JPH051157A - 硬化性プリプレグ及びそれを硬化した成形品 - Google Patents

硬化性プリプレグ及びそれを硬化した成形品

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JPH051157A
JPH051157A JP3243322A JP24332291A JPH051157A JP H051157 A JPH051157 A JP H051157A JP 3243322 A JP3243322 A JP 3243322A JP 24332291 A JP24332291 A JP 24332291A JP H051157 A JPH051157 A JP H051157A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形時にガス抜きが不要で、有害なガスを発生
せず、硬化時に収縮が少なくしかも、吸水性の著しく少
ない成形品が得られる硬化性プリプレグを得る。 【構成】フェノールとホルムアルデヒド水溶液とを、し
ゅう酸触媒の存在下で反応せしめ、しゅう酸を水洗除去
したノボラック型芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹
脂100重量部に、硬化剤としてジビニルベンゼン65
重量部と、触媒としてキシレンスルホン酸を加えた硬化
性の合成樹脂組成物にメチルエチルケトンを加えた溶液
をガラス不織布に含浸させて、80℃で10分間乾燥さ
せて得る。これを8枚重ね合わせて加熱加圧成形して、
ガラス繊維電気絶縁積層板を得る。 【効果】成形時にガス抜きが不要で、有害なガスを発生
せず、硬化時に収縮が少ない硬化性プリプレグが得られ
た。このプリプレグを硬化した電気絶縁積層板は吸水性
が著しく少なかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性プリプレグ及び
それを硬化してなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
チレンテトラミンとを必須成分としたものやレゾール型
フェノール樹脂等の硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸
し、乾燥させて、B−ステージ化した熱硬化性プリプレ
グはよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記プリ
プレグは、成形時にガス抜きが必要であったり、有害な
ガスを発生したり、硬化時に収縮が起こるという欠点が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
実状に鑑みて鋭意検討したところ、意外にもヘキサメチ
レンテトラミンに代えてエチレン性不飽和二重結合を少
なくとも2個有する化合物をノボラック型芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂の硬化剤として用いると、成
形時にガスの発生がなく成形時の作業性が良好になると
共に、より少ないエネルギー量でプリプレグを熱硬化で
き成形品が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】即ち本発明は、繊維基材にノボラック型芳
香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂(A)と、エチレ
ン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物
(B)とを必須成分として含浸せしめて得られた硬化性
プリプレグ及び当該プリプレグを所望の形状に保持し、
熱硬化してなる成形品を提供するものである。
【0006】本発明の硬化性プリプレグに含浸する硬化
性樹脂組成物を調製するのに用いられるノボラック型芳
香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂(A)は、特に限
定するものではないが、好ましくは数平均分子量が、2
00〜2000のもので、さらに好ましくは、300〜
900のものである。
【0007】この様な樹脂(A)としては、例えばノボ
ラック型フェノール系樹脂があげられる。
【0008】ノボラック型フェノール系樹脂としては、
ホルムアルデヒド供給物質とフェノールとを、しゅう
酸、塩酸や硫酸等の酸触媒の存在下、そのモル比が0.
