JP3969968B2 - アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子および該粒子分散ゾル、該微粒子含有透明被膜形成用塗布液、透明被膜付基材。 - Google Patents

アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子および該粒子分散ゾル、該微粒子含有透明被膜形成用塗布液、透明被膜付基材。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、酸化チタン含有核粒子とアンチモン酸化物被覆層とからなるアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子、該微粒子の水分散ゾル、該微粒子のオルガノゾル、および該微粒子を用いた透明被膜形成用塗布液、この塗布液を用いて形成された透明被膜付基材に関する。さらに詳しくは、高い屈折率を有し、透過率が高く、干渉縞もなく、耐擦傷性、耐磨耗性、耐衝撃性、耐熱水性、耐汗性、耐薬品性、耐候性、耐光性、可撓性、さらにガラス、プラスチックなどの基材との密着性にも優れ、さらに調光性、染色性、耐褪色性等を向上するために用いることが可能なアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子、該微粒子を用いた透明被膜形成用塗布液、この塗布液を用いて形成された透明被膜付基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、透明プラスチック、ガラスなどの基材の表面に、基材の屈折率と同等の屈折率を有するハードコート膜を形成することを目的として、様々な高屈折率ハードコート膜の形成方法が提案されている。
これに関連して、特にジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂レンズは、ガラスレンズに比較して安全性、易加工性、ファッション性などにおいて優れており、さらに近年、反射防止技術、ハードコート技術、ハードコート技術+反射防止技術の開発により、急速に普及してきた。しかしながら、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂の屈折率が1.50とガラスレンズに比べ低いため、近視用レンズでは外周部がガラスレンズに比べ厚くなるという欠点があった。このため合成樹脂製眼鏡レンズの分野では、高屈折率樹脂材料によって薄型化を図る試みが積極的に行われている。このような試みとして、特開昭59−133211号公報、特開昭63−46213号公報、特開平2−270859号公報などでは1.60さらにはそれ以上の屈折率を有する高屈折率樹脂材料が提案されている。
【0003】
一方、プラスチック眼鏡レンズは傷が付き易いという欠点があるため、シリコン系のハードコート被膜をプラスチックレンズ表面に設ける方法が一般的に行われている。しかし、1.54以上の高屈折率樹脂レンズに同様の方法を適用した場合には、樹脂レンズとコーティング膜の屈折率差による干渉縞が発生し、外観不良の原因となることがあった。この問題点を解決するために、特公昭61−54331号公報、特公昭63−37142号公報には、シリコン系被膜形成用塗布液(以下、被膜形成用塗布液をコーティング組成物ということがある)に使われている二酸化ケイ素微粒子のコロイド状分散体を、高屈折率を有するAl、Ti、Zr、Sn、Sbの無機酸化物微粒子のコロイド状分散体に置き換える技術が開示されている。また、特開平1−301517号公報には、酸化チタンと二酸化セリウムとの複合系ゾルの製造方法が開示されており、特開平2−264902号公報にはTiとCeの複合無機酸化物微粒子が開示されており、特開平3−68901号公報にはTi、CeおよびSiの複合酸化物を有機ケイ素化合物で処理した微粒子を含むコーティング組成物が開示されている。
【0004】
また、特開平5−2102号公報および特開平7−76671号公報には、Ti、Feの複合酸化物微粒子、Ti、Fe、Siの複合酸化物微粒子を有機ケイ素化合物で処理した粒子を含むコーティング組成物ならびに硬化被膜が開示されている。
さらに、本出願人は、特開平8−48940号公報で、Ti、SiおよびZrの複合無機酸化物を有機ケイ素化合物で処理した微粒子を含むコーティング組成物ならびに硬化被膜を開示している。
【0005】
しかしながら、特公昭61−54331号公報、特公昭63−37142号公報に記載されたコーティング組成物は次のような課題を有していた。たとえば、Al、Zr、Sn、Sbの酸化物微粒子のコロイド状分散体を1.54以上の高屈折率樹脂レンズのコーティング組成物として用いた場合、シリコン系のコーティング組成物に比べ、塗布・硬化後の干渉縞の程度を改善できる。しかし、Al、Sbの無機酸化物微粒子を用いた場合は、コーティング被膜としての屈折率に限界があるため、1.60以上のレンズ基材に対しては干渉縞を完全に抑えることは不可能であった。これは、無機酸化物微粒子単体としては1.60以上の高い屈折率を有するものの、一般にコーティング材料として用いる際には、有機ケイ素化合物、エポキシ樹脂等を混合するため、充填率が下がり、被膜の屈折率が基材レンズよりも低くなってしまうためである。また、Zr、Snの無機酸化物微粒子を用いる場合は、その分散性が不安定であるため、多量に使うと透明な被膜を得ることができなかった。
【0006】
一方、Tiの無機酸化物微粒子のコロイド状分散体をコーティング用組成物として用いた場合は、TiO2自身が前記無機酸化物に比べ高い屈折率を有するために、形成された被膜は、1.60前後さらにはそれ以上の屈折率を示すとともに、設定できる被膜の屈折率の幅も広くなるという長所がある。しかしながら、TiO2は耐候性が極めて劣るため、TiO2を含むコーティング組成物から形成される被膜では被膜中の有機ケイ素化合物など有機成分の分解、エポキシ樹脂成分の分解、さらには樹脂基材表面での被膜の劣化が起こり、被膜耐久性に問題点があった。また、この被膜は基材との密着性に劣るという問題点もあった。
【0007】
このため、特開平2−264909号公報、特開平3−68901号公報に記載された二酸化チタンおよび二酸化セリウムの複合酸化物微粒子を含むコーティング組成物、あるいは特開平5−2102号公報に記載された二酸化チタンおよび酸化鉄の複合酸化物微粒子を含むコーティング組成物が提案されている。しかしながら、二酸化セリウムまたは酸化鉄を二酸化チタンの耐候性改良のために二酸化チタンと複合化すると、これらのコーティング組成物から得られた被膜は必ずしも耐褪色性の点で満足しうるものではなかった。また、これらの複合ゾルから得られる硬化被膜は多少なりとも着色するという問題点もあった。
【0008】
また、近年、プラスチックレンズの屈折率が高くなったことに伴い、プラスチックレンズが薄くなっている。この高屈折率を有するプラスチックレンズ表面にハードコート層(膜)を形成し、さらにこのハードコート膜上に反射防止を目的に反射防止膜を形成し、マルチコート層の形成がなされ、このマルチコートの形成工程でプラスチックレンズ基材に歪みが生じ、落下などの衝撃により割れ易くなるが、このような欠点を解消するため、プラスチックレンズとハードコート膜の間に衝撃を吸収する柔軟なプライマー層を設けることがなされている。
【0009】
しかしながら、プライマー膜の屈折率が基材の屈折率と等しくないと干渉縞が生じるという問題点があり、基材の屈折率と等しいプライマー膜を形成することが望まれている。
本出願人は、特開平8-48940号公報にて、屈折率が1.54以上(具体的には1.59〜1.66)のレンズ基材に好適に使用できるチタンと、ケイ素とジルコニウムおよび/またはアルミニウムの酸化物からなる複合酸化物微粒子とマトリックスとを含む被膜形成用塗布液を提案している。
【0010】
また、特開平9-71580号公報、特開平9-110979号公報、特開平9-255781号公報には、屈折率が1.67から1.70と高く、かつアッベ数が30を超えるエビスルフィド化合物から得られるレンズ基材(光学材料)が提案されている。このため、本出願人等は、特開2000−204301号公報にて、このような高屈折率かつ高アッベ数のレンズ基材にも好適に使用できる被膜形成用塗布液を提案している。このとき、酸化チタン微粒子または酸化ジルコニウムや酸化ケイ素を含む酸化チタン微粒子を核粒子とし、これを酸化ケイ素と酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムの少なくとも1種からなる被覆層が形成された微粒子が好適に使用できることを開示している。
【0011】
さらに、近年、プラスチックレンズ(有機ガラス)の屈折率がさらに高くなっており、たとえば屈折率が1.71〜1.74の高屈折率プラスチックレンズが市販されている。しかしながら、このような高屈折率レンズは、屈折率が1.54〜1.71未満のレンズに比べて染色性や耐衝撃性に劣る欠点があった。
このため、高屈折率レンズに直接、転写法で染色する方法があるが、製造工程が長くかつ染色に長時間を要するなどのため経済性に劣るといった欠点があった。
【0012】
また、上記したように耐衝撃性が低いため、レンズ基材とハードコート層の間に耐衝撃性を改良するためプライマー層を設けるなどの必要があり、このときに光干渉を発生させないようなプライマー層を設けることが特開平6−82604号公報、特開平6−138301号公報に開示されている。
そこで、このようなハードコート層やプライマー層に染色することが提案されているが、前記した従来公知の酸化チタン含有の複合粒子などでは染色が色褪せることがあり、即ち耐褪色性に欠ける欠点があった。
【0013】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決するためになされたものであって、無色透明で屈折率が高く、その上耐熱水性、耐汗性、耐候性、耐光性、耐薬品性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐衝撃性、可撓性に優れ、さらに染色性および耐褪色性に優れ、しかも基材との密着性にも優れた高屈折率膜が形成できるような塗布液に好適に用いることができる複合酸化物粒子、該粒子分散ゾルおよび塗布液を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明は、1.54以上さらには1.60以上、さらには1.67以上、特に1.70以上の屈折率を有する樹脂レンズの表面に、無色透明で、耐久性に優れ、耐熱水性、耐汗性、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、可撓性にも優れるとともに、さらに染色性および耐褪色性に優れ、かつ干渉縞が生じないような高屈折率ハードコート膜が形成された耐褪色性に優れた透明被膜付基材、たとえば厚さの薄い合成樹脂製レンズなどを提供することをも目的としている。
【0015】
【発明の概要】
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、
酸化チタン含有核粒子と、アンチモン酸化物からなる被覆層とから構成されることを特徴としている。
酸化チタン含有核粒子中の酸化チタン含有量がTiO2換算で10重量%以上であり、アンチモン酸化物酸化物からなる被覆層の量が、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子に対して、Sb25として1〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
【0016】
前記酸化チタン含有核粒子が、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、TaおよびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物を含んでいることが好ましい。
さらに、前記酸化チタン含有核粒子とアンチモン酸化物被覆層との間に、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、TaおよびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物、複合酸化物、または混合物のいずれか1種からなる中間薄膜層が1層以上形成されていてもよい。
【0017】
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、表面が有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で改質処理されていることが好ましい。本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾルは、前記記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を水および/または有機溶媒に分散してなる。
【0018】
本発明に係る透明被膜形成用塗布液は、前記記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と、
マトリックス形成成分として下記式(A)で表される有機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または部分縮合物の1種以上とを含有することを特徴としている。
【0019】
1 a2 bSi(OR3)4-(a+b) …(A)
(式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素数1〜4の炭化水素基、R3は炭素数1〜8の炭化水素基またはアシル基、a、bは0または1を表す。)
