JPH05124818A - 金属酸化物被膜形成用塗布液 - Google Patents
金属酸化物被膜形成用塗布液Info
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- JPH05124818A JPH05124818A JP3289848A JP28984891A JPH05124818A JP H05124818 A JPH05124818 A JP H05124818A JP 3289848 A JP3289848 A JP 3289848A JP 28984891 A JP28984891 A JP 28984891A JP H05124818 A JPH05124818 A JP H05124818A
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Abstract
ンの加水分解物及び一般式〔2〕で示されるテトラアル
コキシチタンの加水分解物と塩基性ジルコニウム塩を、
又はテトラアルコキシチタンの加水分解物と塩基性ジル
コニウム塩を、有機溶媒に混合溶解して成る金属酸化物
被膜形成用塗布液。 R1Si(OR2)3-n 〔1〕 (R1はアルキル、アルケニル、アリール基を表し、R2
はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表す) Ti(OR3)4 〔2〕 (R3はアルキル基を表す) 【効果】 本発明の塗布液を使用することによって、液
の貯蔵安定性及び成膜性が優れ且つ、加熱硬化させた塗
膜は高硬度で緻密な耐薬品性に優れた金属酸化物被膜が
得られる。
Description
ックス、プラスチックス等の基材に塗布し、加熱硬化す
ることにより、耐薬品性に優れた酸化物被膜を容易に形
成しうる塗布液に関する。
容易に酸化物被膜を形成させることができる点から、液
晶表示素子用ガラスからのアルカリイオン溶出防止膜、
透明導電膜の絶縁保護膜、配向制御膜、ICのパッシベ
ーション膜、更にはホウ素、リンを添加して拡散膜、ガ
ラス、金属表面の耐食保護膜、プラスチックのハードコ
ートとして、広く用いられており、液の安定性、製造の
容易さから、主としてSiO2被膜形成用塗布液が良く
知られている。
iO2被膜は、アルカリイオンの存在により、珪酸アル
カリ塩を形成し、容易に溶解する為耐アルカリ性に問題
を有し、更には、弗酸に対しても容易に溶解してしまう
という欠点を有している。その為、基材をアルカリ洗浄
する場合や弗酸で処理する場合には、使用できなかっ
た。
には、ZrO2、TiO2等の酸化物を添加することが良
く知られており、窯業協会誌85巻448ページ(19
77年)には、テトラエトキシシラン、テトライソプロ
ポキシチタン、テトライソプロポキシジルコニウムの混
合物より成る耐アルカリ性に優れた被膜を形成しうる塗
布液の例示があるが、この窯業協会誌記載の塗布液は、
金属アルコキシド化合物を加水分解せずに、基材上に塗
布した後、空気中の水分によって加水分解しているた
め、成膜性に問題がある上塗布液の安定性にも問題があ
った。
テトラアルコキシシランと塩基性ジルコニウム塩とから
なる塗布液の例示があり、塩基性ジルコニウム塩として
は、塩基性塩化ジルコニウム、塩基性硝酸ジルコニウム
が挙げられている。一般にSiO2被膜の耐アルカリ性
を向上させるには、ZrO2をSiO2に対して、20モ
ル%以上添加する必要がある。上記特開昭63−145
370号では、塩基性塩化ジルコニウムはアルコール等
の有機溶媒に対する溶解性が高いため、十分に耐アルカ
リ性を発現する量のZrO2成分を添加することが可能
であるが、塗布液に多量の塩素が含まれるため、腐食性
や純度の点で問題があった。又、塩基性硝酸ジルコニウ
ムは有機溶媒に対する溶解性が塩基性塩化ジルコニウム
に比べて低いため、SiO2被膜が十分に耐アルカリ性
を有するのに必要な量のZrO2を、添加することがで
きないという問題があった。
とアルコキシチタンの加水分解物、又はアルコキシチタ
ンの加水分解物と、塩基性ジルコニウム塩とから成る、
成膜性に優れ且つ、貯蔵安定性に優れた酸化物被膜形成
用塗布液を提供しようとするものであり、更にその塗膜
を加熱硬化したときには、高硬度で緻密な、そして優れ
た耐薬品性を示す被膜が形成される酸化物被膜形成用塗
布液に関するものである。
た酸化物被膜形成用塗布液は、 (a)成分、下記一般式〔1〕 R1Si(OR2)3-n 〔1〕 (R1はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表
