024】酸化チタン系複合微粒子は、従来の酸化チ
タン単独の微粒子に比して高屈折率の特性を損なうこと
なく光学活性を抑制することができる。従って、塗膜及
び被塗布物(光学プラスチック成形品)双方の近紫外線
による劣化作用を低減させることができる。
【0025】酸化チタン系複合微粒子の適性組成比は
酸化けい素/酸化チタン=0.03〜0.7(望ましく
は0.05〜0.5)とする。0.03未満では、塗膜
に近紫外遮断作用をほとんど期待できず、このため、光
学プラスチック成形品基体、及び塗膜自体の劣化等が促
進されて黄変密着不良を起し易い。0.7を超えると酸
化チタンの塗膜に対する屈折率向上寄与作用が減殺され
る。このため、光学プラスチック成形品の高屈折率対応
が困難となり、プラスチック成形品用塗膜としての用途
が大幅に制限される。
【0026】(3) 上記酸化チタン系酸化チタン系複合微
粒子の製造方法は、例えば、特開昭63−185820
号に記載されている方法で行うことが望ましい。
【0027】酸化チタン/酸化けい素の組み合わせの場
合は、慣用の方法により、水和酸化けい素ゾルと水和酸
化チタンゾルを作成し、酸で解膠させた後、過酸化水素
を加えて溶解させ、高温にて加水分解させる。
【0028】上記加水分解物は、イオン交換・逆浸透・
限外ろ過・真空蒸発法により精製処理して複合微粒子と
する。
【0029】(4) なお、上記酸化チタン系複合微粒子
は、シランカップリング剤で表面改質して用いることが
望ましい。このように酸化チタン系複合微粒子を表面改
質することにより、シラン化合物との混和性がさらに向
上し、塗膜物性に耐擦傷性向上等の好影響を与える。
【0030】ここで、表面改質とは、酸化チタン・酸
化けい素の粒子表面に残存している水酸基をシランカツ
プリング剤でブロックすることにより、複合微粒子の分
散性を改善する処理を言う。
【0031】上記表面改質に使用するシランカップリ
ング剤としては、下記のものを例示できる。
【0032】「テトラメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン。」 上記表面改質方法としては、慣用の方法で行うことが
できる。例えば、上記有機シラン化合物を溶かしたアル
コール溶液に浸漬して行う。
【0033】C.多価カルボン酸類: (1) 多価カルボン酸類には、飽和または不飽和の双方を
含み、それらの酸無水物も含む。その配合量は、上記シ
ラン化合物の加水分解物1部に対して0.02〜0.5
部(望ましくは0.05〜0.4部)とする。
【0034】多価カルボン酸類は、上記シラン化合物
の加水分解後のシラノール基を縮合させる。このため、
ポリシロオキサンの側鎖にカルボキシル基が導入され、
塗料の染色が可能となり、かつ耐熱性耐熱水性、耐電防
止性耐摩耗性、表面硬度に優れた塗膜が得られる。ま
た、当該多価カルボン酸類は、後述の熱硬化性触媒の触
媒作用を促進せる助触媒的作用を奏する。
【0035】多価カルボン酸類の配合量が、0.2部
未満では、塗膜における耐熱水性、耐摩耗性、表面硬度
の改善が期待できず、0.05部を超えると塗膜にした
とき、この多価カルボン酸自体がブルームし、外観を損
ねるおそれがある。
【0036】(2) 多価カルボン酸類の具体例を下記す
る。
【0037】「マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、無水フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シト
ラコン酸、無水シトラコン酸、リンゴ酸、無水リンゴ
酸、テトラヒドロフタル酸、無水ナジック酸、クロルマ
レイン酸、ヘット酸(クロレンド酸)、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメ
リット酸。」 これらの中で、マレイン酸、イタコン酸、トリメリット
酸、無水トリメリット酸が望ましい。
【0038】D.熱硬化性触媒: (1) この熱硬化性触媒は、上記シラン化合物中のエポキ
シ基重合反応とシラノール基縮重合反応の触媒として働
き塗膜樹脂の架橋度を高める。
【0039】この熱硬化性触媒の配合量は、上記シラン
化合物 1部に対して0.01〜0.2部(望ましくは、
0.02〜0.15部)とする。0.01部未満では、
十分な耐熱水性・耐摩耗性・表面硬度を塗膜に付与しが
たく、0.2部を超えると、熱硬化性触媒自体がブルー
ムし易く塗膜外観を損ねる。
【0040】(2) 上記熱硬化性触媒としては、例えば、
下記の一般式で示されるイミダゾール化合物を使用可
能である。
【0041】
【化1】
【0042】(但し、R1 はH又は炭素数が1〜3のシ
アノアルキル基、R2 は水素、フェニル基又は炭素数が
1〜3のアルキル基、R3 は水素、又は炭素数が1〜3
のアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル
