JP5221084B2 - ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液 - Google Patents

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Description

本発明は、基材と、基材上に形成されたハードコート膜とからなり、屈折率を所定の範囲に容易に調整することができるとともに、分散性、安定性に優れた複合酸化物粒子を含んでいるために、基材と透明被膜の屈折率を同程度にでき、このため干渉縞が生じることもなく、基材との密着性、耐擦傷性、スクラッチ強度、鉛筆硬度等に優れたハードコート膜付基材および該ハードコート膜の形成に用いる塗布液に関する。
ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ、樹脂フィルム、表示装置前面板等の基材表面の耐擦傷性を向上させるため、基材表面にハードコート膜を形成することが知られており、このようなハードコート膜として有機樹脂膜あるいは無機膜をガラスやプラスチック等の表面に形成することが行われている。さらに、有機樹脂膜あるいは無機膜中に樹脂粒子あるいはシリカ等の無機粒子を配合してさらに耐擦傷性を向上させることが行われている。
例えば、ハードコート膜にシリカ粒子、ジルコニア、ITO、ATO、五酸化アンチモン粒子等の無機酸化物粒子、これらの混合粒子あるいはこれらの鎖状粒子等を配合したハードコート膜が知られている。
しかしながら、基材の屈折率とハードコート膜の屈折率との差が小さい場合は干渉縞は生じないが、この屈折率差を維持するために基材の種類や屈折率に制約があったり、ハードコート膜のマトリックスの種類や屈折率に制約があり、さらに粒子の選択に制約があった。また、粒子を配合して屈折率を調整しようとする場合、粒子径が大きく異なったり、粒子の表面特性(表面電位、マトリックス成分との親和性等)が異なると粒子が互いに凝集したり、マトリックス成分への分散性が低下し、耐擦傷性が不充分となることがあった。また、シリカ自体は、耐アルカリ性が不十分ではないため、接着剤層を設けるためにアルカリ処理すると、変色したり、透明性が低下するなどの問題点もあった。
また、ハードコート膜形成用塗布液のpHによっても異なるが、通常、ジルコニア微粒子、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の微粒子は分散液中で粒子表面が正に帯電し、シリカ微粒子、チタニア微粒子、五酸化アンチモン微粒子、酸化亜鉛微粒子、アルミナ微粒子、シリカ・アルミナ微粒子、アンチモンドープ酸化スズ微粒子(ATO)、亜鉛ドープアルミナ(AZO)等は分散液中で粒子表面が負に帯電し、前者と後者を混合すると互いの電位を打ち消しあい、凝集する問題があり、基材との密着性、耐擦傷性、製造信頼性等が不充分となることがあった。また、このような場合、非イオン性界面活性剤を添加して分散を促進して用いることが知られているが、分散性は改良されるものの、得られるハードコート膜は未だ基材との密着性、耐擦傷性等が不充分で、さらに改良が求められていた。
このような状況の下、本発明者は、上記問題点を解消すべく鋭意検討した結果、酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子は屈折率の調整が容易で、且つ、凝集することなく分散安定性に優れていることを見いだして本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]基材と、基材の少なくとも一方の表面上に形成された複合酸化物粒子とマトリックス
成分からなるハードコート膜とからなり、
該複合酸化物粒子が酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子であり、
ハードコート膜の屈折率(HCn)と基材の屈折率(Sn)との屈折率差が0.3以下であることを特徴とするハードコート膜付基材。
[2]前記複合酸化物粒子の平均粒子径が5〜120nmの範囲にあり、複合酸化物粒子の
屈折率(Pn)が1.50〜2.10の範囲にある[1]のハードコート膜付基材。
[3]前記複合酸化物粒子の最外層が五酸化アンチモンである[1]または[2]のハードコート
膜付基材。
[4]前記複合酸化物粒子が有機ケイ素化合物で表面処理されており、該有機ケイ素化合物
が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物、または下記式(2)で表される有機ケイ素化合物および下記式(1)で表される有機ケイ素化合物である[1]〜[3]のハードコート膜付基材。
X-R-Si(OR)3 (1)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。Xは(メタ)アクロイル基、エポキシ基(グリシド基)、ウレタン基、アミノ基、フルオロ基から選ばれる1種または2種以上の官能基。
Si(OR)4 (2)
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。)
[5]前記マトリックス成分が、シリコーン系樹脂および/または有機系樹脂からなる[1]〜[4]のハードコート膜付基材。
[6]前記ハードコート膜の表面抵抗値が108〜1014Ω/□の範囲にある[1]〜[5]のハードコート膜付基材。
[7]複合酸化物粒子とマトリックス形成成分とからなるハードコート膜形成用塗布液であ
って、該複合酸化物粒子が酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子であることを特徴とするハードコート膜形成用塗布液。
[8]前記複合酸化物粒子の平均粒子径が5〜120nmの範囲にあり、複合酸化物粒子の
屈折率(Pn)が1.50〜2.10の範囲にある[7]のハードコート膜形成用塗布液。
[9]前記複合酸化物粒子の最外層が五酸化アンチモンである[7]または[8]のハードコート
膜形成用塗布液。
[10]前記複合酸化物粒子が有機ケイ素化合物で表面処理されており、該有機ケイ素化合物が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物、または下記式(2)で表される有機ケイ素化合物および下記式(1)で表される有機ケイ素化合物である[7]〜[9]のハードコート膜形成用塗
布液。
X-R-Si(OR)3 (1)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。X-は(メタ)アクロイル基、エポキシ基(グリシド基)、ウレタン基、アミノ基、フルオロ基から選ばれる1種または2種以上の官能基。
Si(OR)4 (2)
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。)
[11]前記マトリックス形成成分が、シリコーン系樹脂および/または有機系樹脂からなる[7]〜[10]のハードコート膜形成用塗布液。
本発明では、基材表面に設けられたハードコート膜が、屈折率の調整が可能で分散性に優れた酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子を含んでいるために基材の屈折率とハードコート膜の屈折率とを近似させることができ、このため干渉縞を生じることがなく、基材との密着性、耐擦傷性、膜硬度、ヘーズ等に優れたハードコート膜付基材および該ハードコート膜形成用塗料を提供することができる。
