JPH05117425A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品

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JPH05117425A
JPH05117425A JP3279719A JP27971991A JPH05117425A JP H05117425 A JPH05117425 A JP H05117425A JP 3279719 A JP3279719 A JP 3279719A JP 27971991 A JP27971991 A JP 27971991A JP H05117425 A JPH05117425 A JP H05117425A
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JP
Japan
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mold
thermosetting resin
coating layer
molding
resin composition
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Application number
JP3279719A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】型内被覆成形用に用いられる熱硬化性樹脂組成
物であって、樹脂を含む樹脂分中に、3─ニトロスチレ
ン等のエチレン性二重結合と極性基とを有する重合性モ
ノマーを含有する熱硬化性樹脂組成物。 【効果】3─ニトロスチレンは、加圧成形時にエチレン
性二重結合が熱硬化性樹脂組成物と共重合反応を起こす
ため、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面にニトロ基を多
数形成する。従って、その熱硬化性樹脂組成物を用いた
基材と被覆成形用組成物との間の水素結合が増大するた
め、基材と被覆層との密着性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内にて基材上に
被覆層を形成する型内被覆成形用の基材形成用に用いら
れる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物、およびその型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用いられ
ている。中でも、シート・モールディング・コンパウン
ド(以下、SMCと略す)またはバルク・モールディン
グ・コンバウンド(以下、BMCと略す)が凡用されて
いる。しかしながら、SMCまたはBMCを成形型内で
加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面
に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面欠陥が発
生しがちであった。このような表面欠陥が存在している
場合、成形品に通常の方法により塗装を行っても、十分
な塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型を開
いて被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を設
ける方法が開示されている。他方、特開昭61−273
921号には、圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧
で被覆材料を注入し、硬化させることにより、成形品表
面に被覆層を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載されている型内被覆成形法では、SM
CまたはBMCからなる基材と、被覆層との密着性が十
分でないという問題点があった。
【0005】よって、本発明の目的は、被覆層の密着性
が良好な被覆成形品を得ることを可能とする、型内被覆
成形用の基材形成用に用いられる型内被覆成形用熱可塑
性樹脂組成物、およびその型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物を基材用に用いた被覆成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、成形型内にて基材上に被覆層を形成する型内被覆成
形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