基及びヒドロキシメチル基、R4 は水素、ヒドロキシメ
チル基、及び、炭素数が1〜3のアルコキシアルキル基
である。
【0043】イミダゾール化合物の具体例を下記する。
【0044】「2−メチルイミダゾール、2−エチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2
−プロピルイミダゾール、2−プロピル−4−メチルイ
ミダゾール、2−プロピル−4−エチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
イミダゾール、1−シアノメチル−2−メチルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2,4−ジメチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−プロピルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ
シアノエトキシイミダゾール。」 これらの中で、置換基R1 がシアノアルキル基であると
ころの1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−プロピルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル
−2−フェニル−4,5−ジシアノメチルイミダゾール
が望ましい。
【0045】上記イミダゾール系触媒の他の熱硬化性触
媒としては、ジシアンアミド、下記一般式で示される
アセチルアセトン金属塩、及びライネッケ塩等を挙げる
ことができる。
【0046】 一般式:M(CH2 COCH2 COCH3n (但し、Mは、Zn(II)、Co(III )、Fe(III
)、Cr(III )、Al(III );nは、Mの価数に
相当する数字:2または3) E.塗料組成物の調製・塗布: (1) 本発明の塗料組成物は、塗膜の各性能を改善するた
めに種々の添加剤を配合することが望ましい。
【0047】例えば、被塗布物(光学プラスチック成形
品)との密着性、染色性を向上させるための添加剤とし
ては、ポリオレフィン系エポキシ樹脂、ポリグリシジル
エステル樹脂、エピクロロヒドリンとビスフェノールA
の縮重合物、グリシジルメタクリレート、アクリル共重
合物、等がある。
【0048】また、被塗布物に紫外線が到達するのを阻
止するための紫外線吸収材として、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系、フェノール系等の紫外線吸収剤
がある。
【0049】さらに、塗膜の平滑性を向上させるための
レベリング剤として、シリコーン系界面活性剤、フッ素
系界面活性剤がある。
【0050】(2) 塗布方法としては、刷毛塗り、ロール
塗り、スプレー法、スピン法、浸漬法等通常用いられて
いる方法が可能である。この際、乾燥塗膜厚が、0.5
〜20μm(望ましくは1〜7μm)となるように塗布
する。
【0051】被塗布物の前処理方法としては、酸アルカ
リ洗剤溶剤による脱脂洗浄、プラズマ処理、超音波洗浄
などが挙げられる。
【0052】本発明の塗料組成物の硬化は、加熱処理す
ることにより行う。被塗布物の特性によるが、60〜1
50℃の温度範囲が良好な結果を与え、特に、80〜1
00℃が望ましい。また、加熱は2〜3h以上かけるこ
とが良好な結果を与える。
【0053】(3) 本発明の塗料組成物を適用可能な被塗
布物(光学プラスチック成形品)のプラスチック材料と
しては、ポリメチルメタリレート、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオ
ウレタン、脂肪族アリルカーボネート、芳香族アリルカ
ーボネート、等を挙げることができる。
【0054】
【発明の作用・効果】本発明は光学プラスチック成形品
用塗料組成物は、上記のような構成により、被塗布物
(プラスチック成形品)に塗布して硬化させることによ
り、高屈折率の光学プラスチック成形品であっても、当
該プラスチック成形品の光学的機能を阻害せず、かつ、
プラスチック成形品を光劣化等から十分に保護し得る。
【0055】即ち、本発明は光学プラスチック成形品塗
料組成物は、従来の同種の塗料組成物に比較し、骨格と
なる有機ケイ素化合物と特殊な酸化チタン系複合微粒子
に反応性の良な多価カルボン酸及びその無水物と硬化剤
の組み合わせにより、耐候性、耐衝撃性、金属蒸着膜と
の密着性、透明性、耐熱性、耐熱水性、可染性、耐摩耗
性、耐薬品性、可塑性を塗膜に付与し、光学用プラスチ
ック成形品の屈折率に対応した塗膜を提供可能となる。
【0056】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明する。本発明は、下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0057】A.各実施例に使用した被塗布物及び硬化
