JPH05125332A - 熱圧着可能な導電性フイルム状接着剤 - Google Patents

熱圧着可能な導電性フイルム状接着剤

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JPH05125332A
JPH05125332A JP28791091A JP28791091A JPH05125332A JP H05125332 A JPH05125332 A JP H05125332A JP 28791091 A JP28791091 A JP 28791091A JP 28791091 A JP28791091 A JP 28791091A JP H05125332 A JPH05125332 A JP H05125332A
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JP
Japan
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dianhydride
adhesive
polyimide
component
diamine
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JP28791091A
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Inventor
Yuji Sakamoto
有史 坂本
Toshiro Takeda
敏郎 竹田
Naoji Takeda
直滋 竹田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 4,4'-オキシジフタル酸二無水物Aモル及び
他の酸二無水物成分Bモルを含む酸成分と、1,3-ビス(3
-アミノフェノキシ)ベンゼンCモル及び他のジアミン成
分Dモルを含むアミン成分とを、4,4'-オキシジフタル
酸二無水物又は1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
の少なくともどちらか一方を必須成分とし、(A+C)
/(A+B+C+D)が0.5〜1.0、(A+B)/(C+
D)が0.8〜1.2の範囲で反応させ、少なくとも80%以上
がイミド化されているポリイミドと、ポリイミドに対し
て50〜900wt%の導電性フィラーとからなる熱圧着可能
な導電性フィルム状接着剤。 【効果】 耐熱性に優れ、低温、低圧、短時間で熱圧着
作業性が良好な、銅、シリコンなどの金属、セラミック
スへの接着性に優れ、室温だけでなく、260℃のような
半田溶融温度でも充分な接着強度を有し、かつ優れた導
電性を有するフィルム状接着剤を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性及び耐熱性に優
れ、熱圧着して用いることのできるフィルム状接着剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性の熱圧着可能なフィルム状
接着剤はいくつか知られている。例えば、特開平1-2822
83号公報には、ポリアミドイミド系やポリアミド系のホ
ットメルト接着剤、特開昭58-157190号公報には、ポリ
イミド系接着剤によるフレキシブル印刷回路基板の製造
法、特開昭62-235382号及び特開昭62-235383号公報に
は、熱硬化性のポリイミド系フィルム状接着剤に関する
記述がなされている。ところが、ポリアミド系やポリア
ミドイミド系樹脂は、アミド基の親水性のために吸水率
が大きくなるという欠点を有し、信頼性を必要とするエ
レクトロニクス用途としての接着剤に用いるには限界が
あった。またその他の公報に記載されているフィルム状
接着剤の熱圧着条件は、275℃、50kgf/cm2、30分間が
標準であり、熱や圧力に鋭敏な電子部品や、量産性を必
要とされる用途のフィルム状接着剤としては必ずしも有
利であるとは言えなかった。
【0003】一方で、従来用いられているエポキシ系、
フェノール系、アクリル系等の接着剤は、比較的低温、
低圧で熱圧着できるという利点を有するが、熱硬化型で
あるため、ある程度硬化時間を長く設ける必要があっ
た。また熱可塑性樹脂をホットメルト型接着剤として用
いることもよく行なわれるが、耐熱性に乏しい欠点を有
している。
【0004】また一方で、IC、LSI等の半導体チッ
プとリードフレームとの接合には、従来Au−Si共晶
が用いられていたが、Auが高価なため、最近では導電
性樹脂ペーストが主流になってきた。この種の導電性樹
脂ペーストとしては、特開昭55-25482号又は52-107036
号公報に開示されているように、通常エポキシ樹脂をバ
インダーとし、これに銀粉を混合した銀ペーストが作業
性や接着性が良いため、主に使用されてきた。しかしな
がら、このようなペースト状接着剤は、塗布量を厳密
にコントロールしないと厚み制御ができないこと、チ
ップ側面へのペーストの這い上がりのあること、表面
加工したリードフレームに均一に塗布できない、等の不
具合があり、これらを解決する方法として導電性並びに
耐熱性を有するフィルム状接着剤が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐熱性
に優れ、低温、低圧、短時間で熱圧着可能な導電性フィ
ルム状接着剤を得んとして鋭意研究を重ねた結果、特定
の構造を有するポリイミドに、導電性フィラーを必要量
分散させフィルム化した接着剤が上記の目標を達成し得
ることが判り、本発明を完成するに至ったものである。
その目的とするところは、導電性、耐熱性及び熱圧着作
業性を両立させたフィルム状接着剤を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、4,4'-オキシ