以下、まず、本発明に係るハードコート膜付基材について説明する。
ハードコート膜付基材
本発明のハードコート膜付基材は、基材と、基材上に形成されたハードコート膜とからなる。
基材
本発明に用いる基材としては、従来公知のガラス、シクロポレオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム等のセルロース系基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系基材、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルム等のポリオレフィン系基材、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系基材、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、アクリロニトリルフィルム等の基材が挙げられる。また、特開平8−48940号公報に開示した、メルカプト化合物の1種以上と、ポリイソシアネートの1種以上とを反応させて得られる含硫ウレタン樹脂基材、硫黄原子と芳香族管を構成要素とする(メタ)アクリルモノマーおよび/またはビニルモノマーと、他の重合性モノマーとから得られる共重合体である合成樹脂性基材等、従来、眼鏡レンズ基材として用いられる合成樹脂レンズ基材も好適に用いることができる。
このような基材は、屈折率が1.45〜1.80、さらには1.48〜1.78の範囲にあることが好ましい。
基材の屈折率が1.45未満の場合は、本発明の複合酸化物粒子の屈折率が1.50以上であり、得られる透明被膜の屈折率と基材の屈折率との差が0.3以上となり、干渉縞が発生したり、塗布ムラが見えやすくなる場合がある。
基材の屈折率が1.80を越えるとそのような透明性基材自体を得ることが困難である。
ハードコート膜
ハードコート膜は、マトリックス成分と、酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子とを含んでいる。このような複合酸化物粒子は、分散性のよい五酸化アンチモンやシリカで表面を覆われているので分散性、分散安定性が高くできる。さらに、酸化ジルコニウムは屈折率が高いが、このシェルを形成することで、屈折率を任意に制御できるだけではなく、ヘーズや光の散乱も抑制できる。
(i)複合酸化物粒子
本発明に用いるコアシェル構造を有する複合酸化物粒子は、ジルコニアコア粒子(以下、単にコア粒子ということがある)とシェル層とからなる。
ジルコニアコア粒子の平均粒子径は3〜100nm、さらには5〜80nmの範囲にあることが好ましい。ジルコニアコア粒子の平均粒子径が小さいものは、得ることが困難であり、得られたとしても、アモルファス状で結晶性が低く、粒子表面に正の十分な帯電をしないため、分散安定性が低く、凝集することがあり、被覆層の形成が困難となる。ジルコニアコア粒子の平均粒子径が大きすぎると、光の散乱が強くなり、ハードコート膜のヘーズが高くなる場合がある。
このコア粒子表面に、五酸化アンチモンおよび/またはシリカからなる被覆層(以下、単にシェルということがある)が形成されている。本発明では、複合酸化物粒子の最外層が五酸化アンチモンであることが、屈折率が高く、導電性が発現するという理由で好ましい。
本発明の態様としては、ジルコニアコア-五酸化アンチモンシェルの2層構造の他に、ジルコニアコア-シリカ中間層-五酸化アンチモン最外層、ジルコニアコア-五酸化アンチモ
ン第1層-シリカ第2層-五酸化アンチモン最外層、さらには、ジルコニアコア-五酸化ア
ンチモン・シリカ複合酸化物中間層-五酸化アンチモン最外層などが挙げられる。
さらに、本発明の複合酸化物粒子は、体積抵抗値が10-2〜104Ω・cm、さらには
10-1〜103Ω・cmの範囲にあることが好ましい。体積抵抗値が前記範囲にあると耐
擦傷性に加え帯電防止性能を有するハードコート膜が得られるので好適に用いることができる。なお、粒子の体積抵抗値は、以下にして測定される。
まず、試料を乾燥処理し、乾燥粉体をセルに充填し、上部、下部に端子のついた電極を取り付け、9.8MPaに加圧する。次に、端子間距離(B)をノギスで測定し、抵抗値(A)を東陽テクニカ社製エレクトロメータ6517型にて測定する。体積抵抗値は次式(3)により算出す
る。
体積抵抗値=[A-A’](Ω)/[B-B’](cm)×0.5(cm2) …(3)
B’、A’は9.8MPa加圧時に、試料を充填していない状態での端子間距離および抵抗値である。また定数0.5(cm2)はセルの面積である。
複合酸化物粒子中のシェルの割合は、酸化物として1〜70重量%、さらには3〜50重量%の範囲にあることが好ましい。複合酸化物粒子中のシェルの割合が少なければ、シェル層が薄く、五酸化アンチモンまたはシリカと同様の帯電をせず、即ち、酸化アンチモンまたはシリカと同様のコロイド的特性が得られず、分散性、分散安定性が不充分となり、他の粒子を混合したり、バインダーと混合した際に凝集する場合がある。
複合酸化物粒子中のシェルの割合が多すぎても、コア粒子であるジルコニアの割合が少なく、得られる粒子の屈折率が低く、所望の屈折率を有する複合酸化物粒子が得られない場合がある。
このような複合酸化物粒子の製造方法は、前記した酸化ジルコニウムコアを五酸化アンチモンおよび/またはシリカで被覆した粒子が得られれば特に制限はないが、
例えば、(1)五酸化アンチモンを被覆した複合酸化物粒子の場合、
平均粒子径が概ね3〜100nmの酸化ジルコニウム粒子分散液に、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等の水溶液と混合し、熟成し、ついでイオン交換樹脂等によりイオン除去することにより得ることができる。この時得られる複合酸化物粒子の屈折率(P)は概ね1.80〜2.10の範囲にある。
(2)シリカを被覆した複合酸化物粒子の場合、
平均粒子径が概ね3〜100nmの酸化ジルコニウム粒子分散液に、珪酸アルカリ水溶液を添加し、必要に応じて加熱し、熟成し、イオン交換樹脂等によりイオン除去することにより得ることができる。また、別の方法として、平均粒子径が概ね3〜100nmの酸化ジルコニウム粒子分散液に、シリコンアルコキサイドのアルコール溶液を添加し、必要に応じて加水分解触媒として塩酸や硝酸等の酸もしくはアンモニア等の塩基を添加し、熟成することにより得ることができる。この時得られる複合酸化物粒子の屈折率(P)は概ね1.50〜2.00の範囲にある。
(3)シリカと五酸化アンチモンを被覆した複合酸化物粒子の場合、
前記(2)と同様にしてシリカで被覆した複合酸化物粒子分散液を調製した後、前記(1)と同様にして五酸化アンチモンを被覆することによって得ることができる。
このとき得られる複合酸化物粒子の屈折率(P)は概ね1.55〜2.05の範囲にある。
上記に於いて、五酸化アンチモンおよび/またはシリカの使用量はシェルの含有量が前記範囲となるように用いる。また、屈折率(P)が後述するように1.50〜2.10の範囲となるように用いる。
これらは、いずれも、五酸化アンチモンおよび/またはシリカで被覆した後、50〜300℃で熟成することが好ましい。熟成を行うと被覆した五酸化アンチモンおよび/またはシリカの結晶化が進み分散安定性に優れた複合酸化物粒子を得ることができる。
このような酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとする複合酸化物粒子の屈折率は1.50〜2.10の範囲にあることが好ましい。