7〜1.0となる様にして反応せしめた従来のフェノー
ルノボラック樹脂、ホルムアルデヒド供給物質とフェノ
ールとを、酢酸亜鉛、ホウ酸マンガン等の金属塩や酸化
鉛、酸化亜鉛等の金属酸化物触媒の存在下、そのモル比
が0.7〜1.0となる様にして反応せしめたオルソ配
向の高いフェノールノボラック樹脂、ホルムアルデヒド
供給物質とo−クレゾールとを、しゅう酸、塩酸や硫酸
等の酸触媒の存在下、そのモル比が0.7〜1.0とな
る様にして反応せしめた従来のクレゾールノボラック樹
脂、ホルムアルデヒド供給物質とm−クレゾールとを、
しゅう酸、塩酸や硫酸等の酸触媒の存在下、そのモル比
が0.7〜1.0となる様にして反応せしめたオルソ配
向性の高いクレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0009】そのほかのノボラック型芳香族炭化水素−
ホルムアルデヒド樹脂としては、キシレン−ホルムアル
デヒド樹脂のような芳香族炭化水素樹脂、キシレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂とフェノールの反応生成物が挙げら
れる。
【0010】本発明においては、フェノールとジメトキ
シキシリレンとの反応によって得られる、
【化1】 の様なフェノールアラルキル樹脂、フェノールとジビニ
ルベンゼンとの反応によって得られる、
【化2】 の様なフェノールアラルキル樹脂、フェノールとジシク
ロペンタジエンの反応によって得られるフェノール−ジ
シクロペンタジエン樹脂、パラビニルフェノールやイソ
プロペニルフェノール等を重合させて得られる樹脂等も
ノボラック型芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂
(A)に包含される。樹脂(A)はそれぞれ更に変性さ
れたものも使用することが出来、更に数種類のものを混
合して用いてもよい。
【0011】本発明に係る樹脂(A)は、一般的に言わ
れているメチレン結合のみにて芳香族炭化水素が結合し
ているものだけでなく、メチレン結合及びジメチレンエ
ーテル結合により芳香族炭化水素が結合しているものも
用いることができる。
【0012】樹脂(A)としては、例えばフェノール性
水酸基のオルソ位置同志でメチレン結合或いはジメチレ
ンエーテル結合により芳香族炭化水素が多く結合してい
る、ハイオルソフェノールノボラック樹脂(オルソ配向
性の高いフェノールノボラック樹脂をいう。以下、「ハ
イオルソ」とはオルソ配向性が高いことを意味するもの
とする。)と、メタ位に置換基を持つフェノールから合
成されるフェノールノボラック樹脂が、なかでも特にオ
ルソとパラ位置の配向性(o/p比)が4以上のもの
が、エチレン性二重結合との相溶性が良好であり、後記
する硬化剤(B)に均一に混合することが容易な点で好
ましい。
【0013】これらのノボラック型芳香族炭化水素−ホ
ルムアルデヒド樹脂(A)は、公知慣用の方法で製造で
きる。例えば芳香族炭化水素とホルムアルデヒド供給物
質とを必要に応じて触媒の存在下、脱水縮合させてやれ
ば容易に得られる。
【0014】本発明で用いられる芳香族炭化水素として
は、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばフ
ェノールや、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビ
スフェノールAF等のビスフェノール類、クレゾール、
P−ターシャリーブチルフェノールのごときアルキル置
換フェノール類、ブロモフェノール等のハロゲノフェノ
ール類、レゾルシン等のフェノール性水酸基を2個以上
含有する芳香族炭化水素、1−ナフトール、2−ナフト
ール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン等のナフトール類等のフェノール性
水酸基を有する芳香族炭化水素、或いはキシレン、ジメ
トキシキシリレン、パラビニルフェノール、イソプロペ
ニルフェノール等が挙げられる。これらの芳香族炭化水
素は単独のみならず、これらの化合物を2種類以上を混
合して使用してもよい。
【0015】必要に応じて、更にフルフラール、尿素、
メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等を併
用してもよい。
【0016】ホルムアルデヒド供給物質としては、一般
に知られているものがいずれも使用できるが、例えばホ
ルムアルデヒド水溶液や、パラホルムアルデヒドが使用
できる。
【0017】樹脂(A)の製造時に必要に応じて用いら
れる触媒も一般に知られているものがいずれも使用でき
る。
