JP2014237080A - 一酸化炭素酸化触媒、及び、焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法及び設備 - Google Patents

一酸化炭素酸化触媒、及び、焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法及び設備 Download PDF

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Abstract

【課題】耐SOX・耐H2O性を持つ安価なCO酸化触媒を実現し、これを利用して、脱硫・脱硝後あるいは脱硫後の焼結炉排ガス中に含まれるCOを酸化させ、その反応熱を利用する方法を提供する。【解決手段】銅とマンガンとアルミニウムの複合酸化物であり、銅の含有率がCuO換算で、10質量%〜50質量%である一酸化炭素酸化触媒とする。また、上記一酸化炭素酸化触媒を用いて、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する一酸化炭素の酸化方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、一酸化炭素酸化触媒と焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法及び設備に関する。
排ガス中の窒素酸化物(NO)の排出規制は、近年ますます厳しくなっている。製鉄関連分野においてもNO排出量の低減が求められている。製鉄プロセスに設置されている焼結設備には、脱硝装置が用いられている。焼結設備は、粉鉱石を原料として活用するためのものである。焼結設備では、粉鉱石、石炭、粉コークス等の原料と適当量の水とが配合されて混合造粒されたものを、過剰の空気の存在下で燃焼し、焼結鉱として排出している。
焼結設備で発生する排ガスには、ダスト、硫黄酸化物(SO)、NO、CO等が含まれている。このような排ガスに含まれるダストおよびSOは、処理装置によって環境排出基準をクリアするように処理されている。処理装置としては、サイクロン集塵装置、湿式脱硫装置、湿式電気集塵機等が用いられている。また、ダストの処理装置およびSOの処理装置を経た排ガス中のNOを除去する方法として、V/TiO系触媒を用いたアンモニア触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)法による脱硝処理が従来から広く実用されている。
SCR法に用いる触媒の劣化としては、SO被毒が重要である。SOの処理装置を経た排ガス中にもSOが残留している。SCR法で処理される排ガス中にSOが含まれている場合、SCR法による脱硝処理では、下記の式(1)〜(3)で表される平衡反応が起こる。これらの平衡反応は、低温ほど生成系(右)に偏り、高温ほど原系(左)に偏る。SOの存在する雰囲気では、式(1)、(2)で表されるような反応が進行し、生成物による触媒の細孔閉塞が起こったり、(NH)HSOが下流の熱交換器等の各種排ガス処理装置内で閉塞や腐食を引き起こしたりする問題がある。また、式(3)で表されるように、触媒自体が低活性物質へと変質する等して、性能の劣化が進行する。
NH+SO+HO⇔(NH)HSO (1)
2NH+SO+HO⇔(NHSO (2)
+2SO+O⇔2VOSO (3)
また、ダストの処理装置を経た排ガス中にもダストが残留している。SCR法で処理される排ガス中にダストが含まれている場合、SCR法による脱硝処理では、ダスト中のアルカリ金属、アルカリ土類金属、五酸化リンによる触媒の化学的被毒(不可逆被毒)が起こる。具体的には、V中のO原子に、NaやK等のアルカリ金属やP等が化学結合し、活性成分であるVを不可逆的に被毒する。この場合、一度被毒された活性成分は、再生が不可能である。
また、SCR法による脱硝処理では、ダスト中に含まれる金属酸化物粒子(PbO、ZnO、SiO等.)による物理的被毒(触媒表面のマスキング:不可逆被毒)も起こり、触媒の担体であるTiO上をPbOやSiO等の金属酸化物粒子が覆い、触媒細孔の閉塞を引き起こす。
上記のようなSOやダスト成分による触媒の被毒を抑えるため、SCR法では、脱硝装置に導入する脱硝前の排ガス温度を250℃以上に加熱している。
脱硝前に排ガスを加熱する方法としては、脱硫後の排ガスをコークス炉ガス(COG)や転炉ガス(LDG)等の製鉄副生ガスを燃料として加熱する方法や、焼結炉排ガス中に含まれるCOをPt等の貴金属系触媒で酸化させ、この時の反応熱を利用して脱硝前の排ガスを加熱する方法(特許文献1)等が行われている。しかしながら、これらの方法では副生ガスの使用コスト、触媒の活性成分であるPtの凝集による性能低下や触媒製造コスト等、ランニングコストが非常に高いことが問題となっている。
また、特許文献2では、脱硝後の排ガスの持つ熱を熱交換器で回収して、脱硝前の排ガス温度を上昇させたり、脱硝前の排ガス温度を上昇させるための加熱バーナー燃焼用空気を予熱したりして、熱の有効利用と脱硝前の排ガス温度加熱用の燃料の低減が図られている。しかし、特許文献2には燃料源の記載がないものの、脱硝前の排ガスの加熱には、通常、COGやLDGの他、天然ガス(LNG)やプロパンガス(LPG)などの燃料が使用されるため、やはり、ランニングコストが高くなってしまう。
一方、CO酸化触媒としては、特許文献3のように防毒マスク向けにホプカライトと呼ばれる銅マンガン系触媒が普及しているが、乾燥状態で使用することを前提としているため、水蒸気に弱いという問題がある。
また、化学工場からの排ガス浄化向け(特許文献4)や自動車の排ガス浄化向け(特許文献5)にPt系触媒を用いる浄化処理が普及している。しかし、Pt系触媒を用いる浄化処理では、SOやダストの少ない比較的クリーンな排ガスを対象としている。このため、Pt系触媒は、硫黄やアルカリ金属成分への被毒耐性が低いという問題がある。
特許文献6では、安価な銅マンガン触媒を用いて、焼結炉排ガス中のCO酸化反応を行っている。特許文献6に記載のCO酸化工程は、脱硫・脱硝工程後に設置されたプロセスのみであり、CO酸化触媒の寿命に関する記載はされていない。
特開昭61−161143号公報 特開2012−101158号公報 特開2006−20701号公報 特開平7−136513号公報 特開2010−58110号公報 特開2012−245444号公報
焼結炉排ガスの浄化においてSCR法による脱硝方法を用いる場合、脱硝装置に導入する脱硝前の排ガスを昇温している。脱硝前の排ガスを昇温する方法として、副生ガスを燃料としたガス昇温方法、熱交換器を利用したガス昇温方法、もしくは、Pt系触媒を用いた排ガス中のCOの酸化反応による反応熱を利用した昇温方法を用いることができる。しかし、これらの昇温方法では、上述した問題点がある。
また、従来のCO酸化触媒は、焼結炉排ガス中の不純物であるSOや水分への耐性が低く、寿命が短いという問題があった。
従って、本発明の課題は、耐SO・耐HO性を持つ安価なCO酸化触媒を実現し、これを利用して、脱硫・脱硝後あるいは脱硫後の焼結炉排ガス中に含まれるCOを酸化させ、その反応熱を利用する方法を提供することにある。
本発明者等は、従来技術の問題点に鑑みて、鋭意検討を重ねた。その結果、SOや水分への耐性が高く、Pt等の貴金属を含まないCO酸化触媒を用いて焼結炉排ガス中に含まれるCOを酸化させ、その反応熱を利用することにより、焼結炉排ガスにおいて安価な脱硫・脱硝プロセスを構築できると考え、本発明に至った。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 銅とマンガンとアルミニウムの複合酸化物であり、銅の含有率がCuO換算で10質量%〜50質量%であることを特徴とする一酸化炭素酸化触媒。