複合酸化物粒子の屈折率が前記範囲外のものは得ることが困難であり、得られたとしても分散安定性が不充分であり、ハードコート膜を形成しても基材との密着性、膜強度、等が不充分となり、さらに場合によっては干渉縞を生じる場合がある。
複合酸化物粒子の屈折率は標準屈折率液法によって測定することができる。なお、本発明では、ジルコニアコアの屈折率は2.15、五酸化アンチモンの屈折率は1.68シリカの屈折率は1.43である。
複合酸化物粒子の屈折率は、屈折率は五酸化アンチモンまたはシリカの被覆量を変えることによって、調節することが可能である。
複合酸化物粒子の平均粒子径は5〜120nm、さらには10〜100nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が小さいものは得ることが困難であり、得られたとしても分散性等が不充分となることがある。平均粒子径が大きすぎてもハードコート膜のヘーズが悪化する傾向にある。
本発明に用いる複合酸化物粒子は有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。有機ケイ素化合物としては従来公知のシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物を用いることができる。
本発明では、有機ケイ素化合物が、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物(有機ケイ
素化合物(1)ともいう)、または下記式(2)で表される有機ケイ素化合物(有機ケイ素化合物(2)ともいう)および下記式(1)で表される有機ケイ素化合物が好適である。
X-R-Si(OR)3 (1)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。Xは(メタ)アクロイル基、エポキシ基(グリシド基)、ウレタン基、アミノ基、フ
ルオロ基から選ばれる1種または2種以上の官能基。
Si(OR)4 (2)
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。)
有機ケイ素化合物(1)として具体的には、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエト
キシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシ
ラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
このような有機ケイ素化合物(1)で処理されていると、マトリックス中での分散安定性
が向上し、表面が平滑で、耐擦傷性や鉛筆硬度に優れたハードコート膜を形成することができる。有機ケイ素化合物(1)の処理量は、複合酸化物粒子の屈折率によっても異なるが
、得られる表面処理複合酸化物粒子中の有機ケイ素化合物(1)をX-R-SiO3/2として、
1〜50重量%、さらには3〜30重量%の範囲にあることが好ましい。有機ケイ素化合物(1)の処理量が少ないと、表面処理が不充分で、前記分散安定性向上効果が充分得られ
ないことがある。有機ケイ素化合物の処理量多すぎると、表面処理複合酸化物粒子の屈折率が低すぎて基材との屈折率差が0.3以上になる場合があり、光学干渉(干渉縞)が発生する場合がある。
有機ケイ素化合物(2)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。有機ケイ素化合物(2)は
、有機ケイ素化合物(1)と混合して使用してもよく、また、複合酸化物粒子を予め有機ケ
イ素化合物(2)で表面処理しておき、ついで有機ケイ素化合物(1)で表面処理すると、有機ケイ素化合物(1)(有機ケイ素化合物の加水分解物)との結合が促進されるためか得られ
る表面処理複合酸化物粒子の分散安定性が向上する傾向にあり、場合によっては前記式(1)で表される有機ケイ素化合物の使用量を低減することもできるので望ましい。
この時の有機ケイ素化合物(2)の処理量は、得られる表面処理複合酸化物粒子中の有機
ケイ素化合物がSiOとして70重量%以下、さらには60重量%以下であることが好
ましい。また有機ケイ素化合物(2)の処理量の下限としては、含まれていれば良いものの
、望ましくは、1重量%以上、さらには3重量%以上であることが望ましい。有機ケイ素化合物(2)の処理量が多すぎると、得られる表面処理複合酸化物微粒子の屈折率が前記範
囲を外れて低くなる場合がある。有機ケイ素化合物の処理量が少なすぎると、有機ケイ素化合物(1)の結合が不充分となり、充分な表面処理効果が得られないことがある。
複合酸化物粒子の表面処理は従来公知の方法を採用することができ、複合酸化物粒子のアルコール分散液に前記有機ケイ素化合物を所定量加え、これに水を加え、必要に応じて有機ケイ素化合物の加水分解用触媒として酸またはアルカリを加え、有機ケイ素化合物を加水分解する。
ハードコート膜中の複合酸化物粒子の含有量は5〜90重量%、さらには10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。複合酸化物粒子の含有量が少ないと、耐擦傷性、スクラッチ強度、鉛筆硬度等に優れたハードコート膜を得ることが困難であり、ハードコート膜の屈折率と基材の屈折率差を調整することが困難である。ハードコート膜中の複合酸化物粒子の含有量が多すぎると、逆にマトリックス成分が少なく、基材との密着性、耐擦傷性、スクラッチ強度、鉛筆硬度等に優れたハードコート膜を得ることが困難である。
マトリックス成分
マトリックス成分としては、シリコーン系(ゾルゲル系)マトリックス成分、有機樹脂系マトリックス成分が用いられる。
シリコーン系マトリックス成分としては下記式(3)で表される有機珪素化合物の加水分
解物、加水分解重縮合物が好適に用いられる。
q-SiX4-q (3)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、q:0〜3の整数。)
このような有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシ
ドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)ア
クリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシ
シラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチ
ルシラノール、メチルトリクロロシラン等、およびこれらの混合物が挙げられる。
また、有機樹脂系マトリックス成分としては、塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。
このような樹脂として、たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂の場合、ハードコート膜中では硬化物(すなわち重合物、反応物)となっている。
具体的にはペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n-ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、ウレタンアクリレート、フルオレン骨格含有アクリレート等およびこれらの混合物が挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。ハードコート膜に含まれているマトリックス成分としては、樹脂マトリックス成分が好適に用いられる。