って、樹脂分中に、エチレン性二重結合と、─NO
2 基、─CX基(Xはハロゲン元素)、─CN基、─S
H基、
【0007】
【化3】
【0008】基および
【0009】
【化4】
【0010】基の内の少なくとも1種の極性基とを分子
内に有する化合物を含有する型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物である。本願の請求項2の発明は、基材上に被
覆層が形成された被覆成形品において、請求項1の型内
被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆成
形品である。
【0011】本願の請求項1の発明における熱硬化性樹
脂組成物は、熱硬化性樹脂およびエチレン性二重結合と
特定の極性基とを有する上記化合物を必須成分とし、必
要により低収縮剤としての熱可塑性樹脂や補強材、各種
添加剤が配合される。
【0012】なお、上記熱硬化性樹脂の樹脂分には、熱
硬化性樹脂の他、便宜上、エチレン性二重結合と特定の
極性基とを有する上記化合物、および他の共重合性モノ
マーを含むものとする。
【0013】本発明に使用する、エチレン性二重結合
と、─NO2 基とを分子内に有する化合物としては、例
えば、1−ニトロスチレン、3─ニトロスチレン等のス
チレン誘導体、2─ニトロ─3─ビニルトルエン、4─
ニトロ─3─ビニルトルエン、6─ニトロ─3─ビニル
トルエン等のビニルトルエン誘導体等が挙げられる。
【0014】熱硬化性樹脂組成物中に、エチレン性二重
結合と、─NO2 基とを分子内に有する化合物を含有さ
せるのは、後述のように基材用として用いた熱硬化性樹
脂組成物の被覆層との密着性を高めるためである。
【0015】本発明で用いられるエチレン性二重結合
と、─NO2 基とを分子内に有する化合物の量は、合計
で熱硬化性樹脂組成物の樹脂分(熱可塑性樹脂、エチレ
ン性二重結合と特定の極性基とを有する上記化合物、他
の共重合性モノマー、および熱可塑性樹脂の総量、以下
同様である)中0.1〜70重量%の範囲で含有させる
のが好ましく、より好ましい範囲は1〜50重量%であ
る。
【0016】その理由は、0.1重量%未満の場合に
は、被覆層との密着性を改善する効果が不十分になり易
く、逆に70重量%を越えて含有された場合には、組成
物の粘度が低くなりすぎるため、SMCまたはBMCの
形態(固形状)にすることが困難になり易くなる傾向が
あるからである。
【0017】本発明に使用する、エチレン性二重結合
と、─CX基(Xはハロゲン元素)とを分子内に有する
化合物としては、例えば、塩化アリル(CH2 =CHC
2 Cl)、塩化クロチル(CH3 CH=CHCH2
l)、塩化ビニリデン(CH2 =CCl2 )、塩化アク
リロイル(CH2 CHCOCl)、クロロ酢酸ビニル
(ClCH2 COOCH=CH2 )、2─クロロアクリ
ロニトリル(CH2 =CClCN)、3─クロロ─1─
ブテン〔CH3 CH(Cl)CH=CH2 〕、3─クロ
ロ─2─クロロメチル─1─プロペン〔CH2 =C(C
2 Cl)2 〕、3─クロロ─2─メチル─1─プロペ
ン〔CH2 C=C(CH3 )CH2 Cl〕、2─クロロ
スチレン(H2 C=CHC6 4 Cl)、3─クロロス
チレン(H2 C=CHC6 4 Cl)、パラクロロスチ
レン(H2 C=CHC6 4 Cl)、塩化シンナミル
(C6 5 CH=CHCH2 Cl)、4 ─クロロ─α─
メチルスチレン〔H2 C=C(CH3 )C6 4
l〕、臭化ビニル(CH2 =CHBr)、臭化アリル
(CH2 =CHCH2 Br)、臭化クロチル(CH3
H=CHCH2 Br)、臭化アリル(CH2 =CHCH
2 Br)、臭化クロチル(CH3 CH=CHCH2
r)、2─ブロモ─2─ブテン〔CH3 CH=C(B
r)CH3 〕、4─ブロモ─1─ブテン(BrCH2
2 CH=CH2 )、α─ブロモシンナムアルデヒド
〔C6 5 CH=C(Br)CHO〕、よう化ビニル
(CH2 =CHCl)、塩化クロトノイル(CH3CH
=CHCOCl)、塩化シンナモイル(C6 5 CH=
CHCOCl)等が挙げられる。
【0018】熱硬化性樹脂組成物中に、エチレン性二重
結合と、─CX基(Xはハロゲン元素)とを分子内に有
する化合物を含有させるのは、後述のように基材用とし
て用いた熱硬化性樹脂組成物の被覆層との密着性を高め
るためである。
【0019】本発明で用いられるエチレン性二重結合お
よび─CX基(Xはハロゲン元素)を分子内に有する化
合物の量は、合計で熱硬化性樹脂組成物の樹脂分中0.
