JPH051131A - 合成樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂の製造方法及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

合成樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂の製造方法及びエポキシ樹脂組成物

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JPH051131A
JPH051131A JP15321791A JP15321791A JPH051131A JP H051131 A JPH051131 A JP H051131A JP 15321791 A JP15321791 A JP 15321791A JP 15321791 A JP15321791 A JP 15321791A JP H051131 A JPH051131 A JP H051131A
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epoxy resin
synthetic resin
curing agent
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compound
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JP15321791A
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Hiroyuki Aizawa
浩之 相沢
Kunio Mori
邦夫 森
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可とう性に優れた合成樹脂を得る。 【構成】 フェノールと、ヒドロキノンビス(ビニルベ
ンジル)とを塩化アルミニウム触媒下で付加反応させ
る。フェノールの核水素にヒドロキノンビス(ビニルベ
ンジル)のビニル基が反応し、二重結合が開裂して交互
に付加した合成樹脂が得られる。この樹脂は、可とう性
が良好である。この樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として
用いると、可とう性に優れた硬化物が得られる。 【効果】 可とう性に優れたエポキシ樹脂硬化剤が得ら
れた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な合成樹脂の製造
方法並びにその用途等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりエポキシ樹脂の硬化剤として、
ノボラック型フェノール樹脂が用いられてきている。通
常のノボラック型フェノール樹脂の他に構造が似ている
ものとして、特公昭48−10960号公報に、フェノ
ールに1,4−ジ(メトキシメチル)ベンゼンを反応さ
せて得られる、フェノール核、メチレン基、ベンゼン
核、メチレン基がこの順に連結した構造を繰り返し単位
とする下記構造の合成樹脂が記載されている。
【0003】
【化5】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されている繰り返し単位からなる合成樹脂はエ
ポキシ樹脂硬化剤として用いた場合、得られるエポキシ
樹脂硬化物は可とう性が不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実状に
鑑み鋭意検討したところ、フェノール性水酸基を含有す
る芳香族炭化水素に、下記一般式1で示されるエチレン
性不飽和二重結合を2個有する化合物が付加した構造を
繰り返し単位として有する合成樹脂が、可とう性にも優
れることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、フェノール性水酸基を含有
する芳香族炭化水素に、下記一般式1で示されるエチレ
ン性不飽和二重結合を2個有する化合物が付加した構造
の合成樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤、フェノール性
水酸基を含有する芳香族炭化水素に、下記一般式1で示
されるエチレン性不飽和二重結合を2個有する化合物が
付加した構造の合成樹脂にエピハロヒドリンを反応せし
めるエポキシ樹脂の製造方法を提供するものである。 一般式1
【0007】
【化6】
【0008】(但し、R1は置換基を有していてもよい
アリーレン基またはアルキレンオキサイド重合単位の末
端酸素残基である。)本発明に係るフェノール系水酸基
を含有する芳香族炭化水素に下記一般式1で示されるエ
チレン性不飽和二重結合を2個有する化合物が付加した
構造の合成樹脂〔以下、単に合成樹脂(I)という。〕
は、フェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素
(A)と、一般式1で示されるエチレン性不飽和二重結
合を2個有する化合物(B)と必須成分として、これら
を付加反応させれば容易に製造できる。
【0009】本発明で用いられるフェノール性水酸基を
含有する芳香族炭化水素(A)としては、公知慣用のも
のがいずれも使用できるが、例えばフェノールや、ビス
フェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールAF
等のビスフェノール類、クレゾール、P−ターシャリー
ブチルフェノールのごときアルキル置換フェノール類、
ブロモフェノール等のハロゲノフェノール類、レゾルシ
ン等のフェノール性水酸基を2個以上含有する芳香族炭
化水素、1−ナフトール、2−ナフトール、1,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン等のナフトール類などが挙げられる。これらの芳香族
炭化水素は単独のみならず、2種類以上を混合して用い
ることも可能である。
【0010】本発明で用いられる一般式1で示されるエ
チレン性不飽和二重結合を2個有する化合物(B)とし
ては、例えばヒドロキノンビス(ビニルベンジル)エー
テル、レゾルシンビス(ビニルベンジル)エーテル、2
−メチルレゾルシンビス(ビニルベンジル)エーテル、
2−タシャリーブチルレゾルシンビス(ビニルベンジ
ル)エーテル、2−ブロモレゾルシンビス(ビニルベン
ジル)エーテル、2−パーフルオロメチルレゾルシンビ
ス(ビニルベンジル)エーテル、2,6−ジメチルレゾ
ルシンビス(ビニルベンジル)エーテル、2,6−ジブ
ロモレゾルシンビス(ビニルベンジル)エーテル、2,
6−ジタシャリーブチルレゾルシンビス(ビニルベンジ
ル)エーテル、2,3,5,6−テトラブロモレゾルシ
ンビス(ビニルベンジル)エーテル、1,6−ジヒドキ
シナフタレンビス(ビニルベンジル)エーテル、2,7
−ジヒドキシナフタレンビス(ビニルベンジル)エーテ
ル、エチレングリコールビス(ビニルベンジル)エーテ
ル、プロピレングリコールビス(ビニルベンジル)エー
テル、ジエチレングリコールビス(ビニルベンジル)エ
ーテル、ジプロピレングリコールビス(ビニルベンジ
ル)エーテル、トリエチレングリコールビス(ビニルベ
ンジル)エーテル、トリプロピレングリコールビス(ビ
ニルベンジル)エーテル等が挙げられる。
【0011】化合物(B)自体は、例えばメタクロロメ
チルスチレン、パラクロロスチレン等に、二つのアルコ
ール性水酸基を有する化合物または二つのフェノール性
水酸基を有する化合物をウイリアムソン反応で結合させ
てやれば容易に得ることができる。通常二つのアルコー
ル性水酸基を有する化合物を用いる場合は水酸化アルカ
リや水素化アルカリ等を、二つのフェノール性水酸基を
有する化合物を用いる場合は炭酸アルカリ等をクロロメ
チルスチレンとの縮合触媒として用いる。勿論二つのフ
ェノール性水酸基を有する化合物を用いる場合は、これ
をフェノラートとして反応させることができる。
【0012】上記化合物(B)には必要に応じて公知慣
用のその他のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも2
個有する化合物を併用してもよい。この際のその他の化
合物としては、例えばジビニルベンゼン、アルキルジビ
ニルベンゼン、ジアリルフタレート等の芳香族ジビニル
化合物、グリセロールジアリルエーテルやトリメチロー
ルプロパントリアクリレート等の脂肪族ジビニル化合物
などが挙げられる。その他の化合物としては、作業性等
をより良好にできる点でジビニルベンゼンが好ましい。
その他の化合物は単独のみならず、2種以上を混合して
使用することもできる。
【0013】なお、さらに必要に応じて他の反応性第三
成分も併用することができる。第三成分としては、例え
ばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、モノブ
ロモスチレン等の芳香族モノビニル化合物、(メタ)ア
クリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等の脂肪族モノビニル化合物が挙げられる。
なかでもこれら第三成分も単独のみならず、2種類以上
混合して使用することもできる。
【0014】本発明に係る合成樹脂(I)を製造する際
の化合物(B)の使用量は、特に制限されるものではな
く、用いる芳香族炭化水素(A)によって適宜選択して
最適値を決定するべきであるが、通常芳香族炭化水素
(A)のモル数に対して通常0.3〜0.9モル、特に
好ましくは0.5〜0.8モルである。
【0015】芳香族炭化水素(A)と化合物(B)との
反応温度は特に限定するものではないが、合理的に短時
間とするためには110℃以上にするのがよい。本発明
に係る合成樹脂(I)を製造するに当たっては、必要に
応じて触媒を用いてもよい。この際に用いられる触媒と
しては、例えば塩化アルミニウム、塩化第一錫のごとき
金属塩化物や、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸、ベン
ゼンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸のごとき
有機スルフォン類、酢酸、しゅう酸、マレイン酸のごと
き有機カルボン酸などが使用できる。これらの触媒は2
種類以上混合して使用することも可能である。
【0016】触媒としては、短時間で反応を終了できる
とともに、分子量分布の広がりが狭い合成樹脂(I)を
得ることができる点で、フリーデルクラフツ触媒である
金属塩化物や、無機強酸、有機スルフォン酸類を使用す
ることが好ましい。
【0017】触媒の使用量は、特に制限されものではな
く、その種類によっても異なるが、短時間で反応が完了
でき、しかもその反応が穏和で反応制御が容易な点で、
芳香族炭化水素(A)の100重量部当たり0.1〜
5.0重量部が好ましい。