本発明のハードコート膜には前記複合酸化物粒子の他に耐擦傷性を阻害しない範囲で酸化物微粒子、顔料微粒子、金属(合金含む)微粒子から選ばれる1種または2種以上を含むことができる。酸化物微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化アンチモン、酸化インジウム、低次酸化チタン、酸化マグネシウム、ボリア、酸化ニオブ等の他、これらの複合酸化物、あるいはSbドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。なお、その他、Fドープ酸化スズ、Pドープ酸化スズ、Snドープ酸化インジウム(ITO)、Fドープ酸化インジウム等も混合して用いることができるが、これら粒子表面が正に帯電した粒子は凝集しない範囲で少量の混合が可能である。
このような酸化物微粒子を含んでいると、ハードコートの屈折率調整だけでなく、耐擦傷性の向上、鉛筆硬度の向上、導電性の付与または導電性向上の効果が得られる。
顔料微粒子としては、亜鉛華、チタン白、リトポン、鉛白、バライト、ベンガラ、黄鉛、コバルトブルー、カーボングラック、黄土、エメラルドグリーン、コバルトグリーン、ウルトラマリン、プルシアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、金、銀の無機顔料、ベンジンイエロー、カーミンFB、等のアゾ系黄色、ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、チオイソジゴ、イソインドリノン、キノフタロン、キナクリドン、フタロシアニン系顔料、レーキレッド、メチルバイオレットレーキ、エオシンレーキ、グリーンゴールド、ピロメテン顔料、テトラアザポルフィリン系、スクワリリウム等の有機顔料が挙げられる。このような顔料微粒子を含んでいると、特定波長の吸収が得られ選択吸収フィルターとしての機能が付与できる。
金属微粒子としては、Ag、Pd、Au、Ru、Cu、Nd、Pt、等とこれらの合金が挙げられる。このような金属微粒子を含んでいると、屈折率の向上、導電性付与、選択吸収フィルターとしての機能が付与される。
前記酸化物微粒子、顔料微粒子、金属(合金含む)微粒子の含有量はハードコート膜中の複合酸化物粒子との合計が5〜90重量%、さらには10〜80重量%の範囲にあるようにすることが好ましい。
ハードコート膜の厚さは0.1〜30μmさらには0.5〜20μm、特に1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
ハードコート膜の厚さが前記範囲の下限未満の場合は、ハードコート膜が薄いためにハードコート膜表面に加わる応力を充分吸収することがでないために、ハードコート機能が不充分となる。ハードコート膜の厚さが前記範囲の上限を越えると、膜の厚さが均一になるように塗布したり、均一に乾燥することが困難となり、このためクラックやボイドの発生により得られるハードコート膜の強度が不充分となり、さらに透明性が不充分となることがある。
このようなハードコート膜の屈折率は基材の屈折率との差が0.3以下、さらには0.2以下であることが好ましい。ハードコート膜の屈折率と基材の屈折率との差が多すぎると、干渉縞が発生し反射性が悪くなる場合がある。
ハードコート膜の屈折率は、エリプソメーター(ソプラ社製)で測定し、またその調節方法は、マトリックス、粒子の種類、および配合割合を調整することによって行われる。
本発明のハードコート膜は、最外層が五酸化アンチモンの場合に、表面抵抗値が10〜1014Ω/□、さらには10〜1013Ω/□の範囲にあることが好ましい。ハードコート膜の表面抵抗値が低いものは、本発明の複合酸化物粒子からは得ることが困難であり、導電性を向上させるために金属微粒子、金属酸化物微粒子を多用すると耐擦傷性、透過性、が不充分となることがある。ハードコート膜の表面抵抗値が高すぎると、帯電防止効果が得られず、例えば、基材表面へのほこりの付着が多くなる場合がある。
このようなハードコート膜は、後述する本発明に係るハードコート膜形成用塗布液を塗布、乾燥、硬化することによって形成することができる。
本発明のハードコート膜付基材は、前記したハードコート膜が基材の一方の表面上のみならず両面に設けてもよく、さらに、必要に応じてハードコート膜の他に従来公知のプライマー膜、高屈折率膜、導電性膜、反射防止膜が形成されていてもよい。
[ハードコート膜形成用塗布液]
本発明に係るハードコート膜形成用塗布液は、マトリックス形成成分と、酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子と分散媒とを含んでいる。
複合酸化物粒子
複合酸化物粒子としては前記した複合酸化物粒子が用いられる。
ハードコート膜形成用塗布液中の複合酸化物粒子の濃度は、得られるハードコート膜中の複合酸化物粒子の含有量が前記したように5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%となるように用いるが、塗布液中に固形分として0.1〜40重量%、さらには0.2〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明では、前記複合酸化物粒子の他に、分散安定性、耐擦傷性等を阻害しない範囲で前記酸化物微粒子、顔料微粒子、金属(合金含む)微粒子から選ばれる1種または2種以上を含むことができる。
マトリックス形成成分
マトリックス形成成分としては、シリコーン系(ゾルゲル系)マトリックス形成成分、有機樹脂系マトリックス形成成分等が用いられる。
シリコーン系マトリックス形成成分としては前記式(3)で表される有機珪素化合物、こ
れらの加水分解物、加水分解重縮合物が好適に用いられる。
また、有機樹脂系マトリックス形成成分としては、塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。マトリックス形成成分は、熱可塑性樹脂の場合、マトリックス形成成分とマトリックス成分が同じものであり、熱硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂の場合、これらの樹脂の前駆体(すなわちモノマーやオリゴマー)である。
具体的には、前記した通りである。
ハードコート膜形成用塗布液中の複合酸化物粒子の固形分濃度(CP)とマトリックス
形成成分の固形分濃度(CM)との合計濃度は2〜50重量%、さらには3〜40重量%
の範囲にあることが好ましい。
塗布液中の合計固形分濃度が少ないと、ハードコート膜の膜厚が薄くなる場合があり、ハードコート膜の性能、例えば、耐擦傷性や強度が充分でない場合がある。このため、塗布、乾燥等を繰り返して膜厚を厚くすることはできるが経済性が低下する。また、塗布液中の合計固形分濃度が多すぎると、塗布液の粘度が高くなるために塗布性が低下したり、塗布液の安定性が不充分となることがあり、得られるハードコート膜の密着性、強度等が低下することがある。
ハードコート膜形成用塗布液中の複合酸化物粒子の固形分濃度(CP)は0.1〜40
重量%、さらには0.2〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
固形分濃度(CP)が少ないと、得られる透明被膜中の金属酸化物粒子の含有量が少な
くなるために複合酸化物粒子の特性、例えば、導電性、屈折率等が充分発現されない場合がある。固形分濃度(CP)が多すぎると、粒子間の相互作用が高く塗料の粘度が上昇し