(2) 比表面積が250m/g以上であることを特徴とする(1)に記載の一酸化炭素酸化触媒。
(3) 一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する方法であって、該酸化反応に(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いることを特徴とする一酸化炭素の酸化方法。
(4) 前記酸化反応を250〜350℃の温度範囲で行うことを特徴とする(3)に記載の一酸化炭素の酸化方法。
(5) 焼結炉排ガスから脱硫する脱硫工程と、前記脱硫した排ガス中の一酸化炭素を酸化させるCO酸化反応工程と、前記脱硫・CO酸化反応後の昇温された排ガスから脱硝する脱硝工程と、前記脱硝後の排ガスの熱を前記脱硫した排ガスの加熱用として熱交換する熱交換工程と、を含む焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法であって、前記CO酸化反応工程において、前記脱硫した排ガス中の一酸化炭素を、(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いて酸化させることを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
(6) 焼結炉排ガスから脱硫する脱硫工程と、前記脱硫した排ガスから脱硝する脱硝工程と、前記脱硫・脱硝した排ガス中の一酸化炭素を酸化させるCO酸化反応工程と、前記CO酸化反応後の昇温された排ガスの熱を前記脱硫した排ガスの加熱用として熱交換する熱交換工程と、を含む焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法であって、前記CO酸化反応工程において、前記脱硫及び脱硝した排ガス中の一酸化炭素を、(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いて酸化させることを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
(7) 前記CO酸化反応工程の反応温度が250〜350℃である(5)又は(6)に記載の焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
(8) 焼結炉の排ガスから脱硫する脱硫設備と、一酸化炭素を酸化する、(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化触媒に、脱硫後の排ガスを接触させるCO酸化反応装置と、一酸化炭素酸化後の排ガスから脱硝する脱硝設備と、前記脱硝設備から排出された排ガスの熱を、前記脱硫設備から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器とを少なくとも有することを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝設備。
(9) 焼結炉の排ガスから脱硫する脱硫設備と、脱硫後の排ガスから脱硝する脱硝設備と、一酸化炭素を酸化する、(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化触媒に、脱硫・脱硝後の排ガスを接触させるCO酸化反応装置と、前記CO酸化反応装置から排出された排ガスの熱を、前記脱硫設備から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器とを少なくとも有することを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝設備。
本発明の一酸化炭素酸化触媒は、従来の触媒に比べ、耐SO・耐HO性を持つ長寿命で安価な触媒である。
本発明の焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法及び設備は、本発明の一酸化炭素酸化触媒を用いるCO酸化反応により発生した熱を利用しているので、従来よりも安価かつ効率的に焼結炉排ガス中の脱硝反応を行うことができる。
本発明の一酸化炭素酸化触媒を用いた焼結炉排ガス処理設備の一例を示した説明図である。 本発明の一酸化炭素酸化触媒を用いた焼結炉排ガス処理設備の他の例を示した説明図である。 従来の焼結炉排ガス設備の一例を示した説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の好適な焼結炉排ガス処理設備の一例を示した説明図である。図1に示す焼結炉排ガス設備は、焼結炉1側から順に、脱硫設備4とCO酸化反応装置6と脱硝設備7とが配置されたものである。この焼結炉排ガス設備は、脱硝設備7から排出された排ガスの熱を、脱硫設備4から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器5を有している。
図1に示す焼結炉排ガス設備において、脱硫設備4は、焼結炉1の排ガスから脱硫するものである。CO酸化反応装置6は、一酸化炭素酸化触媒に、脱硫設備4を通過した脱硫後の脱硫排ガスを接触させて、排ガス中の一酸化炭素を酸化するものである。脱硝設備7は、CO酸化反応装置6を通過した一酸化炭素酸化後の一酸化炭素酸化排ガスから脱硝するものである。
図1において焼結炉1から排出された排ガスは、電気集塵機2にてダスト除去された後、ブロワー3を介して脱硫設備4に導入される。脱硫設備4に導入された排ガスは、通常石灰水等のシャワーにより脱硫処理される(脱硫工程)。脱硫処理により温度の低下した排ガスは、熱交換器5に導入される。熱交換器5では、低温の脱硫後の排ガスを、後段の脱硝設備7で脱硝処理された排ガスの熱を利用して、ガス−ガス熱交換により加熱する。このことで、脱硫後の排ガスが、脱硝反応のために予熱される(熱交換工程)。熱交換器5により予熱された脱硫した排ガスは、CO酸化反応装置6に導入され、排ガス中の一酸化炭素がCO酸化触媒と反応して二酸化炭素に酸化される(CO酸化反応工程)。CO酸化反応によって脱硝反応に必要な温度まで昇温された排ガスは、NH3添加(図1において符号Aで示す)後、脱硝装置7に導入され、SCR法によって脱硝処理される(脱硝工程)。脱硝処理された排ガスは、熱交換器5に導かれ、低温の脱硫排ガスの昇温に利用された後、ブロワー8を介して煙突9から排出される。
図1に示す焼結炉排ガス設備の脱硫設備4において焼結炉排ガスを脱硫処理すると、脱硫処理方法にもよるが、通常、約150℃の温度で導入された焼結炉排ガスが、50〜130℃の温度に低下して排出される。脱硝装置7においてSCR法による脱硝処理を行うためには、脱硝触媒の種類によって異なるが、脱硝装置に導入する脱硝前の排ガス温度を250〜350℃に昇温することが好ましい。
ここで、本発明の焼結炉排ガス処理設備の説明をしやすくするために、従来の焼結炉排ガス処理設備の一例について説明する。図3は、従来の焼結炉排ガス設備の一例を示した説明図である。図3において、符号19は焼結炉、符号20は電気集塵機、符号21、26はブロワー、符号22は脱硫装置、符号23は熱交換器、符号24は再加熱炉、符号25は脱硝装置、符号27は煙突を示している。
