JP3360408B2 - 金属酸化物被膜形成用塗布液 - Google Patents

金属酸化物被膜形成用塗布液

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JP3360408B2
JP3360408B2 JP07731194A JP7731194A JP3360408B2 JP 3360408 B2 JP3360408 B2 JP 3360408B2 JP 07731194 A JP07731194 A JP 07731194A JP 7731194 A JP7731194 A JP 7731194A JP 3360408 B2 JP3360408 B2 JP 3360408B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属酸化物被膜形成用塗
布液及びその製造法に関するものであり、更に詳しくは
ガラス、セラミックス、金属、プラスチック等の基材上
に表面硬度、耐薬品性に優れ、且つ、貯蔵安定性に優れ
た、金属酸化物被膜形成用塗布液(及びその製造法)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物被膜形成用塗布液は、大面積
に、容易に金属酸化物被膜を形成させることができる点
から、液晶表示素子用ガラスからのアルカリイオン溶出
防止膜、透明導電膜の絶縁保護膜、配向制御膜、ICの
パッシベーション膜、更にはホウ素、リンを添加して拡
散膜、ガラス、金属表面の耐食保護膜、プラスチックの
ハードコートとして、広く用いられており、液の安定
性、製造の容易さから、主としてSiO2 被膜形成用塗
布液が良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】酸化物被膜は、省エネ
ルギー、適用基材の拡大から、300℃以下の温度で加
熱硬化することが望まれている。テトラアルコキシシラ
ンの加水分解物を塗布液として用いた場合、十分な塗膜
硬度を得る為には、450℃以上の加熱が必要である。
この欠点を改良する目的で、アセチルアセトナート化合
物を用いる事が提案されている。(特開平2−4840
3号公報) しかし、アセチルアセトナート化合物はその配位子であ
るアセチルアセトンが塗膜中に残存し易く、また得られ
える塗膜の表面硬度が劣る問題があった。
【0004】特開平2−258646号公報には、アル
ミニウム塩を含むコーティング剤が提案されており、低
温焼成で高い膜硬度と絶縁性を有するが、組成にZrO2
分を含むと表面硬度に劣るという問題があった。一方、
特開昭63−145370号公報には、テトラアルコキ
シシランと塩基性ジルコニウム塩とからなる塗布液が提
案されているが、基材としてガラスを用いた場合には、
優れた表面硬度を有するが、プラスチック基材、透明導
電膜(例えばITO)上では、やはり表面硬度に劣ると
いう問題があった。
【0005】本発明の目的は、低温焼成で表面硬度、特
に透明導電膜上での表面硬度に優れ、貯蔵安定性に優れ
た、金属酸化物被膜形成用塗布液の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(A)
一般式〔1〕 Zr(OR1 4 〔1〕 (R1 はアルキル基を表す。)で示されるテトラアルコ
キシジルコニウムと、(B)一般式〔2〕 R2 −CH(OH)CH(OH)−R3 〔2〕 (R2 、R3 は、アルキル基を表す。)で示されるアル
キレングリコールの加熱混合物の加水分解生成物及び、
(C)インジウム塩が有機溶媒に混合溶解して成る金属
酸化物被膜形成用塗布液に関する。
【0007】更に、本発明は上記金属酸化物被膜形成用
塗布液において、(D)一般式〔3〕 R4 n Si(OR5 4-n 〔3〕 (R4 はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表
し、R5 はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表
す。)で示されるアルコキシシランの加水分解物が、有
