JPH0511954B2 - - Google Patents

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JPH0511954B2
JPH0511954B2 JP63143855A JP14385588A JPH0511954B2 JP H0511954 B2 JPH0511954 B2 JP H0511954B2 JP 63143855 A JP63143855 A JP 63143855A JP 14385588 A JP14385588 A JP 14385588A JP H0511954 B2 JPH0511954 B2 JP H0511954B2
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JP
Japan
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vinegar
acetic acid
fermentation
corn
acidity
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JP63143855A
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English (en)
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JPH01312990A (ja
Inventor
Akimasa Kubota
Juji Oki
Hiroko Uehara
Yukari Haramaki
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Tamanoi Vinegar Co Ltd
Original Assignee
Tamanoi Vinegar Co Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はトウモロコシを粉砕し、アルコール発
酵させ、つづいて酢酸発酵を行い、食酢を製造す
る過程で、食酢中のフエニル酢酸含量を0〜
10ppm(酢酸酸度10%換算)になるように精製除
去することを特徴とする異臭のない食酢を得る為
のフエニル酢酸含量の少ない食酢及びその製造法
に関するもので、食酢関連の分野に属する。 (従来の技術) 従来、食酢の香味を改善する方法として、食酢
中のグルタミン酸含量を増す方法(特公昭60−
314689号)、遊離アミノ酸含量を2000mg/100ml以
上含ませた食酢を製造する方法(特開昭61−
177979号)、またアセトインやジアセチルなどの
ムレ臭の前駆体である乳酸生成を抑える方法(特
開昭61−119183号)等の発明が知られていた。ま
た現在、業務用の食酢として、経済的な面から工
業用アルコールを原料としたいわゆるアルコール
酢が生産供給されているが、穀物を100%原料と
した食酢はほとんど提供されていないのが現状で
ある。 (発明が解決しようとする課題) 前記従来の技術では、グルタミン酸含量を増し
たり、遊離アミノ酸含量を2000mg/100ml以上に
して香味を改善しているが、いずれも異臭物質は
依然として残つており、根本的な解決策とはなつ
ていない。また酢酸発酵前の乳酸生成を抑えてム
レ臭を少なくする方法が開示されているが、食酢
中の異臭はムレ臭だけでなく、穀類に由来する異
臭物質が存在し、製品に異臭が残る問題点があつ
た。 また、業務用としてのアルコール酢は、コスト
的には安価であるが、近年の消費者の天然志向、
自然志向に反するものであり、穀物を100%原料
とした純穀物酢で、しかも異臭のない業務用酢が
望まれていた。 更に、食酢には従来から明らかにされていたジ
アセチルやアセトイン等のムレ臭以外に、すし飯
にした場合等、酢酸臭以外の不快臭が残り問題と
なつていたが、その正体が何であるかがわからず
に除去法も確立されていなかつた。 (課題を解決する為の手段) 本発明は穀物を100%原料とし、かつ異臭のな
い、すなわちフエニル酢酸含量の少ない食酢及び
その製造法を提供するものである。 従来、トウモロコシを原料として公知の方法
で、無蒸煮アルコール発酢させ、つづいて酢酸発
酵させて食酢を製造した場合に、食酢に残香不快
臭がある。そこでこの残香不快臭の成分を解明す
べくイオン交換樹脂及びゲルろ過を組み合せて、
精製したところ、前記残香不快臭の成分は、フエ
ニル酢酸であることを同定した。前記フエニル酢
酸が食酢中に存在し、しかもこの物質が食酢中に
残香不快臭の成分の主体をなすものであるという
報告は従来見当らない。さらにフエニル酢酸の前
駆物質を検索したところ、アミノ酸の1つである
フエニルアラニンであることが明らかになつた。 前記におけるフエニル酢酸の定量は島津有機酸