また本発明に係る第2の透明被膜形成用塗布液は、前記記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と、
マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂から選ばれる1種以上の樹脂とを含有することを特徴としている。特に、マトリックス形成成分が、ポリエステル系樹脂またはウレタン系樹脂からなることが好ましい。
【0020】
本発明に係る透明被膜付基材は、
基材表面に、前記第1または第2の透明被膜形成用塗布液を用いて形成された透明被膜を有することを特徴としている。
また、基材表面に、前記第2の透明被膜形成用塗布液を用いて形成されたプライマー膜を有し、その上にさらに第1の透明被膜形成用塗布液を用いて形成されたハードコート膜を有することを特徴としている。
【0021】
前記透明被膜またはハードコート膜の上にさらに反射防止膜を有していてもよい。
【0022】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子
まず、本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子について説明する。本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、酸化チタン含有核粒子と、アンチモン酸化物からなる被覆層とから構成されることを特徴としている。このようなアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の平均粒子径は特に制限ないものの、1〜100nm、好ましくは2〜60nmの範囲にあることが望ましい。
【0023】
平均粒子径が1nm未満の場合は、これらの粒子を含む塗布液を用いて得られる被膜は硬度が不充分で耐擦傷性および耐磨耗性に劣り、しかも被膜の屈折率を充分に高くできなることがあり、平均粒子径が100nmを超えると、得られる被膜が白濁して不透明になることがある。
[酸化チタン含有核粒子]
酸化チタン含有核粒子は、酸化チタンのみからなるものであっても、酸化チタンと酸化チタン以外の成分からなるものであってもよい。酸化チタン以外の成分が含まれる場合は、酸化チタン以外の成分としてSi、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、TaおよびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物が好ましい。このような酸化チタンと酸化チタン以外の成分は混合物であっても、互いに固溶状態であってもよく、他の複合状態であってもよい。また、酸化チタンは無定型であっても、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型など結晶性であってもよい。さらには、チタン酸バリウム(BaTiO3またはBaO・TiO2 で表される)のようなペロブスカイト型チタン化合物であってもよい。
【0024】
酸化チタン含有核粒子中の酸化チタン含有量はTiO2換算で10重量%以上、好ましくは20重量%以上である。(上限は100重量%)
酸化チタン含有量が10重量%未満の場合は、これらの粒子を含む塗布液を用いて得られる透明被膜の屈折率が高くならず、基材の屈折率によっては干渉縞が生成することがある。
【0025】
上記、酸化チタン含有核粒子に酸化チタン以外の成分が含まれる場合の例として、酸化チタンと酸化スズからなる粒子が挙げられる。酸化チタンと酸化錫の複合核粒子を使用すると、高屈折率レンズ基材に用いるに好適な高屈折率の透明被膜が得られる。
さらに、酸化チタン含有核粒子として、酸化錫以外に、SiまたはZrの酸化物を含む粒子も好適に用いることができる。このように酸化錫、シリカ、ジルコニアを含む場合、酸化チタン含有核粒子中の酸化チタンと酸化チタン以外の酸化物の割合は、酸化チタン以外の酸化物(MOx)に換算して、TiO2/(MOx)重量比として50/50〜90/10の範囲にあることが好ましい。50/50未満では透明被膜の屈折率が低くなることがあり、前記重量比が90/10を超えると酸化チタン含有核粒子として使用する際の安定性が不充分となることがある。
【0026】
また、本発明で使用される酸化チタン含有核粒子の屈折率は、粒子の結晶性および組成により変動するものの、概ね1.7〜3.0、多くの場合は2.2〜2.7の範囲の値を示し、Al、Zr、Sn、Sbの酸化物の屈折率に比べ高い。
このような酸化チタン含有核粒子の平均粒子径は、特に制限はないが概ね1〜100nm、好ましくは2〜50nmの範囲にあることが望ましい。
【0027】
[アンチモン酸化物被覆層]
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、前記酸化チタン含有核粒子の表面にアンチモン酸化物からなる被覆層が形成されている。
アンチモン酸化物被覆層の厚さは特に制限はなく、酸化チタン含有核粒子の粒子径によっても異なるが、通常核粒子の粒子径の1/200〜1/5の範囲にあることが望ましい。また、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子中の被覆層を構成するアンチモン酸化物の含有量がSb25として1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲となるように形成されていればよい。
【0028】
このようなアンチモン酸化物被覆層を有していると、酸化チタン含有核粒子のみの場合に比べて、これらの粒子を含む塗布液から得られる被膜の耐褪色性が向上する。
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子中のアンチモン酸化物被覆層の含有量がSb25として1重量%未満の場合は、前記した耐褪色性が不充分となり、アンチモン酸化物の含有量がSb25として90重量%を越えると酸化チタン含有核粒子の割合が少なくなり、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の屈折率が低下し、得られる透明被膜の屈折率が低くなり、基材の屈折率によっては干渉縞を生じることがある。
【0029】
なお、本発明では、アンチモン酸化物は、無定型であってもパイロクロア構造等の結晶性であっても、あるいはパイロクロア構造等と特定されない結晶性であってもよく、またこれらは水和水や結晶水を含んでいてもよい。
[中間薄膜層]
さらに前記酸化チタン含有核粒子とアンチモン酸化物被覆層との間には、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、TaおよびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物、複合酸化物、これらの混合酸化物の少なくとも1種からなる中間薄膜層が1層以上形成されていてもよい。中間薄膜層は1層であっても、2層以上の多層であってもよい。
【0030】
酸化チタン含有核粒子とアンチモン酸化物被覆層との間に中間薄膜層を少なくとも1層形成することによって、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の屈折率を調整することができる他、これらの粒子を含む塗布液を用いて得られる被膜の耐光性、耐候性(酸化チタン含有核粒子の活性によって、ビヒクル成分が分解されることによる膜の劣化に対する耐性等)、膜と基材との密着性を向上でき、さらに粒子の着色を抑制したり、無色化したりでき、膜の透明性を向上することができる。
【0031】
また、少なくとも1層設ける中間薄膜層の層の数、層の厚さは、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子中の酸化チタン含有核粒子の割合が10〜99重量%の範囲にあり、アンチモン酸化物被覆層の割合が1〜90重量%の範囲となるように形成されていればとくに制限はない。
中間薄膜層としては、特に、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムおよび/または酸化アルミニウムからなる複合酸化物が好適であり、その複合形態としては、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムが単成分毎に積層して薄膜層を形成していてもよく、あるいはシリカ・ジルコニア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア・アルミナ成分により薄膜層を形成していてもよい。
【0032】
この場合、中間薄膜層として、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムおよび/または酸化アルミニウムとを用いると、優れた耐候性、耐光性、基材との密着性、膜硬度、耐擦傷性、可撓性等を有する透明被膜を形成可能なアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を得ることができる。
また、薄膜層に酸化ケイ素を含むことで、複合酸化物微粒子分散水ゾルの安定性が向上し、かつ後述する塗布液のポットライフが長くなり、得られる透明被膜の硬度の向上と透明被膜の上に形成される反射防止膜との密着性の向上を図ることができ、さらにこの場合も耐候性、耐光性、基材との密着性、膜硬度、耐擦傷性、可撓性等が向上する。
【0033】
[アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の調製]
このようなアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の調製方法としては、上記したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が得られればとくに制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
酸化チタン含有核粒子としては、本出願人の出願による特開平8−48940号公報などに開示された複合酸化物粒子は好適に用いることができる。また(中間)薄膜層を有するアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を得る場合は、核粒子に被覆層を形成する方法と同一の方法で中間薄膜層を形成した複合酸化物粒子を用いればよい。
【0034】
アンチモン酸化物被覆層の形成方法としては、まず、酸化チタン含有核粒子または中間薄膜層を設けた酸化チタン含有核粒子の水分散液を調製する。この分散液の濃度は固形分として0.01〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%の範囲にあることが望ましい。
分散液の固形分濃度が0.01重量%未満の場合は生産性が低く工業的に有効でなく、分散液の固形分濃度が40重量%を越えると得られる粒子が凝集体となる傾向があり、膜強度等に優れた透明被膜が得られないことがある。
【0035】
次いで、上記分散液にアンチモン化合物を添加する。アンチモン化合物の添加量は、最終的に得られるアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物微粒子中のアンチモン酸化物の割合がSb25として1〜90重量%の範囲になるようにする。
本発明に用いるアンチモン化合物としては、特に制限はなく、塩化アンチモン等のアンチモン鉱酸塩、吐酒石酸アンチモン等の有機酸塩、アンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸アルカリなどを用いることができる。
【0036】
上記アンチモン化合物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を、上記酸化チタン含有核粒子または中間薄膜層を設けた酸化酸化チタン含有核粒子の水分散液に、必要に応じて溶液のpH、温度を適宜調節しながら添加し、次いで酸化剤を添加し、必要に応じて熟成することによって被覆層を形成することができる。被覆層形成後、必要に応じて洗浄処理して不純物を除去してもよい。
【0037】
上記酸化剤としてはアンチモンの酸化数を5価または過酸化状態に維持できればとくに制限はなく、具体的には酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸等を用いることができる。洗浄方法としては、限外濾過膜法やイオン交換樹脂による脱イオン法等が挙げられる。
[表面改質処理]
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、その表面が有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で処理されて改質されていてもよい。このように改質処理されていると、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と後述するマトリックスとを含む塗布液中でアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の分散状態が長期間にわたって安定するようになり、さらにマトリックスとして紫外線硬化樹脂を用いた場合でも、塗布液中でアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の分散状態が安定するようになる。また、有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で表面が改質されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子はマトリックスとの反応性が低く、しかもマトリックスとの親和性が良好であり、このため得られる被膜は、表面処理されていないアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を含む塗布液から得られる被膜よりも硬度が高く、透明性、耐擦傷性、基材との密着性、耐摩耗性、可撓性および染色性などにも優れている。さらに、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が表面処理されていない場合に比較して塗布液中のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と溶媒との親和性がより一層向上しているため、分散性に優れた塗布液を調製することができる。