機溶媒に混合溶解して成る金属酸化物被膜形成用塗布液
に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。(A)成
分の一般式〔1〕で示されるテトラアルコキシジルコニ
ウムのR1 はアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜
8、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等が挙げられる。(B)成分の一般式〔2〕で
示されるアルキレングリコールのR2 、R3 は、アルキ
ル基を表し、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げら
れる。
【0009】(C)成分のインジウム塩は、塩化インジ
ウム、硝酸インジウム及び硫酸インジウム等があげらら
れるが、ハロゲン元素の存在等を考慮した場合、硝酸イ
ンジウムが好ましい。本発明の各金属化合物の組成は、
(A)成分の一般式〔1〕で示されるテトラアルコキシ
ジルコニウムと(C)成分のインジウム塩の合計モル数
に対し、(A)成分のモル比が0.4〜0.9、(C)
成分のモル比が0.1〜0.6である。
【0010】 また、(B)成分の一般式〔2〕で示さ
れるアルキレングリコールは、(A)成分の一般式
〔1〕で示されるテトラアルコキシジルコニウムに対し
てモル比で1以上用いられる。アルキレングリコールの
使用量の上限は特に限定する必要は無いが、通常はテト
ラアルコキシジルコニウムに対してモル比で30以下で
ある。
【0011】本発明の塗布液を得るための(A)成分の
テトラアルコキシジルコニウムの加水分解は、(B)成
分のアルキレングリコールと混合後、50〜150℃の
範囲で加熱熟成後行われる。熟成時間は通常30〜60
分行えば十分である。(B)成分のアルキレングリコー
ルと混合後の(A)成分のテトラアルコキシジルコニウ
ムの加水分解は、(C)成分インジウム塩のの存在下で
も、水単独で行われても差し支えない。加水分解に用い
られる水は、(A)成分に対してモル比で0.5〜4倍
の範囲で行われる。
【0012】更に、本発明の金属酸化物被膜形成用塗布
液上記の(A)〜(C)成分以外に、(D)成分として
一般式〔3〕 R4 n Si(OR5 4-n 〔3〕 (R4 はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表
し、R5 はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表
す。)で示されるアルコキシシランの加水分解生成物を
加えることが好ましい。
【0013】 この場合、本発明の各金属化合物の組成
は、(A)成分の一般式〔1〕で示されるテトラアルコ
キシジルコニウムと(C)成分のインジウム塩及び
(D)成分のアルコキシシランの合計モル数に対し、
(A)成分のモル比が0.05〜0.9、(C)成分の
モル比が0.1〜0.6及び(D)成分のモル比0.0
5〜0.8である。(D)成分の一般式〔3〕で示され
るアルコキシシランのR4はアルキル基、アルケニル
基、アリール基を表し、R5はアルキル基を表し、R4
のアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは1〜8で、ハロゲン、ヒドロキシル基及び
グリシド基で置換されていても良い。より具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3−クロロ
プロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−グリシド
キシピロピル基等があげらられる。
【0014】R4 のアルケニル基としては、好ましくは
炭素数2〜8で、ヒドロキシル基等で置換されていても
良い。より具体的には、ビニル基、プロペニル基、3−
メタクリルオキシプロピル基等が挙げられる。R4 のア
リール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル
基、等が挙げられる。又、R5 としては、好ましくは炭
