JPH05115750A - 焼結炉排ガス中の一酸化炭素の酸化制御方法 - Google Patents

焼結炉排ガス中の一酸化炭素の酸化制御方法

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JPH05115750A
JPH05115750A JP3280257A JP28025791A JPH05115750A JP H05115750 A JPH05115750 A JP H05115750A JP 3280257 A JP3280257 A JP 3280257A JP 28025791 A JP28025791 A JP 28025791A JP H05115750 A JPH05115750 A JP H05115750A
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exhaust gas
carbon monoxide
sintering furnace
temperature
oxidation
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Hiroyasu Takahashi
博保 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結炉排ガスの乾式還元脱硝を包含する排ガ
ス処理に先立つ焼結過程において、焼結炉から発生する
排ガス中の一酸化炭素濃度が一定化し、排ガス処理工程
での触媒による一酸化炭素の酸化燃焼による熱回収率を
向上する。 【構成】 焼結炉1から発生する排ガスを熱交換器4で
昇温した後、脱硝反応装置8で脱硝処理する。脱硝した
排ガス中の一酸化炭素ガスを一酸化炭素酸化装置に導い
て触媒による一酸化炭素の酸化燃焼により排ガスを再び
昇温し、熱交換器4で熱回収する。このように排ガス処
理工程に供給する排ガス中の一酸化炭素濃度を一定化す
るため、排ガス中の一酸化炭素濃度を変動させる要因に
応じて、焼結炉1に装入する配合原料中のコークス比を
変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結炉排ガスの乾式還
元脱硝を包含する排ガス処理工程において、焼結炉から
発生する排ガスの一酸化炭素の酸化制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】焼結炉排ガスの少く共一部を酸化触媒層
を通して焼結炉排ガス中の一酸化炭素を酸化させ、この
時の酸化熱を利用して脱硝装置に送る焼結炉排ガスを加
熱することが一般的に行われている(例えば特開昭56-3
7035号, 同59-4422 号公報参照)。
【0003】図1は、この方法を用いた焼結炉排ガスの
乾式還元脱硝処理を包含する排ガス処理工程の1例の線
図である。図1において、焼結炉1から出た排ガスA
は、電気集塵機2により除塵され次いで排ガス脱硫装置
3により通常石灰水等のシャワーにより洗浄,脱硫され
る。この時排ガスの温度は50〜60℃まで低下する。一方
脱硝反応に必要な排ガス温度の適温は、目標脱硝率や脱
硝触媒の種類等により異るが、例えば目標脱硝率90%以
上で鉄鉱石触媒の場合、適温は 350〜 450℃である。こ
のため50〜60℃まで温度低下した焼結炉排ガスを 350〜
450℃まで昇温させなければならない。
【0004】この昇温のため排ガスは、ガス−ガス熱交
換器4に導入される。熱交換器4は、低温の脱硫した排
ガスを昇温させて高温ガスとするためのものであり、低
温の脱硫排ガスを下流側の脱硝反応装置8から排出され
る高温の排ガスを熱交換用排ガスとしてその顕熱が回収
利用される。このようにして50〜60℃の脱硫排ガスは、
熱交換器4により 270℃前後に昇温される。
【0005】約270 ℃に昇温された排ガスはブロワ5で
昇圧された後、排ガス中の一酸化炭素を酸化する触媒す
なわち白金系触媒や卑金属(パラジウム,ニッケル等)
系触媒等を充填した一酸化炭素酸化装置10に導入され
る。焼結炉1の排ガス中には1〜1.5 容積%の一酸化炭