ジフタル酸二無水物Aモル及び他の酸二無水物成分Bモ
ルを含む酸成分と、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
ゼンCモル及び他のジアミン成分Dモルを含むアミン成
分とを、4,4'-オキシジフタル酸二無水物又は1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼンの少なくともどちらか一
方を必須成分とし、(A+C)/(A+B+C+D)が
0.5〜1.0、(A+B)/(C+D)が0.8〜1.2の範囲で
反応させ、少なくとも80%以上がイミド化されているポ
リイミドと、ポリイミドに対して50〜900wt%の導電性
フィラーとからなる熱圧着可能な導電性フィルム状接着
剤である。
【0007】本発明において用いられる酸二無水物は、
4,4'-オキシジフタル酸二無水物(以下ODPAと略
す)と他の酸二無水物であるが、ODPA以外の酸二無
水物の例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3',
4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',
3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレ
ン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,
2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8
-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テト
ラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘ
キサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無
水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタ
レン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロ
ロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7
-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン
-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ジフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ジフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3",4,4"-p-テルフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2",3,3"-p-テルフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,3",4"-p-テルフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシ
フェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボ
キシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボ
キシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3-ジカルボキ
シフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキ
シフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラ
カルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボ
ン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸
二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無
水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無
水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水
物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピ
ロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフ
ェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0008】本発明において用いられるジアミン成分
は、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下AP
Bと略す)と他のジアミンである。他のジアミンは、特
に限定されるものではないが、例を具体的に挙げると、
3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、4,6-ジメチ
ル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレン
ジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、4,4'-メチレンジ-
o-トルイジン、4,4'-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4'