【0018】本発明の硬化性プリプレグを製造するに当
たり、繊維基材に含浸すべき硬化性樹脂組成物を調製す
るに際に用いるエチレン性不飽和二重結合を少なくとも
2個有する化合物(B)としては、公知慣用のものがい
ずれも使用できるが、例えばジビニルベンゼン、アルキ
ルジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ビスフェノ
ールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ
(メタ)アクリレート等の芳香族ジビニル化合物、グリ
セロールジアリルエーテル、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート等のごとき脂肪族ジビニル化合物等が挙げられ
る。化合物(B)としては、樹脂(A)との反応性や組
成物調製時の作業性等に優れる点で芳香族ジビニル化合
物、特にジビニルベンゼンが好ましい。なお、化合物
(B)は単独使用のみならず、2種類以上を混合して用
いてもよい。
【0019】化合物(B)には、必要に応じて他の反応
性第三成分も併用することができる。第三成分として
は、例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、モノブロモスチレン等の芳香族モノビニル化合物、
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル
酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等の脂肪族モノビニル化合物が挙
げられる。これら第三成分も単独のみならず、2種類以
上混合して使用することもできる。
【0020】本発明において繊維基材に含浸する硬化性
樹脂組成物は、樹脂(A)と硬化剤(B)とを必須成分
として混合すれば容易に得られる。樹脂(A)と化合物
(B)との混合割合は、特に限定されるものではなく、
使用する樹脂(A)と化合物(B)の種類によって適宜
選択すればよいが、樹脂(A)中の芳香族炭化水素骨格
の反応位置の個数(例えばフェノールの場合にはオルト
位とパラ位が相当し、反応位置の個数は2である。)に
対して、樹脂(A)中の結合基であるメチレン基と、化
合物(B)のエチレン性不飽和二重結合の合計を当量付
近にすべきものである。好ましくは、1.2当量〜0.
8当量の範囲である。
【0021】樹脂(A)と化合物(B)は常温で混合し
てもよいし、加熱下に混合してもよいが、できるだけ常
温付近で行うことが発熱が少なく安全性が高い点で好ま
しい。樹脂(A)中にフェノール性水酸基を有する芳香
族炭化水素が含有されている場合は、それが重合禁止剤
として働くので、常温でも加熱下でも混合が可能であ
る。
【0022】上記硬化性樹脂組成物を調製する際には、
必要に応じて、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤と
しては、例えばトルエン、キシレン、ターペン、メタノ
ール、メチルエチルケトン等が挙げられる。
【0023】オルソ配向性の高いフェノールノボラック
樹脂を製造するに当たっては、芳香族炭化水素中で上記
した原料を反応させるのが好ましい。
【0024】上記硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)を製
造した後、直ちに同一反応器中に化合物(B)を加えて
混合してもよいし、樹脂(A)を反応器より一旦取り出
して、新たに別容器中で樹脂(A)と化合物(B)とを
混合してもよい。
【0025】またこれらの硬化性樹脂組成物は、必要に
応じて硬化促進剤を添加して、常温もしくは加熱するこ
とにより、それ自体硬化させることが出来る。
【0026】硬化促進剤としては、塩化アルミニウム、
塩化第一錫のごとき金属塩化物や、硫酸、塩酸、リン酸
等の無機酸、ベンゼンスルフォン酸、パラトルエンスル
フォン酸のごとき有機スルフォン酸類、酢酸、しゅう
酸、マレイン酸のごとき有機カルボン酸などが使用でき
る。硬化促進剤としては、均一に混合された組成物が容
易に得られ、また硬化速度の調整が容易である点で、有
機スルフォン酸が好ましい。硬化促進剤は単独での使用
のみならず、2種類以上を混合して使用してもよい。硬
化促進剤の使用量は、制限されるものではないが硬化剤
重量の0.1〜5.0重量%が好ましい。
【0027】硬化促進剤としては、さらに例えば上記し
た様なノボラック型芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド
樹脂から誘導されるスルフォン化物も使用することが出