し、R2はアルキル基を表す。nは0又は1の整数を表
す。)で示されるアルコキシシラン、 (b)成分、下記一般式〔2〕 Ti(OR3)4 〔2〕 (R3はアルキル基を表す。)で示されるテトラアルコ
キシチタン、(c)成分、塩基性ジルコニウム塩におい
て、(a)成分の加水分解物と(b)成分の加水分解物と(c)
成分が、又は(b)成分の加水分解物と(C)成分が、有機溶
媒に混合溶解して成ることを特徴とする。
〔1〕で表され、R1としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ステアリル基、ビニル基、3−ク
ロロプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−グリ
シドキシピロピル基、3−メタクリルオキシプロピル
基、フェニル基等が挙げられる。又、R2としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が例示さ
れ、好ましくはメチル基及びエチル基である。
してはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
挙げられる。 (c) 成分の塩基性ジルコニウム塩は、塩基性塩化ジルコ
ニウム、塩基性硝酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニ
ウム、塩基性酢酸ジルコニウム、塩基性蓚酸ジルコニウ
ム等が例示されるが、有機溶媒への溶解性、ハロゲン元
素の存在等を考慮した場合、塩基性硝酸ジルコニウムが
好ましい。
は、モル比で、(a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.9、
(b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.95、(c)/
〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.2の範囲で用いら
れる。本発明の塗布液を得るための(a) 、(b) 成分の加
水分解は、(c) 成分の存在下に行われ、(a) 及び(b) 成
分の全アルコキシド基のモル数に対して、0.5〜2.
5倍モルの水によって行われる。
分も上記加水分解に用いられる水の量に算入される。 (a) 及び(b) 成分のアルコキシド化合物を加水分解する
際、通常触媒として酸が用いられる。しかしながら、本
発明に用いられる(c) 成分が加水分解に用いられる水に
溶解されている場合には、酸性を呈する為新たに加水分
解の触媒としての酸を加える必要はない。
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカ
ルビトール等のグリコールエーテル類、N−メチルピロ
リドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられ、それら
の1種、又は2種以上を混合して用いてもよい。
れるが、必要に応じて加熱下に行ってもよい。この加水
分解の終了によって、本発明の塗布液は得られるが、こ
の加水分解の終了後、熟成の目的で50℃以上150℃
以下の温度で加熱しても差し支えない。
溶液に、(c)成分と水或いは水と有機溶媒の添加する
か、又は(b)成分単独に(C)成分と水或いは水と有機溶媒
を添加することによって行われるが、塗布液に(a)成分
及び(b)成分を含む場合には、(a)成分を(c)成分の存在
下に有機溶媒中で加水分解した後、(b)成分と混合する
ことによっても行われる。
(b) 成分をTiO2、(c) 成分をZrO2に換算し、Si
O2+TiO2+ZrO2分を1〜15重量%の範囲で含
むことが好ましい。
液は、ディッピング、スピンコート、フレキソ印刷、刷
毛塗り、ロールコート、スプレー等通常使用される塗布
法に適用される事ができ、そしてその塗膜を乾燥後、1
00℃以上の温度で加熱することにより、硬化塗膜を得
ることができる。そしてこの硬化塗膜を更に300℃以
上の温度で加熱することにより、緻密な耐薬品性に優れ
た酸化物被膜を得ることができる。
で、(a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0〜0.9、(b)/〔(a)
+(b)+(c)〕=0.05〜0.95、及び(c)/〔(a)+