素数1〜6で、より好ましくはメチル基、エチル基であ
る。
【0015】(D)成分の加水分解は、(D)成分単独
で、または(B)成分と混合後の(A)成分と同時に行
われても、何方でもよい。(D)成分の加水分解には通
常、酸触媒が用いられるが、(C)成分が酸性を呈する
為、(C)成分を共存させることによって、特に酸を新
たに加える必要は無い。加水分解は、(D)成分の全ア
ルコキシド基のモル数に対して、0.5〜2.5倍モル
の水によって行われる。
【0016】(A)成分及び(D)成分の加水分解の際
に用いられる有機溶媒の例としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール等アルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコー
ル等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエ
チルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコール
エーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルム
アミド等が挙げられ、それらの1種、又は2種以上を混
合して用いてもよい。
【0017】加水分解の為の水の添加は通常室温で行わ
れるが、必要に応じて加熱下に行ってもよい。この加水
分解の終了によって、本発明の塗布液は得られるが、こ
の加水分解の終了後、熟成の目的で50℃以上150℃
以下の温度で加熱しても差し支えない。また、塗布液の
高沸点化、高粘度化の目的で、加水分解終了後副生する
低沸点のアルコール類を留去する事もできる。
【0018】本発明の塗布液は、各金属成分を酸化物換
算でZrO2 +In23 分を1〜15重量%の範囲で
含むことが好ましい。また(D)成分を用いた場合もS
iO 2 +ZrO2 +In23 分を1〜15重量%の範
囲で含むことが好ましい。本発明の金属酸化物被膜塗布
液は、ディッピング、スピンコート、フレキソ印刷、刷
毛塗り、ロールコート、スプレー等通常使用される塗布
法に適用される事ができ、そしてその塗膜を乾燥後、1
00℃以上の温度で加熱することにより、硬化塗膜を得
ることができる。そしてこの硬化塗膜を更に300℃以
上の温度で加熱することにより、緻密な耐薬品性に優れ
た酸化物被膜を得ることができる。
【0019】本発明の塗布液には、必要に応じて無機コ
ロイド状微粒子、無機微粒子、その他の金属塩、金属化
合物を添加する事は差し支えない。
【0020】
【作用】本発明の各金属化合物の組成は、(A)成分の
一般式〔1〕で示されるテトラアルコキシジルコニウム
と(C)成分のインジウム塩の合計モル数に対し、
(A)成分のモル比が0.4〜0.9、(C)成分のモ
ル比が0.1〜0.6での範囲で表面硬度に優れた金属
酸化物被膜を与える。
【0021】(A)成分は、上記モル比で0.4未満の
場合、被膜の耐薬品性が低下し、0.9以上含まれる場
合には、被膜の表面硬度が低下するばかりか、塗布液の
貯蔵安定性が低下する。(C)成分は、上記モル比で
0.1未満では、得られる被膜の表面硬度が低下する。
一方0.6以上含まれても、被膜の表面硬度はそれ以上
向上しないばかりか、被膜の耐薬品性低下する。
【0022】更に、(D)成分を用いた場合の各金属化
合物の組成は(A)成分の一般式〔1〕で示されるテト
ラアルコキシジルコニウムと(C)成分のインジウム塩
及び(D)成分の一般式〔3〕で示されるアルコキシシ
ランの合計モル数に対し、(A)成分のモル比が0.0
5〜0.9、(C)成分のモル比が0.1〜0.6及び
(D)成分のモル比0.05〜0.8の範囲で、より優
れた表面硬度に優れた金属酸化物被膜を与える。
【0023】(D)成分の一般式〔3〕で示されるアル
コキシシランの加水分解物は含まれなくても良いが、
(A),(C)及び(D)成分の合計モル数に対して
(D)成分の一般式〔3〕で示されるアルコキシシラン
が0.05〜0.8含まれると、屈折率の調製や表面硬
度、成膜性の面で優れた金属酸化物被膜を与える。0.