剤は下記のとおりである。
【0058】(i) 各実施例の被塗布物 実施例1〜3 比較例1〜3:ポリカーボネート成形
品(ジェネラルエレクトリック社製、「レクサン」)を
使用した。
【0059】実施例4〜10、比較例4〜6、7・
9:プラスチック組成物(モノマー組成:ジフェイン酸
ジアリル90部、ウレタンアクリレート10部(新中村
工業(株)製「NKU−200AX」)、ジイソプロル
パーオキシジカーボネート4部)で注型成形したメガネ
用レンズ(80mmφ、中心厚2mm、度数:−2.0
0D)を使用した。
【0060】(ii)硬化剤 各実施例において下記符号によって示す。
【0061】IM−4 :2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール IM−8 :2−フェニル−4−メチルイミダゾール IM−12:1−シアノエチル−2−メチルイミダゾー
ル B.塗膜の各性能試験は次のように行なった。試験結果
は、表1(実施例1〜3、比較例1〜3)及び表2(実
施例4〜10、比較例4〜6、7・9)にそれぞれ示
す。
【0062】(i) 耐摩耗性試験 #0000のスチールウールに表面をこすり次の様に判
定した。
【0063】A ほとんど傷が付かない。
【0064】B 少しの傷が付く。
【0065】C 多くの傷が付く。
【0066】(ii)表面硬度試験 JISK−5400に従い、鉛筆引掻き試験機(荷重1
kg)により測定し、傷の付かない最高の鉛筆硬度を表
示した。
【0067】(iii) 外観 干渉縞の有無について 背景を黒くした中に蛍光燈(3波長形昼白色)[商品
名;ルピカエース15W:三菱電機(株)製]を置き蛍
光燈光を対象物表面で反射させ対象物表面にできる光干
渉色(虹模様)の有無により判定した。
【0068】A 光干渉色が認められない。
【0069】B 微に光干渉色が認められる。
【0070】C はっきりと光干渉色が認められる。
【0071】曇りの有無について 上記条件にて蛍光燈光を対象物に透過させ対象物の曇り
の有無により判定した。
【0072】(iv)密着性試験 JISD−0202に従い、升目100個を作り、セロ
ハン粘着テープにより剥離試験を3回行ない、残った升
目の数で示す。
【0073】(v) 耐熱水性試験 100℃の沸騰水に1h浸漬し、外観及び塗膜の密着性
等により判定。
【0074】(vi)耐侯性試験 促進耐侯性試験(スガ試験(株)製「サンシャインスー
パーロングライフウェザーメーター」)で400h暴露
し、外観等の異常の有無にて判定した。
【0075】(vii) 染色性試験 90℃の熱水100部に染料(三菱化成工業(株)製
「ダイアニックスブラウン2B−FS」)0.4部と界
面活性剤(日本染化工業(株)製「GNK−01」)
0.4部を添加し、撹拌後対象物を5分間浸漬し、55
0nmの減光率を測定した。なお、減光率は視感透過率
計(UJIKODEN社製「Core、SMS−1」)
にて測定した。
【0076】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記必須成分を下記組成で含有することを
    特徴とする光学プラスチック成形品用塗料組成物 (A) シラン化合物の加水分解物…1重量部、(B) 酸化チ
    タンに該酸化けい素が、酸化けい素/酸化チタン=0.
    03〜0.7の重量組成比で一体的に結合されてなり、
    粒径が1〜100mμである酸化チタン系複合微粒子…
    0.2〜5重量部、(C) 不飽和若しくは飽和の多価カル
    ボン酸またはそれらの酸無水物…0.02〜0.5重量
    部、(D) 熱硬化性触媒…0.01〜0.2重量部、
  2. 【請求項2】請求項1記載の光学プラスチック成形品用
    塗料組成物において、前記シラン化合物が、 一般式: Ra 1b 2Si(OR34-(a+b) (式中R1 は炭素数2〜8のエポキシ基を含む有機基、
    2 は炭素数1〜3の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素
    基、アリール基、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、ア
    ルコキシアルキル基、もしくは、アシル基である。また
    a=1、b=1又は2である。)で示されるものである
    ことを特徴とする光学プラスチック成形品用塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1の光学プラスチック成形品用塗料
    組成物において、前記酸化チタン系複合微粒子がシラン
    カップリング剤で表面改質されたものであることを特徴
    とする光学プラスチック成形品用塗料組成物。
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