JPH0511683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両の空調装置に用いられるヒータコ
アの温水の出入口パイプを補強するヒータコアの
補強構造に関する。

（従来の技術） 従来、空調装置のヒータコアは、温水の出入口
パイプが真ちゆう等からなるヒータコアのタンク
部にろう付けされており、各出入口パイプにはゴ
ムホース等が連結され、このゴムホースを通じて
ヒータコア内に温水が供給される。

（考案が解決しようとする課題） ところが、従来のヒータコアにおいては、各出
入口パイプが単にヒータコアのタンク部にろう付
された構造となつており、更に出入口パイプの先
端部外周に環状に膨出した係止部が設けられ、こ
れによりゴムホースの抜けを防止する構造となつ
ていたためにゴムホース差込み時や抜き取り時、
特にパイプに癒着したゴムホースの抜き取り時に
は、大きな負荷がパイプに加わり、パイプの基部
の近傍のタンク部が変形や亀裂を生ずるおそれが
あつた。

そこで、本考案は、パイプに加わる負荷がタン
ク側へ伝わらないようにパイプの基端側を補強す
ることにより、パイプおよびタンク部の保護を図
ることを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本考案は、ヒータコアを収納するケースの該ヒ
ータコアの挿入口に、該挿入口をケース外側から
閉鎖する２分割されたヒータコアの組付け板を設
け、前記組付け板の型割り部に各々対向するよう
半円状の突片を突設し、該突片でヒータコアのタ
ンク部に突設された温水の出入口パイプの基端側
を支持するヒータコアの補強構造であつて、前記
組付け板の分割された一方の組付け板に上側突片
を突設する一方、他方の組付け板に下側突片を突
設し、前記組付け板の夫々にケース取付け用の複
数のフランジ部を設けるとともに、これら複数の
フランジ部のうち、少なくとも１つのフランジ部
を、分割された他方の組付け板の外表面に沿い延
出させて前記ケースに取付けて構成される。

（作用） したがつて、出入口パイプの基端側が上下に分
割された突片により支持されることにより、ゴム
ホースの脱着時やその他の振動によつても、パイ
プ先端に加わる負荷がヒータコアのタンク部に伝
達するのが軽減され、パイプおよびタンク部を保
護することができる。

更に、上側および下側の組付け板から夫々他方
の組付け板の外表面にフランジ部が延在するの
で、組付け時において各上側および下側突片が互
いに引寄せられることとなり、各パイプの基端側
が上側および下側突片により確実に当接して支持
される。

（実施例） 以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はヒータコアの分解斜視図であり、図
中、１はヒータユニツトのケース、２ａ，２ｂは
ケース側の取付け用フランジ、３はヒータコアの
挿入口、４はヒータコア、５はヒータコアのタン
ク部である。上記タンク部５には、温水の入口パ
イプ６と出口パイプ７がろう付け等により突設さ
れ、各々のパイプ６，７の先端外周には環状の膨
出部６ａ，６ｂが形成されており、この膨出部６
ａ，６ｂにより、各パイプ６，７に連結されるゴ
ムホース（図示省略）の抜け防止を図つている。
また、ケース１内に挿入されたヒータコア４を挿
入口３で外方から組付ける組付け板が上側組付け
板８と下側組付け板９に二分割され、各々の組付
け板８，９の裏面にはウレタンフオーム等からな
るシール部材１０，１０が貼着されている。

上記組付け板８と９は、組付け時の正面図およ
びその断面図を第２図および第３図に示すよう
に、入口パイプ６がタンク部５正面の左上部に突
設される一方、出口パイプ７がタンク部５正面の
右下部に突設されているため、これに対応するよ
うに、互いの接合面が段差を有する接合面に形成
されている。上側組付け板８には出入口パイプ
６，７の基端側の上側を夫々支持する半円状の上
側突片１１と１２が突設され、下側組付け板９に
は各パイプ６，７の基端側の下側を夫々支持する
半円状の下側突片１３と１４が突設されている。
上記各突片１１，１２は、各パイプ外径に対応し
た内径に形成されるとともに、各パイプの突設方
向に沿つて突設され、上側および下側組付け板
８，９の組付け時には、互いに対応する夫々の上
側および下側突片１１と１３，１２と１４が各パ
イプ基端側を把持するように支持することができ
る。また、上側おより下側の組付け板８と９は、
ヒータコア４のタンク部５表面との間に間隔ｌを
保持するように形成され、したがつて、組付け板
の組付け時には、各パイプ６，７がタンク部５に
ろう付けされる基端部から所定距離だけ離れた位
置で各突片１１と１３、又は１２と１４に支持さ
れる。