分析システムを応用し、210nmの吸収より分離、
定量した。 以下、本発明を詳細に説明する。 トウモロコシを粉砕したものを原料として、ア
ルコール発酵させ、ついでそのろ液を酢酸発酵す
る食酢の製造法において、前記酢酸発酵の前又は
後にイオン交換処理、もしくは活性炭処理を行う
か、酢酸発酵前後で精製処理を行つて食酢中のフ
エニル酢酸を精製除去し、フエニル酢酸含量を0
〜10ppm(酢酸酸度10%換算)とすることで、100
%穀物を原料とした異臭のない食酢を製造するも
のである。本発明で対象としているフエニル酢酸
は、蒸煮、無蒸煮原料を問わず生成され、さらに
はアルコール発酵中でも酢酸発酵中でも生成され
るが、特に通気酢酸発酵で多量に生成することが
明らかとなつている。そこでフエニル酢酸を効率
よく精製除去するためには、アルコール発酵終了
時に、ある程度精製する必要がある。すなわちア
ルコール発酵終了を変性し、固液分離後イオン交
換処理、もしくは活性炭処理の単独もしくは組み
合わせでアルコールろ液中の総窒素量(以下T.N
と略す)を10mg/100ml以下(アルコール10%換
算)にまで精製すると、酢酸発酵後精製しなくて
もフエニル酢酸は10ppm以下(酢酸酸度10%換
算)となる。またアルコールろ液の段階では精製
をしないで酢酸発酵終了時にフエニル酢酸を精製
除去することもできる。酢酸発酵終了液を除菌ろ
過後、イオン交換処理、もしくは活性炭処理の単
独もしくは組み合わせでフエニル酢酸含量を
10ppm以下(酢酸酸度10%換算)まで精製するこ
とができる。 次いで、種々のフエニル酢酸含量の食酢(酸度
4.5%)を調製し、官能評価を行つた。結果を表
1に示す。 残香異臭成分の官能法としては、該食酢5mlを
シヤーレ内に入れて、直径5.5cmのろ紙にしみ込
ませ、50℃で2時間乾燥を行い、酢酸臭がとんだ
後の残香を官能評価した。 評価はアルコール酢を対象としてパネル15名で
評点法で行つた。評点は非常に良い:2点、良
い:1点、普通:0点、悪い:−1点、非常に悪
い:−2点の5段階で行い平均得点で示した。 表1より食酢中のフエニル酢酸含量と官能評価
は、高い正の相関があり、フエニル酢酸含量を
10ppm以下にすると、従来の業務用酢(アルコー
ル酢)に匹敵する品質の純穀物酢ができることが
明らかとなつた。またフエニル酢酸含量を少なく
するほど官能評価も良くなることは明らかとなつ
【表】 次いで米とトウモロコシを原料とした食酢を比
較した。 トウモロコシ酢は、トウモロコシ1Kgを粉砕
後、仕込水2.5、グルコアミラーゼ剤2gを添
加し、酢酸でPH4.5に調整し、生酵母4.5gを加え
て、27℃で4日間アルコール発酵を行つた。変性
ろ過後得られたアルコールろ液を予め通気発酵を
行つて培養した酢酸菌を含む種酢に添加し、酸度
10.2%の食酢6.5を得た。そして酸度を4.5%に
希釈し、トウモロコシ酢とした。米酢に関しては
米1Klを上記トウモロコシ酢の場合と同様にアル
コール発酵を行い、変性ろ過後得られたアルコー
ルろ液を同様に通気発酵を行つて酸度10.3%の食
酢8.2を得た。さらに酸度を4.5%に希釈し、米
酢とした。それぞれの食酢のフエニル酢酸含量を
表2に示した。両者を比較するとトウモロコシ酢
の方がフエニル酢酸が多く、官能的にも明らかに
トウモロコシ酢が劣つてた。このように通常の方
法でアルコール発酵及び酢酸発酵を行つて製造し
た場合、特にトウモロコシ酢では風味の良いもの
を得ることはできない。しかし、トウモロコシを
原料とした場合でも以下実施例に示すように酢酸
発酵前後で精製するか、酢酸発酵前または発酵後
に精製を行い、フエニル酢酸含量を抑えることに
よつてアルコール酢に匹敵する残香異臭のない食
酢を100%穀物を原料として製造することができ
る。故に本発明はトウモロコシのような通常の発
酵において多量のフエニル酢酸が生成する原料に
関して有効である。
【表】 前記における米酢はフエニル酢酸を12ppm含有
するけれども、その含有量を減少させることによ
り、更に風味のよい米酢を得ることができる。 (作用) 本発明は、トウモロコシを原料料として食酢を
製造するに際し、食酢の残香異臭成分たるフエニ
ル酢酸含量を0〜10ppm(酢酸酸度10%換算)に
なるように精製したので、残香異臭のない食酢を
得ることができる。 実施例 1 トウモロコシ1000Kgを42メツシユパスまで粉砕
し、仕込水2500、グルコアミラーゼ剤2Kgを添
加し、酢酸でPH4.5に調整し、生酵母4.5Kgを加え
て、27℃で4日間アルコール発酵を行つた。変性
圧搾ろ過後、得られたアルコールろ液4700
(T.N56.9mg/100ml)を、予めIN−HClで活性化
した200の強酸性型陽イオン交換樹脂XT−
1004(Rohm&Harth社製)を充填した塔内に上