【0018】上記反応は無溶媒下で行ってもよいが、有
機溶媒の存在下で行ってもよい。有機溶媒としては、公
知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばトルエ
ン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ソルベッソ等が挙げられる。有機溶媒として
は、芳香族炭化水素(A)、化合物(B)及びそれらの
反応生成物たる合成樹脂(I)のいずれも溶解できるも
のが好適である。
【0019】本発明に係る合成樹脂(I)のうち、例え
ば、芳香族炭化水素(A)としてフェノールを用い、か
つ化合物(B)としてヒドロキノンビス(ビニルベンジ
ル)エーテルのみを用いた場合の合成樹脂(I)は、次
の構造のものである。
【0020】
【化7】
【0021】(但し、nは1〜6である。)上記本発明
の合成樹脂の製造方法は、芳香族炭化水素(A)と化合
物(B)とを付加した構造の合成樹脂を得るのが目的で
あり、その結果、化合物(B)のビニル結合が開環し、
そのβ位が芳香族炭化水素(A)の芳香環と結合するこ
とになり、側鎖にメチル基を有する合成樹脂が得られる
のである。
【0022】本発明に係る合成樹脂(I)は、単独でエ
ポキシ樹脂硬化剤として用いることができる。必要に応
じて公知慣用のエポキシ樹脂硬化剤と併用してもよい。
公知慣用のエポキシ樹脂硬化剤としては、例えばジシア
ンジアミド、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドポ
リアミン、マンニッヒ生成物、フェノールノボラック樹
脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボ
ラック樹脂、臭素化フェノールノボラック樹脂、
【0023】
【化8】
【0024】(但し、いずれもnは1〜6の整数であ
る。)等が挙げられる。例えばこの硬化剤とエポキシ樹
脂と混合して用いることにより硬化性エポキシ樹脂組成
物を調製することができる。
【0025】本発明に係るエポキシ樹脂組成物を調製す
るに当たり用いるエポキシ樹脂は、特に制限されるもの
ではないが、例えばビスフェノールFやビスフェノール
A等のビスフェノール類を出発原料とするビスフェノー
ルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、通常のフェノ
ールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹
脂、臭素化フェノールノボラック樹脂、
【0026】
【化9】
【0027】(但し、いずれもnは1〜6の整数であ
る。)を出発原料とするノボラック型多官能エポキシ樹
脂、ジフェニルメタンジアミンテトラグリシジルエーテ
ル、シクロヘキサンジアミンテトラグリシジルエーテル
等のグリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂を始め、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ
化SBR、エポキシ化大豆油等の脂肪族エポキシ樹脂等
が挙げられる。
【0028】エポキシ樹脂組成物の配合割合は組成配合
物によって異なるが、一般的に硬化剤たる合成樹脂
(I)のフェノール性水酸基と、エポキシ樹脂のエポキ
シ基の割合を当量比にて配合すべきものである。
【0029】尚、エポキシ樹脂組成物を硬化架橋させる
際の硬化促進剤としては、一般的に用いられているもの
が使用することができるが、例えばN−メチルイミダゾ
ールのごときイミダゾール類、トリエチルアミンのよう
な3級アミン類、トリフェニルフォスフィンのようなリ
ン系化合物等が挙げられる。
【0030】硬化物として高度物性が要求される場合に
は、本発明に係る合成樹脂(I)と、それにエピハロヒ
ドリンを反応せしめて得られるエポキシ樹脂とを組み合
わせることが好ましい。この組み合わせは、電気絶縁積
層板を製造するのに特に適した組成である。
【0031】又、本発明のエポキシ樹脂組成物には、エ
ポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させた構造のい
わゆるエポキシアクリレートや、ジビニルベンゼン、ア
ルキルジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の芳香
族ジビニル化合物、グリセロールジアリルエーテルやト
リメチロールプロパントリアクリレート等の脂肪族ジビ
ニル化合物、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、モノブロモスチレン等の芳香族モノビニル化合物、
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル
酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等の脂肪族モノビニル化合物、並
びに必要に応じてこれらを重合しうる熱重合開始剤や光
重合開始剤を添加して、活性エネルギー線と熱とを併用
して組成物の硬化を行うこともできる。
【0032】本発明に係る合成樹脂をエポキシ樹脂硬化
剤として用いると、その硬化物は可とう性が従来のもの
に比べ高く、歪が少ない硬化物が得られる。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物には、必要に応じて充填剤、カップリ