-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、2,4-トルエンジアミ
ン、m-フェニレン-ジアミン、p-フェニレン-ジアミン、
4,4'-ジアミノ-ジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノ-ジ
フェニルプロパン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルエタン、
3,3'-ジアミノ-ジフェニルエタン、4,4'-ジアミノ-ジフ
ェニルメタン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルメタン、4,4'
-ジアミノ-ジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノ-ジフ
ェニルスルフィド、4,4'-ジアミノ-ジフェニルスルホ
ン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルスルホン、4,4'-ジアミ
ノ-ジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノ-ジフェニルエ
ーテル、ベンジジン、3,3'-ジアミノ-ビフェニル、3,3'
-ジメチル-4,4'-ジアミノ-ビフェニル、3,3'-ジメトキ
シ-ベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3"-
ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-アミノ-シクロヘキ
シル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エ
ーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼ
ン、p-ビス(2-メチル-4-アミノ-ペンチル)ベンゼン、p-
ビス(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチル)ベンゼン、1,5-
ジアミノ-ナフタレン、2,6-ジアミノ-ナフタレン、2,4-
ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノ-ト
ルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジ
アミン、m-キシリレン-ジアミン、p-キシリレン-ジアミ
ン、2,6-ジアミノ-ピリジン、2,5-ジアミノ-ピリジン、
2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、1,4-ジアミノ-
シクロヘキサン、ピペラジン、メチレン-ジアミン、エ
チレン-ジアミン、プロピレン-ジアミン、2,2-ジメチル
-プロピレン-ジアミン、テトラメチレン-ジアミン、ペ
ンタメチレン-ジアミン、ヘキサメチレン-ジアミン、2,
5-ジメチル-ヘキサメチレン-ジアミン、3-メトキシ-ヘ
キサメチレン-ジアミン、ヘプタメチレン-ジアミン、2,
5-ジメチル-ヘプタメチレン-ジアミン、3-メチル-ヘプ
タメチレン-ジアミン、4,4-ジメチル-ヘプタメチレン-
ジアミン、オクタメチレン-ジアミン、ノナメチレン-ジ
アミン、5-メチル-ノナメチレン-ジアミン、2,5-ジメチ
ル-ノナメチレン-ジアミン、デカメチレン-ジアミン、
1,10-ジアミノ-1,10-ジメチル-デカン、2,11-ジアミノ-
ドデカン、1,12-ジアミノ-オクタデカン、2,12-ジアミ
ノ-オクタデカン、2,17-ジアミノ-アイコサンなどが挙
げられる。
【0009】本発明における酸二無水物とジアミンの反
応は、公知の方法で行なうことができる。予め、酸二無
水物成分あるいはジアミン成分の何れか一方を有機溶剤
中に溶解あるいは懸濁させておき、他方の成分を粉末又
は液状あるいは有機溶剤に溶解した状態で徐々に添加す
る。反応は発熱を伴うため、望ましくは冷却しながら反
応系の温度を室温付近に保って実施する。
【0010】酸二無水物成分とジアミン成分のモル比
(A+B)/(C+D)は、当量付近、特に0.8〜1.2の
範囲にあるのが望ましい。何れか一方が多くなり過ぎる
と、分子量が高くならず、耐熱性、機械特性が低下する
ので好ましくない。室温付近で反応させ、ポリアミド酸
を合成した後、加熱あるいは無水酢酸/ピリジン系触媒
を用いる等公知の方法によりイミド化を実施することが
できる。イミド化率は少なくとも80%以上であることが
望ましい。イミド化率が80%よりも低いと後にフィルム
化して熱圧着する際にイミド化が進行して水分が発生
し、ボイドの原因となって接着強度の低下を招くので好
ましくない。
【0011】(A+C)/(A+B+C+D)の値は、
0.5〜1.0であることが必要であり、0.5以下であると熱
溶融性が低下してしまい、少なくとも300℃以上、ある
いは50kgf/cm2以上の熱圧着条件が必要となり、量産性
の点で好ましくない。0.5以上であれば、250℃以下の温
度で、しかも20kgf/cm2以下の圧力下、10分以内の短時
間で熱圧着でき、良好な接着強度を達成することができ
る。
【0012】本発明においては、ODPA又はAPBの
少なくともどちらか一方が必須成分として含まれている
ことが必要である。ODPAとAPBは、その構造上の
特徴により、ポリイミド中に少なくともそのどちらか一
方が上述のモル比を満たすように含まれることによっ
て、熱溶融性に優れ、接着強度も良好であり、耐熱性と
のバランスにも優れたフィルム状接着剤を得ることがで
きる。特にODPAとAPBの2者のみによる場合、ガ
ラス転移温度が190℃程度で、作業性も良く、特性の優
れたものを得ることができる。