素を含有するので、これを酸化して炭酸ガスとすること
により排ガスの昇温が可能となる。例えば一酸化炭素を
1容積%含有する排ガスを酸化触媒により燃焼させるこ
とにより、約80℃の温度上昇が可能である。
【0006】一酸化炭素酸化装置10での一酸化炭素の酸
化による昇温により 350〜 450℃に加熱昇温された排ガ
ス中にアンモニアガスCを添加後、直ちに脱硝反応装置
8に導入される。脱硝反応装置8としては、通常移動床
型のものが用いられ、排ガス中の窒素酸化物を移動床に
充填した鉄鉱石を触媒として還元され無害のN2 とした
後、排ガスは前述した熱交換器4で熱交換により約130
℃に降温され煙突9から大気中へ放出される。
【0007】なお図1の6は再加熱炉であり、焼結炉排
ガス中の一酸化炭素濃度が低く一酸化炭素の酸化熱量が
排ガスを脱硝の適温 350〜 450℃にまで加熱昇温するの
に不足の場合は、燃料ガスBを燃焼させて不足の熱量を
補うために使用される。図2は、従来の焼結炉排ガスの
脱硝処理工程の別の例を示す線図である。図1に示すも
のでは、一酸化炭素酸化装置10を脱硝反応装置8の入側
に配置して、脱硝反応装置8へ導入される排ガスAを加
熱昇温しているのに対して図2に示すものでは一酸化炭
素酸化装置10を脱硝反応装置8の出側に配置して、脱硝
後の排ガス中の一酸化炭素ガスを酸化燃焼させて排ガス
を加熱昇温せしめる。こうして得た高温排ガスの顕熱を
熱交換器4で、脱硫後の低温排ガスと熱交換させて加熱
昇温した後、約 130℃に降温された排ガスを煙突9から
大気中へ放出するようになっている。
【0008】なお図1に示すプロセスを採用するか、図
2に示すプロセスを採用するかは焼結鉱の原料配合、焼
結炉の操業条件、目標脱硝率や脱硝触媒の種類、立地条
件等によって異なり、一酸化炭素の酸化熱量が焼結排ガ
スの脱硝前の温度確保に不足な場合は図1に示すプロセ
スを、過剰な場合は図2に示すプロセスが採用される。
図2に示すプロセスを採用するケースとして1例を挙
げると以下の通りである。
【0009】例えば、目標脱硝率90%以上でチタニア(T
iO2)系触媒の場合、脱硝反応に必要な排ガスの適温は 2
70〜 400℃である。このため脱硝処理により50〜60℃ま
で温度低下した排ガスを 270〜 400℃まで昇温させる必
要がある。この昇温のため排ガスは、ガス−ガス熱交換
器4に導入され、脱硝反応装置8から排出され一酸化炭
素酸化装置10で更に高温に加熱された高温排ガスによっ
て加熱され270℃前後に昇温される。
【0010】約 270℃に昇温された排ガスはブロア5で
昇圧された後、加熱炉6で脱硝所要温度まで昇温されア
ンモニアガスCを添加後脱硝反応装置に導入される。脱
硝反応装置8としては通常固定床型のものが用いられ、
排ガス中の窒素酸化物を固定床に充填したチタニア(TiO
2)系触媒を介して還元され、無害のN2 とした後排ガス
は前述した熱交換器4で熱交換により降温されて煙突9
から大気中へ放出される。
【0011】次に一酸化炭素の酸化装置10について述べ
る。排ガス中の一酸化炭素の酸化触媒として白金系触媒
は、排ガス中の不純物による被毒を最小限にするために
も、排ガス処理工程の最終段階(すなわち脱硝反応装置
8の出側で熱交換器4の直前)に設置するのが望まし
い。又、 400℃未満では白金系触媒の一時被毒が著し
く、一酸化炭素の酸化率が悪いので一酸化炭素酸化装置
入口の排ガス温度を 400℃以上にする必要がある。従っ
て脱硝系内温度は400 ℃以上の高温に保たねばならなく
なる。この場合に熱交換器4の出側でそれ以降の熱損失
も考慮して 410〜420 ℃程度に排ガスを加熱する。
【0012】焼結炉1の排ガス中には1〜 1.5容積%の
一酸化炭素を含有するので、これを酸化して炭酸ガスと
することにより排ガスの昇温が可能となる。例えば一酸
化炭素を1容積%含有する排ガスを酸化触媒により酸化
することで約80℃の温度上昇が可能である。熱交換器4
で 410〜420 ℃に昇温された排ガスはブロアで昇圧さ
れ、加熱炉6を経由した後アンモニアガスCを添加後、
脱硝反応装置8に入り脱硝され、一酸化炭素酸化装置10