1〜70重量%の範囲で含有させるのが好ましく、より
好ましい範囲は1〜50重量%である。その理由は、
0.1重量%未満の場合には、被覆層との密着性を改善
する効果が不十分になり易く、逆に70重量%を越えて
含有された場合には、熱硬化性樹脂組成物の粘度が低く
なりすぎるため、SMCまたはBMCの形態(固体状)
にすることが困難になり易くなる傾向があるからであ
る。
【0020】本発明に使用する、エチレン性二重結合
と、─CN基とを分子内に有する化合物としては、例え
ば、アクリロニトリル(CH2 =CHCN)、クロトン
ニトリル〔CH3 CH=CHCN)、けい皮酸ニトリル
(C6 5 CH=CHCN)、1─シアノアリルアセテ
ート〔CH3 COOCH(CN)CH=CH2 〕、α─
シアノシナミックアシッド〔C6 5 CH=C(CN)
COOH〕、α─シアノシナミックアシッドエチルエス
テル〔C6 5 CH=C(CN)COOC2 5 〕、2
─メチル─2─ブテンニトリル〔CH3 CH=C(CH
3 )CN〕、2─メチル─3─ブテンニトリル〔CH2
=CHCH(CH3)CN〕、4─シアノ─1─シクロ
ヘキセン(C6 9 CN)、2─シアノ─3,3─ジフ
ェニルアクリルアシッドエチルエステル〔(C6 5
2 C=C(CN)COOC25 〕、2─シアノ─3,
3─ジフェニルアクリルアシッド─2─エチルヘキシル
エステル〔(C6 5 2 C=C(CN)COOC8
1 7 〕、2─エトキシメチレン─2─シアノアセチック
アシッドエチルエステル〔C2 5 OCH=C(CN)
COOC2 5 〕等が挙げられる。
【0021】熱硬化性樹脂組成物中に、エチレン性二重
結合と、─CN基とを分子内に有する化合物を含有させ
るのは、後述のように基材用として用いた熱硬化性樹脂
組成物の被覆層との密着性を高めるためである。
【0022】本発明で用いられるエチレン性二重結合
と、─CN基とを分子内に有する化合物の量は、合計で
熱硬化性樹脂組成物の樹脂分中0.1〜70重量%の範
囲で含有させるのが好ましく、より好ましい範囲は1〜
50重量%である。
【0023】その理由は、0.1重量%未満の場合に
は、被覆層との密着性を改善する効果が不十分になり易
く、逆に70重量%を越えて含有された場合には、組成
物の粘度が低くなりすぎるため、SMCまたはBMCの
形態(固形状)にすることが困難になり易くなる傾向が
あるからである。
【0024】本発明に使用する、エチレン性二重結合
と、─SH基とを分子内に有する化合物としては、例え
ば、アセチレン化合物と硫化水素との反応により製造す
る方法、あるいはハロゲン化アルケンと水硫化アルカリ
との反応等により製造され、例えば、アリルチオアルコ
ール(CH2 =CHCH2 SH)、2─メチル─2─プ
ロペン─1─チオール〔CH2 =C(CH3 )CH2
H〕、1,1,1─トリフルオロ─4─メルカプト─4
─(2─チエニル)ブト─3─エン─4─オン〔CF3
COCH=C(SH)(C4 4 S)〕等が挙げられ
る。
【0025】熱硬化性樹脂組成物中に、エチレン性二重
結合と、─SH基とを分子内に有する化合物を含有させ
るのは、後述のように基材用として用いた熱硬化性樹脂
組成物の被覆層との密着性を高めるためである。
【0026】本発明で用いられるエチレン性二重結合
と、─SH基とを分子内に有する化合物の量は、合計で
熱硬化性樹脂組成物の樹脂分中0.1〜70重量%の範
囲で含有させるのが好ましく、より好ましい範囲は1〜
50重量%である。
【0027】その理由は、0.1重量%未満の場合に
は、被覆層との密着性を改善する効果が不十分になり易
く、逆に70重量%を越えて含有された場合には、組成
物の粘度が低くなりすぎるため、SMCまたはBMCの
形態(固形状)にすることが困難になり易くなる傾向が
あるからである。
【0028】本発明に使用する、エチレン性二重結合
と、
【0029】
【化5】
【0030】基または
【0031】
【化6】
【0032】基とを分子内に有する化合物としては、例
えば、パラスチレンスルホン酸カリウム(CH2 =CH
6 4 SO3 K)、パラスチレンスルホン酸ナトリウ
ム(CH2 =CHC6 4 SO3 Na)、β─スチレン
スルホン酸ナトリウム(C6 5 CH=CHSO3
a)、アリルスルホン酸ナトリウム(CH2 =CHCH
2SO3 Na)、パラスチレンスルホニルクロライド
(CH2=CHC6 4 SO 2 Cl)、2─アクリルア
ミド─2─メチルプロパンスルホン酸〔CH2 =CHC
ONHC(CH3 2 CH2 SO3 H〕、ビニルスルホ
ン〔(CH2 =CH) 2 SO2 〕等が挙げられる。
【0033】熱硬化性樹脂組成物中に、エチレン性二重
結合と、
【0034】
【化7】
【0035】基または
【0036】
【化8】
【0037】基とを分子内に有する化合物を含有させる
のは、後述のように基材用として用いた熱硬化性樹脂組
成物の被覆層との密着性を高めるためである。本発明で
用いられるエチレン性二重結合と、
【0038】
【化9】
【0039】基または
【0040】
【化10】
【0041】基とを分子内に有する化合物の量は、合計
で熱硬化性樹脂組成物の樹脂分中0.1〜70重量%の
範囲で含有させるのが好ましく、より好ましい範囲は1
〜50重量%である。
【0042】その理由は、0.1重量%未満の場合に
は、被覆層との密着性を改善する効果が十分でなく、逆
に70重量%を越えて含有された場合には、組成物の粘
度が高くなりすぎるため、成形時に型内での組成物の流
動が悪くなり、成形品の寸法安定性が悪くなりやすくな
る傾向がある。
【0043】本発明における型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物に含有される熱硬化性樹脂としては、熱分解性
のラジカル触媒を用いて二重結合を開裂付加反応させ3
次元網目構造を形成することができる、分子内に反応性
二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル(エポキシアクリレート)樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂等が用いられる。熱硬化性樹脂は、単独で用い