図1に示す焼結炉排ガス設備が、図3に示す従来の焼結炉排ガス設備と異なるところは、再加熱炉24に代えてCO酸化反応装置6が備えられているところである。
図3に示す従来の焼結炉排ガス設備では、再加熱炉24において、脱硝装置25による脱硝工程前の排ガスの温度を上昇させている。再加熱炉24では、COG等の製鉄副生ガスを燃料として利用している。COGは、製鉄所内の加熱設備や発電用の燃料として既に他所で広く利用されている。このため、COGを利用すると、使用料が発生して、焼結炉排ガス設備のランニングコストが高くなる。
これに対し、図1に示す焼結炉排ガス設備では、CO酸化反応装置6を、脱硫工程を行う脱硫設備4と脱硝装置7との間に設置している。そして、CO酸化反応装置6において、焼結炉排ガス中のCOを酸化させ、COの酸化反応により発生した熱により排ガス温度を上昇させ、昇温された排ガスを脱硝装置7に導入している。このことにより、図1に示す焼結炉排ガス設備では、図3に示す従来の焼結炉排ガス設備と比較して、大幅な省エネルギーを図れ、製鉄副生ガスの使用量を大幅に削減できる。したがって、運転費の削減も可能である。
なお、COの酸化反応には、酸素が必要である。焼結炉排ガスには、酸素が10〜15%含まれている。このため、CO酸化反応装置6に外部から空気等を導入しなくても、焼結炉排ガス中のCOを酸化させることができる。なお、CO酸化反応装置6には、酸素源として外部から空気を導入してもよい。しかし、外部から空気を導入すると、導入した空気の温度を上昇させるための顕熱が余分に必要となるし、外部から空気を導入する工程および設備が必要となる。したがって、効率よく焼結炉排ガス中のCOを酸化させるために、CO酸化反応装置6には、外部から空気を導入せず、焼結炉排ガスのみを導入することが好ましい。
本実施形態においては、CO酸化反応工程におけるCO酸化反応の温度を、脱硝処理と同じ反応温度範囲である250〜350℃とすることが好ましい。このことにより、CO酸化反応による反応熱を、SCR法による脱硝処理により効率よく利用できる。
例えば、図1に示す焼結炉排ガス設備では、CO酸化反応工程におけるCO酸化触媒の反応温度が300℃であり、脱硫後に脱硫設備4から排出された排ガス温度が約130℃である場合、脱硫設備4から排出されて熱交換器5に導入された排ガスは、熱交換器5において約250℃まで昇温されて排出される。熱交換器5から排出されてCO酸化反応装置6に導入された排ガスは、CO酸化触媒と反応して酸化されることによって昇温される。CO酸化反応により約300℃とされた排ガスは、脱硝装置7に導入されて、脱硝される。脱硝後に脱硝装置7から排出される排ガス温度は約300℃となり、熱交換器5に導入されることにより熱が回収される。最終的には約180℃の排ガスとなって煙突9から排出される。
図2は、本発明の好適な焼結炉排ガス処理設備の他の例を示した説明図である。図2に示す焼結炉排ガス設備は、焼結炉10側から順に、脱硫設備13と脱硝設備15とCO酸化反応装置16とが配置されたものである。この焼結炉排ガス設備は、CO酸化反応装置16から排出された排ガスの熱を、脱硫設備13から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器14を有している。
図2に示す焼結炉排ガス設備において、脱硫設備13は、図1に示す脱硫設備4と同様に、焼結炉1の排ガスから脱硫するものである。脱硝設備15は、脱硫設備13を通過した脱硫後の脱硫排ガスから脱硝するものである。CO酸化反応装置16は、一酸化炭素酸化触媒に、脱硫設備13および脱硝設備15を通過した脱硫・脱硝後の脱硫・脱硝排ガスを接触させて、排ガス中の一酸化炭素を酸化するものである。
図2において、焼結炉10から排出された排ガスは、電気集塵機11にてダスト除去された後、ブロワー12を介して脱硫設備13に導入される。脱硫設備13に導入された排ガスは、通常石灰水等のシャワーにより脱硫処理される(脱硫工程)。脱硫処理により温度の低下した排ガスは、熱交換器14に導入される。熱交換器14では、後段のCO酸化反応装置16でのCO酸化触媒とのCO酸化反応によって昇温された高温の排ガスを利用して、低温の脱硫後の排ガスを、ガス−ガス熱交換により加熱する。このことにより、脱硫後の排ガスが、脱硝反応のために予熱される(熱交換工程)。熱交換器14により脱硝処理で必要な温度に予熱された排ガスは、NH添加(図2において符号Bで示す)後、脱硝装置15に導入される。脱硝装置15に導入された排ガスは、SCR法によって脱硝処理される(脱硝工程)。脱硫・脱硝処理された排ガスは、CO酸化反応装置16に導入され、排ガス中の一酸化炭素がCO酸化触媒と反応して二酸化炭素に酸化される(CO酸化反応工程)。CO酸化反応によって昇温された排ガスは、熱交換器14に導かれ、低温の脱硫排ガスの昇温に利用された後、ブロワー17を介して煙突18から排出される。
図2に示す焼結炉排ガス設備では、CO酸化反応装置16を、脱硝工程を行う脱硝装置15の後段に設置している。そして、CO酸化反応装置16において、脱硫・脱硝後の焼結炉排ガス中のCOをCO酸化触媒により酸化させ、COの酸化反応により発生した熱により排ガス温度を上昇させ、昇温された排ガスを熱交換器14に導入している。熱交換器14に導入された昇温された排ガスの熱は、熱交換器14において、低温の脱硫後の排ガスの昇温に利用される。このことにより、図2に示す焼結炉排ガス設備では、図3に示す従来の焼結炉排ガス設備と比較して、大幅な省エネルギーを図れ、製鉄副生ガスの使用量を大幅に削減できる。したがって、運転費の削減も可能である。
なお、CO酸化反応装置16に導入される焼結炉排ガスには、酸素が10〜15%含まれている。したがって、上述した図1に示すCO酸化反応装置6と同様に、CO酸化反応装置16には、外部から空気等を導入せず、焼結炉排ガスのみを導入することが好ましい。
図2に示す焼結炉排ガス設備では、CO酸化反応工程におけるCO酸化触媒の反応温度が350℃であり、脱硫後に脱硫設備13から排出された排ガス温度が約130℃の場合、脱硫設備13から排出されて熱交換器14に導入された排ガスは、熱交換器14によって約300℃まで昇温されて排出される。熱交換器14から排出されて脱硝装置15に導入された排ガスは、約300℃で脱硝反応が行われる。脱硝装置15において脱硝された後の排ガスは、CO酸化反応装置16に導入される。CO酸化反応装置16の入口の排ガス温度は約300℃となり、CO酸化反応後の排ガス温度は約350℃となる。CO酸化反応後の排ガスの熱は、熱交換器14にて回収される。最終的な排ガス温度は約180℃となり、煙突18から排出される。
図1および図2に示すCO酸化反応装置6、16は、例えば、一酸化炭素(CO)酸化触媒を筒状の固定床流通式反応器に充填したものであってもよい。このようなCO酸化反応装置では、反応器内に排ガスを通過させて、排ガスと一酸化炭素酸化触媒とを接触させることにより、排ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する。
また、CO酸化反応装置6、16は、排ガスの流路に、一酸化炭素酸化触媒を表面にコーティングした材料を配置して、流路内を通過する排ガスと一酸化炭素酸化触媒とを接触させるものであってもよい。このようなCO酸化反応装置では、流路内を通過する排ガスと一酸化炭素酸化触媒とを接触させることにより、排ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する。このようなCO酸化反応装置は、焼結炉排ガス中に含まれるダストによる流路閉塞が生じにくいものであり、好ましい。このようなCO酸化反応装置では、一酸化炭素酸化触媒がコーティングされる材料として、例えば、セラミックスあるいはステンレス等の金属を、ハニカム状又は板状に加工したものを用いることができる。