【0038】
使用される有機ケイ素化合物としては、シランカップリング剤として知られている公知の有機ケイ素化合物を用いることができ、その種類は、用途や溶媒の種類などに応じて適宜選定される。
有機ケイ素化合物として、具体的には、以下のものが使用される。
式:R3SiXで表される単官能性シラン(Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基を有する有機基、Xは、加水分解性基である)。このような単官能性シランとしては、トリメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジメチルビニルシラン等が挙げられる。
【0039】
式:R2SiX2で表される二官能性シラン(RおよびXは単官能シランと同じ)。このような二官能性シランとしては、ジメチルシラン、ジフェニルシラン等が挙げられる。
式:RSiX3で表される三官能性シラン(RおよびXは単官能シランと同じ)。このような三官能性シランとしては、たとえば、メチルシラン、フェニルシラン等が挙げられる。
【0040】
式:SiX4で表される四官能性シラン(Xは単官能シランと同じ)。このような四官能性シランとしては、たとえば、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン等が挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種混合して使用してもよい。また表面改質処理を行なうに際し、加水分解性基を未処理で行ってもあるいは部分的に加水分解して行ってもよい。また、処理後は、加水分解性基が微粒子の−OH基と反応した状態が好ましいが、一部が残存した状態でも何ら差し支えない。
【0041】
また、アミン系化合物としては、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン、ベンジルアミン等のアラルキルアミン、ピペリジン等の脂環式アミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、これらのアミンのテトラメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど第4級アンモニウム塩や第4級アンモニウムハイドロオキサイドがある。
【0042】
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の表面を有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で改質するには、たとえばこれら化合物のアルコール溶液中にアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を混合し、所定量の水および必要に応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、あるいは加熱処理を行なうとよい。
【0043】
また、これら化合物の加水分解物とアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子とを水とアルコールの混合液に加えて加熱処理することによってもアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の表面をこれら化合物で改質することができる。
この際に用いられる有機ケイ素化合物またはアミン系化合物の量は、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の表面に存在する水酸基の量などに応じて適宜設定される。
【0044】
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾル
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾルは、前記したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合溶媒に分散している。
本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾルは、酸化チタン含有核粒子に酸化チタン以外の酸化物が含まれていたり、必要に応じて前記した(中間)薄膜層が設けられているので従来公知の酸化チタンゾルやアンチモン酸化物ゾル、あるいはこれらに他の酸化物を含む従来公知の複合酸化物ゾルに比べて単分散性や分散安定性等に優れている。
【0045】
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を水に分散した水ゾル中のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の濃度は、固形分濃度として概ね0.01〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲にあることが望ましい。固形分濃度が0.01重量%未満の場合は濃度が低すぎるために他の成分と配合して得られる塗布液などの濃度が低くなりすぎて、得られる塗膜の厚さを一回の塗布で所望の厚さにできないことがある。固形分濃度が40重量%を越えるとゾルの安定性が不充分となることがある。
【0046】
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を有機溶媒に分散したオルガノゾルの場合、前記したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で表面改質処理されたものが好ましい。表面改質処理されたものは、表面が疎水化されているので、有機溶媒への分散性に優れている。オルガノゾル中のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の濃度は、固形分濃度として概ね1〜60重量%、好ましくは2〜30重量%の範囲にあることが望ましい。固形分濃度が1重量%未満の場合は濃度が低すぎるために他の成分と配合して得られる塗布液などの濃度が低くなりすぎて、得られる塗膜の厚さを一回の塗布で所望の厚さにできないことがある。固形分濃度が60重量%を越えるとゾルの安定性が不充分となる。
【0047】
本発明のオルガノゾルに用いる有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコールなどのグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、カルボン酸類およびN,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。
【0048】
透明被膜形成用塗布液
まず、本発明に係る高屈折率透明被膜形成用塗布液について説明する。
本発明に係る高屈折率透明被膜形成用塗布液は、マトリックス形成成分とアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子とからなっている。
〔マトリックス形成成分〕
本発明に係る第1の高屈折率透明被膜形成用塗布液では、マトリックス形成成分として下記式(A)で表される有機ケイ素化合物、この加水分解物、該加水分解物の部分縮合物およびこれらの混合物から選ばれる1種以上(以後単に有機ケイ素系マトリックス形成成分ということもある)を含む。
【0049】
1 a2 bSi(OR3)4-(a+b) …(A)
(式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素数1〜4の炭化水素基、R3は炭素数1〜8の炭化水素基またはアシル基、a、bは0または1を表す。)
上記式で表される有機ケイ素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは無溶媒下またはアルコール等の極性有機溶媒中で、酸の存在下で加水分解して使用することが好ましい。さらに加水分解後に上記アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と混合してもよく、また、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と混合後に加水分解をしてもよい。加水分解はすべて加水分解されていても一部が部分加水分解されていてもよい。
【0050】
なお、硬化被膜中に占める有機ケイ素系マトリックス形成成分に由来する被膜成分の割合は、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲とすることが適当である。この割合が10重量%以下では、基材と被膜との密着性が低下することがあり、また、90重量%以上では高屈折率の被膜が得られないことがある。
【0051】
また、本発明に係る第2の高屈折率透明被膜形成用塗布液に含まれるマトリックス形成成分としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、紫外線硬化樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フォスファーゲン系樹脂等一般の塗料用樹脂が用いられる。
なお、第2の塗布液の場合も、硬化被膜中に占める上記樹脂成分に由来する被膜成分の割合は、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲とすることが適当である。この割合が10重量%以下では、基材と被膜との密着性が低下することがあり、また、90重量%以上では高屈折率の被膜が得られないことがある。
【0052】
通常、第1の塗布液は、ハードコート膜形成用に使用され、第2の塗布液はプライマー膜形成用に使用される。
[アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子]
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子としては前記したと同様のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を用いることができる。
【0053】
また、上述したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子は、その表面が有機ケイ素化合物またはアミン類で処理されていることが好ましい。アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の表面を有機ケイ素化合物またはアミン類で処理して改質すると、このアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子とマトリックスとを含む塗布液中でアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の分散状態が長期間にわたって安定するようになり、さらにマトリックス形成成分として紫外線硬化樹脂を用いた場合でも、塗布液中でアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の分散状態が安定するようになる。また、有機ケイ素化合物またはアミン類で表面が改質されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子はマトリックス形成成分との反応性や親和性などが向上し、この結果、表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を含む塗布液から得られる被膜は、表面処理されていないアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を含む塗布液から得られる被膜よりも硬度が高く、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、基材との密着性、耐摩耗性、可撓性および染色性などにも優れている。さらに、複合酸化物粒子が表面処理されていない場合に比較して塗布液中のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と溶媒との親和性がより一層向上する。
【0054】
本発明に係る塗布液では、マトリックス形成成分と、マトリックス形成成分を固形分(酸化物換算)または樹脂に換算したとき100重量部に対して、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が重量5〜1000重量部、好ましくは10〜600重量部の量で含まれていることが望ましい。
〔その他の塗布液成分〕