で入口温度 400℃から出口温度 480〜500 ℃に昇温され
る。その後この高温排ガスは熱交換器4により未脱硝排
ガスを50〜60℃から 410〜 420℃に迄上昇し、脱硝済排
ガスは480〜500 ℃から 130℃程度に降温され煙突9か
ら大気中へ放出される。
【0013】ところで焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度
は、次の要因すなわちコークス配合比、コークス粒径、
焼結鉱配合原料の水分、大気中の水分等によって変化す
る。このように排ガス中の一酸化炭素濃度が変化する場
合には、例えば一酸化炭素濃度が上れば酸化触媒による
一酸化炭素の酸化熱が増し、結果として系内の昇温効果
により一酸化炭素の酸化率が向上する。反対に一酸化炭
素濃度が低下した場合には、酸化熱が減じ、系内の温度
が低下し、酸化率が下がる。
【0014】前記のように焼結炉排ガスの脱硝処理系内
で酸化触媒を使用して一酸化炭素の酸化による酸化熱で
脱硝装置に送る焼結炉排ガスを加熱する場合には、系内
の温度を、例えば脱硝触媒の劣化や設備の耐熱的制約上
から定まる温度上限値と、一酸化炭素酸化触媒の被毒劣
化を防ぐためおよび脱硝反応の進行を保証する上から定
まる温度下限値との範囲内に保つことが必要である。
【0015】前記のように、一酸化炭素酸化触媒装置、
及び脱硝装置とからなる焼結炉排ガスの処理装置系内を
適切な温度範囲に保つために以下の方法が提案され一部
実施されている。先ず排ガス温度を必要な下限値以上に
保持制御する方法として、(1)排ガス発生源から排出
する排ガスの前記酸化触媒装置の入口及び出口排ガス温
度を信号とし、脱硝装置入側の加熱炉バーナの燃料供給
量を制御して脱硝装置へ供給する排ガス温度を一定値以
上に保持制御する方法(特開昭52-85969号公報参照)、
(2)脱硝工程に供する昇温排ガスの温度を測定し、こ
の測定温度が脱硝に必要な温度を下回る時には、前記昇
温前排ガス中に高炉ガスや転炉ガス等の一酸化炭素含有
ガスを補給した後、酸化触媒装置による昇温工程に供給
し、昇温排ガスの温度を脱硝に必要な温度範囲に調整す
る方法(特開昭59-213425 号,特開昭54-151558 号公報
参照)、が開示されている。
【0016】次に、排ガス温度を上限値以下に保持制御
する方法として、(3)脱硝工程に供する昇温排ガスの
温度を測定し、この測定温度が、設備の耐熱的制約の上
限値を上回る時には、上記一酸化炭素酸化による昇温前
排ガス中に高圧水を噴霧し、ガス温度の低下と一酸化炭
素酸化率の低下を図る方法(特開昭54-151558 号)、
(4)脱硝工程に供する昇温排ガスの温度を測定し、こ
の測定温度が脱硝に必要な温度を上回る時には、上記予
熱排ガスの一部をバイパスさせて予熱排ガスをバイパス
分だけ減量した後酸化触媒装置による昇温工程に供給す
ることによって、昇温排ガスの温度を脱硝に必要な温度
範囲に調整する方法(特開昭59-213425号, 特開昭56-37
035号公報参照)、が開示されている。
【0017】また排ガス温度を上、下限値間に維持する
方法として、(5)一酸化炭素を含む排ガスを、一酸化
炭素酸化触媒を組込んだ回転蓄熱式熱交換器に通して一
酸化炭素の酸化により昇温せしめた後、脱硝反応器に通
して脱硝し、次いで脱硝後の排ガスを上記熱交換器に通
して触媒を再生する際に、排ガスの一部を前記熱交換器
と触媒との両方をバイパスさせそのバイパス流量を調節
して排ガスの昇温温度を制御する一酸化炭素酸化方法が
特開昭59-230625 号公報に開示されている。
【0018】この方法を図3の系統図に基いて説明す
る。一酸化炭素を含む排ガスAを、ブロワー5の吸引に
より回転蓄熱式熱交換器4aに導く。この熱交換器4a
は、一酸化炭素酸化触媒14を組込んでおり、ここで排ガ
スA中の一酸化炭素を酸化して排ガスAを昇温する。昇
温された排ガスAを脱硝反応装置8aに導いて脱硝した
後、上記熱交換器4aに導いて触媒14を再生し、清浄ガ
スとして排気する。なおこの脱硝システムでは、脱硝反
応温度、触媒再生温度が不足する場合、補助的に昇温装
置6aを用いてもよい。
