JP3027675B2 - 硬化被膜を有する光学部材 - Google Patents

硬化被膜を有する光学部材

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JP3027675B2 JP5234709A JP23470993A JP3027675B2 JP 3027675 B2 JP3027675 B2 JP 3027675B2 JP 5234709 A JP5234709 A JP 5234709A JP 23470993 A JP23470993 A JP 23470993A JP 3027675 B2 JP3027675 B2 JP 3027675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化被膜を有する光学部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズなどのプラスチック
成形品の耐擦傷性を向上させるために、その表面に硬化
被膜を施すことは良く知られている。例えば、特公昭5
7−2735号公報には、プラスチックレンズの表面
に、エポキシ基並びにシラノールおよび/またはシロキ
サン基の両者又は一方を含有する化合物と、粒径1ない
し100ミリミクロンのシリカ微粒子と、アルミニウム
キレート化合物とからなるコーティング組成物を塗布硬
化して硬化被膜を形成する方法が開示されている。
【0003】しかしながら、前記特公昭57−2735
号公報に開示されたコーティング組成物をプラスチック
レンズに塗布硬化して硬化被膜を形成した場合、プラス
チックレンズの種類によっては、プラスチックレンズと
硬化被膜との密着性が不十分であり、硬化被膜が剥離し
やすいという欠点がある。そのため、予めプラスチック
レンズにプラズマ処理、プライマー処理などの前処理を
施した後、コーティング組成物を塗布硬化することも行
なわれているが、このような前処理を施すことは工程が
煩雑になるだけでなく、このような前処理をしてもプラ
スチックレンズと硬化被膜との密着性は必ずしも十分で
ないという欠点がある。
【0004】これらの問題を解決するコーティング組成
物としては、例えば特開平4−271301号公報に記
載のものがある。該公報には、プラスチックレンズの表
面に、エポキシ基を含有する有機ケイ素化合物と、粒径
1ないし100ミリミクロンのシリカ微粒子と、アルミ
ニウムキレート化合物と、ジアルキルジチオカルバミン
酸亜鉛および/またはジアルキルジチオカルバミン酸ナ
トリウムとを含むコーティング組成物を塗布硬化して得
られる硬化被膜を有する光学部材が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平4
−271301号公報に開示されたコーティング組成物
は、調合時においてジアルキルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸ナトリウムが溶解し
にくいという製造上好ましくない問題を有している。ま
た該コーティング組成物を用いて得られた硬化被膜を有
する光学部材は、基材と硬化被膜との密着性、さらには
硬化被膜と、所望によりその上に設けた無機蒸着膜との
密着性にバラツキが見られるという問題を有している。
【0006】本発明は上述した課題を解決するためにな
されたもので、その目的は、調合が容易なコーティング
組成物を用いて、従来の膜性能を損わず、基材と硬化被
膜との密着、さらには硬化被膜と無機蒸着膜との密着に
バラツキが少ない光学部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的は、基材の
表面上に、下記の(A),(B),(C)および(D)
を含むコーティング組成物を塗布硬化してなることを特
徴とする硬化被膜を有する光学部材によって達成され
た。
【0008】(A)一般式
【化4】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2
は炭素数1〜4のアルキレン基である)で示される有機
ケイ素化合物および/またはその加水分解物、(B)一
般式
【化5】 (式中、R3 は炭素数1〜4のアルキル基であり、n1
は1〜3の整数である)で示される芳香環含有有機ケイ
素化合物および/またはその加水分解物、(C)一般式
【化6】 (式中、XおよびR4 〜R7 は炭素数1〜4の有機基、
Yはエポキシ基を含む官能基であり、n2 は1〜3の整
数、n3 は1以上の整数である)で示されるシリケート
化合物、(D)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微
粒子。
【0009】以下、本発明を詳述する。
【0010】本発明で(A)成分として用いられる前述
