JPH05124864A - 高純度炭化珪素体の製造方法 - Google Patents

高純度炭化珪素体の製造方法

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JPH05124864A
JPH05124864A JP3311347A JP31134791A JPH05124864A JP H05124864 A JPH05124864 A JP H05124864A JP 3311347 A JP3311347 A JP 3311347A JP 31134791 A JP31134791 A JP 31134791A JP H05124864 A JPH05124864 A JP H05124864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
substrate
pbn
base material
chemical vapor
Prior art date
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Pending
Application number
JP3311347A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyasu Ohashi
俊安 大橋
Yoshihiro Kubota
芳宏 久保田
Kesaji Harada
今朝治 原田
Kazuhiro Yamaguchi
和弘 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱分解窒化硼素基材の表面に化学気相蒸着法
で炭化珪素膜を形成した後、上記基材を除去することを
特徴とする高純度炭化珪素体の製造方法。 【効果】 化学気相蒸着法による高純度の炭化珪素のみ
からなる炭化珪素体を短時間で効率よくしかも経済的に
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属溶解用ルツボ、熱
電対用保護管、発熱体、半導体拡散炉用部材、光ファイ
バー焼結用炉芯管等に使用される高純度炭化珪素体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属溶解用ルツボ、熱電対用
保護管、発熱体、半導体拡散炉用部材、光ファイバー焼
結用炉芯管等は、黒鉛、焼結炭化珪素又は反応焼結炭化
珪素基体上に高純度炭化珪素をコーティングすることに
より、表面を高純度炭化珪素層としたものが使用されて
いる。
【0003】また、黒鉛基材上に高純度炭化珪素膜を形
成した後、黒鉛基材を酸化雰囲気で焼き抜くことによ
り、高純度炭化珪素体を得る方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、黒鉛、焼結炭
化珪素、反応焼結炭化珪素基体上に高純度炭化珪素をコ
ーティングすることにより得られた高純度炭化珪素体
は、繰り返し使用により熱サイクルを受けると、基体と
コーティング面が剥離したり、クラックの発生により基
体面が露出するなどの問題点がある。従って、黒鉛基体
の場合は耐酸化性が著しく低下するし、焼結炭化珪素、
反応焼結炭化珪素基体の場合には基体中の不純物が外表
面に拡散してしまう問題がある。
【0005】また、黒鉛基材を焼き抜くことにより高純
度炭化珪素体を得る方法は、黒鉛基材を焼き抜くのに長
時間を有する上、基材を焼き抜いてしまうため基材の繰
り返し利用ができないなどの問題点を残している。
【0006】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、短時間で効率よくしかも経済的に化学気相蒸
着炭化珪素のみからなる高純度炭化珪素体を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、基材として
熱分解窒化硼素(PBN)基材を用いることによって上
記問題を解決し得ることを見い出した。即ち、本発明の
高純度炭化珪素体の製造方法は、PBN基材の表面、特
に好適には外表面に化学気相蒸着法で炭化珪素膜を形成
した後、PBN基材を除去することによって高純度炭化
珪素体を製造するものである。
【0008】このようにPBN基材内表面に炭化珪素膜
を化学気相蒸着することにより、化学気相蒸着後、温度
を降下させればPBN基材と炭化珪素膜とは容易に分離
する。つまり、PBNの線膨張は1000℃でa軸方向
で約0.25%、c軸方向で約2.7%である。それに
対し、SiCの線膨張率は1000℃で約0.35%で
ある。それ故、温度降下によりSiCの成長方向に垂直
であるPBNのa軸方向とSiCの接合面には温度降下
により剪断応力が加わる。また、SiCの成長方向であ
るPBNのc軸方向とSiCとの間には引っ張り応力が
働く。このため、この二つの作用応力により、基材のP
BNとSiCとは容易に分離する。更に、この分離には
PBNとSiCとの格子定数の差もまた作用している。
即ち、PBNのa軸方向の格子定数はB−N間で2.5
0Åであるのに対し、SiCの格子定数は4.35Åで
あるから、ミクロ的に両物質間には強固な接合がなされ
ていない。従って、PBN基材を用いることにより、炭
化珪素膜が容易に分離するものである。