【0019】しかして、排ガスAの往路及び復路にそれ
ぞれ熱交換器4a及び触媒14の両方をバイパスするバイ
パス路11,12を設け、バイパス路11, 12を流れる排ガス
流量をバイパス弁13, 15で制御することにより、昇温温
度を制御する。この場合、往バイパス路11にのみ排ガス
をバイパス流通させる方法、あるいは往復バイパス路1
1, 12の両方に排ガスをバイパス流通させる方法のいず
れでも有効である。なお往バイパス路11のみの場合、熱
交換器4aへの低温ガス量と高温ガス量の比が変化して
熱交換器効率が変化する。
【0020】また一酸化炭素濃度,排ガス温度,流量を
測定し、その結果の数値データの単独あるいは組み合わ
せにより、バイパス弁13, 15を自動制御して、バイパス
流量を制御するようにしてもよい。しかしてこの方法に
よれば、排ガスAは復路においても熱交換器4aに組み
込んだ触媒14と再度接触しているので、復路でも昇温さ
れて排ガス最終温度が高くなり、熱の有効利用の上から
有利である。また熱交換器4a前の低温ガスをバイパス
するので、バイパス流量が少量ですみ、設備費を低減で
きる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前述の(1),
(2),(3),(4)および(5)等の方法によって
排ガス温度を目標範囲に保持制御する方法には以下のよ
うな問題がある。(1)の方法では例えば一旦、一酸化
炭素濃度が低下して、急速に酸化触媒による酸化率が低
下し、系内温度が下がった場合には、系内の熱容量が大
きいため、加熱炉を焚いて系内温度を上げ所定温度に到
達するまでに時間がかかる。その間に酸化触媒は系内温
度が下がって触媒表面が排ガス中に含まれる不純物の塩
で被毒され、一酸化炭素の酸化率が低下する。
【0022】従って酸化触媒の被毒物質が昇華して触媒
表面がきれいに再生されるまで系内温度を高目に維持し
なければならない。その間の加熱炉での燃料燃焼による
使用熱量、酸化触媒の劣化による酸化熱の回収損失等不
経済な問題があった。また、常時燃料ガスを燃焼させて
温度制御する方法では、燃料ガス及び燃焼用空気の分だ
け排ガス流量が増えその分余分な熱量を必要とするとい
う欠点もある。
【0023】前記(2)の方法による排ガス温度制御
は、複雑なばかりでなく温度変動の要因となる排ガス中
一酸化炭素濃度を直接制御しないフィードバック制御で
あるため制御の応答性や制御精度に問題があり、また高
炉ガスや転炉ガス中の一酸化炭素濃度の変動の影響も受
け制御の安定性に欠けるという問題がある。前記(3)
の方法は、水噴霧ノズルの詰りや排ガス導管系内への結
露による腐食などの問題点があるとともに、排ガスを水
で冷却するので熱の有効利用上問題がある。
【0024】前記(4)の方法は、一酸化炭素の一部が
バイパスを通って酸化されないため熱の有効利用上問題
があり、しかも処理後の排ガスに一酸化炭素が含まれて
いるので環境汚染という点で問題がある。又触媒装置前
後のガス温度差が少ない場合バイパス通過排ガス量が多
量となり設備費が高くなってしまう。前記(5)の方法
は、以上(1),(2),(3),(4)の方法の欠点
を解消した有効な方法であるが、以下の問題点がある。
【0025】(a) 図3の往バイパス路11のみ一部の
排ガスを流通させる方法では、排ガス中の一酸化炭素は
復路12で触媒14で酸化され、その酸化熱は熱交換器4a
で有効利用される。しかし、排ガスを往バイパス路11に
全く通過させないで、往路で触媒14により一酸化炭素を
酸化させる方法では、一酸化炭素の酸化熱が熱交換器4
aを介さないでそのまま排ガスの加熱に有効利用される
が、一方では、往路の熱交換器4aを介して、間接に排
ガスの加熱を行うため、〔100 −熱交換率〕(%)の分
だけ酸化熱の一部がロスすることになる。
【0026】(b) 図3の往復バイパス路11, 12の両
方を排ガスの一部を流通させる場合は、前記(4)の方
法と同様、一酸化炭素の一部がバイパスを通って酸化さ
れないため、又高温排ガスの一部が復路の熱交換器4a
を通らないで排出されるため、熱の有効利用上問題があ