8を越えて含まれるとZrO2 被膜の本来特性が失わ
れ、耐薬品性、表面硬度が低下する。
【0024】本発明の塗布液は、(B)成分を(A)成
分に対してモル比で1倍以上のと加熱混合した後、加水
分解される。上記加熱混合無しに、または(B)成分を
モル比で1未満の場合には、塗布液の貯蔵安定性が極端
に低下し、製造時や製造後直ちに塗布液の粘度増加、ゲ
ル化が起こる。また(B)成分を(A)成分に対してモ
ル比で30倍より多く含まれても問題はないが、(A)
成分の安定化効果は、向上しないので、不経済である。
【0025】(B)成分は一般式〔2〕で示される構造
を有するものが使われる。R2 又はR3 が水素の場合に
は、混合により(D)成分の固化が起こり、その後加水
分解、(C)成分の添加によっても、完全溶解せず、塗
布液が不均一となる。(A)成分の加水分解の際に用い
られる水は、モル比で0.5倍未満だと、加水分解が不
十分となり、モノマーが多量に残り、塗布液の成膜性が
悪くなり、得られる被膜の表面硬度も向上しない。反対
に4倍を越えると、塗布液の貯蔵安定性が乏しくなり、
塗布液の粘度増加、ゲル化等を引き起こす。
【0026】同様に(D)成分の加水分解の際に用いら
れる水は、全アルコキシド基のモル数に対してモル比で
0.5倍未満だと、加水分解が不十分となり、モノマー
が多量に残り、塗布液の成膜性が悪くなり、得られる被
膜の表面硬度も向上しない。反対に2.5倍を越える
と、塗布液の貯蔵安定性が乏しくなり、塗布液の粘度増
加、ゲル化等を引き起こす。
【0027】本発明の塗布液の各金属成分を酸化物換算
でZrO2 +In23 分が1重量%未満だと、また同
様に(D)成分を用いた場合もSiO2 +ZrO2 +I
23 分が1重量%未満だと、一回の塗布により得ら
れる塗膜の厚みが薄く、所定の厚みを得るために多数回
の塗布が必要となり効率的で無い。一方15重量%を越
えると、一回の塗布により得られる塗膜の厚みが厚くな
り、均一な被膜を得ることが困難となり、塗布液の貯蔵
安定性も乏しくなり、塗布液の粘度増加、ゲル化等を引
き起こす。
【0028】
【実施例】以下実施例と比較例を示しより詳細に本発明
を説明する。 実施例1 (SiO2/ZrO2=1(モル比)、In=10モル%、アル
キレンジオール/ZrO2=4(モル比)の例)テトラブト
キシジルコニウム10.7gを2,3−ブタンジオール
10gに混合し、70℃で30分攪拌、混合した。室温
に冷却後、攪拌しながらテトラエトキシシラン5.8g
とエタノール40gを加え、混合した。そこへ硝酸イン
ジウム6水和物2.2gを水1.5gとエタノール1
9.8gに溶解した溶液を加え、室温で30分攪拌し
て、塗布液(塗布液番号−1)とした。
【0029】実施例2 (SiO2/ZrO2=1、In=20モル%、アルキレンジオ
ール/ZrO2=4の例)テトラブトキシジルコニウム9.
1gを2,3−ブタンジオール8.6gに混合し、70
℃で30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌しなが
らテトラエトキシシラン5.0gとエタノール40gを
加え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和物4.2
gを水1.3gとエタノール21.8gに溶解した溶液
を加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液番号−
2)とした。
【0030】実施例3 (SiO2/ZrO2=1、In=50モル%、アルキレンジオ
ール/ZrO2=4の例)テトラブトキシジルコニウム5g
を2,3−ブタンジオール4.7gに混合し、70℃で
30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌しながらテ
トラエトキシシラン2.7gとエタノール40gを加
え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和物9.2g
を水0.7gとエタノール27.7gに溶解した溶液を
加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液番号−
3)とした。
【0031】実施例4 (SiO2/ZrO2=2、In=30モル%、アルキレンジオ
ール/ZrO2=4の例)テトラブトキシジルコニウム5g
を2,3−ブタンジオール4.7gに混合し、70℃で
30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌しながらテ
トラエトキシシラン5.5gとエタノール40gを加
え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和物6.0g
を水1.4gとエタノール27.4gに溶解した溶液を
加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液番号−
4)とした。
【0032】実施例5 (SiO2/ZrO2=0.5、In=30モル%、アルキレン
ジオール/ZrO2=4の例)テトラブトキシジルコニウム
9.5gを2,3−ブタンジオール8.9gに混合し、
70℃で30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌し
ながらテトラエトキシシラン2.6gとエタノール40
gを加え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和物
5.6gを水0.7gとエタノール22.7gに溶解し
た溶液を加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液
番号−5)とした。
【0033】実施例6 (SiO2=0、In=30モル%、アルキレンジオール/
ZrO2=4の例)テトラブトキシジルコニウム12.6g
を2,3−ブタンジオール11.8gに混合し、70℃
で30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌しながら
エタノール40gを加え、混合した。そこへ硝酸インジ
ウム6水和物5.0gを水1.2gとエタノール19.