経時安定性が不充分となる場合がある。
また、ハードコート膜形成用塗布液中のマトリックス形成成分の濃度(CM)は固形分
として1.9〜49.9重量%、さらには2.8〜40重量%の範囲にあることが好ましい。マトリックス形成成分の濃度(C)が少ないと、得られるハードコート膜の膜厚が薄過ぎたり、ハードコート膜の性能、例えば、ハードコート性能や透明性が不充分となったり、粒子の割合が多すぎて密着性等が不充分となることがある。マトリックス形成成分の濃度(C)が多すぎると、得られるハードコート膜のマトリックスの含有量が多く、逆に複合酸化物粒子の含有量が少なくなるために複合酸化物微粒子の特性、例えば導電性、屈折率等が充分発現されない場合がある。
また、ハードコート膜形成用塗布液中の表面処理金属酸化物粒子の固形分としての濃度(C)とマトリックス形成成分の固形分としての濃度(C)の比率、得られる透明被膜中の表面処理金属酸化物粒子の含有量が5〜90重量%、さらには10〜80重量%の範囲となるように調整して用いる。
分散媒
本発明に用いる分散媒としてはマトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散することができれば特に制限はなく、従来公知の分散媒を用いることができる。
具体的には、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル
類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
また、塗布液には、マトリックス形成成分を溶解するとともに、容易に揮発しうる溶剤が含まれていてもよく、マトリックス形成成分が熱硬化性樹脂の場合は、必要に応じて硬化剤が配合されていてもよい。さらに、塗布液には分散性、安定性を高めるために界面活性剤等を添加することもできる。
このような塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で前記した基材に塗布し、乾燥し、加熱処理、紫外線照射等によって硬化させることによってハードコート膜を形成することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
複合酸化物粒子(1)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1001ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:20nm)90gにSbとしての濃度1重
量%のアンチモン酸カリウム水溶液100gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学 SK1BH)を10g添加し脱イオン後80℃で6時間熟成し、ロータリーエバポレーターを用
いて濃縮しコアを酸化ジルコニウム、シェルを五酸化アンチモンとした複合酸化微粒子(1)(固形分濃度10重量%、平均粒子径20nm)の水分散液を得た。得られた粒子の
屈折率を標準屈折率法で測定したところ2.05であった。
得られた複合酸化物微粒子(1)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノー
ル100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時
間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(1)の 2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複合酸化物粒子(1)の平均粒子径を表に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(1)の調製
アクリル系樹脂(大日本インキ(株)製:17-824-9、樹脂濃度:79.8重量%、溶媒
:酢酸ブチル)をイソプロピルアルコール/メチルイソブチルケトン=1:1で希釈して樹
脂濃度30重量%のハードコート膜形成用樹脂成分(1)を調製した。
このハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、表面処理複合酸化物粒子(1)分散液10gを混合してハードコート膜形成用塗布液(1)を調製した。
ハードコート膜付基材(1)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(1)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜の表面抵抗値をハイレスタ(三菱化学製)、全光線透過率およ
びヘーズをヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定し、反射率を反射率計(大塚電子製MCPD-3000)で測定し、ハードコート膜の屈折率を分光エリプソメーター(
ソプラ社製)で測定し結果を表2に示した。さらに、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性、を次のように測定し、結果を表に示した。
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重1000g/cmで20回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表2に示した。
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
アルカリ性の評価
透明被膜付基材(1)の透明被膜上に、0.01NのNaOH水溶液を滴下し、3分間放
置した後拭き取り、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
滴下跡が認められない :◎
息をかけると滴下後が認められる:○
滴下跡が認められる :△
膜面が全体的に剥れている :×
[実施例2]
複合酸化物粒子(2)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1002ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:10nm)90gにSbとしての濃度1重量
%のアンチモン酸カリウム水溶液100gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学
SK1BH)を10g添加し脱イオン後80℃で6時間熟成し、ロータリーエバポレーターを用い
て濃縮しコアを酸化ジルコニウム、シェルを五酸化アンチモンとした複合酸化微粒子(2
)(固形分濃度10重量%、平均粒子径13nmの水分散液を得た。得られた粒子の屈折率は2.05であった。
得られた複合酸化物微粒子(2)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノー
ル100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時