本発明に係る塗布液には、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子およびマトリックス形成成分とともに次のような(C)〜(G)成分が任意で含まれていてもよい。
【0055】
(C)成分
すなわち、式:Si(OR4)4で表される有機ケイ素化合物の加水分解物および/または部分縮合物の1種以上(ここで、R4は炭素数1から8の炭化水素基、アルコキシアルキル基またはアシル基を表す。)。
上記式で表される有機ケイ素化合物は、形成される透明被膜の屈折率を、透明被膜の透明性を維持したまま容易に調整し、さらに塗布液塗布後の被膜の硬化スピードを速めたり、膜の硬度を向上させたりする目的で用いられる。(C)成分を用いることで硬化後の被膜の屈折率を基材レンズの屈折率に応じて適宜調整することができ、かつアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の含有量がある程度低下しても反射防止膜の密着性を得るが可能である。さらにこの(C)成分中の四官能性有機ケイ素化合物をコーティング組成物中に配合することで硬化膜形成時の硬化スピードが速くなり、特に生地レンズから染色剤が抜け易い含硫ウレタン系樹脂のような基材に被膜を形成するときにその抜け量を抑え、被膜形成前後の染色レンズの色調変化を小さくすることができる。この四官能有機ケイ素化合物としては、具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシシラン)、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは無溶媒下またはアルコール等の有機溶媒中で、酸の存在下で加水分解して使用することが好ましい。なお、硬化被膜中に占める上記(C)成分の四官能性有機ケイ素化合物の加水分解物から誘導される被膜成分の割合は、0〜50重量%が適当である。これは、50重量%以上になると硬化後の被膜にクラックが入り易いためである。
【0056】
(D)成分:
D成分である、Si、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Nb、ZrおよびInから選ばれる1以上の元素の酸化物から構成される微粒子のコロイド(ゾル)状分散体の1種以上および/またはSi、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、Nb、InおよびTiから選ばれる2以上の元素の酸化物から構成される複合酸化物微粒子のコロイド状分散体の1種以上は、得られる被膜の屈折率、基材との密着性、染色性、耐熱性等を基材レンズの種類によって最適化するために用いられる。これらは具体的にはSiO2、Al23、SnO2、Sb25、Ta25、CeO2、La23、Fe23、ZnO、WO3、ZrO2、In23、Nb25等の無機酸化物微粒子が水または有機溶媒にコロイド状に分散したものである。あるいは、これらの酸化物の成分元素を2種以上含む酸化物によって構成される複合酸化物微粒子が水または有機溶媒にコロイド状に分散したものである。いずれの場合においても粒子径は約1〜30nmが好適であり、本発明の塗布液への適用種および使用量は目的とする被膜性能により決定される。
【0057】
さらに、これらの微粒子の塗布液中での分散安定性を高めるため、前記と同様な方法で微粒子表面を有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で処理したものを使用することも可能である。
(E)成分:
(E)成分である多官能性エポキシ化合物、多価アルコール、多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物から選ばれる1種以上は、形成される被膜の染色性の向上、あるいは各種耐久性の改良を目的として用いられる。
【0058】
多官能性エポキシ化合物としては、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、レゾルシノール、アルキレングリコール等の二官能性アルコールのジグリシジルエーテル、グルセリン、トリメチロールプロパン等の三官能性アルコールのジまたはトリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0059】
多価アルコールとしては、(ポリ)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、レゾルシノール、アルキレングリコール等の二官能性アルコール、グルセリン、トリメチロールプロパン等の三官能性アルコール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
【0060】
多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸などが挙げられる。
多価カルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1.2−ジメチルマレイン酸無水物、無水フタル酸などが挙げられる。
【0061】
硬化被膜中に占める上記(E)成分から誘導される被膜成分の割合は、0〜40重量%が適当である。これは、40重量%以上になると硬化後の被膜とその上に形成される反射防止膜との密着性が低下するためである。
(F)成分:
(F)成分のヒンダードアミン系化合物は、形成される被膜の染色性の向上を目的として用いられる。(F)成分としては、具体的には、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-{2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}-4-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,3,8-トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン-2,4-ジオン、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ{〔(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル〕〔2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕}、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4-ビス〔N-ブチル-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ〕-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)などが挙げられる。
【0062】
この成分の使用量の上限としては、塗布液中の全固形分に対して3重量%以下の量で用いられることが望ましく、これ以上では硬化被膜の硬度、耐温水性等が低下し望ましくない。
(G)成分:
(G)成分のアミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトナート、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類および金属塩化物から選ばれる1種以上は、シラノール(有機ケイ素系マトリックス形成成分)またはエポキシ基の硬化を促進するために用いられる硬化触媒である。これらの硬化触媒を用いることにより被膜形成反応を速めることが可能となる。これらの具体例としては、n-ブチルアミン、トリエチルアミン、グアニジン、ビグアニジドなどのアミン類、グリシンなどのアミノ酸類、アルミニウムアセチルアセトナート、クロムアセチルアセトナート、チタニルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネートなどの金属アセチルアセトナート、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズなどの有機酸金属塩類、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウムなどの過塩素酸類あるいはその塩、塩酸、リン酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸などの酸、またはSnCl2、AlCl3、FeCl3、TiCl4、ZnCl2、SbCl3などのルイス酸である金属塩化物などが挙げられる。
【0063】
これらの硬化触媒は、塗布液の組成等により種類・使用量を調整して用いることができる。使用量の上限としては、塗布液中の固形分に対して5重量%以下で用いるのが望ましい。
さらに、本発明に係る塗布液には、塗布性、塗布液から基材上に形成される被膜の性能を改良するため、必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、蛍光染料、顔料、フォトクロミック化合物、チクソトロピー剤などを添加してもよい。
【0064】
溶媒:
本発明に係る塗布液では、塗布液に流動性を付与したり、含まれている固形分濃度を調整したり、塗布液の表面張力、粘度、蒸発スピード等を調整する目的で、溶媒を用いられる。
溶媒としては、水または有機溶媒が使用され、有機溶媒としては、前記オルガノゾルにて例示したものと同様のものが挙げられる。なお、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の分散ゾルを使用する場合、添加される溶媒は、分散ゾルの分散媒と同じものであっても、異なるものであってもよい。
【0065】
[透明被膜形成用塗布液の製造方法]
本発明に係る塗布液は、上記のようにして得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子とマトリックス形成成分と、必要に応じてその他の成分とを混合することによって得られる。
本発明に係る塗布液を製造する際には、前記した本発明に係るアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾルを好適に用いることができる。
【0066】
塗布液の固形分濃度は、必要に応じて混合して用いるその他の成分に由来する固形分を含めた合計濃度で1〜70重量%、好ましくは2〜50重量%の範囲である。なお、本発明に係る塗布液を製造する際には、上述したようなアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾルが好適に用いられるが、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が塗布液中に単分散できれば微粉末状のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を用いてもよく、さらに前記分散ゾルを乾燥して用いてもよい。
【0067】
透明被膜付基材
次いで、本発明に係る透明被膜付基材について説明する。
本発明に係る透明被膜付基材は、基材と基材表面に形成された高屈折率の透明被膜を有し、この透明被膜が上記本発明に係る第1の塗布液または第2の塗布液から形成されている。
【0068】
上記基材のうち、ガラス、プラスチックなどからなる各種基材が用いられ、具体的には、眼鏡レンズ、カメラなどの各種光学レンズ、各種表示素子フィルター、ルッキンググラス、窓ガラス、自動車などの塗料膜、および自動車などに用いられるライトカバーが挙げられる。この表面には、ハードコート膜として透明被膜が形成される。
【0069】
また、ハードコート膜以外にも、プラスチックレンズのプライマー用膜などとして透明被膜が形成されることがある。
これらの基材表面に形成される被膜の膜厚は、被膜付基材の用途によって異なるが、0.05〜30μmが好ましい。
本発明に係る透明被膜付基材は、上述したような基材表面に本発明に係る塗布液をディッピンク法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法あるいはフロー法など従来公知の方法で塗布・乾燥して被膜を形成し、次いでこのようにして基材表面に形成された被膜を基材の耐熱温度以下に加熱することによって製造することができる。特に熱変形温度が100℃未満のレンズ基材に対しては治工具でレンズ基材を固定する必要のないスピナー法が好適である。また、被膜形成用基材が樹脂レンズである場合、基材上に塗布液を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、被膜を形成することが望ましい。
【0070】
なお、塗布液のマトリックス形成成分として紫外線硬化樹脂を用いた場合には、塗布液を基材表面に塗布した後、乾燥し、この塗布液が塗布されている基材表面に所定の波長を有する紫外線を照射し、硬化するなどの方法で本発明に係る被膜付基材を製造することができる。
さらに、本発明に係る被膜付基材を製造するに際し、基材、たとえばレンズ基材と被膜との密着性を向上させる目的で、基材表面を予めアルカリ、酸または界面活性剤で処理したり、無機または有機微粒子で研磨処理したり、プライマー処理またはプラズマ処理を行ってもよい。
【0071】
また、本発明に係る被膜付基材としては、プライマー膜を、基材とハードコート層との間に有するものであってもよい。
この場合、プライマー膜を前記第2の塗布液を使用して形成し、ハードコート膜を前記第1の塗布液を使用して形成すればよい。
屈折率が高い光学材料を使用したプラスチックレンズではレンズの厚さも薄くなり、表面に前記したようなハードコート層(膜)を形成し、さらにこのハードコート膜上に反射防止を目的にマルチコート層が形成されている。このマルチコート層形成工程でプラスチックレンズ基材に歪みが生じ、落下などの衝撃によりレンズが割れやすくなることがあり、このためプラスチックレンズとハードコート膜の間に衝撃を吸収する柔軟なプライマー膜が設けられている。