られてもよく、複数種を混合して用いられてもよい。
【0044】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等とから製
造される。
【0045】他方、前記ビニルエステル樹脂も、公知慣
用の方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アク
リル酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸とか
ら製造される。
【0046】また、前記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を
残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用いる
こともできる。
【0047】前記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロールおよびこれらの混合物が挙げられるが、
主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分け
られる。このうち脂肪族ポリオールとして代表的なもの
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネ
オペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化
ビスフェノールA等がある。
【0048】また芳香族ポリオールとして代表的なもの
としては、ビスフェノールAまたはビスフェノールSあ
るいはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノール
Sにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブ
チレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を、一
分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られるポ
リオキシアルキレンビスフェノールAまたはポリオキシ
アルキレンビスフェノールS等がある。
【0049】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が挙げられ、前記脂肪族飽和ポリカルボン酸としてはセ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げら
れ、前記芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸等が挙げられる。
【0050】また、前記ビニルエステル樹脂の製造に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
方法によりエピクロルヒドリンおよびビスフェノールA
から製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピ
クロルヒドリンおよび臭素化ビスフェノールAから製造
される臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラックまたはオルトクレゾールノボラックをグ
リシジルエーテル化して製造されるノボラック型エポキ
シ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて
得られる、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テ
トラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグ
リシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m
−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシ
ジルオルトトルイジン等のグリシジルアミン化合物等が
挙げられる。
【0051】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリオールとしては、アルキレンジ
オールとして例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジイソプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエー
テル等、ポリエーテルポリオールとしてはポリオキシメ
チレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよ
うな有機ポリオールおよびポリカルボン酸により製造さ
れた、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール
等が挙げられる。
【0052】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0053】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トとしては、通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ヒドロ
キシル基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合して
いる。アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むこと
ができる。
【0054】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポ
リブタジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル
類等のような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いる
ことができる。
【0055】さらに、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、目的及び用途に応じて、適当量の無機
充填剤を加えることができる。使用可能な無機充填剤と
しては、以下のようなものがある。
【0056】すなわち、硫黄、グラファイト、ダイヤモ
ンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱物、岩塩、カリ岩
塩等のハロゲン化鉱物、炭素カルシウム等の炭酸塩鉱
物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン
酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシ
ウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チ
タン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉
ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱物、酸化
チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウ
ム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス
製品等を中心とした天然または人工の鉱物またはそれを
処理、精製あるいは加工したもの、およびそれらの混合
物が用いられる。
【0057】また、上記充填剤の添加量としては、熱硬
化性樹脂組成物中の樹脂分100重量部に対して0〜3
00重量部添加されるのが好ましい。添加量が300重
量部を超えると充填剤を樹脂およびモノマーの中に均一
に分散させることが難しくなり、また粘度が高くなるた
め型内での流動が悪くなり寸法安定性を得ることが難し
くなる傾向がある。
【0058】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物では、補強材として、各種補強繊維、すなわち
ガラス繊維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0059】また、さらに本発明の型内被覆成形用熱硬
化性樹脂組成物には、必要に応じて、スチレン、α─メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジ
アリルフタレート、各種アクリレートモノマー、各種メ
タクリレートモノマー等の重合性モノマーを適当量加え
ることができる。
【0060】また、ケトンパーオキサイド類、ジアシル
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パー
カーボネート類、パーオキシケタール類等の公知の重合
開始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公
知の硬化促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、カ
ーボンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔
料、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等の顔
料、アゾ系染料やアントラキノン系、インジゴイド系、
スチルベン系等の染料、カーボンブラック等の導電性付
与剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪
族燐酸塩、レシチン等の離型剤等を用途、目的に応じて
適当量加えることができる。
【0061】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物と組み合わされて用いられる被覆層形成用組成
物としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂が用
いられ、必要に応じて各種充填剤、添加剤等を加えるこ
とができる。
【0062】上記のようにして得られた本発明の型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物は、従来公知の方法によ
り、SMCあるいはBMCの形態を持つ型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物とすることができ、被覆層形成用組
成物と共に、従来公知の型内被覆に用いられる。
【0063】例えば、130〜160℃に加熱された成
形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形した後、金型をわずかに
開いて被覆層形成用組成物を注入し、次いで5〜120
kg/cm2 、130〜160℃で30秒〜5分間再加
熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面全体
に被覆層形成用組成物を展延し、硬化させて被覆層を形
成することができる。
【0064】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力
を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機
を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で被覆層形
成用組成物を型内に注入して再び30〜100kg/c
2 に増圧して被覆層形成用組成物を展延硬化させると
いう方法もある。上記のような型内被覆方法に、本発明
の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を用いれば、容易