4gに溶解した溶液を加え、室温で30分攪拌して、塗
布液(塗布液番号−6)とした。
【0034】実施例7 (アルコキシシランにメチルトリエトキシシランを用い
た例)テトラブトキシジルコニウム10.7gを2,3
−ブタンジオール10gに混合し、70℃で30分攪
拌、混合した。室温に冷却後、攪拌しながらメチルトリ
エトキシシラン5.0gとエタノール40gを加え、混
合した。そこへ硝酸インジウム6水和物2.2gを水
1.5gとエタノール21.6gに溶解した溶液を加
え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液番号−7)
とした。
【0035】実施例8 (製造法の異なる例)テトラブトキシジルコニウム1
0.7gを2,3−ブタンジオール10gに混合し、7
0℃で30分攪拌、混合した。これをA液とした。テト
ラエトキシシラン5.8gをエタノール40gに加え混
合した。そこへ硝酸インジウム6水和物2.2gを水
1.5gとエタノール19.8gに溶解した溶液を加
え、室温で30分攪拌してアルコキシシラン加水分解溶
液を得、これをB液とした。室温でA液に攪拌しながら
B液を混合し、30分攪拌した塗布液(塗布液番号8)
とした。
【0036】実施例9 (SiO2/ZrO2=1、In=10モル%、アルキレンジオ
ール/ZrO2=1の例)テトラブトキシジルコニウム1
0.7gを2,3−ブタンジオール2.5gに混合し、
70℃で30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪拌し
ながらテトラエトキシシラン5.8gとエタノール40
gを加え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和物
2.2gを水1.5gとエタノール27.3gに溶解し
た溶液を加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液
番号−9)とした。
【0037】実施例10 (SiO2/ZrO2=1、In=10モル%、アルキレンジオ
ール/ZrO2=10の例)テトラブトキシジルコニウム1
0.7gを2,3−ブタンジオール25.3gに混合
し、70℃で30分攪拌、混合した。室温に冷却後、攪
拌しながらテトラエトキシシラン5.8gとエタノール
30gを加え、混合した。そこへ硝酸インジウム6水和
物2.2gを水1.5gとエタノール14.8gに溶解
した溶液を加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布
液番号−10)とした。
【0038】比較例1 (インジウム塩に代わり硝酸を用いた例)テトラブトキ
シジルコニウム10.7gを2,3−ブタンジオール1
0gに混合し、70℃で30分攪拌、混合した。室温に
冷却後、攪拌しながらテトラエトキシシラン5.8gと
エタノール40gを加え、混合した。そこへ硝酸0.3
gを水1.5gとエタノール17.9gに溶解した溶液
を加え、室温で30分攪拌して、塗布液(塗布液番号−
11)とした。
【0039】比較例2 (アルキレンジオールとして1,2−ブタンジオールを
用いた例)テトラブトキシジルコニウム10.7gを
1,2−ブタンジオール10gに混合し、70℃で30
分攪拌、混合したところ、ゼリー状の固体となった。室
温に冷却後、攪拌しながらテトラエトキシシラン5.8
gとエタノール40gを加え、混合した。そこへ硝酸
0.3gを水1.5gとエタノール17.9gに溶解し
た溶液を加え、室温で30分攪拌してが、固形物が溶解
せず均一溶液とならず、塗布液が得られなかった。
【0040】比較例3 (アルキレングリコールを用いない例)テトラブトキシ
ジルコニウム10.7gをエタノール10gに溶解し、
加熱混合した。室温に冷却後、攪拌しながらテトラエト
キシシラン5.8gとエタノール40gを加え、混合し
た。そこへ硝酸インジウム6水和物2.2gを水1.5
gとエタノール19.8gに溶解した溶液を加え、室温
で30分攪拌しところ、ゲル化し塗布液が得られなかっ
た。
【0041】塗膜試験例 実施例で得られた塗布液を、透明導電膜(ITO電極)
付きの50×50×1.1mm2のガラス基板に、回転数