【0013】本発明において用いられる有機溶剤は特に
限定されるものではないが、均一溶解可能なものなら
ば、一種類或いは二種類以上を併用した混合溶媒であっ
ても差し支えない。この種の溶媒として代表的なもの
は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセト
アミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N-メチル
-2-ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラ
メチルスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ
-ブチロラクトン、ジグライム、テトラヒドロフラン、
塩化メチレン、ジオキサン、シクロヘキサノン等があ
り、均一に溶解できる範囲で貧溶媒を揮散調節剤、皮膜
平滑剤などとして使用することもできる。
【0014】本発明において用いられる導電性フィラー
は、特に限定されるものではないが、通常好ましく用い
られるものとして例を挙げると、金、銀、銅、ニッケ
ル、アルミニウム等であり、使用目的に応じてこれらを
単独又は混合して用いることができる。通常、このよう
な導電性フィラーの添加量は、樹脂に対して50〜900wt
%となるように用いるのが好ましい。50wt%未満では得
られるフィルム状接着層の導電性が発揮されないので好
ましくなく、900wt%を越えるとバインダーである樹脂
分が少なくなるために、充分な接着強度が得られなくな
るので好ましくない。形状は、特に制限されず、例えば
フレーク状、樹枝状や球状等のものがあり、これらの金
属粉末の一種又は二種以上を混合して用いてもよい。粒
径についても特に限定されないが、最終接着層の厚さ、
作業性等を考慮すると、平均粒径は、50μm以下のもの
が好ましい。
【0015】本発明の熱圧着可能な導電性フィルム状接
着剤の使用方法としては、特に限定されるものではない
が、通常充分にイミド化されたワニスに導電性フィラー
を加えて、公知の分散装置である三本ロール、ボールミ
ル、擂潰機等により均一分散させ、ペースト状にしたも
のを、テフロン等の離型性に優れた基材に塗布した後、
加熱処理によって溶剤を揮散させてフィルム化し、基材
から剥がして導電性フィルムを得る。これを被接着体間
に挟んだ後、熱圧着する。または予め被着体の上に塗布
した後、加熱処理を施して充分に溶剤を揮散させた後、
一方の被着体と合わせて熱圧着することもできる。
【0016】また本発明の接着剤のベース樹脂であるポ
リイミドには、必要に応じて各種添加剤を加えることが
できる。例えば、基材に塗布する際の表面平滑剤、濡れ
性を高めるためのレベリング剤や各種界面活性剤、シラ
ンカップリング剤、また接着剤の熱圧着後の耐熱性を高
めるための各種架橋剤などの添加剤である。これらの添
加剤は、フィルム状接着剤の特性を損わない程度の量で
使用することができる。
【0017】以下に実施例を以て本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0018】
【実施例】
(実施例1)温度計、撹拌機、原料投入口、乾燥窒素ガ
ス導入管を備えた四つ口のセパラブルフラスコ中に、1,
3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)29.23
g(0.1モル)を300gのN-メチル-2-ピロリドン(NM
P)に溶解させ、4,4'-オキシジフタル酸二無水物(O
DPA)31.02g(0.1モル)を30分間かけて粉状のまま
徐々に添加した後2時間撹拌を続けた。この間ずっと乾
燥窒素ガスを流しておき、更にODPAを添加する前か
ら氷浴で冷却し、系を反応の間ずっと20℃に保っておい
た。
【0019】次いで、この系にキシレン60gを添加し、
乾燥窒素導入管を外して、代りにディーンスターチ還流
冷却管を取付け、氷浴を外してオイルバスで加熱して系
の温度を上昇させる。イミド化に伴って生じる水をトル
エンとの共沸により系外へ除去しながら加熱を続け、15
0〜160℃でイミド化を進めて水が発生しなくなった5時
間後に反応を終了させた。このポリイミドワニスを30リ
ットルのメタノール中に撹拌しながら1時間かけて滴下
し、樹脂を沈澱させ、濾過して固形分のみを回収した
後、真空乾燥機中にて減圧下120℃で5時間乾燥させ
た。このようにして得られたポリイミドのFT-IRスペク
トルを測定し、1650cm-1に現れるイミド化前のアミド結
合に基づく吸収と、1780cm-1に現れるイミド環に基づく
吸収からイミド化率を求めたところ、100%イミド化さ
れていることが判った。
【0020】このポリイミドをジエチレングリコールジ
メチルエーテル(ジグライム)に溶解させ、濃度10%に
調整した。このワニスに、平均粒径3μmの銀粉をポリ
イミドに対して400wt%となるように加え、三本ロール
を用いて均一に分散させ、ペースト状物を得た。アプリ
ケータを用いてこのペーストを表面研磨されたテフロン
板の上にキャストし、乾燥機中で120℃、5時間加熱処
理をすることによって溶剤を揮散させ、テフロン基板か
ら剥がして、厚み25μmのフィルムを作成した。このフ
ィルムから、3mm×3.5mm角の大きさを切出し、銅製のリ
ードフレームと、3mm×3.5mm角の大きさのシリコンチッ
プの間に挟み、230℃のホットプレート上で500gの荷重
をかけ(約4.76kgf/cm2)、10秒で熱圧着した後、室温
まで冷却してプッシュプルゲージで剪断強度を測定した
ところ、10kgf以上の値のところでシリコンチップが破
壊して正確な剪断強度が得られない程、強固に接着して
いた。次に、260℃のホットプレート上に10秒間、同様
の接着サンプルを置いて剪断強度を測定したところ、1.