(b)+(c)〕=0.05〜0.2の範囲で優れた耐薬品性
を示す酸化物被膜を与える。 一般的に、SiO2被膜
に比べTiO2又はSiO2とTiO2の複合被膜は、優
れた耐アルカリ性、耐酸性を示すことは、知られている
が、その耐薬品性も十分とは言いがたい。一方SiO2
成分にZrO2成分を20重量%以上含有させることに
より、耐アルカリ性は大幅に向上することはよく知られ
ているが、耐酸性に問題があった。
にTi原子が挿入され、耐酸性が向上し、更にZrがイ
オン状態で骨格中に存在することによって、大幅な耐ア
ルカリ性向上がなされる。SiO2成分である(a)成分を
含まない場合には、TiO2成分が、本来高い耐薬品性
を示す上に、Zr成分が、イオン状態で存在するため、
更に高い耐アルカリ性を示す。
0.05未満の場合、十分な耐薬品性を示さない。又
(c) 成分は、モル比で0.2より多く含まれても、耐薬
品性はそれ以上向上せず、更に本発明の(c) 成分はハロ
ゲンを含まない点から、塩基性硝酸ジルコニウムが好ま
しく、0.2より多く溶解させることは困難である。加
水分解の際に用いられる水は、アルコキシド化合物の全
アルコキシド基に対して、モル比で0.2倍より少ない
と、加水分解が不十分となり、アルコキシド化合物のモ
ノマーが多量に残り、塗布液の成膜性が悪くなり、得ら
れる被膜の機械的強度も向上しない。反対に2.5倍よ
り多いと、塗布液の貯蔵安定性が乏しくなり、塗布液の
粘度増加、ゲル化等を引き起こす。
解を行っているため、大気中の水分の影響を受けること
なく、安定した成膜性を示す。又、吸湿による塗布液の
変化が無く、使用中の塗布液の安定性にも優れている。
本発明の塗布液の(a) 成分をSiO2、(b) 成分をTi
O2、(c) 成分をZrO 2に換算し、SiO2+TiO2+
ZrO2分が1重量%より少ないと、一回の塗布により
得られる塗膜の厚みが薄く、所定の厚みを得るために多
数回の塗布が必要となり効率的で無い。
より得られる塗膜の厚みが厚くなり、均一な被膜を得る
ことが困難となり、塗布液の貯蔵安定性も乏しくなり、
塗布液の粘度増加、ゲル化等を引き起こす。
ラエトキシシラン20.8gとテトライソプロポキシチ
タン3.55gと溶媒としてエタノール72.61gを
入れ、よく混合した。この混合物に、塩基性硝酸ジルコ
ニウム2水和物3.34gを水5.4gとエタノール3
6.3gに溶解した溶液を、室温下滴下した。滴下に従
い、反応液は25℃から33℃へ約8℃発熱した。撹拌
を1時間続け、塗布液とした。この塗布液の550℃で
強熱残分は、6重量%であり、Si:Ti:Zrは8:
1:1となっていた。
Sと表記)、テトライソプロポキシチタン(表中TIO
Tと表記)、塩基性硝酸ジルコニウム2水和物(表中Z
rNと表記)を用いて、実施例1と同様の方法で塗布液
を製造した。それぞれ、550℃の強熱残分は6重量%
であった。
ラメトキシシラン7.6gとメチルトリメトキシシラン
6.8gとテトラエトキシチタン2.85gと溶媒とし
てエタノール79.71gを、よく混合した。この混合
物に、塩基性硝酸ジルコニウム2水和物3.34gを水
5.4gとエタノール36.3gに溶解した溶液を、室
温下滴下した。滴下に従い、反応液は25℃から38℃
へ約13℃発熱した。撹拌を1時間続け、塗布液とし
た。この塗布液の550℃で強熱残分は、6重量%であ
り、Si:Ti:Zrは8:1:1となっていた。
ラエトキシシラン20.8gとテトライソプロポキシチ
タン42.6gと溶媒としてエタノール154.9gを
入れ、よく混合した。この混合物に、酸触媒として硝酸
0.2gと水13.5gをエタノール74.3gに溶解
した溶液を、室温下滴下した。滴下に従い、反応液は2
5℃から40℃へ約15℃発熱した。撹拌を1時間続
け、塗布液とした。この塗布液の550℃で強熱残分
は、6重量%であり、Si:Tiは4:6であった。
ラエトキシシラン20.8gと溶媒としてエタノール7
2.96gを入れ、よく混合した。この混合物に、塩基
性硝酸ジルコニウム2水和物5.34gを水5.4gと
エタノール36.5gに溶解した溶液を、室温下滴下し
た。滴下に従い、反応液は25℃から30℃へ約5℃発
熱した。撹拌を1時間続け、塗布液とした。この塗布液
の550℃で強熱残分は、6重量%であり、Si:Zr
は8:2となっていた。
ラエトキシシラン20.8gと溶媒としてエタノール7
2.96gを入れ、よく混合した。この混合物に、酸触
媒として硝酸0.1gと水5.4gをエタノール41.
