JPH0511670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、電子機器等に装着された電源入力ソ
ケツト付ノイズフイルタと、これに嵌合するプラ
グ内にノイズを抑制するためのアースインダクタ
を設けたアースインダクタ付プラグコードとを組
み合わせたノイズ除去構造に関する。

（従来技術） 従来、電子機器内で発生するノイズを除去する
ため、あるいは電源線路を通して侵入してくるノ
イズを除去するために電源入力ソケツトと一体の
シールドケース内にノイズフイルタを組み込んだ
電源入力ソケツト付ノイズフイルタが広く用いら
れている。この場合、一対の電源線路にインダク
タを挿入したり電源線路間にコンデンサを接続し
たりするノイズフイルタ構造では、ノイズの周波
数によつては除去効果が不十分となつたりする嫌
いがある。このため第４図Ａ，Ｂに示すごとく、
前面凹部内に一対の電源入力接触子７Ａ，７Ｂ及
びアース接触子７Ｃを突出させた電源入力ソケツ
ト１に一体にシールドケース２を設け、該シール
ドケース２内にコモンモードチヨークコイル３、
ノーマルモードノイズ除去用ライン間コンデンサ
４、コモンモードノイズ除去用コンデンサ５を設
けるとともに、シールドケース２に接続されたア
ース端子８と電源入力ソケツト１のアース接触子
７Ｃとの間にアースインダクタ６を設けた電源入
力ソケツト付ノイズフイルタが提案されている。

ところで、第４図のごとき構造の場合、アース
インダクタ６はコモンモードチヨークコイル３と
は別の独立したトロイダルコアに線径１mm以上の
線を巻回する必要があり、電源入力ソケツト付ノ
イズフイルタ全体の形状が大形化するとともに、
アースインダクタ６のシールドケース２に対する
絶縁や組立て配線が面倒であり、アースインダク
タ６を設けたことによりかなり製造原価が上昇し
てしまう欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は、電源入力ソケツトには使用時におい
てプラグを嵌合させた状態とする点に着目し、プ
ラグ側にアースインダクタを収納する構造とする
ことにより、アースインダクタを有しない一般的
な電源入力ソケツト付ノイズフイルタと組み合わ
せた場合でも、全体としてアースインダクタを有
するノイズフイルタ回路を構成でき、十分なノイ
ズ除去効果を経済的に実現可能なノイズ除去構造
を提供しようとするものである。

（考案の実施例） 以下、本考案に係るノイズ除去構造の実施例を
図面に従つて説明する。

まず、第１図でアースインダクタ付プラグコー
ドについて説明する。この図において、一体成形
等により構成される絶縁樹脂製プラグケース１０
内には一対の電源接続用レセプタクル１１Ａ，１
１Ｂ及びアース接続用レセプタクル１２が配置さ
れており、電源接続用レセプタクル１１Ａ，１１
Ｂの後端には接続コード１３の一対の電源用被覆
線１４の芯線がかしめ等により接続固定される。
また、接続コード１３のアース用被覆線１５はフ
エライトのトロイダルコア１６に直接複数回巻回
されてアースインダクタ１７を構成している。そ
して、アース用被覆線１５の先端すなわちアース
インダクタ１７の一方の引出し端の芯線はかしめ
等により前記アース接続用レセプタクル１２の後
端に接続固定される。このようにして、接続コー
ド１３の先端に電源入力ソケツトに嵌合するアー
スインダクタ内蔵のプラグが一体に構成される。

なお、接続コード１３の他端には商用電源コン
セントに挿入される3Pの電源プラグが接続され
てコードセツトを構成するようになつている。

第２図は第１図に示したアースインダクタ付プ
ラグコード２０を電子機器筐体２１側に装着され
たアースインダクタを備えていない電源入力ソケ
ツト付ノイズフイルタ２２に嵌込んでノイズ除去
構造を構成する場合を示す。ここで、電源入力ソ
ケツト付ノイズフイルタ２２は、一対の電源入力
端子２３にそれぞれ接続される一対の巻線を有す
るコモンモードチヨークコイル３と、該一対の巻
線間に接続されるノーマルモードノイズ除去用ラ
イン間コンデンサ４と、前記一対の巻線端とアー
ス端子２４間に接続されるコモンモードノイズ除
去用コンデンサ５とを収納している。