【0072】
プライマー膜の屈折率は、基材の屈折率と等しくないと干渉縞が生じることがあるが、本発明に係る被膜形成用塗布液のうち、マトリックス成分として、前記したように塗料用樹脂を含む第2の被膜形成用塗布液を使用すれば、基材の屈折率と同程度のプライマー膜を形成することができる。
なお、このようなプライマー膜を形成する場合、前記したような方法によって塗布液を塗布したのち、被膜を硬化すればよい。
【0073】
[合成樹脂製レンズ]
次いで、上記基材が合成樹脂製レンズである場合について説明する。
上記基材が合成樹脂製レンズである場合は、合成樹脂レンズ基材の表面に、前記アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子とマトリックス形成成分を含み、さらに上述した(C)〜(G)成分の少なくとも1種以上を含有する塗布液から形成された高屈折率被膜(透明被膜、ハードコート層ともいう)を有する。
【0074】
合成樹脂製レンズは、レンズ基材の屈折率が1.54以上のものが好ましく、さらに透明性、染色性、耐熱性、吸水性、曲げ強度、耐衝撃性、耐候性、耐光性、可撓性、加工性などの点から所望の特性を満足できる基材レンズとして、含硫ウレタン系や(メタ)アクリル系、エピスルフィド系レンズ基材が好適であり、特開平9-71580号公報、特開平9-110979号公報、特開平9-255781号公報に開示された屈折率が1.67から1.70と高く、かつアッベ数が30を超えるエビスルフィド化合物から得られるレンズ基材が好適である。また。最近市販されている屈折率が1.60〜1.80程度、特に1.71〜1.80程度の高屈折率レンズ基材上に透明被膜(プライマー層および/またはハードコート層)を形成し、透明被膜に染色を施した場合、透明被膜には本願発明のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子が含まれているので染色が変色あるいは褪色することがない、すなわち耐褪色性に優れた薄型の合成樹脂製レンズを得ることができる。
【0075】
さらに、このようなハードコート層上に、無機物からなる単層・多層の反射防止膜を設けてもよく、反射防止膜を形成することにより、反射の低減、透過率の向上を図ることができ、眼鏡レンズとしての機能をより向上させることができる。無機物質としては、SiO、SiO2、Si34、TiO2、ZrO2、Al23、MgF2、Ta23等を用い、真空蒸着法等の薄膜形成方法により反射防止膜を形成することができる。
【0076】
さらにまた、前記ハードコート層上に透明被膜・反射防止膜を設けた場合には、基材とハードコート層の間にプライマー膜を設けることによって、耐衝撃性や密着性を向上させることができる。
この場合、プライマー膜は、マトリックスとして塗料用樹脂好ましくはウレタン系塗料用樹脂またはポリエステル系塗料用樹脂を含む被膜形成用塗布液によって形成することができる。
【0077】
さらに、上記ハードコート層上に透明被膜(反射防止膜)を設けた場合に、基材とハードコート層の間にプライマー層を設けることにより、耐衝撃性や密着性を向上させることができる。この時のプライマー膜は、マトリックスとして前記した塗料用樹脂、好ましくはポリエステル系樹脂またはウレタン系樹脂を含む第2の透明被膜形成用塗布液によって形成することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、合成樹脂レンズ等の基材上に透明被膜を形成するに際して微粒子を配合し、該透明被膜を染色した場合、染色が変色あるいは褪色することがない、すなわち耐褪色性に優れた薄型の合成樹脂製レンズを得ることができるアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合微粒子を提供することができる。
【0079】
また、本発明によれば、塗布液中のマトリックス形成成分とアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子との量比、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子の組成を変えることにより基材上に形成される透明被膜の屈折率を自由にコントロールできる。このようにして透明被膜の屈折率を基材の屈折率と等しくした場合、両者の屈折率差に起因する干渉縞を消去することができる。これに対し、基材の屈折率に比較して被膜の屈折率を非常に高くした場合、基材表面の光沢が非常に高くなる。本発明に係る被膜形成用塗布液を用いて基材上に形成されたこのような屈折率が非常に高い被膜は、膜中の複合酸化物微粒子に主成分として酸化チタンが含まれているので紫外遮蔽効果にも優れ、自動車等の塗料膜および/またはトップコート膜として好適である。
【0080】
また、本発明に係る被膜形成用塗布液を用いて基材上に形成された被膜は、無色、透明であって、基材との密着性、耐候性、耐光性、耐薬品性、可撓性および染色性に優れ、しかも表面硬度が高く、このため耐擦傷性および耐磨耗性に優れていることから、眼鏡レンズ、カメラなどの各種光学レンズ、各種表示素子フィルター、ルッキンググラスなどを提供する上で好適である。そして、ルッキンググラス、窓ガラスおよび各種表示素子フィルターなどの基材表面に、無色透明で表面硬度の高い多層の反射防止膜を形成する際の高屈折率層を本発明に係る被膜形成用塗布液で形成すれば内容物が鮮明に見えるようになる。このような反射防止膜を各種表示素子面に形成すれば、これらの表示素子面に蛍光灯などが映ることがなくなるため、映像が鮮明となり、眼の疲れがなくなる。
【0081】
さらに、本発明に係る被膜形成用塗布液であって、マトリックス形成成分として塗料用樹脂を含む塗布液を用いて基材上に形成された高屈折率被膜は、無色透明であって、硬化被膜の着色がなく、耐候性、耐光性、基材との密着性、可撓性にも優れ、さらに染色性、および耐褪色性に優れ、しかも上述したように被膜の屈折率を基材の屈折率と等しくできるので、高屈折率被膜上にハードコート膜(硬化被膜)さらに透明被膜・反射防止膜を形成したプラスチックレンズなどのプライマー膜として好適に用いることができ、得られるプラスチックレンズは耐衝撃性に優れている。このようなプライマー膜として用いる場合には、前記塗料用樹脂としてはポリエステル系樹脂やウレタン系樹脂等が好ましく用いられる。
【0082】
さらに、本発明に係る第1の塗布液から形成される硬化被膜を屈折率が1.54以上の合成樹脂製レンズ基材に設けることで、干渉縞、硬化被膜の着色が無く耐候性、耐光性、基材との密着性、可撓性、耐薬品性、耐擦傷性、耐摩耗性、染色性および各種耐久性に優れた軽量・薄型の合成樹脂製レンズを提供することができる。
【0083】
また、上記硬化被膜上に無機物からなる反射防止膜を積層することで、表面反射を抑え眼鏡レンズとしての機能をより一層向上させることができる。
この場合において、プラスチックレンズ基材上に第2の塗布液から形成されるプライマー膜が設けられており、プライマー膜および/または硬化被膜が染色されている場合は、染色が変色あるいは褪色することがない、すなわち耐褪色性に優れた薄型の合成樹脂製レンズを得ることができる。特に常法で染色が困難な高屈折率で薄型の合成樹脂製レンズを得る場合に有効である。
【0084】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
【実施例1】
酸化酸化チタン含有核粒子( TN-1 )分散ゾルの調製
TiO2に換算した濃度が0.4重量%の硫酸チタン水溶液250kgを攪拌しながら、これに濃度15重量%のアンモニア水を徐々に添加して加水分解し、pH8.5の白色スラリー液を得た。このスラリーを濾過した後洗浄し、固形分濃度が9重量%の含水チタン酸ゲルのケーキ11.11kgを得た。
【0086】
このケーキ5.55kgに、濃度33重量%の過酸化水素水6.06kgと水13.4kgとを加えた後、80℃で5時間加熱し、TiO2として2.0重量%の(過酸化)チタン酸水溶液25kgを得た。この(過酸化)チタン酸水溶液は、黄褐色透明でpHは8.1であった。
次に、平均粒子径が7nmでありSiO2濃度が15重量%のシリカゾル333.3gと、上記のチタン酸水溶液22.5kgと、純水27.25kgとを混合し、オートクレーブ中で200℃、96時間加熱した。加熱後得られたコロイド溶液を濃縮し、固形分濃度10重量%の酸化チタン含有核粒子(TN-1)分散ゾルを得た。
【0087】
中間薄膜層の形成
オキシ塩化ジルコニウム5.26kgを水9.474kgに溶解したZrO2濃度2重量%のオキシ塩化ジルコニウム水溶液に濃度15重量%のアンモニア水を添加して加水分解し、pH8.5のスラリーを得た。このスラリーを濾過して洗浄し、ZrO2として濃度10重量%のケーキを得た。このケーキ1.22kgに水3.08kgを加え、さらにKOH水溶液を加えてアルカリ性にしたのち、これに過酸化水素9.0kgを加え、次いで加熱して溶解し、ZrO2として濃度が2重量%のジルコニウムの過酸化水素溶解液6.1kgを調製した。
【0088】
別途、市販の水ガラスを水で希釈したのち、陽イオン交換樹脂で脱アルカリし、SiO2濃度2重量%のケイ酸液18.9kgを調製した。
酸化チタン含有核粒子(TN-1)分散ゾル5kgに水20kgを加えて固形分濃度2重量%にしたのち90℃に加熱し、これにジルコニウムの過酸化水素溶解液61gとケイ酸液189gを添加した。次いでこの混合液をオートクレーブ中200℃で18時間加熱処理を行った後、限外濾過膜法で濃縮し、固形分濃度10重量%の淡乳白色をした透明な、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる中間薄膜層を有する酸化チタン含有核粒子の水分散ゾルを得た。このゾルの平均粒子径は9nmであった。
【0089】
アンチモン酸化物被覆層の形成
水9000gに苛性カリ(純度85重量%)285gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(日本精鉱(株)製:ATOX−R、純度99重量%)555gを懸濁した。この懸濁液を100℃に加熱し、次いで水1100gで希釈した水溶液を14時間で添加しアンチモン酸化合物水溶液を調製した。
【0090】
前記の酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる中間薄膜層を有する酸化酸化チタン含有核粒子の水分散ゾル5kgに水20kgを加えて固形分濃度2重量%になるようにし、これにアンチモン酸化合物水溶液1.010kgに水1.768kg加えてSb25換算の濃度を2重量%にしたアンチモン酸化合物水溶液を添加し、イオン交換樹脂で脱イオンしながらアンチモン酸化物前駆体被覆処理を行った。
【0091】
脱イオン処理して、固形分濃度が1重量%になるように水を加え、次いでオートクレーブにて98℃で18時間の加熱処理を行った。
得られたコロイド溶液を濃縮して固形分濃度が10重量%のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)分散水ゾルを調製した。
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)の平均粒子径は9.1nmであった。
【0092】
また、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)の分散媒の水をメタノールに置換し、固形分濃度が20重量%になるまで濃縮してアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルを調製した。
透明被膜形成用塗布液( FS-1 )の調製
攪拌装置を備えたフラスコ中に、エチルセロソルブ41.15g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン35.45g、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン11.82g、テトラメトキシシラン4.56gを順次加え、次いで0.05規定塩酸水12.9gを加え30分間攪拌した。続いてシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製:L−7604)0.04g加え、5℃で24時間熟成してマトリックス形成成分を含む液を調製した。
【0093】
このマトリックス形成成分を含む液に、上記アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾル231gを添加し、さらにアルミニウムアセチルアセトナート1gを添加し、充分攪拌した後、0℃で48時間熟成して、透明被膜形成用塗布液(FS-1)を調製した。
【0094】
【実施例2】
実施例1において、中間薄膜層を有する酸化酸化チタン含有核粒子の水分散ゾルを調製する際に、ジルコニウムの過酸化水素溶解液の量を427g、ケイ酸液の量を1323gとし、の調製の際アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)分散水ゾルに、アンチモン酸化合物水溶液の量を2.273kgとし、水を3.977kg加えた以外は、実施例1と同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-2)が水に分散した水ゾルおよびメタノールに分散したオルガノゾルを調製し、透明被膜形成用塗布液(FS-2)を調製した。
【0095】