間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(2)の 2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複合酸化物粒子(2)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(2)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、表面処理複合酸化物粒子(2)分散液10gを混合してハードコート膜形成用塗布液(2)を調製した。ハードコート膜付基材(2)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(2)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜付基材(2)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例3]
複合酸化物粒子(3)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1003ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:50nm)80gにSbとしての濃度1重量
%のアンチモン酸カリウム水溶液200gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学
SK1BH)を10g添加し脱イオン後80℃で6時間熟成し、ロータリーエバポレーターを用い
て濃縮しコアを酸化ジルコニウム、シェルを五酸化アンチモンとした複合酸化微粒子(3
)(固形分濃度10重量%、平均粒子径52nm)の水分散液を得た。得られた粒子の屈折率は2.05であった。
得られた複合酸化物微粒子(3)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノー
ル100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時
間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(3)の 2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複合酸化物粒子(3)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(3)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、表面処理複合酸化物粒子(3)分散液10gを混合してハードコート膜形成用塗布液(3)を調製した。ハードコート膜付基材(3)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(3)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(3)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜付基材(3)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例4]
複合酸化物粒子(4)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1001ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:20nm)95gにSbとしての濃度1重
量%のアンチモン酸カリウム水溶液50gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学
SK1BH)を10g添加し脱イオン後80℃で6時間熟成し、ロータリーエバポレーターを用い
て濃縮しコアを酸化ジルコニウム、シェルを五酸化アンチモンとした複合酸化微粒子(4
)(固形分濃度10重量%、平均粒子径21nm)の水分散液を得た。得られた粒子の屈折率は2.06であった。
得られた複合酸化物微粒子(4)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノー
ル100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時
間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(4)の2-プロパノール分散液を調製した。表面
処理複合酸化物粒子(4)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(4)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、表面処理複合酸化物粒子(4)分散液10gを混合してハードコート膜形成用塗布液(4)を調製した。ハードコート膜付基材(4)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(4)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#1
0)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(4)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜付基材(4)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例5]
複合酸化物粒子(5)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1001ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:20nm)60gにSbとしての濃度1重
量%のアンチモン酸カリウム水溶液400gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学 SK1BH)を10g添加し脱イオン後80℃で6時間熟成し、ロータリーエバポレーターを用
いて濃縮しコアを酸化ジルコニウム、シェルを五酸化アンチモンとした複合酸化微粒子(5)(固形分濃度10重量%、平均粒子径25nm)の水分散液を得た。得られた粒子の
屈折率は2.03であった。
得られた複合酸化物微粒子(5)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノー
ル100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時
間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(5)の 2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複合酸化物粒子(5)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(5)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)8gに、表面処理複合酸化物粒子(5)分散液12gを混合してハードコート膜形成用塗布液(5)を調製した。
ハードコート膜付基材(5)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(5)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(5)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜付基材(5)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表に示した。