第２図のごとく組み合わせて使用すれば、電源
入力ソケツト付ノイズフイルタ側にコモンモード
チヨークコイル３、ノーマルモードノイズ除去用
ライン間コンデンサ４及びコモンモードノイズ除
去用コンデンサ５が収納されているため、電源入
力ソケツト１にプラグコード２０を嵌込んだ状態
においては、第４図Ｂに示したものと電気回路的
には等価なノイズフイルタ回路を簡単かつ安価に
構成することができる。

第３図Ａは第２図の如く実施例に示したアース
インダクタ付プラグコードをソケツト付ノイズフ
イルタに組み合わせた実施例の場合のノイズレベ
ルの１例を示し、第３図Ｂはアースインダクタを
有しない一般的なノイズフイルタを用いた場合の
ノイズレベルの１例を示す。この図から、1MHz
〜30MHz程度の周波数帯においてアースインダク
タの効果が現れていることがわかる。

上記実施例の構成によれば、アースインダクタ
１７を電源入力ソケツト１に嵌合するプラグ内に
設けており、かつ接続コード１３のアース用被覆
線１５をトロイダルコア１６に直接巻回してアー
スインダクタ１７を構成するため、アースインダ
クタ１７の組立て配線並びに絶縁が極めて簡単と
なり、非常に経済的なアースインダクタ付プラグ
コードを実現できる。また、電子機器側の電源入
力ソケツト付ノイズフイルタ内にはアースインダ
クタを設ける必要がなく、電源入力ソケツト付ノ
イズフイルタとして小形で安価な一般的な構造の
ものを採用できる利点がある。

なお、アースインダクタ１７のインダクタンス
は好ましくは10μH〜1mH位に設定されている。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案に係るノイズ除去
構造は、一対の電源接続用レセプタクルとアース
接続用レセプタクルとを有していて電源入力ソケ
ツトに嵌合するプラグ内に、接続コードのアース
用被覆線を磁心に直接設けてなるアースインダク
タを配設したアースインダクタ付プラグコード
と、アースインダクタのない電源入力ソケツト付
ノイズフイルタとを組み合わせることによつて、
全体としてノイズ除去効果の優れたアースインダ
クタ付きのノイズフイルタ回路を実現可能であ
る。また、プラグ側にアースインダクタを設けた
ことによつて、アースインダクタの組立て配線及
び絶縁が極めて簡単になり、アースインダクタを
プラグ内に設けたことによるコストの上昇はごく
僅かであり、経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るノイズ除去構造の実施例
においてアースインダクタ付プラグコード部分の
構成を示す平断面図、第２図は本考案の実施例の
構成図、第３図Ａは実施例のノイズ除去効果を説
明するためのグラフ、第３図Ｂはアースインダク
タを有しない一般的なノイズフイルタのみの場合
のノイズ除去効果を説明するためのグラフ、第４
図Ａは従来の電源入力ソケツト付ノイズフイルタ
の一例を示す正面図、同図Ｂは内部の素子の接続
関係を回路図で示した側面図である。 １……電源入力ソケツト、１０……プラグケー
ス、１１Ａ，１１Ｂ……電源接続用レセプタク
ル、１２……アース接続用レセプタクル、１３…
…接続コード、１４……電源用被覆線、１５……
アース用被覆線、１６……トロイダルコア、１７
……アースインダクタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対の電源入力端子にそれぞれ接続される一対
   の巻線を有するコモンモードチヨークコイル３
   と、該一対の巻線間に接続されるノーマルモード
   ノイズ除去用ライン間コンデンサ４と、前記一対
   の巻線端とアース端子間に接続されるコモンモー
   ドノイズ除去用コンデンサ５とを有し、アースイ
   ンダクタを備えておらず、電子機器筐体２１側に
   装着される電源入力ソケツト付ノイズフイルタ２
   ２と、 前記一対の電源入力端子に接続自在な一対の電
   源接続用レセプタクル１１Ａ，１１Ｂと、前記ア
   ース端子に接続自在なアース接続用レセプタクル
   １２とを有していて前記電源入力ソケツト付ノイ
   ズフイルタ２２に嵌合するプラグ内に、接続コー
   ド１３のアース用被覆線１５を直接トロイダル状
   磁心に巻回してなるアースインダクタ１７を収納
   し、該アースインダクタの引出し端となるアース
   用被覆線１５の先端の芯線をアース接続用レセプ
   タクル１２に接続固定するとともに、前記接続コ
   ード１３の一対の電源用被覆線１４の芯線を前記
   一対の電源接続用レセプタクル１１Ａ，１１Ｂに
   それぞれ接続固定してなるアースインダクタ付プ
   ラグコード２０とを備えたことを特徴とするノイ
   ズ除去構造。