また、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-2)の平均粒子径は9.3nmであった。
【0096】
【実施例3】
実施例1において酸化チタン含有核粒子(TN-1)分散ゾルの調製の際にシリカゾルの量を750gとし、中間薄膜層を有する酸化チタン含有核粒子の水分散ゾルを調製する際にジルコニウムの過酸化水素溶解液の量を1.525kg、ケイ酸液の量を4.725kgとし、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)分散水ゾルを調製する際のアンチモン酸化合物水溶液の量を9.09kgとし、さらに水を15.91kg加えた以外は、実施例1と同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-3)の水分散ゾルおよびオルガノゾルを調製し、次いで透明被膜形成用塗布液(FS-3)を調製した。また、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-3)の平均粒子径は7.6nmであった。
【0097】
図1に実施例3で調製した複合酸化物微粒子のX線回折図を示す。
【0098】
【実施例4】
TiO2に換算したときの濃度が7.75重量%の四塩化チタン溶液93.665kgと、濃度15重量%のアンモニア水36.295kgとを混合して中和して白色スラリーを調製した。このスラリーを濾過した後洗浄し、固形分濃度が13.3重量%である含水チタン酸ゲルのケーキ54.579kgを得た。
【0099】
このケーキ7.519kgに、濃度35重量%の過酸化水素水11.429kgと水59.148kgとを添加し、80℃で2時間加熱して溶解した後、水21.9kgを添加してTiO2として濃度1.0重量%の過酸化チタン酸水溶液を調製した。得られた過酸化チタン酸水溶液に、SnO2としての濃度1.02重量%のスズ酸カリウム水溶液8.906kgを添加し、充分攪拌した後、陽イオン交換樹脂で脱イオン処理を行った。脱イオン処理後、SiO2に換算して272.7gになるようにシリカゾル1818g(シリカ濃度:15重量%)を加え、次いで固形分濃度が1重量%となるように水25.6kgを加えた後、オートクレーブにて140℃で18時間加熱して加水分解し、次いで得られたコロイド溶液を濃縮し、固形分濃度が10重量%の酸化チタン含有核粒子(TN-4)分散ゾルを得た。酸化チタン含有核粒子(TN-4)の平均粒子径は12.8nmであった。
【0100】
次いで、実施例2と同様にし、酸化酸化チタン含有核粒子(TN-4)分散ゾルを用いた以外は同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-4)分散水ゾルおよびオルガノゾルを調製した。アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-4)の平均粒子径は13.1nmであった。
透明被膜形成用塗布液( FS-4 )の調製
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-4)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-4)を調製した。
【0101】
【実施例5】
実施例4において、アンチモン酸化物被覆層の形成にアンチモン酸化合物水溶液9.09kg、水を15.91kg加え、175℃で加熱処理をした以外は、実施例4と同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-5)分散水ゾルおよびオルガノゾルを調製した。アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-5)の平均粒子径は13.4nmであった。
【0102】
透明被膜形成用塗布液( FS-5 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-5)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-5)の調製をした。
図2に実施例5で調製した複合酸化物微粒子のX線回折図を示す。
【0103】
参考例6】
特開平10−245224号公報の実施例2に準拠し、以下のようにして酸化チタン含有核粒子(TN-6)分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(住友シチックス(株)製:TiO2に換算して27.2重量%、Cl 32.0重量%)293.8g(TiO2に換算して79.8g)と水371.6gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液665g(TiO2に換算して12.0重量%濃度)を作成した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら50℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の過酸化水素水950.8gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sn、No.200)566.4gを添加した。
【0104】
過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに金属スズ31.5g(0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(0.554モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って、金属スズ31.5g(0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(0.554モル)を徐々に加えた。この様に金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金属スズを31.5gと過酸化水素水を53.8g)×17回の分割添加を行った後、最後に金属スズ30.9gを次いで過酸化水素水36.2gを添加し、トータル18回の分割添加を行った。
【0105】
反応は発熱反応のため金属スズの添加により70〜75℃になり、反応が終了すると冷却されて50〜60℃に低下した。従って反応温度は50〜75℃であった。添加時の過酸化水素と金属スズの割合はH22/Snモル比で2.09であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は、3.0時間であった。
反応終了後、塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液3195.6gを得た。
【0106】
このときの濃度は、TiO2 +SnO2換算の合計濃度として25重量%であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液2870gに水11269g、濃度28重量%のアンモニア水211gを添加し、TiO2+SnO2に換算した濃度で5重量%まで希釈した。この水溶液を95℃で10時間加水分解を行い、平均粒子径5.9nmの酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
(C)工程:(b)工程で得た酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約15リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル14350gを得た。酸化チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の平均粒子径は5.9nmであった。
(d)工程:(C)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化スズ複合ゾル14350gにイソプロピルアミン137gを添加してアルカリ性にした後、限外濾過装置にて水約24リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去してアルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル14600gを得た。さらに陰イオン交換樹脂(オルガノ(株)製:アンバーライトIRA−410)200ミリリットッルを詰めたカラムに通液し、陰イオン含有量の少ないアルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル15500gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下で濃縮を行い、酸化チタン含有核粒子(TN-6)分散ゾル7Kgを得た。
【0107】
このときの濃度は、TiO2+SnO2換算の合計濃度として10重量%であった。
酸化チタン含有核粒子(TN-6)の平均粒子径は5.9nmであった。
次いで、実施例1において酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる中間薄膜層を有する酸化チタン含有核粒子(TN-1)の代わりに酸化チタン含有核粒子(TN-6)を用い、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)分散水ゾルの調製の際に、アンチモン酸化合物水溶液の量を2.273kgとし、水を3.977kg加えた以外は、実施例1と同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)分散水ゾルおよびオルガノゾルを調製した。アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)の平均粒子径は6.1nmであった。
【0108】
透明被膜形成用塗布液( FS-6 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-6)の調製をした。
【0109】
参考例7】
特開平10−245224号公報の実施例3に準拠し、以下のようにして酸化チタン含有核粒子(TN-7)分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(住友シチックス(株)製:TiO2に換算して27.2重量%、Cl 32.0重量%)1175g(TiO2に換算して319.6g)と水1488.4gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液2663.4g(TiO2に換算して12.0重量%濃度)を作成した。
【0110】
この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら50℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の過酸化水素水510gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sm、No.200)237.4gを添加した。過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに過酸化水素水102g(1.05モル)を、次いで金属スズ47.5g(0.4モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って、過酸化水素水102g(1.05モル)を、次いで金属スズ47.5g(0.4モル)を徐々に加えた。この様に過酸化水素水の添加に続く金属スズの添加を、3〜7分の間隔を置いて合計5回繰り返すことにより、(過酸化水素水を102gと金属スズ47.5g)×5回の分割添加を行った。
【0111】
反応は発熱反応のため金属スズの添加により70〜75℃になり、反応が終了すると冷却のために50〜60℃に低下した。従って反応温度は50〜75℃であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH22/Snモル比で2.63であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は1時間であった。
反応終了後、塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液4139.3gを得た。
【0112】
このときの濃度は、TiO2 +SnO2換算の合計濃度として15重量%であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液4139.3gに水7798.7g、濃度28重量%のアンモニア水480gを添加し、TiO2 +SnO2に換算した濃度で5重量%まで希釈した。この水溶液を94℃で10時間加水分解を行い、平均粒子径5.9nmの酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約30リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて酸性の酸化チタン−酸化スズ複合水性31000gを得た。酸化チタン−酸化スズ複合コロイド粒子の平均粒子径は、5.9nmであった。