本実施形態において使用されるCO酸化触媒は、銅とマンガンとアルミニウムの複合酸化物であり、銅の含有率がCuO換算で10質量%〜50質量%であるものである。
CO酸化触媒において、銅はCO酸化の活性点として機能する。マンガンは、CO酸化触媒において担体の基盤として機能する。また、マンガンは、CO酸化触媒中に酸化マンガンとして存在し、排ガス中のOと共にCOを酸化させる際の酸素の供給源としても機能する。アルミニウムは、CO酸化触媒の強度および耐性を向上させる。
CO酸化触媒の銅の含有率がCuO換算で10質量%未満であると、活性点が少な過ぎるため、CO酸化触媒の反応性が下がる。また、銅の含有率が上記範囲未満であると、Cu/Mnモル比が小さくなり比表面積が小さくなって、CO酸化触媒の活性が低下する。したがって、銅の含有率は、CuO換算で10質量%以上とし、20質量%以上とすることが好ましい。また、銅の含有率がCuO換算で50質量%を超えると、担体の基盤として機能するものであって、CO酸化反応に寄与する酸素の供給源となるマンガン(酸化マンガン)の比率が相対的に小さくなる。このため、CO酸化触媒の反応性が低下し、CO酸化触媒の構造も不安定になる。したがって、銅の含有率は、CuO換算で50質量%以下とし、40質量%以下とすることが好ましい。
CO酸化触媒中の銅の濃度は、Cu/Mnモル比で1/5〜1/1であることが好ましく、より好ましくは1/4〜1/2である。Cu/Mnモル比は、比表面積を大きくして、十分なCO酸化活性を得るために、1/5以上あることが好ましく、1/4以上あることがより好ましい。また、Cu/Mnモル比を1/1以下とすることで、優れた構造安定性が得られ、好ましい。
CO酸化触媒は、比表面積が大きいものほど、反応活性種である銅の反応表面積も大きいものとなり、性能が高くなる。このため、CO酸化触媒の比表面積は150m/g以上であることが好ましく、250m/g以上であることがより好ましい。しかし、CO酸化触媒の比表面積を大きくし過ぎると、触媒強度が低下する。このため、CO酸化触媒の比表面積は500m/g以下であることが好ましく、400m/g以下であることがより好ましい。
なお、CO酸化触媒の比表面積は、BET比表面積であり、液体窒素温度における窒素吸着量を基に測定したものである。
CO酸化触媒中のアルミニウムの濃度は、5〜50質量%であることが好ましい。CO酸化触媒中のアルミニウムの濃度を5質量%以上とすることで、比表面積を大きくしてCO酸化活性を向上させることができるとともに、触媒強度を向上させることができ、CO酸化活性、耐HO性、耐SO性を向上させることができる。アルミニウムの濃度は10質量%以上とすることがより好ましい。また、アルミニウムの濃度を50質量%以下とすることで、CO酸化触媒中の銅およびマンガンの含有率を十分に確保することができ、銅およびマンガンを含むことによる効果が十分に得られる。アルミニウムの濃度は30質量%以下であることがより好ましい。
CO酸化触媒は、ゾルゲル法または共沈法によって調製することが望ましい。ゾルゲル法または共沈法によって調製する場合、CuMnO酸化物とAlとの複合酸化物からなる高純度で均一な沈殿物が得られ、これをろ過・洗浄、焼成することにより比表面積の大きなCO酸化触媒を生成できる。
なお、CO酸化触媒は、含浸法のような調製法を用いて製造しても構わない。
以下に、上記CO酸化触媒の製造方法として、ゾルゲル法による調製法を例に挙げて説明する。
CO酸化触媒に使用する原料(前駆体)としては、洗浄処理や焼成処理を行う際に、カウンターイオン(例えば硝酸塩であればCu(NO中の(NO)が、ろ液として排出したり、揮発したりするものであり、溶媒に溶解するものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、CO酸化触媒の原料として、銅またはマンガンの硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、アセチルアセトナートなどの銅化合物やマンガン化合物を使用できる。CO酸化触媒に使用する原料としては、調製操作をする際に水溶液を用いることができるため、水溶性の化合物を用いることが、製造コストの低減や安全な製造作業環境の確保のためには好ましい。具体的には、CO酸化触媒の原料として、硝酸銅や過マンガン酸カリウムは、カウンターイオンである(NOやKが、洗浄時にろ液としてほぼ全量排出され、焼成時に酸化物に容易に変化するため好ましい。
CO酸化触媒に使用するアルミニウム前駆体としては、粉末アルミナ、アルミナゾル、硝酸アルミニウム等が挙げられ、粉末アルミナを用いることが好ましい。アルミニウム前駆体として粉末アルミナを用いた場合、アルミナ表面にCuMnO酸化物が担持された高強度の触媒が得られるとともに、CuMnO酸化物とAlとの複合酸化物からなるCO酸化活性の優れた触媒が得られる。また、粉末アルミナが、細かいほど表面積が大きくなり、CuMnO酸化物とAlとの接触面積が多くなるので、強度およびCO酸化活性の優れた触媒が得られる。具体的には粉末アルミナとして、500μm以下のものを用いることが好ましい。
また、CO酸化触媒に使用するゲル化剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、シュウ酸、乳酸等を使用することができ、またこれらを混合したものでもよい。
以下、CO酸化触媒の製造方法の一例として、銅の前駆体として硝酸銅を用い、マンガン前駆体として過マンガン酸カリウムを用い、アルミニウム前駆体として粉末アルミナを用いた場合について説明する。
まず、硝酸銅の水溶液と過マンガン酸カリウムの水溶液とを室温(25℃)にて混合し、混合溶液とする。この時、混合溶液中のCu/Mnの比率がCO酸化触媒中の所定Cu/Mnの比率となるように調整する。次いで、この混合溶液に、粉末アルミナを混合する。その後、粉末アルミナを混合した混合溶液に、ゲル化剤として例えばマレイン酸を混合し、室温にて約1時間撹拌した後、24時間程度熟成させる。
次に、熟成後に沈殿したCuMnO酸化物とAlとの複合酸化物を、40〜80℃の温水で3回以上、好ましくは5回ろ過・洗浄を繰り返す。その後、得られたCuMnO酸化物とAlとの複合酸化物を60〜90℃で乾燥し、300〜400℃で焼成する。このようなろ過・洗浄、焼成を行うことにより、熟成後のCuMnO酸化物とAlとの複合酸化物からカウンターイオンが排出される。その結果、比表面積が250m/g以上であり、二次粒子径が100〜500μmのCuMnAl複合酸化物の粉末からなるCO酸化触媒が得られる。
CO酸化反応装置6、16が、一酸化炭素(CO)酸化触媒を固定床流通式反応器に充填したものである場合、上記の方法で得られたCO酸化触媒の粉末を、そのまま固定床流通式反応器に充填して用いてもよい。また、上記の方法により得られたCO酸化触媒は、直径4〜6mm程度の球状又はペレット状に造粒(成形)してから、CO酸化反応装置6、16の固定床流通式反応器に充填してもよい。造粒したCO酸化触媒をCO酸化反応装置6、16の固定床流通式反応器に充填した場合、CO酸化反応装置6、16内を排ガスが通過することによる圧力損失を抑えることができ、好ましい。造粒したCO酸化触媒の直径は、CO酸化反応装置6、16内を通過する排ガスの流速などに応じて、適宜決定できる。