ング剤、難燃剤、滑剤、離型剤、可塑剤、着色剤、増粘
剤等の各種添加剤を添加して用いてもよい。
【0033】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、例え
ば銅張り電絶積層板及びその前駆体たるプリプレグ、被
覆材、コーティング剤、成形材料等、従来通常のノボラ
ック系樹脂をエポキシ樹脂硬化剤として使用してきた用
途分野において性能を向上させることが期待できるもの
である。
【0034】一方本発明に係る合成樹脂(I)は、例え
ばヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤と組み合わせて
鋳物用結合剤、研削砥石用結合剤、ガラス繊維や炭素繊
維用結合材、耐火物用結合剤、ブレーキライニング用結
合剤、クラッチフェーシング用結合剤、家庭用、航空機
用壁装材、断熱材、フェノールフォーム用原料、浴槽、
防水パン、流し台、波板、貯水漕、プレジャーボート用
材料として使用できる。
【0035】
【実施例】以下に合成例と実施例をあげて本発明を説明
する。なお例中の部および%はすべて重量基準とする。 実施例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び、触媒として塩化アルミニウムを4.7g
加え、90℃まで昇温した。ヒドロキノンビス(ビニル
ベンジル)エーテルを少量ずつ加えて140℃まで発熱
の利用により昇温させる。135〜145℃に温度を保
ちながら約2時間かけて、ヒドロキノンビス(ビニルベ
ンジル)エーテル(総計2325.6g,6.8モル)
を加えた後、3時間反応させ、ノボックタイプの黄色塊
状の合成樹脂を得た。この合成樹脂は可とう性に優れて
いた。この合成樹脂は次の構造を有していると考えられ
た。
【0036】
【化10】
【0037】実施例2 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、メタクレゾール1080
g(10モル)及び、触媒としてパラトルエンスルフォ
ン酸を2.2g加え、100℃まで昇温した。ヒドロキ
ノンビス(ビニルベンジル)エーテルを少量ずつ加えて
150℃まで発熱の利用により昇温させる。145〜1
55℃に温度を保ちながら約2時間かけてヒドロキノン
ビス(ビニルベンジル)エーテル(総計2223g,
6.5モル)を滴下させた後、2時間反応させ、ノボラ
ックタイプの黄色塊状のノボラックタイプの合成樹脂を
得た。
【0038】この合成樹脂は可とう性に優れていた。こ
の合成樹脂は次の構造を有していると考えられた。
【0039】
【化11】
【0040】実施例3 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、レゾルシン1100g
(10モル)及び、触媒としてしゅう酸2水和物を5.
5gと、ヒドロキノンビス(ビニルベンジル)エーテル
2394gを加えて攪拌を開始した。150℃まで発熱
の利用により昇温させる。145〜155℃に温度を保
ちながら約4時間反応させた後、反応容器より取り出
し、ノボラックタイプの黄色塊状の合成樹脂を得た。こ
の合成樹脂は可とう性に優れていた。
【0041】この合成樹脂は、水酸基を2個有するフェ
ノール核、メチルメチレン結合、フェニレン結合、メチ
ルメチレン結合がこの順に結合した繰り返し単位nの両
端に水酸基を2個有するフェノール核が結合した合成樹
脂と推定された。 参考例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び、硫酸ジエチルを1.9g加えた後、滴下
ロートよりパラキシリレングリコールジメチルエーテル
を少量ずつ、計1079g(6.5モル)滴下した。1
50〜160℃に温度を保ちながら約3時間反応させ、
その時間中に理論量のメタノールを遊離させた後、反応
容器より取り出し、融点(キャピラリー法)65℃のノ
ボラックタイプのフェノールアラルキル樹脂を得た。こ
の合成樹脂は、可とう性が不充分であった。この合成樹
脂は、次の様な構造であり、nの平均は3であった。
【0042】
【化12】
【0043】実施例4 上記実施例1にて得られた合成樹脂100部を130℃
に加温して溶融させた後、エポキシ樹脂の硬化促進剤で
あるN−メチルイミダゾール0.1部を加えて、高温下
で均一な溶液を得た。この溶液に予め加温(120℃)
しておいたエポキシ樹脂、エピクロン850(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)を58部混合し、減圧下にて
脱泡処理した後に、それをワッシャーリングが埋没する
様に注型して、150℃にて1時間、さらに180℃に
て2時間熱処理してサンプルを得た。
【0044】このサンプルを250℃×1時間保持した
後、直ちに0℃の水に浸漬するという操作(以下、ヒー
トサイクル試験という。可とう性の評価基準である。)
を5回繰り返して、各回毎にサンプルに亀裂が生じたか
否かを目視観察した。
【0045】このサンプルは、ヒートサイクル試験5回
でも全く亀裂が生じていなかった。 実施例5 上記実施例2にて得られた合成樹脂100部、エピクロ
ン850の57部を用いた以外は実施例4と全く同様な
操作を行い、サンプルを得た。
【0046】このサンプルは、ヒートサイクル試験5回
でも全く亀裂が生じていなかった。 実施例6 上記実施例3にて得られた合成樹脂100部、エピクロ
ン850の108部を用いた以外は実施例4と全く同様