3kgfの強度が得られた。破壊のモードは凝集破壊であ
り、リードフレームにもチップにもフィルムの一部が残
っていた。またフィルムにはボイドは全く認められなか
った。このフィルムの体積抵抗率を測定したところ、1
×10-4[Ω-cm]であり、導電性に優れていることを確認
した。
【0021】(実施例2)酸無水物成分として、ODP
A18.61g(0.06モル)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物(BTDA)12.89g(0.04モ
ル)及びジアミン成分として、APB14.62g(0.05モ
ル)、2,4-ジアミノトルエン6.11g(0.05モル)、1,3-
ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(A
PDS)2.49g(0.01モル)を用いた以外は実施例1と
同様の方法によってポリイミドを得、イミド化率を測定
したところ、100%であった。
【0022】この樹脂をジグライムとブチルセルソルブ
アセテート(BCA)の1対1混合溶媒で溶解し、濃度
15%に調整した。このワニスに、平均粒径3μmの銀粉
並びにニッケル粉を樹脂に対してそれぞれ300wt%、150
wt%となるよう添加し、三本ロールを用いて均一に分散
してペースト状物を得た。このペーストをアプリケータ
を用いて表面研磨したテフロン板の上にキャストし、乾
燥機中で120℃、5時間加熱処理して溶剤を揮散させた
後、テフロン基板から剥がして厚さ25μmのフィルムを
作成した。このフィルムから3mm×3.5mm角の大きさを切
り出し、銅製のリードフレームと3mm×3.5mm角の大きさ
のシリコンチップの間に挟み、250℃のホットプレート
上で500gの荷重を10秒かけ接着した。室温で剪断強度
を測定したところ、10kgf以上でシリコンチップが破壊
した。次に、260℃のホットプレート上に10秒間、同様
の接着サンプルを置いて剪断強度を測定したところ、
3.2kgfであった。接着フィルム面にはボイドは全
く認められなかった。このフィルムの体積抵抗率を測定
したところ、1.5×10-4[Ω-cm]であり、導電性であ
ることが確認された。
【0023】(実施例3〜5及び比較例1〜5)ポリイ
ミドの組成、イミド化時間、導電性フィラーの種類、添
加量以外は全て実施例1の方法と同様に行ない、表1の
結果を得た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1、2並びに表1の実施例3〜5の
ように、ODPAとAPBが全体の樹脂組成のうち、モ
ル数の割合で0.5〜1.0であり、酸無水物とジアミンのモ
ル比が0.8〜1.2の範囲にあり、イミド化率が80%以上の
ポリイミドを用いて、導電性フィラーを樹脂に対して50
〜900wt%の割合で均一分散させ、フィルム化したもの
は、250℃以下の比較的低い温度で、しかも5kgf/cm2
いう比較的低い圧力で、10秒間という短時間の熱圧着条
件で強固な接着強度が得られ、さらに260℃という高温
においても1kgf以上の接着強度を有していた。また得
られた接着フィルムの体積抵抗率で全て1×10-3[Ω-c
m]以下であり、良好な導電性を有していた。
【0026】一方、比較例1のようにODPA、APB
の全体の樹脂組成に占める割合がモル比で0.5未満とな
ると、250℃、5kgf/cm2、10秒の熱圧着条件では充分な
接着強度が得られなかった。比較例2のように、導電性
フィラーの添加量が樹脂分に対して50wt%未満になる
と、充分な導電性が得られなかった。また逆に比較例3
のように、フィラーの添加量が900wt%を越えると、接
着成分である樹脂量が不足し、充分な接着強度が得られ
なかった。比較例4のように、酸二無水物とジアミンと
の反応の当量比が一方に極端にずれると、樹脂の分子量
が上がらず、充分な接着強度が得られなかった。比較例
5のようにイミド化率が80%未満であると、熱圧着後の
フィルム面にボイドが発生してしまうため、充分な接着
強度が得られなかった。以上のように本発明の条件以外
では良好な結果を得ることができなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱圧着可能なフィルム状接着剤
は、銅、シリコンなどの金属、セラミックスへの接着性
に優れており、室温だけでなく、260℃のような半田溶
融温度でも充分な接着強度を有する耐熱性に優れたもの
である。また接着層は充分な導電性を有していた。しか
も従来にない、低温、低圧、短時間で熱圧着できる量産
性の点においても有利な導電性フィルム状接着剤を得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4'-オキシジフタル酸二無水物Aモル
    及び他の酸二無水物成分Bモルを含む酸成分と、1,3-ビ
    ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンCモル及び他のジアミ
    ン成分Dモルを含むアミン成分とを、4,4'-オキシジフ
    タル酸二無水物又は1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
    ゼンの少なくともどちらか一方を必須成分とし、(A+
    C)/(A+B+C+D)が0.5〜1.0、(A+B)/
    (C+D)が0.8〜1.2の範囲で反応させ、少なくとも80
    %以上がイミド化されているポリイミドと、ポリイミド
    に対して50〜900wt%の導電性フィラーとからなる熱圧
    着可能な導電性フィルム状接着剤。
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