更に各組付け板８又は９には、上記ケース１側
のフランジ部２ａと２ｂに夫々組付ける各々２つ
のフランジ部１５と１６、又は１７と１８が一体
的に設けられている。各々２つのフランジ部のう
ち一方のフランジ部１６又は１８は、夫々他方の
組付け板９又は８の外表面に沿つて延出し、当該
他方の組付け板９又は８の外表面形状に嵌合でき
る凹凸形状に形成されている。そして、延出した
フランジ部１６又１８は他方の組付け板９又は８
の他方のフランジ部１７又は１５とともに、夫々
ねじ１９，２０によりケース側のフランジ部２
ｂ，２ａに取付けられる。

したがつて、本実施例のヒータコアにおいて
は、組付け時には、上側および下側の組付け板か
ら夫々他方の組付け板の外表面に延在するフラン
ジ部により、各上側および下側突片が互いに引寄
せられることとなり、各パイプの基端側が上側お
よび下側突片により確実に当接して支持され、そ
の結果、ゴムホースの着脱や振動により荷重がパ
イプに加わつてもパイプおよびタンク部を確実に
保護できる。また、突片による支持がパイプ基端
部から所定距離だけ離して行なわれるので、更に
補強効果を高めることができる。さらに、パイプ
に抜け止め防止用の膨出部があつた場合でも、更
にパイプがタンク部から傾斜して突設された場合
であつても、組付け板を分割したことにより、組
付け作業に支障をきたすことがない。

第４図および第５図において、ヒータコア４を
ケース１内に組付ける一枚の組付け板２１には、
上下半割状の突片２２と２３を突設している。
尚、第４図中、２５は車両のフアイヤボードを、
２６は温水ホースを示す。また、各突片２２と２
３は、第６図に示すように、半円形状をなし、上
側の突片２２が出入口パイプ６の外径に対応した
内径に形成される一方、下側の突片２３がパイプ
外径よりも大径の内径に形成されている。そし
て、下側の大径の突片２３とパイプ６との間に形
成される隙間には、弾性部材からなるブツシユ２
４が嵌め込まれている。このブツシユ２４は、第
７図ａ，ｂに示すような、下側突片２３の内径に
対応した半円筒形状に形成され、その外周面には
嵌め込み方向に沿う微小の線状突起２４ａを備え
ている。これは、上記隙間内にブツシユ２４を嵌
め込みやすくするとともに、嵌め込み時に製作上
のガタを吸収して、上下の突片２２，２３による
パイプ６の支持を確実にするものである。更に、
上記上側の突片２２は、第４図に示すように、先
の実施例と同様に、出入口パイプ６の基端部から
所定距離ｌだけ離れた位置で支持するように設け
られている。

したがつて、本実施例では、先の実施例と同様
の効果を有するとともに簡易な構造によりパイプ
およびタンク部の補強を行なうことができる。

（考案の効果） 本考案によれば、以上説明したように、温水の
出入口パイプの基端側が組付け板に突設された突
片により支持されることにより、温水ホースの着
脱や振動による荷重が加わつても、ヒータコアの
タンク部に伝達されず、パイプおよびタンク部を
確実に保護することができる。

また、組付け板を上下に分割し、他方の組付け
板外周面に延在するフランジ部を夫々設けたこと
により、各々の組の突片をパイプに確実に当接で
き、各組の突片に支持力が付与される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、第１図はヒータコアの分解斜視図、第２図は
組付け時のヒータコアの正面図、第３図は第２図
中のＡ−Ａ矢視断面図、第４図ないし第７図は本
考案の他の実施例を示し、第４図は組付け時の組
付板の縦断面図、第５図は組付け板の斜視図、第
６図は第４図中のＢ−Ｂ矢視図面図、第７図ａ，
ｂはブツシユの斜視図および正面図。 １……ケース、３……挿入口、４……ヒータコ
ア、５……タンク部、６……入口パイプ、７……
出口パイプ、８，９，２１……組付け板、１１，
１２，２２……上側の突片、１３，１４，２３…
…下側の突片、１５，１７……フランジ部、１
６，１８……延出したフランジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヒータコアを収納するケースの該ヒータコアの
   挿入口に、該挿入口をケース外側から閉鎖する２
   分割されたヒータコアの組付け板を設け、前記組
   付け板の型割り部に各々対向するよう半円状の突
   片を突設し、該突片でヒータコアのタンク部に突
   設された温水の出入口パイプの基端側を支持する
   ヒータコアの補強構造であつて、 前記組付け板の分割された一方の組付け板に上
   側突片を突設する一方、他方の組付け板に下側突
   片を突設し、前記組付け板の夫々にケース取付け
   用の複数のフランジ部を設けるとともに、これら
   複数のフランジ部のうち、少なくとも１つのフラ
   ンジ部を、分割された他方の組付け板の外表面に
   沿い延出させて前記ケースに取付けたことを特徴
   とするヒータコアの補強構造。