2000rpm で20秒間スピンコートした。ホットプレ
ート上で5分間乾燥後、300℃で30分間オーブンで
焼成した。焼成後の被膜表面硬度の鉛筆硬度(JIS
K5400)を測定した。結果を表−1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の塗布液は、低温の焼成で、耐薬
品性、表面硬度に優れた金属酸化物被膜を形成せしめ
る。特に透明導電膜上で特に表面硬度が優れているた
め、液晶表示素子等の透明電極の保護膜として好適であ
る。またアルキレングリコールとテトラアルコキシジル
コニウムの混合物を加水分解する製造法を用いることに
より、貯蔵安定性に優れた塗布液を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−258646(JP,A) 特開 平6−33000(JP,A) 特開 平5−59299(JP,A) 特開 平5−43837(JP,A) 特開 平4−220468(JP,A) 特開 平5−70717(JP,A) 特開 平7−257942(JP,A) 特開 平4−175375(JP,A) 特開 昭64−54613(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式〔1〕 Zr(OR14 〔1〕 (R1はアルキル基を表す。)で示されるテトラアルコ
    キシジルコニウムと、 (B)一般式〔2〕 R2−CH(OH)CH(OH)−R3 〔2〕 (R2、R3はアルキル基を表す。)で示されるアルキレ
    ングリコールの加熱混合物の加水分解生成物及び、 (C)インジウム塩が 有機溶媒に混合溶解して成る金属酸化物被膜形成用塗布
    液。
  2. 【請求項2】 (A)成分の一般式〔1〕で示されるテ
    トラアルコキシジルコニウムと(C)成分のインジウム
    塩の合計モル数に対し、(A)成分のモル比が0.4〜
    0.9及び(C)成分のモル比が0.1〜0.6である
    請求項1記載の金属酸化物被膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】 (B)成分の一般式〔2〕で示されるア
    ルキレングリコールが、(A)成分の一般式〔1〕で示
    されるテトラアルコキシジルコニウムに対してモル比
    以上である請求項1又は2記載の金属酸化物被膜形成
    用塗布液。
  4. 【請求項4】 (A)一般式〔1〕 Zr(OR14 〔1〕 (R1はアルキル基を表す。)で示されるテトラアルコ
    キシジルコニウムと、 (B)一般式〔2〕 R2−CH(OH)CH(OH)−R3 〔2〕 (R2、R3はアルキル基を表す。)で示されるアルキレ
    ングリコールの加熱混合物の加水分解生成物、 (C)インジウム塩及び (D)一般式〔3〕 R4 nSi(OR54-n 〔3〕 (R4はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表
    し、R5はアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表
    す。)で示されるアルコキシシランの加水分解物が、有
    機溶媒に混合溶解して成る金属酸化物被膜形成用塗布
    液。
  5. 【請求項5】 (A)成分の一般式〔1〕で示されるテ
    トラアルコキシジルコニウムと(C)成分のインジウム
    塩及び(D)成分の一般式〔3〕で示されるアルコキシ
    シランの合計モル数に対し、(A)成分のモル比が0.
    05〜0.9、(C)成分のモル比が0.1〜0.6及
    び(D)成分のモル比が0.05〜0.8である請求項
    4記載の金属酸化物被膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】 (B)成分の一般式〔2〕で示されるア
    ルキレングリコールが、(A)成分の一般式〔1〕で示
    されるテトラアルコキシジルコニウムに対してモル比
    以上である請求項4又は5記載の金属酸化物被膜形成
    用塗布液。
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