に密着性の良好な被覆成形品を成形することができる。
【0065】
【作用】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、エチレン性二重結合と、─NO2 基とを分子内に有
する化合物が樹脂分中に含有されている場合は、加圧成
形時にエチレン性二重結合が熱硬化性樹脂等と共重合反
応し、その結果、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面に−
NO2 基が形成される。─NO2 基は窒素と酸素の間で
分極が起り、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面の極性が
高められることになるため、この熱硬化性樹脂組成物を
用いた基材と被覆層形成用組成物中の樹脂との間の水素
結合が増加し、それによって、基材と被覆層との密着性
が高められる。
【0066】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物は、エチレン性二重結合と、─CX基(Xはハロゲン
元素)とを分子内に有する化合物が樹脂分中に含有され
ている場合は、加圧成形時にエチレン性二重結合が熱硬
化性樹脂等と共重合反応し、その結果、熱硬化性樹脂組
成物中の樹脂表面に─CX基(Xはハロゲン元素)が形
成される。─CX基(Xはハロゲン元素)は炭素とハロ
ゲンとの間に電気的に分極が起り、熱硬化性樹脂中の樹
脂表面の極性が高められることになるため、この熱硬化
性樹脂組成物を用いた基材と被覆層形成用組成物中の樹
脂との間の水素結合が増加し、それによって、基材と被
覆層との密着性が高められる。
【0067】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物は、エチレン性二重結合と、─CN基とを分子内に有
する化合物が樹脂分中に含有されている場合は、加圧成
形時にエチレン性二重結合が熱硬化性樹脂等と共重合反
応し、その結果、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面に─
CN基が形成される。─CN基は炭素と窒素との間に電
気的に分極が起り、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面の
極性が高められることになるため、この熱硬化性樹脂組
成物を用いた基材と被覆層形成用組成物中の樹脂との間
の水素結合が増加し、それによって、基材と被覆層との
密着性が高められる。
【0068】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物は、エチレン性二重結合と、─SH基とを分子内に有
する化合物が樹脂分中に含有されている場合は、加圧成
形時にエチレン性二重結合が熱硬化性樹脂等と共重合反
応し、その結果、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面に─
SH基が形成される。─SH基は硫黄と水素との間に電
気的に分極が起り、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面の
極性が高められることになるため、この熱硬化性樹脂組
成物を用いた基材と被覆層形成用組成物中の樹脂との間
の水素結合が増加し、それによって、基材と被覆層との
密着性が高められる。
【0069】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物は、エチレン性二重結合と、
【0070】
【化11】
【0071】基または
【0072】
【化12】
【0073】基とを分子内に有する化合物が樹脂分中に
含有されている場合は、加圧成形時にエチレン性二重結
合が熱硬化性樹脂等と共重合反応し、その結果、熱硬化
性樹脂組成物中の樹脂表面にスルホン酸(塩)基または
スルホニル基の部分を出す。スルホン酸(塩)基または
スルホニル基は硫黄と酸素との間に電気的に分極が起
り、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂表面の極性が高められ
ることになるため、この熱硬化性樹脂組成物を用いた基
材と被覆層形成用組成物中の樹脂との間の水素結合が増
加し、それによって、基材と被覆層との密着性が高めら
れる。
【0074】本発明の被覆成形品は、基材用にエチレン
性二重結合と、および、─NO2 基、─CX(Xはハロ
ゲン元素)、─CN基、−SH基、
【0075】
【化13】
【0076】基および
【0077】
【化14】
【0078】基の内の少なくとも1種の極性基とを分子
内に有する化合物が樹脂分中に含有される型内被覆成形
用硬化性樹脂組成物を用いるため、基材に被覆層が強固
に密着されている。
【0079】
【実施例】実施例1 下記の組成を混合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装
置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社製ロービン
グ、商品名:「ER4630LBD166W」を長さ2
5mmに切断したもの)60重量部に含浸させ、熱硬化
性樹脂組成物としてのSMCを得た。
【0080】組成 不飽和ポリエステル樹脂液〔イソフタル酸5モル、マレ
イン酸5モル、プロピレングリコール10モルを従来方
法により縮合重合させた不飽和ポリエステル樹脂(分子
量約1000)約60重量%およびスチレンモノマー約
40重量%を含有〕……70重量部 ポリスチレン系低収縮剤樹脂(ポリスチレン樹脂約30
重量%およびスチレンモノマー約70重量%を含有)…
…30重量部 3─ニトロスチレン(和光純薬工業社製)……5重量部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製:商品名「NS─1
00」)……120重量部 硬化剤(化薬アクゾ社製:商品名「カヤブチルB」、t
−ブチルパーオキシベンゾエート含有率98重量%)…
…1重量部 増粘剤〔酸化マグネシウム粉末(協和化学工業社製:商