(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化スズ複合ゾル15500gにイソプロピルアミン274gを添加し、アルカリ性にした後、限外濾過装置にて水約48リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去し、アルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル30500gを得た。さらに陰イオン交換樹脂(オルガノ(株)製:アンバーライトIRA−410)1200ミリリットルを詰めたカラムに通液し、陰イオン含有量の少ないアルカリ性の酸化チタン−酸化スズ複合水性ゾル31000gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、濃縮を行い、酸化チタン含有核粒子(TN-7)分散ゾル6.085Kgを調製した。
【0113】
このときの濃度は、TiO2 +SnO2換算の合計濃度として10重量%であった。
酸化チタン含有核粒子(TN-6)の平均粒子径は5.9nmであった。
次いで、実施例6において、酸化チタン含有核粒子(TN-6)分散ゾルの代わりにチタン核粒子(TN-7)分散ゾルを用い、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)分散水ゾルの調製の際に、アンチモン酸化合物水溶液の量を9.09kgとし、水を15.91kg加えた以外は、実施例1と同様にしてアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-7)分散水ゾルおよびオルガノゾルを調製した。
【0114】
アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-7)の平均粒子径は6.3nmであった。
透明被膜形成用塗布液( FS-7 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-7)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-7)の調製をした。
【0115】
【実施例8】
実施例1で調製したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾル1000gを反応容器にとり、これを撹拌しながらメチルトリメトキシシラン56gと水20gを加え、次いで50℃に加温した。そして濃縮して、固形分濃度が20重量%のメチルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-8)のオルガノゾルを調製した。
【0116】
透明被膜形成用塗布液( FS-8 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-8)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-8)を調製した。
【0117】
【実施例9】
メチルトリメトキシシランをビニルトリメトキシシランに代えた以外は実施例8と同様にしてビニルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-9)のオルガノゾルを調製した。
透明被膜形成用塗布液( FS-9 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-9)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-9)を調製した。
【0118】
【実施例10】
実施例8において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの代わりに、実施例2で調製したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-2)のオルガノゾルを用い、メチルトリメトキシシランに代えてテトラエトキシシランを用いた以外は実施例8と同様にしてテトラエトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-10)のオルガノゾルを調製した。
【0119】
透明被膜形成用塗布液( FS-10 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-10)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-10)を調製した。
【0120】
【実施例11】
実施例10においてテトラエトキシシランに代えて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例10と同様にしてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-11)のオルガノゾルを調製した。
【0121】
透明被膜形成用塗布液( FS-11 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-11)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-11)を調製した。
【0122】
【実施例12】
実施例8において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの代わりに、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-3)のオルガノゾルを用いた以外は実施例8と同様にしてメチルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-12)のオルガノゾルを調製した。
【0123】
透明被膜形成用塗布液( FS-12 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-12)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-12)を調製した。
【0124】
【実施例13】
実施例8において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの代わりにアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-4)のオルガノゾルを用いた以外は実施例8と同様にしてメチルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-13)のオルガノゾルを調製した。
【0125】
透明被膜形成用塗布液( FS-13 )の調製
得られたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-13)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-13)を調製した。
【0126】
【実施例14】
実施例8において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの代わりにアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-5)のオルガノゾルを用い、メチルトリメトキシシランに代えてテトラエトキシシランを用いた以外は実施例8と同様にしてテトラエトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-14)のオルガノゾルを調製した。
【0127】
透明被膜形成用塗布液( FS-14 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-14)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-14)を調製した。
【0128】
参考例15】
実施例6で調製したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)のオルガノゾル1000gをロータリーエバポレーターに採取し、次いでメチルセロソルブ4000gを加えた後、減圧蒸留を行い、固形分濃度が20重量%のメチルセロソルブを分散媒とするアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-15)のオルガノゾルを調製した。
【0129】
透明被膜形成用塗布液( FS-15 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-15)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-15)を調製した。
【0130】
参考例16】
実施例8において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの代わりにアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-7)のオルガノゾルを用いた以外は実施例8と同様にしてメチルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-16)のオルガノゾルを調製した。
【0131】
透明被膜形成用塗布液( FS-16 )の調製
次いで、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-16)のオルガノゾルを用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-16)を調製した。
【0132】
【実施例17】
>透明被膜形成用塗布液( FS-17 )の調製
攪拌装置を備えたフラスコ中にエチルセロソルブ41.5g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15.26g、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン32.00g、テトラメトキシシラン8.45gを順次加え、次いで、0.05規定塩酸水12.90gを加え、30分攪拌した後、5℃にて24時間熟成してマトリックス形成成分を含む液を調製した。続いてシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製:L−7001)を0.04g、実施例1で調製したアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルを231.0g、グリセリンジグリシジルエーテル(長瀬産業(株)製:デナコールEX−313)5.1g、硬化触媒として過塩素酸マグネシウム0.411gをこの順で添加し、溶解させた後、0℃で48時間熟成を行い、透明被膜形成用塗布液(FS-17)を調製した。
【0133】
【実施例18】
透明被膜形成用塗布液( FS-18 )の調製
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(FS-1)を調製する際に、テトラメトキシシランの量を7.6gとし、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルの量を225gとした以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(FS-18)を調製した。
【0134】
【実施例19】
透明被膜付基材( PL-1 PL-8 PL-9 PL-17 PL-18 )の調製
基材として市販の樹脂レンズ(R1)(三井化学(株)製:n=1.74)を用い、これを濃度13重量%のNaOH水溶液中に5分間浸漬した後、充分に水洗し、乾燥した。次いで実施例1、実施例8、実施例9、実施例17および実施例18で調製した各透明被膜形成用塗布液を用い、それぞれスピンコート法による塗布を行った。スピンコートの条件は、低回転中にハードコート液を塗布した後、回転数:2500rpm、回転時間:1秒の条件で振り切りを行った。塗布後、90℃で18分間仮乾燥した後、106℃で30分間加熱硬化し、次いで冷却後、裏面にも同様の条件で塗布と仮乾燥を行い、106℃で120分間加熱・硬化を行い、透明被膜付基材(PL-1、PL-8、PL-9、PL-17、PL-18)を形成した。このとき、透明被膜の膜厚は2.3μmであった。
【0135】
各透明被膜を形成したレンズは、市販の染色剤(セイコープラックス用アンバーD)を用いて90℃の染色浴で3分間(生地)染色を行った。
透明被膜付基材( PL-2 PL-10 PL-11 )の調製
基材として市販の樹脂レンズ(R2)(三菱ガス化学(株)製:n=1.71)を用い、これを濃度13重量%のNaOH水溶液中に5分間浸漬した後充分に水洗し、乾燥した。
【0136】
次いで、実施例2、実施例10、実施例11で調製した各透明被膜形成用塗布液を用い、透明被膜付基材(PL-1)と同様にして透明被膜付基材(PL-2、PL-10、PL-11)を形成した。透明被膜の膜厚は2.3μmであった。
各透明被膜を形成したレンズは、市販の染色剤(住友化学工業(株)製:スミカロンブルー E−RPD 2.0g、スミカロンレッド E−RPD 0.8g、スミカロンイエロー E−RPD 0.4g)を水1Lに混合した65℃の染色浴で染色後、110℃で1時間乾燥を行った。
【0137】
透明被膜付基材( PL-4 PL-13 )の調製
基材として市販の樹脂レンズ(R3)(三井化学(株)製:n=1.66)を用い、これを濃度13重量%のNaOH水溶液中に5分間浸漬した後充分に水洗し、乾燥した。
次いで、実施例4、実施例13で調製した各透明被膜形成用塗布液を用い、透明被膜付基材(PL-1)と同様にして透明被膜付基材(PL-4、PL-13、)を形成した。透明被膜の膜厚は2.3μmであった。
【0138】