本実施形態のCO酸化触媒は、銅とマンガンとアルミニウムの複合酸化物であり、銅の含有率がCuO換算で10質量%〜50質量%のものであるため、銅とマンガンのみの触媒に比べ、大きく高性能化し、低い銅含有率でも性能発現が可能となる。具体的には、本実施形態のCO酸化触媒は、アルミニウムを含むものであるため、銅とマンガンの複合酸化物(CuMnO)と比較して、比表面積が大きく、CO酸化触媒の反応性が高いものとなるとともに、触媒強度を向上させることができ、CO酸化活性、耐HO性、耐SO性を向上させることができる。また、本実施形態のCO酸化触媒は、白金等の貴金属を使用しないことから低コストで製造可能である。
(CO酸化触媒性能評価)(実施例1〜3、比較例1〜5)
脱硫・脱硝後の焼結炉排ガスのモデルガスとして、1.0vol.%のCO、10vol.%のO、40ppmのSO、40ppmのNO、20vol.%の水蒸気の混合ガス(Nバランス)を空間速度(SV)30,000h−1で流通させた。粉末の触媒試料を石英管に充填し、この石英管中に上記モデルガスを流通させ、電気炉で加熱することで反応させた。
反応温度は、実際にCO酸化触媒を使用する温度条件に対応する250℃及び300℃で一定とした。本評価方法では、CO酸化触媒の評価を一定とするため、電気炉を用いて温度を一定に保った。
反応後のガスを、TCDガスクロマトグラフで分析し、未反応のCO及び生成したCOの濃度を分析した。触媒性能をCO転化率(%)として評価し、下記式(4)により計算し、6時間反応後のCO転化率で性能を比較した。
CO転化率=生成CO/(未反応CO+生成CO)×100・・・・・(4)
また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTを調べた。
〔比較例1〕
触媒試料として、CuMnO触媒を下記のゾルゲル法により調製した。銅の前駆体として硝酸銅の水溶液を用い、マンガン前駆体として過マンガン酸カリウムの水溶液を用い、これらを室温(25℃)にて混合した。この時、Cu/Mnモル比=1/2となるように、前駆体の混合量を調整した。そこに、ゲル化剤としてマレイン酸を混合し、室温にて1時間撹拌した後、24時間熟成させた。そして、熟成後の沈殿したCuMnO酸化物のろ過・洗浄を、60℃の温水で、5回繰り返した後、得られたCuMnO酸化物を70℃で乾燥、300℃で焼成した。このことにより、比表面積が288m/gであり、二次粒子径の平均が300μmのCuMnO触媒試料を得た(Cu含有量:31.4質量%)。
このようにして得られた触媒試料を石英管に充填し、上記の空間速度および温度条件でモデルガスを流通させるCO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は85%(300℃)、81%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、38℃(300℃)、37℃(250℃)であった。
〔比較例2〕
触媒試料として、下記のゾルゲル法により調製したCuMnAl触媒(Cu/Mnモル比=1/8、Cu含有量(CuO換算):8.6質量%)を用いた。
銅の前駆体として硝酸銅の水溶液を用い、マンガン前駆体として過マンガン酸カリウムの水溶液を用い、これらを室温(25℃)にて混合した。この時、Cu/Mnモル比=1/8となるように、前駆体の混合量を調整した。そこに、500μm以下に整粒した粉末アルミナを、触媒試料の完成時に全体の20.7質量%となるように混合した。ゲル化剤としてマレイン酸を混合し、比較例1と同様にして攪拌・熟成・ろ過・洗浄・乾燥・焼成を行った。このことにより、比表面積が206m/gであり、二次粒子径の平均が340μmのCuMnAl触媒試料を得た(Cu含有量:8.6質量%)。
比較例1と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は81%(300℃)、75%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、36℃(300℃)、34℃(250℃)であった。
比較例2では、銅の含有率(CuO換算)が少ないにも関わらず、比較例1に迫る性能を発現したことから、アルミナを添加した効果を発揮している。しかし、比較例2では、銅の含有量が小さいため、Cu/Mnモル比が小さく、比較例1よりも性能(CO転化率、ガスの昇温量)が低いと考えられる。
〔実施例1〕
触媒試料として、硝酸銅の水溶液と過マンガン酸カリウムの水溶液とをCu/Mnモル比=1/5となるように調製して、500μm以下に整粒した粉末アルミナを触媒試料の完成時に全体の20.7質量%となるように混合したこと以外は、比較例2と同様のゾルゲル法により調製したCuMnAl触媒(Cu含有量(CuO換算):12.4質量%)を用いた。
調製後の触媒試料は、比表面積が255m/gであり、二次粒子径の平均が330μmであった。
比較例1〜2と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は87%(300℃)、85%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、39℃(300℃)、38℃(250℃)であった。
実施例1では、比較例1〜2よりも高い性能(CO転化率およびガスの昇温量が高い)を発揮しており、アルミナを添加することで、Cu−Mn−Alの複合酸化物を形成し、高活性化につながったと考えられる。
〔実施例2〕
触媒試料として、硝酸銅の水溶液と過マンガン酸カリウムの水溶液とをCu/Mnモル比=1/2となるように調製して、粉末アルミナを触媒試料の完成時に全体の16.7質量%となるように混合したこと以外は、実施例1と同様のゾルゲル法により調製したCuMnAl触媒(Cu含有量(CuO換算):26.1質量%)を用いた。
調製後の触媒試料は、比表面積が374m/gであり、二次粒子径の平均が330μmであった。
比較例1〜2、実施例1と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は100%(300℃)、99%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、45℃(300℃)、44℃(250℃)であった。
実施例2では、比較例1〜2、実施例1よりも高い性能を発揮している。より詳細には、実施例2では、比較例2および実施例1よりも銅の含有量が大きいため、Cu/Mnモル比が大きく、性能(CO転化率、ガスの昇温量)が高くなったと考えられる。また、実施例2では、アルミナを添加することで、Cu−Mn−Alの複合酸化物が形成され、比表面積も大幅に向上したことから、Cu/Mnモル比が同じである比較例1よりも活性が高くなり、性能が向上したと考えられる。
〔実施例3〕
触媒試料として、硝酸銅の水溶液と過マンガン酸カリウムの水溶液とをCu/Mnモル比=1/1となるように調製して、粉末アルミナを触媒試料の完成時に全体の11.7質量%となるように混合したこと以外は、実施例1〜2と同様のゾルゲル法により調製したCuMnAl触媒(Cu含有量(CuO換算):48.5質量%)を用いた。
調製後の触媒試料は、比表面積が440m/gであり、二次粒子径の平均が330μmであった。