品名「キョーワマグ150」)〕……1重量部 次に、不飽和ポリエステル樹脂液100重量部、炭酸カ
ルシウム100重量部及び硬化剤(t−ブチルパーオキ
シベンゾエート)1重量部を混合し、十分に攪拌して、
型内被覆用組成物を得た。
【0081】上記のようにして用意したSMCおよび型
内被覆用組成物を用い、以下の要領で成形を行った。ま
ず、上型および下型を150℃に加熱した、30cm×
30cmの正方形の平板状の金型内に、上記SMCを約
700gチャージした(チャージされたSMCは、約4
mmの厚みを有していた)。次に、100kg/cm2
の圧力で100秒間、加圧成形した後、金型をわずかに
開き上記型内被覆用組成物を10ml注入し、再度金型
を閉め、80kg/cm2 で120秒間、再加熱再加圧
することにより、成形されたSMCの表面全体に型内被
覆用組成物を展延し、硬化させ、被覆層を形成した。し
かる後、金型を開いて脱型し、表面を厚み100μmの
被覆層で被覆された成形品を得た。
【0082】上記のようにして得られた成形品の被覆層
が形成されている表面に、カッターナイフを用い、成形
品の素地(熱硬化性樹脂組成物よりなる基材)に達する
直線を2mmの間隔を隔てて平行に11本ひき、次に、
該直線に直交する11本の直線を同様にひいて碁盤目状
部分を形成した。さらに、上記碁盤目状部分に粘着テー
プ(積水化学工業社製、商品名:セキスイテープ)を貼
り付け、しかる後剥がすことにより碁盤目のマスの残存
数を調べた(以下、碁盤目密着試験と称す)。その結
果、被覆層が残存していたマスの割合は、100個/1
00個であった。すなわち、碁盤目密着試験において、
被覆層の剥離は認められなかった。
【0083】実施例2 不飽和ポリエステル樹脂液の量を40重量部としたこ
と、3─ニトロスチレンの量を30重量部としたこと以
外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0084】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例3 3─ニトロスチレンの代わりに、アリルクロライド(鹿
島ケミカル社製)5重量部を用いた以外は、実施例1と
同様にSMCを得た。
【0085】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例4 不飽和ポリエステル樹脂液の量を30重量部としたこ
と、3─ニトロスチレンの代わりに、アリルクロライド
(鹿島ケミカル社製)40重量部を用いた以外は、実施
例1と同様にSMCを得た。
【0086】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例5 3─ニトロスチレンの代わりに、臭化アリル(東ソー社
製)12重量部を用いた以外は、実施例1と同様にSM
Cを得た。
【0087】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例6 3─ニトロスチレンの代わりに、パラクロルスチレン
(和光純薬工業社製)2重量部を用いた以外は、実施例
1と同様にSMCを得た。
【0088】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例7 3─ニトロスチレンの代わりに、塩化シンナモイル(和
光純薬工業社製)4重量部を用いた以外は、実施例1と
同様にSMCを得た。
【0089】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例8 3─ニトロスチレンの代わりに、アクリロニトリル(和
光純薬工業社製)5重量部を用いた以外は、実施例1と
同様にSMCを得た。
【0090】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例9 不飽和ポリエステル樹脂液の量を30重量部としたこ
と、3─ニトロスチレンの代わりに、アクリロニトリル
(和光純薬工業社製)40重量部を用いた以外は、実施
例1と同様にSMCを得た。
【0091】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例10 3─ニトロスチレンの代わりに、けい皮酸ニトリル(和
光純薬工業社製)10重量部を用いた以外は、実施例1
と同様にSMCを得た。
【0092】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例11 3─ニトロスチレンの代わりに、1─シアノアリルアセ
テート(東京化成工業社製)3重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にSMCを得た。
【0093】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例12 3─ニトロスチレンの代わりに、2─メチル─3ブテン
ニトリル(東京化成工業社製)5重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0094】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例13 3─ニトロスチレンの代わりに、アリルチオアルコール
(和光純薬工業社製)5重量部を用いた以外は、実施例
1と同様にSMCを得た。
【0095】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例14 不飽和ポリエステル樹脂液の量を40重量部としたこ
と、3─ニトロスチレンの代わりに、アリルチオアルコ
ール(和光純薬工業社製)30重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にSMCを得た。
【0096】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例15 3─ニトロスチレンの代わりに、2─メチル─2─プロ
ペン─1チオール(和光純薬工業社製)5重量部を用い