【0009】従って、本発明によれば、黒鉛を焼き抜く
というような操作を必要とせず、炭化珪素膜を化学気相
蒸着により形成した後、温度降下により容易にアルミナ
基材を除去し得るので、工程時間の短縮が図れ、短時間
で効率よく高純度炭化珪素体を製造することができる
上、基材アルミナは繰り返し使用が可能であるため、製
造コストの削減が達成される。
【0010】また、上記方法により製造した炭化珪素体
は、化学気相蒸着法により形成されたもののみであるた
め、緻密質であると同時に極めて高純度である。従って
例えば光ファイバー用炉芯管に使用した場合、ファイバ
ーへの不純物の混入の心配がなくなるものである。この
場合、カーボン基材上に炭化珪素を形成し、カーボン基
材を焼き抜くことにより得られた炭化珪素体と比較して
も基材PBNの純度がカーボン基材より高いため、より
不純物の心配は減少する。またコーティング品に比較
し、著しくライフが向上するものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の高純度炭化珪素膜の製造方法は、所望の形状、例え
ば坩堝形状、ヒーター形状、炉芯管形状等に成形した熱
分解窒化硼素(PBN)基材の内表面に化学気相蒸着法
で炭化珪素膜を形成した後、上記PBN基材を除去する
ものである。
【0012】ここで、基材として用いるPBNとして
は、特に剥離強度が10kg/cm2以上であることが
望ましい。剥離強度が10kg/cm2より小さいと、
PBN内部に剥離が生じ、窒化珪素膜との分離性が低下
する場合がある。また、PBN基材の表面粗さはRa値
が2μm以下であることが好ましい。Ra値が2μmよ
り大きいと、接触面での剪断応力が減少し、炭化珪素膜
との分離が困難になる場合がある。
【0013】なお、PBNは、高温、減圧下で硼素含有
化合物と窒素含有化合物とを反応させることにより製造
される窒化硼素で、機械加工が容易である、高純度であ
る、c軸方向に垂直に層状構造を持つ等の特徴を有する
材料である。
【0014】本発明は、上記PBN基材の内表面に炭化
珪素膜を化学気相蒸着法により形成するものであるが、
この場合炭化珪素の化学気相蒸着は常法によって行なう
ことができ、通常、1000℃以上の高温及び減圧下で
珪素含有化合物、例えばSiCl4,SiHCl3,Si
2Cl2,SiH4等と炭素含有化合物CH4,C38
を反応させる方法、或いは珪素、炭素を同時に含有する
化合物CH3SiCl3,(CH32SiCl2,(C
33SiCl,(CH34Si等の熱分解によってな
される。
【0015】この場合、炭化珪素膜の膜厚は適宜選定さ
れるが、一般に100〜2000μm程度である。
【0016】次に、このように化学気相蒸着により炭化
珪素膜を形成した後は、通常の方法で温度降下させるこ
とにより、炭化珪素膜とPBN基材とがその熱膨張係数
差、格子定数差により、特に他の操作を加えることなく
容易に炭化珪素膜とPBN基材とが脱離するものであ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0018】[実施例]剥離強度20kg/cm2のP
BNルツボ内面を#2000のサンドペーパーで研磨
し、表面粗さRaを0.5μmとした後、このルツボ内
面に対し、反応温度1300℃下でSiCl4を0.5
リットル/分(SLM)、C38を0.5リットル/分
(SLM)、H2を4リットル/分(SLM)で供給
し、反応系をポンプで排気することにより反応圧力を1
0Torrに保って、炭化珪素膜を1500μm堆積さ
せた。
【0019】次に、温度を常温に戻すことにより、炭化
珪素膜はPBNルツボと容易に分離し、これにより化学
気相蒸着SiC無垢の高純度炭化珪素体を製造した。
【0020】また、上記方法の後、炭化珪素膜と脱離さ
れたPBNルツボを再度使用し、上記と同様にして繰り
返し30個の高純度炭化珪素体を製造したが、PBNル
ツボの破損は生じなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、化学気相蒸着法による
高純度の炭化珪素のみからなる炭化珪素体を短時間で効
率よくしかも経済的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 和弘 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解窒化硼素基材の表面に化学気相蒸
    着法で炭化珪素膜を形成した後、上記基材を除去するこ
    とを特徴とする高純度炭化珪素体の製造方法。
JP3311347A 1991-10-31 1991-10-31 高純度炭化珪素体の製造方法 Pending JPH05124864A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100400417C (zh) * 2006-03-09 2008-07-09 中国人民解放军国防科学技术大学 一种微米、亚微米和纳米碳化硅纤维的制备方法
CN111892404A (zh) * 2020-08-03 2020-11-06 福赛特(唐山)新材料有限公司 一种耐腐蚀碳化硅扩散管及其制备方法

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