比較例1〜2、実施例1〜2と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は92%(300℃)、89%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、42℃(300℃)、40℃(250℃)であった。
実施例3では、比較例1〜2よりも高い性能を発揮している。より詳細には、実施例3では、アルミナを添加することで、Cu−Mn−Alの複合酸化物が形成されるとともに、比較例1よりも銅の含有量が大きいため、Cu/Mnモル比が大きく、性能(CO転化率、ガスの昇温量)が高くなったと考えられる。また、実施例3では、実施例1および比較例2よりも銅の含有量が大きいため、Cu/Mnモル比が大きく、性能(CO転化率、ガスの昇温量)が高くなったと考えられる。また、実施例3では、実施例2と比較して銅の含有量が大きいため、Mnが少なくなり、酸化マンガンからの酸素供給が不足して、実施例2よりも性能が低くなったと考えられる。
〔比較例3〕
触媒試料として、硝酸銅の水溶液と過マンガン酸カリウムの水溶液とをCu/Mnモル比=2/1となるように調製して、粉末アルミナを触媒試料の完成時に全体の17.2質量%となるように混合したこと以外は、実施例1〜3と同様のゾルゲル法により調製したCuMnAl触媒(Cu含有量(CuO換算):53.6質量%)を用いた。
調製後の触媒試料は、比表面積が320m/gであり、二次粒子径の平均が320μmであった。
比較例1〜2、実施例1〜3と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表1に示すように、CO転化率は84%(300℃)、78%(250℃)であった。また、CO酸化触媒前後におけるガスの昇温量ΔTは、38℃(300℃)、37℃(250℃)であった。
比較例3では、比較例1〜2並みの性能しか発揮できなかった。これは比較例3では、銅の含有量が大き過ぎてCu/Mn比が大きくなり過ぎたため、マンガンの割合が少なくなったことが原因だと考えられる。
〔比較例4〕
触媒試料として、従来の含浸法により二酸化マンガンの粉末に銅を担持して調製したCu/MnO触媒(Cu含有量:35質量%、比表面積:81m/g)を用いる条件以外は、比較例1、実施例1と同様の条件にてCO酸化反応試験を行った。
その結果、表1に示すように、比較例4のCO転化率は60%(300℃)、55%(250℃)であり、ガスの昇温量ΔTは、27℃(300℃)、25℃(250℃)であった。
比較例4では、実施例1〜3と比較して、CO転化率もガスの昇温量も小さい値を示した。
〔比較例5〕
触媒試料として、従来の銅マンガン系触媒であるホプカライト(キシダ化学製)(Cu含有量:30質量%、比表面積:34m/g)を用いる条件以外は、評価例1、2や実施例1と同様の条件にてCO酸化反応試験を行った。
その結果、表1に示すように、比較例5のCO転化率は1.5%(300℃)、1.0%(250℃)となり、ほぼ活性を失った。また、ガスの昇温量ΔTは0.7℃(300℃)、0.5℃(250℃)であった。
Figure 2014237080
〔比較例6〕
空間速度SVを100,000h−1としたこと以外は、実施例1〜3、比較例1〜5と同じ条件でモデルガスを流通させるCO酸化反応試験を行った。比較例6の空間速度(SV)は、実施例1〜3、比較例1〜5と比べて、3倍以上の大きさで、触媒劣化を促進する加速試験条件となっている。
触媒試料として、比較例1と同じCuMnO触媒(Cu/Mnモル比=1/2、Cu含有量:31.4質量%)を用いた。その結果、表2に示すように、比較例6のCO転化率は62%(300℃)、55%(250℃)であった。また、ガスの昇温量ΔTは27℃(300℃)、25℃(250℃)であった。
〔実施例4〕
触媒試料として、実施例2で使用したCuMnAl触媒を用いる以外は、比較例6と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表2に示すように、実施例4のCO転化率は98%(300℃)、92%(250℃)となり、ガスの昇温量ΔTもそれぞれ43℃(300℃)、42℃(250℃)となった。
実施例4では、比較例6よりも高い性能を発揮しており、アルミナを添加することで、Cu−Mn−Alの複合酸化物が形成され、比表面積も大幅に向上したことから、Cu/Mnモル比が同じである比較例6よりも活性が高くなり、高活性化につながった。また、実施例4では、銅の含有量とCu/Mn比の条件も適正範囲であると考えられる。
なお、実施例1、3で使用した触媒を用いて、比較例6と同じ反応条件で、CO酸化反応試験を行った。これらの結果も、比較例6よりも高性能(CO転化率およびガスの昇温量が高い)であった。
〔比較例7〕
触媒試料として、従来の排ガス浄化触媒として利用されているPt/Al触媒(Pt担持量:1.0質量%、比表面積:170m/g)を用いる以外は、比較例6、実施例4と同じ条件で、CO酸化反応試験を行った。その結果、表2に示すように、比較例7のPt/Al触媒でのCO転化率は97%(300℃)、92%(250℃)となり、ガスの昇温量ΔTも43℃(300℃)、42℃(250℃)となった。
比較例7の性能は、実施例4とほぼ同じ性能である。しかし、比較例7と比較して、貴金属であるPtを使用しない実施例4の方が、より安価に触媒を製造可能であり、効率的にガスを昇温し、焼結炉排ガスの脱硝反応を行うことが可能である。
Figure 2014237080
(焼結炉排ガス処理評価)
〔比較例8〕
焼結炉排ガスのモデルガスとして、1.0vol.%のCO、15vol.%のO、200ppmのSO、200ppmのNO、17vol.%の水蒸気の混合ガス(Nバランス、温度150℃)を使用して、図1に示す焼結炉排ガス設備を用いて、脱硫・CO酸化・脱硝工程を行った。脱硫工程には湿式脱硫法(石灰石膏法)を用い、脱硝工程にはSCR脱硝法を用いた。また、CO酸化反応装置として、比較例7で使用したPt/Al触媒を石英管に充填したものを用いた。CO酸化反応装置には、空間速度SV=30,000h−1となるようにモデルガスを流通させた。
その結果、脱硫設備4から排出された脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器5にて、約230℃まで昇温されてCO酸化反応装置6に導入され、CO酸化反応初期はCO転化率99.0%の反応を経て、排ガス温度は約280℃まで上昇され、排ガス中のCOは100ppmまで低減した。
その後、CO酸化反応後の排ガスを脱硝装置7に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。脱硫・CO酸化・脱硝後の排ガスは熱交換器5へと導入され、CO酸化・脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器5を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突9から大気へ放散した。
しかし、CO酸化反応時間が500時間を経過した頃から、Pt/Al触媒の活性が低下し始め、1000時間が経過する頃には、CO転化率は20%程度に低下し、CO酸化反応後の排ガス温度は約240℃となり、脱硝温度としては低く、CO酸化工程の意味をほとんどなさなくなり、排ガスプロセスが機能しなくなった。
〔実施例5〕