り、しかも処理後の排ガスに一酸化炭素が含まれている
のでやはり環境汚染という点で問題がある。
【0027】本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、
既存の設備に何ら改造を加えることなしに、焼結炉排ガ
ス中の一酸化炭素の酸化を簡易に安定して制御可能とす
る焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度の一定化方法を提供
することを目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、焼結炉から発生する排ガスの乾式還元脱硝
を包含する排ガス処理工程中に、この排ガス中の一酸化
炭素を酸化触媒で酸化燃焼させ、その酸化熱を回収する
に先立つ焼結過程において、前記焼結炉に供給する焼結
鉱配合原料中のフリー水分含有量,結晶水分含有量,大
気中の水分含有量,配合コークスの粒度分布および/ま
たは平均粒径等の焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度を変
動させる要因に応じて焼結鉱配合原料中のコークス比を
変化させて、焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度をほぼ一
定に保ちつつ、前記焼結炉から発生する排ガスを乾式還
元脱硝を包含する排ガス処理工程に供することを特徴と
する焼結炉排ガス中の一酸化炭素の酸化制御方法であ
る。
【0029】
【作用】焼結炉排ガス中の一酸化炭素,炭酸ガスは配合
原料中のコークス, 石灰石およびドロマイト等の炭酸塩
を含む配合原料そして点火炉燃料から発生するものとか
らなる。そこで一酸化炭素,炭酸ガスの発生速度(Nm3/
h)は数1式により与えられる。
【0030】
【数1】
【0031】ここで Rc :配合原料中のコークス配合比
(wt%)、 Fc :コークス中のフリーカーボン濃度(wt%) 、 Vex:排ガス量(乾量)(Nm3/h)、 CO :排ガス中の一酸化炭素濃度(対乾量)(vol%) 、 CO2:排ガス中の炭酸ガス濃度(対乾量) (vol%) 、 M :配合原料使用量(kg/h) 、 VCaCO3 :石灰石から分解し発生する炭酸ガス量(Nm3/
h)、 VDolo:ドロマイトから分解し発生する炭酸ガス量(Nm3/
h) 、 VMG:点火炉から発生する炭酸ガス量(Nm3/h) 、 数1式から数2式を得る。
【0032】
【数2】
【0033】ここで焼結炉で点火炉燃料や配合コークス
が燃料として完全燃焼して炭酸ガスとなり有効に利用さ
れた比率を焼結炉一酸化炭素ガス利用率ηCOとし次式数
3で定義する。
【0034】
【数3】
【0035】数2と数3式から数4式を得る。
【0036】
【数4】
【0037】ここで焼結炉一酸化炭素ガス利用率η
COは、配合原料中のフリー水分含有量F.W 、配合原料中
の結晶水含有量 C.W、大気中の水分含有量 B.M、粉コー
クスの粒度分布及び又は平均粒径DCoke等によって変化
することが経験的に知られており、次式数5が成り立
つ。
【0038】
【数5】
【0039】ここでf1 ( F.W ) :配合原料中のフリ
ー水分含有量F.W のガス利用率ηCOへの影響凾数、 f2 ( C.W ) :配合原料中の結晶水含有量C.W のガス
利用率ηCOへの影響凾数、 f3 ( B.M ) :大気中の水分含有量B.M のガス利用率
ηCOへの影響凾数、 f4 ( DCoke) :粉コークスの粒度分布及び又は平均粒
径DCokeのガス利用率ηCOへの影響凾数、 数4,数5式から、例えば数5式で、焼結炉一酸化炭素
ガス利用率ηCOの変動要因 F.W,C.W ,B.M ,DCoke
の変動により一酸化炭素ガス利用率ηCOが変化した場
合、数4式から焼結炉排ガスの一酸化炭素濃度CO 100
(vol %)が変化することになるので、その変動分を補
償し一酸化炭素濃度CO(vol %) が一定になるように、
コークス配合比Rcを調整すればよい。