端より流入し、精製処理を行つたところT.Nは
3.6mg/100mlになつた。次いで活性炭処理を行つ
てT.N2.0mg/100mlのアルコールろ液を得た。こ
の液を予め通気発酵を行つて培養した酢酸菌を含
む種酢に添加し、酢酸発酵を行い、酸度10.2%の
食酢を6500得た。得られた食酢はフエニル酢酸
含量が0.8ppmで風味良好なものであつた。 実施例 2 トウモロコシ1000Kgを42メツシユパスまで粉砕
し、仕込水2400、グルコアミラーゼ剤2Kgを添
加し、酢酸でPH4.5に調整後、生酵母5Kgを加え、
26℃で5日間アルコール発酵を行つた。変性ろ過
後、得られたアルコールろ液4600(T.N54.3
mg/100ml)を種酢440(酸度5.0%)に対して
1200加え、液温30℃にて酢酸菌膜を接種し、静
置酢酸発酵を行つた。10日後に酸度が5.2%、ア
ルコールが0.3%になつたので発酵を終了した。
この発酵液を活性炭処理した所、フエニル酢酸含
量2ppmとなり風味の良い食酢(酸度5.2%)1620
を得た。 実施例 3 トウモロコシ1000Kgを42メツシユパスまで粉砕
し、仕込水2500、グルコアミラーゼ剤2Kgを添
加し、酢酸でPH4.5に調整後、生酵母5Kgを加え、
28℃で4日間アルコール発酵を行つた。変性ろ過
後、得られたアルコールろ液4600(T.N63.6
mg/100ml)を、実施例1と同様に陽イオン交換
樹脂で処理し、T.N7.3mg/100mlのものを得た。 さらにこのアルコールろ液を実施例1と同様に
通気酢酸発酵を行い、酸度10.5%の食酢6500を
得た。この食酢を活性炭処理し、フエニル酢酸含
量1.6ppmの食酢(酸度10.2%)6500を得た。
この食酢は風味良好なものであつた。 実施例 4 トウモロコシ1000Kgを42メツシユパスまで粉砕
し、仕込水2500、α−アミラーゼ剤4Kgを添加
し、65℃で2時間保つた。さらに耐熱性α−アミ
ラーゼ剤2Kgを加え、120℃まで昇温し、10分間
保つた後、30℃まで冷却した。酢酸を添加してPH
4.5に調整し、グルコアミラーゼ剤2Kg、生酵母
5Kgを加えて28℃で4日間アルコール発酵を行つ
た。変性ろ過後、得られたアルコールろ液4550
(T.N43.3mg/100ml)を実施例1と同様に陽イオ
ン交換樹脂で処理し、T.N5.1mg/100mlのものを
得た。さらにこのアルコールろ液を実施例1と同
様に通気酢酸発酵を行い、酸度10.3%の食酢6500
を得た。この食酢を活性炭処理して、フエニル
酢酸含量2ppmの食酢(酸度10.2%)6500を得
た。この食酢は異臭がなく風味良好であつた。 実施例 5 トウモロコシ1000Kgを実施例4と同様に粉砕、
液化、アルコール発酵を行い、変性ろ過後、4550
(T.N42.1mg/100ml)のアルコールろ液を得
た。このアルコールろ液1200に種酢440(酸
度5.0%)を加え、液温を30℃にして酢酸菌膜を
接種し、10日間静置酢酸発酵を行つた。酸度は
5.3%、アルコールは0.2%であつた。この発酵液
を実施例1と同様に陽イオン交換樹脂処理を行
い、さらに活性炭処理してフエニル酢酸含量
2.5ppmで風味の良い食酢(酸度5.2%)1620を
得た。 (発明の効果) 即ち、本発明法によれば、100%穀物(トウモ
ロコシ)を原料として製造した食酢中の異臭残香
成分が閾値以下となるため、これまで業務用の主
流となつていた工業用アルコールを原料としてい
たアルコール酢にかわつて良質の天然酢を提供で
きる効果がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 トウモロコシを原料として製造した食酢であ
    つて、フエニル酢酸含量を酢酸酸度10%換算で、
    0〜10ppmとしたフエニル酢酸含量の少ない食
    酢。 2 トウモロコシを原料とした食酢の製造法にお
    いて、フエニル酢酸を酢酸酸度10%換算で0〜
    10ppmになるように精製除去することを特徴とし
    たフエニル酢酸含量の少ない食酢の製造法。 3 トウモロコシを原料とし、アルコール発酵さ
    せ、つづいて酢酸発酵を行う食酢の製造法におい
    て、酢酸発酵前にフエニル酢酸の前駆体を精製除
    去するか、又は酢酸発酵終了後にフエニル酢酸を
    精製除去するか、もしくは酢酸発酵前後に精製除
    去して、食酢中のフエニル酢酸含量を酢酸酸度10
    %換算で0〜10ppmにすることを特徴としたフエ
    ニル酢酸含量の少ない食酢の製造法。
JP63143855A 1988-06-11 1988-06-11 フェニル酢酸含量の少ない食酢及びその製造法 Granted JPH01312990A (ja)

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