した一般式(I)で示される有機ケイ素化合物として
は、式中のR1 がメチル基、エチル基、プロピル基また
はブチル基であり、R2 がメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基またはブチレン基であるものが好ましい。な
お、プロピル基、ブチル基、プロピレン基、ブチレン基
は分枝を有するものでもよい。
【0011】また(A)成分としては、有機ケイ素化合
物の加水分解物を用いることもでき、このような有機ケ
イ素化合物の加水分解物は、上記有機ケイ素化合物を部
分的にまたは完全に加水分解して得られる。この加水分
解は、塩酸、硫酸などの無機酸や酢酸などの有機酸の存
在下に行なうのが好ましい。(A)成分としての有機ケ
イ素化合物またはその加水分解物は単独または混合して
用いられる。また(A)成分として、上記有機ケイ素化
合物とその加水分解物を併用することもできる。
【0012】本発明で(B)成分として用いられる前述
した一般式
【化7】 (式中、R3 は炭素数1〜4のアルキル基であり、n1
は1〜3の整数である)で示される芳香環含有有機ケイ
素化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラ
ン、フェニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ
プロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、トリ
フェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラ
ン、トリフェニルプロポキシシラン、トリフェニルブト
キシシランなどが挙げられる。ここに上記例示化合物中
の「プロポキシ」基、「ブトキシ」基は分枝を有するも
のでもよい。
【0013】また(B)成分は前述した(A)成分同
様、有機ケイ素化合物の加水分解物を用いることができ
る。
【0014】(C)成分のシリケート化合物を示す一般
式において、XおよびR4 〜R7 は炭素数1〜4の有機
基、例えばアルキル基またはアルコキシ基であり、Yは
エポキシ基を含む官能基、例えばグリシドキシアルキル
基である。すなわち、(C)成分のシリケート化合物
は、シリケートにグリシドキシ基を有する有機ケイ素化
合物を付加してなるものであり、その望ましい特性範囲
は次の通りである。
【0015】エポキシ含有量 :1.5〜1.7me
q/g アルコキシ含有量:35〜45wt%(MeOHとし
て) SiO2 含有量 :40〜50wt% 粘度(25℃) :70cps以下 比重(25℃) :1.1〜1.3 (C)成分のシリケート化合物を例示すると、次のよう
なものがある。
【0016】(1)
【化8】 1,3−ビス[(トリ−γ−グリシドキシプロピルジメ
トキシシロキシ)−シロキシ]−1,3−テトラメトキ
シジシロキサン (2)
【化9】 1,7−ビス[(トリ−γ−グリシドキシプロピルジメ
トキシシロキシ)−シロキシ]−1,3,5,7−オク
タメトキシテトラシロキサン (3)
【化10】 1,3−ビス[(ジ−γ−グリシドキシプロピルジメト
キシシロキシ)−メトキシシロキシ]−1,3−テトラ
メトキシジシロキサン (4)
【化11】 1,7−ビス[(ジ−γ−グリシドキシプロピルジメト
キシシロキシ)−メトキシシロキシ]−1,3,5,7
−オクタメトキシテトラシロキサン (5)
【化12】 1,3−ビス[(γ−グリシドキシプロピルジメトキシ
シロキシ)−ジメトキシシロキシ]−1,3−テトラメ
トキシジシロキサン (6)
【化13】 1,7−ビス[(γ−グリシドキシプロピルジメトキシ
シロキシ)−ジメトキシシロキシ]−1,3,5,7−
オクタメトキシテトラシロキサン (7)
【化14】 1,3−ビス[(トリ−γ−グリシドキシプロピルジメ
トキシシロキシ)−シロキシ]−1,3−テトラエトキ
シジシロキサン (8)
【化15】 1,3−ビス[(ジ−γ−グリシドキシプロピルジメト
キシシロキシ)−メトキシシロキシ]−1,3−テトラ
エトキシジシロキサン (9)
【化16】 1,3−ビス[(γ−グリシドキシプロピルジメトキシ
シロキシ)−ジメトキシシロキシ]−1,3−テトラエ
トキシジシロキサン (D)成分として用いられる粒径1〜100ミリミクロ
ンのシリカ微粒子は、シリカ微粒子を水、有機溶媒また
はこれらの混合溶媒に分散させたコロイド溶液の形で用
いられる。このシリカ微粒子は、主に硬化被膜の耐擦傷
性を高める。シリカ微粒子を分散させるために用いられ
る有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアル
コール類などがある。シリカ微粒子の粒径は1〜100
ミリミクロンに限定され、特に好ましくは、5〜20ミ
リミクロンである。その理由は1ミリミクロン未満の粒