【0040】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図6にはガス利用率ηCOと大気中水分含有量B.M 、
焼結鉱原料中の結晶水含有量C.W 、平均コークス粒径D
Cokeとの関係を示す。この図6と数4式から焼結炉の排
ガス中の一酸化炭素濃度の変化量がわかる。従ってその
変化量を補償するようにし排ガス中の一酸化炭素濃度CO
(vol%) が一定となるように数4式からコークス配合
比 Rc を逆算して求めることによって一酸化炭素濃度を
ほぼ一定に保つことができる。
【0041】図5は、図2のような焼結炉排ガスの脱硫
・脱硝処理工程における、従来の焼結炉一酸化炭素ガス
利用率ηCO、焼結炉排ガス中一酸化炭素濃度CO、触媒装
置出側排ガス温度、触媒による一酸化炭素酸化率、再加
熱炉6における投入熱量の経時変化の一例を示す特性図
である。図5で前記のような各種要因による排ガス中の
一酸化炭素ガス利用率ηCOの変化に対し配合原料中のコ
ークス配合比の増減で対応していないため、酸化触媒に
よる一酸化炭素の酸化率が変化している。例えば焼結炉
一酸化炭素ガス利用率ηCOが上昇して、排ガス中の一酸
化炭素濃度が低下し、一酸化炭素酸化触媒による一酸化
炭素の酸化率(図5に一点鎖線で示す)の低下に対応し
て触媒装置出側排ガス温度(図5に破線で示す)が低下
し、それを補償するために再加熱炉での投入熱量が多く
なっている。
【0042】図4は、図2のような焼結炉排ガス脱硫、
脱硝処理工程において本発明を適用した場合の前記図5
と同様の各数値と、大気中水分含有量、コークス配合比
の経時変化を示す。焼結炉操業中で例えば大気中水分含
有量の変動量に対応して、焼結炉排ガス中一酸化炭素濃
度COの変化量 (斜線部分)を計算し、即座にそれを補償
するように、配合原料中のコークス配合比を増減し、焼
結炉排ガス中の一酸化炭素濃度COを一定に保ち酸化触媒
による一酸化炭素の酸化率を略一定に維持安定させ、触
媒装置出側排ガス温度の変化を少なくし、再加熱炉によ
る熱量投入時間を短縮でき結果としてコークス比の増加
にもかかわらず焼結炉および排ガス処理系統全体の省エ
ネルギーに寄与している。
【0043】この図4の例は大気中の水分含有量の変化
に対処した例であり、季節の変り目の時期における例で
ある。大気中水分含有量の10g/Nm3 程度の日内変動幅は
非常に大きい方で、通常の変化幅は数g/Nm3 である。ま
た数5式における配合原料中の結晶水含有量(C.W) は、
焼結原料配合組成が同一の場合一定で、通常7日〜10日
間程度で原料配合組成が変わる。従って配合原料組成か
ら計算した結晶水分含有量 (C.W)の変化量から、排ガス
中一酸化炭素濃度の変化量を予測し、コークス配合比を
変えて、排ガス中一酸化炭素濃度を一定に保てばよい。
粉コークス粒度(DCoke) の変化の場合についても同様
に対処すればよい。
【0044】このように本発明によれば、焼結原料中の
コークス配合比を予め調整することによって焼結炉排ガ
ス中の一酸化炭素濃度がほぼ一定に保たれるので、酸化
触媒による一酸化炭素の酸化率もほぼ一定に保たれ、結
果として酸化発熱量もほぼ一定に保たれる。排ガスの加
熱昇温量も安定して一定に保たれることになる。従って
酸化発熱量不足に伴う補助用の排ガス加熱用燃料使用量
を最小限に抑制できるだけでなく、酸化発熱量過剰に対
して従来行われた高圧水噴霧による冷却に伴う熱ロス
や、排ガスの一部を一酸化炭素酸化装置をバイパス流通
せしめることによる一酸化炭素潜熱のロス、残存した排
ガス中の一酸化炭素による環境汚染を生ずることもなく
なる。
【0045】排ガス中一酸化炭素濃度が低下すると、一
酸化炭素の酸化発熱量の減少とともに酸化触媒の温度も
低下するので酸化触媒の表面に排ガス中の錯塩が析出付
着して、触媒性能が劣化して、その結果一酸化炭素の酸
化率も低下し、更に酸化発熱量が低下するという悪循環
を起こす。こうして一度劣化した酸化触媒を再生するた
めには、触媒の温度即ち一酸化炭素酸化装置に導入され
る排ガスの温度を上昇させて、酸化触媒の表面に付着し
た錯塩を加熱昇華させなければならないので、図5のB
で示す触媒再生開始時点から時点Cの触媒再生終了時点