[実施例6]
複合酸化物粒子(6)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1001ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径:20nm)90gにSiO2としての濃度1重量%の3号水ガラス110gを添加し、ついで陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SK1BH)
を10g添加して脱イオンした後、90℃で6時間熟成し、ついで、ロータリーエバポレータ
ーを用いて濃縮し、コアを酸化ジルコニウム、シェルをシリカとした複合酸化粒子(6)(
固形分濃度10重量%、平均粒子径:20nm)の水分散液を得た。得られた粒子の屈折率は1.95であった。
得られた複合酸化物粒子(6)の水分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノール
100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時間
熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(6)の 2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複合酸化物粒子(2)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(6)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)8gに、表面処理複合酸化物粒子(6)分散液12gを混合してハードコート膜形成用塗布液(6)を調製した。
ハードコート膜付基材(6)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(6)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(6)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3
μmであった。
得られたハードコート膜付基材(6)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例7]
表面処理複合酸化物粒子(7)の調製
実施例1と同様にして調製した複合酸化物粒子(1)の水分散液100gに、テトラエトキシシラン(多摩化学(株)製:SiO換算濃度28.8重量%)10gを添加し、つい
で、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メタノール100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃で5時間熟成した。得られた粒子の屈折率は1.85であ
った。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理複合酸化物粒子(7)の2-プロパノール分散液を調製した。表面処理複
合酸化物粒子(7)の平均粒子径を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(7)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)6gに、表面処理複合酸化物粒子(7)分散液14gを混合してハードコート膜形成用塗布液(7)を調製した。
ハードコート膜付基材(7)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(7)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(7)を製造した。このときの透明被膜の厚さは3μmで
あった。
得られたハードコート膜付基材(7)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例8]
ハードコート膜形成用塗布液(8)の調製
実施例1と同様に調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)6gに、実施例7と同様にして調製した表面処理複合酸化物粒子(7)分散液10gおよび五酸化アンチモン微粒子
の2-プロパノール分散液(触媒化成工業(株)製:ELCOM V-4521、固形分濃度30重量%、平均粒子径20nm)4gを混合してハードコート膜形成用塗布液(8)を調製した。
ハードコート膜付基材(8)の製造
ハードコート被膜形成用塗布液(8)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(8)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは
3μmであった。
得られたハードコート膜付基材(8)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例9]
ハードコート膜形成用塗布液(9)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)6gに、実施例7と同様にして調製した表面処理複合酸化物粒子(7)分散液10gおよびアンチモンドープ酸化
スズ微粒子のエタノール分散液(触媒化成工業(株)製:ELCOM V-3501、固形分濃度20重量%、平均粒子径8nm)4gを混合してハードコート膜形成用塗布液(9)を調製した

ハードコート膜付基材(9)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(9)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート被膜付基材(9)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは
3μmであった。
得られたハードコート膜付基材(9)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反
射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[実施例10]
反射防止膜・ハードコート膜付基材(10)の製造
実施例9と同様にして製造したハードコート膜付基材(9)上に、反射防止膜形成用塗料
(触媒化成工業(株)製:ELCOM P-5013、アクリル系樹脂:固形分濃度1重量%、中空シリカ微粒子:平均粒子径50nm、固形分濃度1.5重量%、分散媒:2-プロパノール、メチルイソブチルケトン、イソプロピルグリコール、ブチルセロソルブ))をバーコーター法(#4)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させて反射防止膜・ハードコート膜付基材(10)を製造した。このときの反射防止膜膜の厚さは0.1μmであった。
得られた反射防止膜・ハードコート膜付基材(10)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[比較例1]
表面処理酸化ジルコニウム粒子(R1)の調製
酸化ジルコニウム微粒子の水分散液(触媒化成工業(株)製:CC-1001ZRV、固形分濃度10重量%、分散媒:水、平均粒子径20nm)100gにγ-メタアクリロオキシプロ
ピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、濃度81.2重量%)5g、メ
タノール100gおよび濃度29.8重量%のアンモニア水1gを添加し、さらに60℃
で5時間熟成した。その後、セラミック製限外膜を用いて2-プロパノールに溶剤置換し、固形分濃度30重量%の表面処理酸化ジルコニウム粒子(R1)の 2-プロパノール分散液を
調製した。得られた粒子の屈折率は2.06であった。
ハードコート膜形成用塗布液(R1)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、表面処理酸化ジルコニウム粒子(R1)分散液10gを混合してハードコート膜形成用塗布液(R1)を調製した。
ハードコート膜付基材(R1)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(R1)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4
100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(R1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3μmであった。
得られたハードコート膜付基材(R1)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
[比較例2]
ハードコート膜形成用塗布液(R2)の調製
実施例1と同様にして調製したハードコート膜形成用樹脂成分(1)10gに、比較例1と
同様にして調製した表面処理酸化ジルコニウム粒子(R1)の2-プロパノール分散液8gおよび五酸化アンチモン微粒子の2-プロパノール分散液(触媒化成工業(株)製:ELCOM V-4521、固形分濃度30重量%、平均粒子径20nm)2gを混合してハードコート膜形成用塗布液(R2)を調製した。
ハードコート膜付基材(R2)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(R2)を、PETフィルム(東洋紡製コスモシャイン A4
100、厚さ:188μm、屈折率:1.67、基材ヘーズ0.8%)にバーコーター法(#10)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600mJ/cmの紫外線を照射して硬化させてハードコート被膜付基材(R2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは3μmであった。
得られたハードコート膜付基材(R2)について、表面抵抗値、全光線透過率、ヘーズ、反射率、耐擦傷性、鉛筆硬度および耐アルカリ性を測定し、結果を表2に示した。
Figure 0005221084
Figure 0005221084

Claims (9)

  1. 基材と、
    基材の少なくとも一方の表面上に形成された複合酸化物粒子とマトリックス成分からなるハードコート膜とからなり、
    該複合酸化物粒子が酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子であり、
    ハードコート膜の屈折率(HCn)と基材の屈折率(Sn)との屈折率差が0.3以下であり、
    前記複合酸化物粒子が有機ケイ素化合物で表面処理されており、式(2)で表される有機ケイ素化合物で表面されたのち、式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなり、
    式(1)で表される有機ケイ素化合物の処理量がX-R-SiO 3/2 として、1〜50重量%の範囲にあり、式(2)で表される有機ケイ素化合物の処理量がSiO 2 として、70重量%以下であり、下限が1重量%以上であることを特徴とするハードコート膜付基材;
    X-R-Si(OR)3 (1)
    (式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。Xは(メタ)アクロイル基、エポキシ基(グリシド基)、ウレタン基、アミノ基、フルオロ基から選ばれる1種または2種以上の官能基)
    Si(OR)4 (2)
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す)。
  2. 前記複合酸化物粒子の平均粒子径が5〜120nmの範囲にあり、複合酸化物粒子の屈折率(Pn)が1.50〜2.10の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のハードコート膜付基材。
  3. 前記複合酸化物粒子の最外層が五酸化アンチモンであることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコート膜付基材。
  4. 前記マトリックス成分が、シリコーン系樹脂および/または有機系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコート膜付基材。
  5. 前記ハードコート膜の表面抵抗値が108〜1014Ω/□の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハードコート膜付基材。
  6. 複合酸化物粒子とマトリックス形成成分とからなるハードコート膜形成用塗布液であって、該複合酸化物粒子が酸化ジルコニムをコアとし、五酸化アンチモンおよび/またはシリカをシェルとするコアシェル構造を有する複合酸化物粒子であり、
    前記複合酸化物粒子が有機ケイ素化合物で表面処理されており、式(2)で表される有機ケイ素化合物で表面されたのち、式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなり、
    式(1)で表される有機ケイ素化合物の処理量がX-R-SiO 3/2 として、1〜50重量%の範囲にあり、式(2)で表される有機ケイ素化合物の処理量がSiO 2 として、70重量%以下であり、下限が1重量%以上であることを特徴とするハードコート膜形成用塗布液;
    X-R-Si(OR)3 (1)
    (式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。X-は(メタ)アクロイル基、エポキシ基(グリシド基)、ウレタン基、アミノ基、フルオロ基から選ばれる1種または2種以上の官能基)
    Si(OR)4 (2)
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す)。
  7. 前記複合酸化物粒子の平均粒子径が5〜120nmの範囲にあり、複合酸化物粒子の屈折率(Pn)が1.50〜2.10の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載のハードコート膜形成用塗布液。
  8. 前記複合酸化物粒子の最外層が五酸化アンチモンであることを特徴とする請求項6または7に記載のハードコート膜形成用塗布液。
  9. 前記マトリックス形成成分が、シリコーン系樹脂および/または有機系樹脂からなることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のハードコート膜形成用塗布液。
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