各透明被膜を形成したレンズは、市販の染色剤(セイコープラックス用アンバーD)を用いて90℃の染色浴で3分間(生地)染色を行った。
透明被膜付基材( PL-3 PL-5 PL-6 PL-7 PL-12 PL-14 PL-15 PL-16 )の調製
基材として市販の樹脂レンズ(R4)(三井化学(株)製:n=1.60)を用い、これを濃度13重量%のNaOH水溶液中に5分間浸漬した後充分に水洗し、乾燥した。
【0139】
次いで、実施例3、実施例5、参考例6,参考例7、実施例12、実施例14、参考例15および参考例16で調製した各透明被膜形成用塗布液を用い、透明被膜付基材(PL-1)と同様にして透明被膜付基材(PL-3、PL-5、PL-6、PL-7、PL-12、PL-14、PL-15、PL-16)を形成した。透明被膜の膜厚は2.3μmであった。
【0140】
各透明被膜を形成したレンズは、市販の染色剤(住友化学工業(株)製:スミカロンブルー E−RPD 2.0g、スミカロンレッド E−RPD 0.8g、スミカロンイエロー E−RPD 0.4g)を水1Lに混合した65℃の染色浴で染色後、110℃で1時間乾燥を行った。
以上のようにして得られた透明被膜付基材について、以下の特性を評価した。
【0141】
結果を表1に示す。
褪色性
上記で得た各染色レンズに、紫外線照射装置(Q−Panel Lab Products製:QUV)により20時間暴露し、暴露前後の色目の変化を目視で観察し、判定は以下の基準により行なった。
【0142】
○:ほとんど差がみられない。
△:少し差がみられる。
×:はっきり差がみられる。
干渉縞
干渉縞の発生の有無について、背景を黒くした状態で蛍光灯の光をレンズ表面で反射させ、光の干渉による虹模様の発生を目視で観察し、判定は以下の基準により行なった。
【0143】
○:虹模様が認められない。
△:かすかに虹模様が認められる。
×:はっきりと虹模様が認められる。
耐擦傷性
#0000スチールウールにより荷重1kg/cm2で10往復させた後の被膜の状態を観察し、判定は以下の基準により行なった。
【0144】
A:全く傷がつかない。
B:ほとんど傷がつかない。
C:少し傷がつく。
D:多く傷がつく。
密着性
70℃の温水中に2時間浸漬した後、レンズ表面にナイフで縦横にそれぞれ1mm間隔で11本の平行線状の傷を付け100個のマス目を作りセロファンテープを接着・剥離後に被膜が剥がれずに残ったマス目の数をみた。(以下、クロスカット・テープ試験ということがある。)
耐候性
カーボンアーク電極を持つサンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)を用いて200時間暴露した後、クロスカット・テープ試験を暴露面について行った。
【0145】
長期安定性
各透明被膜形成用塗布液を10℃で25日および45日保存した後に上記のようにして透明被膜を形成して前記褪色性から耐候性の評価を行い、透明被膜形成用塗布液を調製した直後に形成した透明被膜との差異を○、△、×の3段階で評価した。
【0146】
○:差異が認められなかった。
△:わずかに性能の低下が認められた。
×:明らかに性能の低下が認められた。
【0147】
【比較例1】
実施例1において、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる中間薄膜層を有する酸化チタン含有核粒子の水分散ゾルの分散媒をメタノールに置換し、これを固形分濃度が20重量%になるまで濃縮して、酸化チタン含有核粒子のオルガノゾルを得た。このゾルをアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(CFS-1)を調製した。この塗布液を用いて実施例19と同様の方法で樹脂レンズ(R1)に透明被膜を形成し、得られた透明被膜付基材の特性評価を行った。結果を表1に示す。
【0148】
【比較例2】
実施例4において、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムからなる中間薄膜層を有する酸化チタン含有核粒子水分散ゾルの分散媒をメタノールに置換し、固形分濃度が20重量%になるまで濃縮して、酸化チタン含有核粒子のオルガノゾルを得た。このゾルをアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-4)の代わりに用いた以外は実施例4と同様にして透明被膜形成用塗布液(CFS-2)を調製した。この塗布液を用いて実施例19と同様の方法で樹脂レンズ(R2)に透明被膜を形成し、得られた透明被膜付基材の特性評価を行った。結果を表1に示す。
【0149】
【比較例3】
実施例6において、酸化チタン、酸化スズからなる酸化チタン含有核粒子(TN-6)分散ゾルの分散媒の水をメタノールに置換し、固形分濃度が20重量%になるまで濃縮して、酸化チタン含有核粒子のオルガノゾルを得た。このゾルをアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-6)の代わりに用いた以外は、実施例6と同様にして透明被膜形成用塗布液(CFS-3)を調製した。この塗布液を用いて実施例19と同様の方法で樹脂レンズ(R4)に透明被膜を形成し、得られた透明被膜付基材の特性評価を行った。結果を表1に示す。
【0150】
【表1】
Figure 0003969968
【0151】
【実施例20】
プライマー膜形成用塗布液( PFS-20 )の調製
実施例11において、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-2)のオルガノゾルの代わりにアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-1)のオルガノゾルを用いた以外は実施例11と同様にして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理されたアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-19)のオルガノゾルを調製した。
【0152】
このオルガノゾル2000gに、濃度30重量%のウレタンエラストマーの水分散体(第一工業製薬(株)製:スーパーフレックス150)500gを混合して、プライマー膜形成用塗布液(PFS-20)を調製した。
プライマー膜の形成
基材として市販の樹脂レンズ(R1)(三井化学(株)製:n=1.74)を用い、これを濃度5重量%のNaOH水溶液中に5分間浸漬した後充分に水洗し、乾燥した。
【0153】
次いで、この樹脂レンズ(R1)を前記プライマー膜形成用塗布液(PFS-20)中に浸漬した後、引上げ速度95mm/分で引上げ、85℃で120分、104℃で60分間加熱硬化してレンズ表面にプライマー膜を形成した。
透明被膜の形成
次いで、このレンズに、実施例8で調製した透明被膜形成用塗布液(FS-8)を用い、実施例19と同様にして透明被膜付基材を形成した。
【0154】
反射防止膜の形成
次いで、プライマー膜および透明被膜つき樹脂レンズ(R1)を真空中200Wの出力のアルゴンガスプラズマ中に30秒間暴露させた後、真空蒸着法により、レンズ側から大気側に向かってSiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の5層の薄膜を形成した。形成された反射防止膜の光学膜厚は、順にSiO2が約λ/4、次のZrO2とSiO2の合計膜厚が約λ/4、次のZrO2が約λ/4、そして最上層のSiO2が約λ/4である。(設計波長λは510nm)反射防止膜を形成した。
【0155】
耐衝撃性テスト
上記のようにして得られたプライマー膜、透明被膜および反射防止膜付き樹脂レンズを用いて耐衝撃性テストを行った。耐衝撃性のテスト方法は、高さ126cmの所より、重さ16.2g、100g、200g、400gの4種類の鋼球をプラスチックレンズの上に垂直に落下させ、割れの有無で判定した。
割れなし・・・○
割れあり・・・×
【0156】
また、プライマー膜を形成していないものとして、実施例8で調製した透明被膜形成用塗布液(FS-8)を用い、実施例19と同様にしてレンズ(R1)に透明被膜付基材を形成した後、同様にして真空蒸着法により反射防止膜を形成し、耐衝撃性テストを行った。
結果を表2に示す。
【0157】
【実施例21】
実施例20において、樹脂レンズ(R1)の代わりにn=1.60の樹脂レンズ(R4)を用い、プライマー膜形成用塗布液の調製の際にアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子(AT-19)のオルガノゾルの量を1200gに代えてメタノール800gを加えて、プライマー膜形成用塗布液(PFS-22)を調製し、レンズ表面にプライマー膜を形成した。
【0158】
次いで、このプライマー膜を形成したレンズに、実施例12で調製した透明被膜形成用塗布液(FS-12)を用い、実施例20と同様にして透明被膜付基材を形成し、次いで真空蒸着法により反射防止膜を形成し、耐衝撃性テストを行った。また、プライマー膜が形成されていないものとして、実施例12で調製した透明被膜形成用塗布液(FS-12)を用い、実施例19と同様にして樹脂レンズ(R4)に透明被膜付基材を形成し、実施例20と同様にして真空蒸着法により反射防止膜を形成し、耐衝撃性テストを行った。
【0159】
結果を表2に示す。
【0160】
【表2】
Figure 0003969968

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例3で調製した複合酸化物微粒子のX線回折図である。
【図2】図2は実施例5で調製した複合酸化物微粒子のX線回折図である。

Claims (11)

  1. 酸化チタン含有核粒子と、アンチモン酸化物からなる被覆層とから構成され、かつ前記酸化チタン含有核粒子とアンチモン酸化物被覆層との間に、S i 、A l 、S n 、Z r 、Z n 、S b 、N b 、T a およびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物、複合酸化物、または混合物のいずれか1種からなる中間薄膜層が1層以上形成されていることを特徴とするアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子。
  2. 酸化チタン含有核粒子中の酸化チタン含有量がTiO2換算で10重量%以上であり、アンチモン酸化物からなる被覆層の量が、アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子に対して、Sb25として1〜90重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子。
  3. 前記酸化チタン含有核粒子が、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、TaおよびWから選ばれる1種以上の元素の酸化物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子。
  4. 表面が有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で改質処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子を水および/または有機溶媒に分散してなるアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子分散ゾル。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と、マトリックス形成成分として下記式(A)で表される有機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または部分縮合物の1種以上とを含有することを特徴とする透明被膜形成用塗布液。
    1 a2 bSi(OR3)4-(a+b) …(A)
    (式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素数1〜4の炭化水素基、R3は炭素数1〜8の炭化水素基またはアシル基、a、bは0または1を表す。)
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のアンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物粒子と、マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂から選ばれる1種以上の樹脂とを含有することを特徴とする透明被膜形成用塗布液。
  8. 前記マトリックス形成成分が、ポリエステル系樹脂またはウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の透明被膜形成用塗布液。
  9. 基材表面に、請求項6〜8のいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液を用いて形成された透明被膜を有することを特徴とする透明被膜付基材。
  10. 基材表面に、請求項7または8に記載の透明被膜形成用塗布液を用いて形成されたプライマー膜を有し、その上にさらに請求項6に記載の透明被膜形成用塗布液を用いて形成されたハードコート膜を有することを特徴とする透明被膜付基材。
  11. 前記透明被膜またはハードコート膜の上にさらに反射防止膜を有することを特徴とする請求項9または10に記載の透明被膜付基材。
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