た以外は、実施例1と同様にSMCを得た。また、実施
例1と同様に被覆成形品を得て、碁盤目密着試験を行い
評価したところ、被覆層が剥がれなかったマスの残存数
は、100個/100個であった。 実施例16 3─ニトロスチレンの代わりに、パラスチレンスルホン
酸カリウム(和光純薬工業社製)10重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0097】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例17 不飽和ポリエステル樹脂液の量を40重量部としたこ
と、3─ニトロスチレンの代わりに、パラスチレンスル
ホン酸カリウム(和光純薬工業社製)30重量部を用い
た以外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0098】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例18 3─ニトロスチレンの代わりに、β─スチレンスルホン
酸ナトリウム(東京化成工業社製)3重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0099】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例19 3─ニトロスチレンの代わりに、2─アクリルアミド─
2─メチルプロパンスルホン酸(日東化学社製)7重量
部を用いた以外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0100】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例20 3─ニトロスチレンの代わりに、パラスチレンスルホニ
ルクロライド(東京化成工業社製)5重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0101】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例21 3─ニトロスチレンの代わりに、アリルスルホン酸ナト
リウム(和光純薬工業社製)5重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にSMCを得た。
【0102】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。比較例1 3─ニトロスチレンを用いなかったこと以外は、実施例
1と同様にSMCを得た。
【0103】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、31個/100個であっ
た。なお、上記実施例1〜21および比較例1の熱硬化
性樹脂組成物の配合割合及び碁盤目密着試験の結果を下
記の表1および表2にまとめて示す(組成物中の、炭酸
カルシウム120重量部、t─ブチルパーオキシベンゾ
エート、酸化マグネシウム夫々1重量部、ガラス繊維6
0重量部は各例共通であるので表中の記載は省略し
た)。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】上記実施例1〜21および比較例1の説
明、表1および表2から明らかなように、比較例1で
は、被覆層の密着性がかなり低いのに対し、実施例1〜
21では、いずれも碁盤目密着試験では被覆層が全く剥
離されておらず、被覆層が熱硬化性樹脂組成物に強固に
密着されていることが分かる。
【0107】
【発明の効果】本願の請求項1記載の本発明型内被覆成
形用熱硬化性樹脂組成物は、上記の如き構成とされてい
るので、加圧成形時にエチレン性二重結合が熱硬化性樹
脂等と共重合反応を起こし、表面に極性基を形成し、そ
の熱硬化性樹脂組成物を用いた基材と被覆層形成用組成
物中の樹脂との間の水素結合が増加するため、基材と被
覆層との密着性が増加し、被覆層と熱硬化性樹脂組成物
よりなる成形品基材との密着性が効果的に高められる。
【0108】本願の請求項2記載の本発明被覆成形品
は、上記の如き構成とされているので、基材に被覆層が
強固に密着された被覆層付き成形品である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06 C08L 67:06 8933−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内にて基材上に被覆層を形成する
    型内被覆成形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂
    組成物であって、樹脂分中に、エチレン性二重結合と、
    ─NO2 基、─CX基(Xはハロゲン元素)、─CN
    基、─SH基、 【化1】 基および 【化2】 基の内の少なくとも1種の極性基とを分子内に有する化
    合物を含有することを特徴とする型内被覆成形用熱硬化
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材上に被覆層が形成された被覆成形品
    において、請求項1の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
    物を基材用に用いたことを特徴とする被覆成形品。
JP3279719A 1991-10-25 1991-10-25 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 Pending JPH05117425A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204453A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Sumitomo Chemical Co Ltd アルケニルメルカプタンの製造法

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