CO酸化触媒に実施例2、4のCuMnAl触媒を用いる以外は、比較例8と同様の条件で、脱硫・CO酸化・脱硝工程を行った。
その結果、比較例8と同様に、脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器5にて、約230℃まで昇温されてCO酸化反応装置6に導入され、CO転化率99.5%の反応を経て、排ガス温度は約280℃まで上昇され、排ガス中のCOは50ppmまで低減した。
その後、CO酸化反応後の排ガスを脱硝装置7に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。脱硫・CO酸化・脱硝後の排ガスは熱交換器5へと導入され、CO酸化・脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器5を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突9から大気へ放散した。
本実施例では、CO酸化反応時間が1000時間を経過しても、CO酸化触媒の活性劣化は起こらず、比較例8と比べて、寿命が長いことがわかった。
また、実施例1、3で使用した触媒を用いたこと以外は実施例5と同様にして脱硫・CO酸化・脱硝工程を行った。その結果、実施例1、3で使用した触媒を用いた場合も実施例5と同様に、比較例8と比べ、寿命が長かった。
以上のことから、本実施例のCO酸化触媒は、従来のCO酸化触媒(Pt/Al触媒)と比べて、耐久性が高いことが分かった。また、本実施例のCuMnAl触媒からなるCO酸化触媒は、貴金属を含まず、Pt/Al触媒と比較して低コストで製造可能である。
また、CO酸化反応工程において本実施例のCO酸化触媒を用いることにより、従来の脱硫・CO酸化・脱硝工程を行う場合と比較して、CO酸化触媒のランニングコストを低減でき、さらに、脱硝工程前の排ガス温度を効率的に上昇できることから、より安価な脱硫・脱硝プロセスが可能となった。
〔比較例9〕
CO酸化触媒に比較例1、6のCuMnO触媒を用いる以外は、比較例8と同様の条件で、脱硫・CO酸化・脱硝工程を行った。
その結果、比較例8と同様に、脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器5にて、約230℃まで昇温されてCO酸化反応装置6に導入され、反応初期はCO転化率99.0%の反応を経て、排ガス温度は約280℃まで上昇され、排ガス中のCOは100ppmまで低減した。
その後、CO酸化反応後の排ガスを脱硝装置7に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。脱硫・CO酸化・脱硝後の排ガスは熱交換器5へと導入され、CO酸化・脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器5を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突9から大気へ放散した。
しかし、本比較例では、CO酸化反応時間600時間程度で、CO転化率は20%程度に低下し、CO酸化反応後の排ガス温度は約240℃となり、脱硝温度としては低く、CO酸化工程の意味をなさなくなり、排ガスプロセスが機能しなくなった。
以上のことから、実施例5において使用したCuMnAl触媒の方が、比較例9の触媒と比較して、耐久性が高く、CO酸化触媒のランニングコストを低減でき、さらに、脱硝工程前の排ガス温度を効率的に上昇できることから、より安価に脱硫・脱硝プロセスを実施できることがわかった。
〔比較例10〕
焼結炉排ガスのモデルガスとして、比較例8、9、実施例5と同じものを使用し、図2に示す焼結炉排ガス設備を用いて、脱硫・脱硝・CO酸化工程を行った。なお、図1に示す焼結炉排ガス設備と同様に、脱硫工程には湿式脱硫法(石灰石膏法)、脱硝工程にはSCR脱硝法を用いた。また、CO酸化反応装置として、比較例7、8で使用したPt/Al触媒を石英管に充填したものを用いた。CO酸化反応装置には、空間速度SV=30,000h−1となるようにモデルガスを流通させた。
その結果、脱硫設備13から排出された脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器14にて、約280℃まで昇温され、脱硝装置15に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。その後、脱硫・脱硝後の排ガスをCO酸化反応装置16に導入し、CO酸化反応初期はCO転化率99.0%の反応を経て、排ガス温度は約330℃まで上昇され、排ガス中のCOは100ppmまで低減した。
脱硫・脱硝・CO酸化後の排ガスは熱交換器14へと導入され、脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器14を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突18から大気へ放散した。
しかし、CO酸化反応時間が500時間を経過した頃から、Pt/Alの活性が低下し始め、1000時間が経過する頃には、CO転化率は20%程度に低下し、CO酸化反応後の排ガス温度は約290℃となり、CO酸化工程の意味をほとんどなさなくなった。この時、熱交換器14を通じて昇温された、脱硫後排ガスは240℃となり、脱硝温度としては低く、排ガスプロセスが機能しなくなった。
〔実施例6〕
CO酸化触媒に実施例2、4、5のCuMnAl触媒を用いる以外は、比較例10と同様の条件で、脱硫・脱硝・CO酸化工程を行った。
その結果、比較例10と同様に、脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器14にて、約280℃まで昇温され、脱硝装置15に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。その後、脱硫・脱硝後の排ガスをCO酸化反応装置16に導入し、CO転化率99.5%の反応を経て、排ガス温度は約330℃まで上昇され、排ガス中のCOは50ppmまで低減した。
脱硫・脱硝・CO酸化後の排ガスは熱交換器14へと導入され、脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器14を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突18から大気へ放散した。
本実施例では、CO酸化反応時間が1000時間を経過しても、CO酸化触媒の活性劣化は起こらず、比較例10と比べて、寿命が長いことがわかった。
また、実施例1、3で使用した触媒を用いたこと以外は実施例6と同様にして脱硫・脱硝・CO酸化工程を行った。その結果、実施例1、3で使用した触媒を用いた場合も実施例6と同様に、比較例10と比べて、寿命が長かった。
以上のことから、本実施例のCO酸化触媒は、従来のCO酸化触媒(Pt/Al触媒)と比べて、耐久性が高いことが分かった。また、本実施例のCuMnAl触媒からなるCO酸化触媒は、貴金属を含まず、低コストで製造可能である。
また、CO酸化反応工程において本実施例のCO酸化触媒を用いることにより、従来の脱硫・脱硝・CO酸化工程を行う場合と比較して、CO酸化触媒のランニングコストを低減でき、さらに、脱硝工程前の排ガス温度を効率的に上昇できることから、より安価な脱硫・脱硝プロセスが可能となった。
〔比較例11〕