径では微粒子の安定性に欠け、硬化被膜の耐久性に劣
り、また100ミリミクロンを超える粒径では硬化被膜
の透明性に欠ける問題があり好ましくないからである。
【0017】本発明者は従来より知られている前述した
(A)成分と(D)成分からなる組成物に、(B)成分
の芳香環含有有機ケイ素化合物と、(C)成分のシリケ
ート化合物とを含有させることにより従来からの硬化被
膜の膜硬度などを低下させずにプラスチックレンズの種
類を問わず基材と硬化被膜との密着および硬化被膜と無
機蒸着膜との密着にバラツキがなくなること、さらに
(B)成分、(C)成分はアルコール類、ケトン類、セ
ロソルブ類、カルボン酸類などの溶媒と良好な相溶性を
有することより調合作業が容易になることを見い出し本
発明を完成するに至った。
【0018】なお本発明者の検討によれば、(A),
(C)および(D)成分からなり、(B)成分を欠くコ
ーティング組成物より作製される硬化被膜はプラスチッ
クレンズの種類によっては密着性が不十分であり、また
(A),(B)および(C)成分からなり、(D)成分
を欠くコーティング組成物より作製された硬化被膜は無
機蒸着膜との密着性が不十分であることが明らかとなっ
ている。
【0019】次に各成分の配合割合について説明する。
【0020】(B)成分の添加量は、(A)成分1重量
部に対して0.01〜0.5重量部、特に好ましくは
0.1〜0.3重量部とするのが好ましい。その理由は
0.01重量部未満であると、プラスチックレンズの種
類によっては硬化被膜との密着性向上効果が得られにく
く、また0.5重量部を超えると硬化被膜の耐擦傷性が
損われやすいからである。
【0021】(C)成分の添加量は、(A)成分1重量
部に対して0.01〜1.5重量部、特に好ましくは
0.2〜0.7重量部とするのが好ましい。その理由は
0.01重量部未満であると、硬化被膜上に設けた無機
蒸着膜との密着性が不十分となりやすく、また1.5重
量部を超えると硬化被膜にクラックが生じやすくなるた
めである。
【0022】(D)成分の添加量は、(A)成分1重量
部に対し0.01〜5重量部、特に好ましくは0.1〜
1.5重量部とするのが好ましい。その理由は、0.0
1重量部より少ないと硬化被膜の耐擦傷性が不十分であ
り、5重量部を超えると硬化被膜にクラックが生じやす
くなり、さらに硬化被膜の透明性が低下する危険性が大
きくなるためである。
【0023】本発明で用いられるコーティング組成物
は、反応を促進し、低温で硬化させるために硬化剤を用
いることも可能である。硬化剤としては、例えば、アリ
ルアミン、エチルアミン等のアミン類、またはルイス酸
やルイス塩基を含む各種酸や塩基、例えば、有機カルボ
ン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、臭素酸、亜セレ
ン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝
酸、アルミン酸、炭酸、過塩素酸等の金属塩、さらにア
ルミニウム、ジルコニウム、チタニウム等のアルコキシ
ド又はこれらの錯化合物などが挙げられる。
【0024】又、本発明で用いられるコーティング組成
物には、基板となる光学部材との屈折率を合わせるため
に、また耐擦傷性をさらに向上させるために、アルミニ
ウム、アンチモン、ジルコニウム、スズ、タングステ
ン、ケイ素等の金属酸化物からなる微粒子状無機物を添
加してもよい。
【0025】本発明で用いるコーティング組成物は塗布
時における濡れ性を向上させ、硬化膜の平滑性を向上さ
せる目的で各種界面活性剤を含有することができる。ま
た、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も硬化膜の物性に影響
を与えない限り使用可能である。コーティング組成物
は、その塗布性を向上させるために、通常はアルコール
類、ケトン類、セロソルブ類、カルボン酸類などの溶媒
に上記必須成分および任意成分が溶解または分散されて
いる。コーティング組成物の基材表面への塗布手段とし
てはディッピング法、スピン法、スプレー法等通常行な
われる方法が適用できるが、面精度等の面から特にディ
ッピング法、スピン法が好ましい。
【0026】コーティング組成物が塗布される基材とし
ては、メチルメタクリレートと1種以上の他のモノマー
とをモノマー成分とする共重合体、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート単独重合体、イオウを含有す
る共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートと1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする
共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ
スチレン、ハロゲンを含有する共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリウレタンなどのプラスチックレンズ、あるい
は無機ガラスレンズなどが挙げられるが、基材として、
アクリル共重合体系プラスチックレンズを用いたときに
特にすぐれた密着性、耐擦傷性が得られる。このアクリ
ル共重合体系プラスチックレンズとしては、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート/ベンジルメタクリ
レート/ジアリルフタレート三元共重合体系プラスチッ
クレンズが挙げられる。さらにジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート/ベンジルメタクリレート/ジア
リルフタレート/アルキルメタクリレート四元共重合体
も挙げられる。これらのアクリル系共重合体は、特開昭
51−125487号、同54−41965号、同59
−191708号の各公報およびWO89/09418
号公報に開示されている。
【0027】コーティング組成物の硬化は熱風乾燥、活
性エネルギー線照射によって行なうが、好適には、70
〜200℃の熱風中で行なうのが良く、特に好ましくは
90〜150℃の熱風中で行なうのが望ましい。活性エ
ネルギー線としては遠赤外線等があり熱による損傷を低
く抑えることが出来る。
【0028】なお、コーティング組成物を基材に塗布硬
化する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学的
処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各種洗剤
を用いる洗浄処理、更には、各種樹脂を用いたプライマ
ー処理を行なうこともできる。
【0029】本発明の光学部材は、前述した硬化被膜の
表面上に無機蒸着膜による反射防止膜を施すこともでき
る。
【0030】本発明の光学部材は、眼鏡レンズのほか、
カメラ用レンズ、ワードプロセッサーのディスプレイに
付設する光学フィルター、自動車の窓ガラスに使用する
ことが可能である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、本実施例および比較例で得られた、硬化被膜
を有するプラスチックレンズは、以下に示す測定法によ
り諸物性を測定した。
【0032】(1)耐擦傷性試験 スチールウール#0000でプラスチックレンズ表面を
擦って傷のつきにくさを目視で判断した。判断基準は次
のようにした。
【0033】A…強く擦ってもほとんど傷がつかない B…強く擦るとかなり傷が付く C…レンズ基板と同等の傷が付く (2)密着性試験 JIS D−0202に準じてクロスカットテープ試験
を行なった。すなわち、1mm間隔で100目クロスカ
ットし、粘着テープ(商品名“セロテープ”ニチバン
(株)製品)を強く貼りつけた後、表面から90°方向
に急速に剥がし、硬化被膜または蒸着膜の残っているマ
ス目を調べた。
【0034】(3)外観 肉眼目視により透明度、着色状態、表面状態などを調べ
た。
【0035】実施例1 (コーティング液の調製)マグネッティックスターラー
を備えたガラス製の容器に(A)成分であるγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン112.5重量部、
(B)成分であるフェニルトリエトキシシラン22.5
重量部、(C)成分であるγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランを付加させたシリケート化合物(商品
名:MKCシリケート MSEP2,三菱化成(株)
製)42.5重量部を加え、撹拌しながら0.6規定塩
酸3.75重量部を滴下した。滴下終了後、24時間撹
拌を行ない加水分解物を得た。ついで(D)成分である
SiO2 濃度40%のコロイダルシリカ(商品名:スノ
ーテックス40,水分散シリカ,日産化学(株)製:S
iO2 粒径10〜20ミリミクロン)を250重量部、
溶媒としてイソプロピルアルコール300重量部、n−
ブタノール100重量部、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル100重量部、硬化剤としてアルミニウム
アセチルアセトネート15重量部、滑剤として界面活性
剤0.6重量部を加え、十分に撹拌した後、ろ過を行な
い、コーティング液を得た。コーティング液の調合は容
易であり、コーティング液は目視で沈澱物が生じていな
かった。
【0036】(硬化被膜の形成)ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネートとベンジルメタクリレートとジ
アリルイソフタレートからなるアクリル系共重合体プラ
スチックレンズ(屈折率nd 1.56)50枚を45℃
の10%NaOH水溶液に5分間浸漬して十分に洗浄を
行なった後、上記の方法で調製されたコーティング液を
用いて、ディップ法(引き上げ速度14cm/分)でコ
ーティングを行ない130℃で2時間加熱し硬化被膜を
形成し、各種の評価を行なった。
【0037】上記方法で得られた硬化被膜を有するプラ
スチックレンズ50枚すべては、表1に示すように、耐
擦傷性がA、密着性が100/100、外観が良好とい
うすぐれた結果を示した。
【0038】(反射防止膜の形成)上記方法で得られた
硬化被膜を有する光学部材の硬化被膜上に真空蒸着法に
て、SiO2 ,ZrO2 の積層構造(λ/4−λ/2−
λ/4)による反射防止膜を形成した。このようにして
得られた反射防止膜を施した硬化膜を有するプラスチッ
クレンズ50枚は、すべて表1に示すように、耐擦傷性
がA、密着性が100/100というすぐれた結果を示
した。
【0039】実施例2 (B)成分として、実施例1のフェニルトリエトキシシ
ラン22.5重量部に代えてジフェニルジメトキシシラ
ン22.5重量部を用いたことおよびアルカリによる前
処理を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様に行
なった。評価結果は表1に示すように実施例1と同様に
優れたものであった。
【0040】実施例3 (D)成分として、実施例1の水分散シリカ微粒子(固
形分40%)250重量部に代えて、SiO2 濃度20
%の水分散シリカ微粒子250重量部(商品名:スノー
テックスO,日産化学(株)製:SiO2 粒径10〜2
0ミリミクロン)を用いたことおよびアルカリによる前
処理を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様に行
なった。評価結果は表1に示すように実施例1と同様に
優れたものであった。
【0041】
【表1】
【0042】実施例4 (B)成分として、実施例1のフェニルトリエトキシシ
ラン22.5重量部に代えて、フェニルトリエトキシシ
ラン12.5重量部、ジフェニルジメトキシシラン10
重量部を用いたことおよびアルカリによる前処理を行な
わなかったこと以外は、実施例1と同様に行なった。評
価結果は表2に示すように実施例1と同様に優れたもの
であった。
【0043】実施例5〜6 表2に示すように基材をジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート樹脂(実施例5)、キシレンジイソシア
ネート−ペンタエリスリトールテトラキスプロピオネー
ト系ポリウレタン樹脂にして、実施例1と同様に行なっ
た。評価結果は表2に示すように実施例1と同様に優れ
たものであった。
【0044】
【表2】
【0045】比較例1〜4 表3,表4に示すように(A)〜(D)成分の少なくと
も1つを欠く組成物を用いて、硬化膜を有するプラスチ
ックレンズを得、さらにその表面上に実施例1と同様の
反射防止膜を施したプラスチックレンズを得た。その評
価結果を表3,表4に示す。表3,表4に示すようにこ
れらのプラスチックレンズはすべて特性を満足するもの
はなかった。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、調合が容
易なコーティング組成物を用いて、基材と硬化被膜との
密着性、さらには硬化被膜と無機蒸着膜との密着性に優
れた光学部材が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面上に、(A)一般式 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2
    は炭素数1〜4のアルキレン基である)で示される有機
    ケイ素化合物および/またはその加水分解物と、(B)
    一般式 【化2】 (式中、R3 は炭素数1〜4のアルキル基であり、n1
    は1〜3の整数である)で示される芳香環含有有機ケイ
    素化合物および/またはその加水分解物と、(C)一般
    式 【化3】 (式中、XおよびR4 〜R7 は炭素数1〜4の有機基、
    Yはエポキシ基を含む官能基であり、n2 は1〜3の整
    数、n3 は1以上の整数である)で示されるシリケート
    化合物と、(D)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ
    微粒子と、を含むコーティング組成物を塗布硬化してな
    ることを特徴とする硬化被膜を有する光学部材。
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