74gに溶解した溶液を、室温下滴下した。滴下に従
い、反応液は25℃から30℃へ約5℃発熱した。撹拌
を1時間続け、塗布液とした。この塗布液の550℃で
強熱残分は、6重量%であった。
引き上げ速度20cm/min でディップ成膜し、100℃
で10分乾燥後、480℃で30分焼成した。焼成後の
被膜について、以下試験法で耐アルカリ性、耐酸性を測
定した。結果を表−2に示す。
たスライドガラスを60℃の40重量%水酸化カリウム
水溶液に10分浸漬し、水洗後、膜厚を測定した。次の
式に従って、アルカリエッチング速度を算出し、耐アル
カリ性とした。 〔試験前の膜厚(10-8cm)−試験後の膜厚(10-8
cm)〕/10min 耐酸性 :膜厚を測定した被膜のついたスライドガ
ラスを、49%弗化水素酸15g、60%硝酸10g,
純水600gの混合水溶液に23℃で1分浸漬し、水洗
後、膜厚を、測定した。
出し、耐酸性とした。 〔試験前の膜厚(10-8cm)−試験後の膜厚(10-8
cm)〕/60sec
膜に比べ耐アルカリ性、耐酸性に優れた被膜を容易に形
成でき、かつ塗布液中に、アルカリやハロゲン等の不純
物イオンを含まない。したがって、アルカリ洗浄や酸洗
浄又は弗酸等によるエッチング工程を多く含み、不純物
の混入を嫌う液晶表示素子、半導体素子等の保護膜や絶
縁膜として好適である。
れており、大気中の水分に対して安定であり、大気雰囲
気に晒される時間の多い、ディッピング法やフレキソ印
刷法の適用が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】(a) 成分、下記一般式〔1〕 R1Si(OR2)3-n 〔1〕 (R1はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表
し、R2はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表
す。)で示されるアルコキシシラン、 (b) 成分、下記一般式〔2〕 Ti(OR3)4 〔2〕 (R3はアルキル基を表す。)で示されるテトラアルコ
キシチタン、 (c) 成分、塩基性ジルコニウム塩において、 (a) 成分の加水分解物と(b)成分の加水分解物と(c)成分
が、又は(b)成分の加水分解物と(c)成分が、有機溶媒に
混合溶解して成る金属酸化物被膜形成用塗布液。 - 【請求項2】 請求項1において、成分(a) 、(b)及び
(c)の組成が、モル比で、(a)/〔(a)+(b)+(c)〕=0
〜0.9、(b)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.9
5、及び(c)/〔(a)+(b)+(c)〕=0.05〜0.2で
あることを特徴とする金属酸化物被膜形成用塗布液。 - 【請求項3】請求項1において、(a) 成分のアルコキシ
シランをSiO2、(b) 成分のテトラアルコキシチタン
をTiO2、(c) 成分の塩基性ジルコニウム塩をZrO2
にそれぞれ換算して、その総和が1〜15重量%である
ことを特徴とする金属酸化物被膜形成用塗布液。 - 【請求項4】請求項1において、(c) 成分の塩基性ジル
コニウム塩が塩基性硝酸ジルコニウムであることを特徴
とする金属酸化物被膜形成用塗布液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28984891A JP3278876B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 金属酸化物被膜形成用塗布液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28984891A JP3278876B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 金属酸化物被膜形成用塗布液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05124818A true JPH05124818A (ja) | 1993-05-21 |
JP3278876B2 JP3278876B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=17748552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28984891A Expired - Lifetime JP3278876B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 金属酸化物被膜形成用塗布液 |
Country Status (1)
Country | Link |
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