な操作を行い、サンプルを得た。
【0047】このサンプルは、ヒートサイクル試験5回
でも全く亀裂が生じていなかった。 比較例1 ノボラック型フェノール樹脂バーカムTD−2131
(大日本インキ化学工業株式会社製)100部を120
℃に加温して溶融させた後、N−メチルイミダゾール
0.1部を加えて、高温下で均一な溶液を得た。この溶
液に予め加温(100℃)しておいたエピクロン850
を182部混合し、減圧下にて脱泡処理した後に、それ
をワッシャーリングが埋没する様に注型して、150℃
にて1時間、さらに180℃にて2時間熱処理してサン
プルを得た。
【0048】このサンプルは、ヒートサイクル試験1回
で亀裂が生じた。 比較例2 上記参考例1にて得られたフェノールアラルキル樹脂1
00部を130℃に加温して溶融させた後、N−メチル
イミダゾール0.1部を加えて、高温下で均一な溶液を
得た。この溶液に予め加温しておいたエピクロン850
を118部混合した。その他は比較例1と同様な操作を
行いサンプルを得た。
【0049】このサンプルは、ヒートサイクル試験3回
で亀裂が生じた。上記実施例及び比較例から、本発明に
係る合成樹脂をエポキシ樹脂硬化剤を用いて硬化したエ
ポキシ樹脂硬化物は、従来の硬化剤を用いて硬化した硬
化物に比べ可とう性に極めて優れていることが明らかで
ある。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る合成樹脂は、メチルメチレ
ン結合を有する合成樹脂であるので、単なるメチレン結
合を有する合成樹脂に比べて可とう性に優れるという格
別顕著な効果を奏する。従って、本発明の合成樹脂をエ
ポキシ樹脂硬化剤として用いると可とう性に優れたエポ
キシ樹脂硬化物を与える組成物が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール性水酸基を含有する芳香族炭
    化水素に、下記一般式1で示されるエチレン性不飽和二
    重結合を2個有する化合物が付加した構造の合成樹脂か
    らなるエポキシ樹脂硬化剤。 一般式1 【化1】 (但し、R1は置換基を有していてもよいアリーレン基
    またはアルキレンオキサイド重合単位の末端酸素残基で
    ある。)
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキ
    シ樹脂組成物において、硬化剤として、請求項1記載の
    硬化剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール性水酸基を含有する芳香族炭
    化水素に、下記一般式1で示されるエチレン性不飽和二
    重結合を2個有する化合物を反応させる合成樹脂の製造
    方法。 一般式1 【化2】 (但し、R1は置換基を有していてもよいアリーレン基
    またはアルキレンオキサイド重合単位の末端酸素残基で
    ある。)
  4. 【請求項4】 一般式2の化合物にエピハロヒドリンを
    反応させるエポキシ樹脂の製造方法。 一般式2 【化3】 (但し、R1は置換基を有していてもよいアリーレン基
    またはアルキレンオキサイド重合単位の末端酸素残基で
    あり、R2は同一でも異なっていてもよい水素原子、ア
    ルキル基、又は水酸基であり、nは1〜6の整数であ
    る。)
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキ
    シ樹脂組成物において、下記一般式3のエポキシ樹脂を
    用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 一般式3 【化4】 (但し、R1は置換基を有していてもよいアリーレン基
    またはアルキレンオキサイド重合単位の末端酸素残基で
    あり、R2は同一でも異なっていてもよい水素原子、ア
    ルキル基、又は水酸基であり、nは1〜6の整数であ
    る。)
JP15321791A 1991-06-25 1991-06-25 合成樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂の製造方法及びエポキシ樹脂組成物 Pending JPH051131A (ja)

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JP15321791A Pending JPH051131A (ja) 1991-06-25 1991-06-25 合成樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂の製造方法及びエポキシ樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11508947A (ja) * 1995-07-12 1999-08-03 ジョージア−パシフィック・レジンズ・インコーポレーテッド アラルキル化反応によって製造されたフェノール性ポリマー

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JPH11508947A (ja) * 1995-07-12 1999-08-03 ジョージア−パシフィック・レジンズ・インコーポレーテッド アラルキル化反応によって製造されたフェノール性ポリマー

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