CO酸化触媒に比較例1、6、9のCuMnO触媒を用いる以外は、比較例10と同様の条件で、脱硫・脱硝・CO酸化工程を行った。
その結果、比較例10と同様に、脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器14にて、約280℃まで昇温され、脱硝装置15に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。その後、脱硫・脱硝後の排ガスをCO酸化反応装置16に導入し、反応初期のCO転化率は99.0%の反応を経て、排ガス温度は約330℃まで上昇され、排ガス中のCOは100ppmまで低減した。
脱硫・脱硝・CO酸化後の排ガスは熱交換器14へと導入され、脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器14を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突18から大気へ放散した。
しかし、本比較例では、CO酸化反応時間600時間程度で、CO転化率は20%程度に低下し、CO酸化反応後の排ガス温度は約290℃となり、CO酸化工程の意味をほとんどなさなくなった。この時、熱交換器14を通じて昇温された脱硫後排ガスは240℃となり、脱硝温度としては低く、排ガスプロセスが機能しなくなった。
以上のことから、実施例6において使用したCuMnAl触媒の方が、比較例11の触媒と比較して、耐久性が高く、CO酸化触媒のランニングコストを低減でき、さらに、脱硝工程前の排ガス温度を効率的に上昇できることから、より安価に脱硫・脱硝プロセスを実施できることがわかった。
〔比較例12〕
焼結炉排ガスのモデルガスとして、比較例8〜11、実施例5、6と同じものを使用し、図3に示す焼結炉排ガス設備を用いて、脱硫・脱硝処理を行った。なお、図1に示す焼結炉排ガス設備と同様に、脱硫工程には湿式脱硫法(石灰石膏法)、脱硝工程にはSCR脱硝法を用いた。また、脱硝前の排ガスを、COGバーナーを備える再加熱炉24にて加熱した。
その結果、脱硫後のガスは、SOが35ppmに低減でき、排ガス温度は約110℃となった。脱硫排ガスは、熱交換器23にて、約230℃まで昇温された後、COGガスを利用(図3において符号Cで示す)する再加熱炉24にて、約280℃まで上昇させた。その後、昇温された排ガスにNH3添加(図3において符号Dで示す)し、脱硝装置25に導入してSCR脱硝反応を行った。脱硝後のガスは、NOが20ppmまで低減された。
脱硫・脱硝後の排ガスは熱交換器23へと導入され、脱硝前の排ガス温度上昇へ利用され、熱交換器23を通過後のガスは、約160℃まで低下し、煙突27から大気へ放散した。
本比較例で排ガスの加熱に使用したCOGは、ランニングコストが高い。一方、実施例1〜6で用いたCuMnAlからなるCO酸化反応触媒を用いると、触媒コストがかかるものの、全体のランニングコストを約5〜6割に低減できる。したがって、本発明を用いることで、非常に安価かつ効率的に焼結炉排ガスの脱硫・脱硝反応を行うことが可能であることがわかった。
1、10、19 焼結炉
2、11、20 電気集塵機
3、12、21 ブロワー
4、13、22 脱硫装置
5、14、23 熱交換器
7、15、25 脱硝装置
6、16 CO酸化反応装置
8、17、26 ブロワー
9、18、27 煙突
24 再加熱炉

Claims (9)

  1. 銅とマンガンとアルミニウムの複合酸化物であり、銅の含有率がCuO換算で、10質量%〜50質量%であることを特徴とする一酸化炭素酸化触媒。
  2. 比表面積が250m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素酸化触媒。
  3. 一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する方法であって、該酸化反応に請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いることを特徴とする一酸化炭素の酸化方法。
  4. 前記酸化反応を250〜350℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項3に記載の一酸化炭素の酸化方法。
  5. 焼結炉排ガスから脱硫する脱硫工程と、
    前記脱硫した排ガス中の一酸化炭素を酸化させるCO酸化反応工程と、
    前記脱硫・CO酸化反応後の昇温された排ガスから脱硝する脱硝工程と、
    前記脱硝後の排ガスの熱を前記脱硫した排ガスの加熱用として熱交換する熱交換工程と、
    を含む焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法であって、
    前記CO酸化反応工程において、前記脱硫した排ガス中の一酸化炭素を、請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いて酸化させることを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
  6. 焼結炉排ガスから脱硫する脱硫工程と、
    前記脱硫した排ガスから脱硝する脱硝工程と、
    前記脱硫・脱硝した排ガス中の一酸化炭素を酸化させるCO酸化反応工程と、
    前記CO酸化反応後の昇温された排ガスの熱を前記脱硫した排ガスの加熱用として熱交換する熱交換工程と、
    を含む焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法であって、
    前記CO酸化反応工程において、前記脱硫及び脱硝した排ガス中の一酸化炭素を、請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化触媒を用いて酸化させることを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
  7. 前記CO酸化反応工程の反応温度が250〜350℃である請求項5又は6に記載の焼結炉排ガスの脱硫・脱硝方法。
  8. 焼結炉の排ガスから脱硫する脱硫設備と、
    一酸化炭素を酸化する、請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化触媒に、脱硫後の排ガスを接触させるCO酸化反応装置と、
    一酸化炭素酸化後の排ガスから脱硝する脱硝設備と、
    前記脱硝設備から排出された排ガスの熱を、前記脱硫設備から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器とを少なくとも有することを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝設備。
  9. 焼結炉の排ガスから脱硫する脱硫設備と、
    脱硫後の排ガスから脱硝する脱硝設備と、
    一酸化炭素を酸化する、請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化触媒に、脱硫・脱硝後の排ガスを接触させるCO酸化反応装置と、
    前記CO酸化反応装置から排出された排ガスの熱を、前記脱硫設備から排出された排ガスの昇温用として熱交換する熱交換器とを少なくとも有することを特徴とする焼結炉排ガスの脱硫・脱硝設備。
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