までに排ガス中の一酸化炭素濃度が回復して以後も触媒
再生のために時間を要し、加熱炉における余分な熱量の
投入が長時間にわたって必要となっている。
【0046】前記の実施例は図2のような焼結炉排ガス
脱硫、脱硝処理工程において本発明を適用した場合につ
いて説明したが、図1や図3のような焼結炉排ガス脱
硫、脱硝処理工程等においても同様にして広く本発明を
適用できるのは勿論である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、特別な装置や既存設備
の改造を行うことなく、焼結配合原料中の水分含有量や
焼結鉱配合原料中の結晶水含有量、配合コークスの粒度
分布及び又は平均粒度等予め知り得る要因や大気中水分
含有量という連続的に正確に測定可能な要因等、焼結炉
排ガス中の一酸化炭素濃度を変動せしめる要因に応じて
焼結配合原料中のコークス比を予め調整することによっ
て、フィードフォワード的に焼結炉排ガス中の一酸化炭
素濃度を略一定に制御することができ、一酸化炭素の触
媒による酸化率,酸化発熱量,それによる排ガスの加熱
昇温量をほぼ一定に制御することができる。その結果、
一酸化炭素潜熱を最大限に有効利用でき余分な補助燃料
の使用量を最少限に抑制できるだけでなく一酸化炭素含
有排ガスによる環境汚染を引き起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例および従来例の両方に係る焼結炉の排
ガス処理工程を示すフロー図である。
【図2】本発明例および従来例の両方に係る別の焼結炉
の排ガス処理工程を示すフロー図である。
【図3】本発明例および従来例の両方に係るさらに別の
焼結炉の排ガス処理工程を示すフロー図である。
【図4】本発明の実施例を示し、大気中水分含有量,焼
結炉一酸化炭素ガス利用率ηCO,焼結炉排ガス中一酸化
炭素濃度CO ,触媒装置出側排ガス温度,触媒による一酸
化炭素酸化率,再加熱炉投入熱量,焼結原料中コークス
配合比の経時変化を示す特性図である。
【図5】従来例に係る焼結炉の一酸化炭素ガス利用率,
排ガス中一酸化炭素濃度が変動して一酸化炭素酸化率が
変化し触媒再生を行った操業の1例で、焼結炉一酸化炭
素ガス利用率ηCO,焼結炉排ガス中一酸化炭素濃度CO,
触媒装置出側排ガス温度,触媒による一酸化炭素酸化
率,再加熱炉投入熱量の経時変化を示す特性図である。
【図6】一酸化炭素ガス利用率ηCOに与える大気中水分
含有量 (B.M),配合原料中の結晶水含有量(C.W) および
配合原料中の粉コークス平均粒径(DCoke) の影響を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 焼結炉 2 電気集塵機 3 排ガス脱硫装置 4 熱交換器 5 ブロワ 6 再加熱炉 7 バイパス路 8 脱硝反応装置 9 煙突 10 一酸化炭素酸化装置 11 往バイパス路 12 復バイパス路 13 バイパス弁 14 触媒 15 バイパス弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結炉から発生する排ガスの乾式還元脱
    硝を包含する排ガス処理工程中に、この排ガス中の一酸
    化炭素を酸化触媒で酸化燃焼させ、その酸化熱を回収す
    るに先立つ焼結過程において、前記焼結炉に供給する焼
    結鉱配合原料中のフリー水分含有量, 結晶水分含有量,
    大気中の水分含有量, 配合コークスの粒度分布および/
    または平均粒径等の焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度を
    変動させる要因に応じて焼結鉱配合原料中のコークス比
    を変化させて、焼結炉排ガス中の一酸化炭素濃度をほぼ
    一定に保ちつつ、前記焼結炉から発生する排ガスを乾式
    還元脱硝を包含する排ガス処理工程に供することを特徴
    とする焼結炉排ガス中の一酸化炭素の酸化制御方法。
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