来る。また、亜リンモノフェニルのような亜リン酸エス
テル、硫酸や有機スルフォン酸から誘導されるエステル
類、例えばp−トルエンスルフォン酸メチル、塩化アン
モニウム等の塩、或いはこれらのハロゲン化物で代表さ
れる、所定温度で分解して酸性成分を生成する所謂潜在
性触媒を併用してもよい。
【0028】硬化性樹脂組成物には、そのほかの合成樹
脂や、充填剤、顔料、発泡剤、難燃剤、シランカップリ
ング剤、離型剤、滑剤、可塑剤等の公知慣用の添加剤を
加えて用いてもよい。
【0029】これらの添加剤は単独での使用はもとよ
り、2種類以上の混合での使用も可能であり、また、そ
の使用量も用途、要求性能によって調整させるべきもの
である。
【0030】その他の合成樹脂としては、レゾール型フ
ェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂とスルホン酸
類との混合物、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
チレンテトラミンとの混合物、メラミン系樹脂、尿素系
樹脂等が挙げられる。
【0031】充填剤としては、公知慣用のものがいずれ
も使用できるが、例えばシリカ、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニューム、タルク、クレー、黒鉛等があげられ
る。
【0032】尚、軽量成型体を作製する際には、火山灰
やフェノールバルーンのような軽量骨材を充填剤として
使用してもよい。
【0033】発泡剤としては、例えばペンタン等の炭化
水素が内包された塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体の様な、加熱によりその粒子の殻部が軟化し内部
に充填された気体が膨張する膨張性熱可塑性樹脂粒子、
ジニトロペンタメチレンテトラミン、パラトルエンスル
ホニルヒドラジッド等の化学発泡作用をする有機発泡剤
が挙げられる。
【0034】難燃剤としては、例えば三酸化アンチモ
ン、リン酸系化合物等の無機難燃剤、テトラブロモビス
フェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、パーフ
ルオクチルスルホン酸等の有機難燃剤等が挙げられる。
【0035】シランカップリング剤としては、例えばエ
ポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メルカ
プトシラン等が挙げられる。
【0036】繊維基材としては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば、ガラス繊維、セラミック繊
維、石綿繊維、炭素繊維、ステンレス繊維のような無機
繊維、綿、麻のような天然繊維、ポリエステル、ポリア
ミドのような合成有機繊維等があげられる。繊維基材の
形状に関しても、何ら限定するものではなく、短繊維、
長繊維、ヤーン、マット、シート等どのようなものでも
よい。
【0037】本発明の硬化性プリプレグは、例えば繊維
基材に樹脂(A)と化合物(B)とを必須成分として、
必要に応じて硬化促進剤もしくは潜在性触媒とを混合せ
しめた硬化性樹脂組成物を含浸せしめて、これを常温〜
150℃で所定の時間加熱乾燥して、B−ステージ化さ
せれば容易に製造できる。
【0038】硬化性樹脂組成物の含浸方法は特に限定さ
れないが、例えばディッピング、ロールコーター、キッ
スコーター等の周知一般の方法がいずれも採用できる。
【0039】硬化性樹脂組成物が含浸された繊維基材の
B−ステージ化は、例えば熱風を当ててもよいし、遠赤
外線やマイクロ波を照射して行ってもよい。エネルギー
線照射設備が不要で簡便な方法は、通常常温〜150℃
で所定の時間加熱乾燥してB−ステージ化させる方法で
あり、なかでも70〜90℃で5分〜1時間乾燥するこ
とがこの方法においては好ましい。この時の加熱時間は
硬化促進剤の量や乾燥温度によって適宜調節することが
好ましい。
【0040】本発明の硬化性プリプレグは、バッチ式で
もSMC(シートモールディングコンパウンド)製造時
でよく用いられるベルト乾燥機を利用した連続式によっ
ても作製可能である。
【0041】本発明のプリプレグの成形方法に関しては
特に限定するものではないが、通常所望の形状に保持
し、加熱により、常圧もしくは加圧下にて熱硬化させる
ことができる。
【0042】成形時の条件は、プリプレグ中の硬化性樹
脂組成物が硬化する条件であればよく、例えば130〜
200℃で3分〜1時間加熱すればよい。
【0043】この成形時においては、本発明の硬化性プ
リプレグを複数枚重ね合わせてから硬化成形して積層板
としてもよいし、硬化性プリプレグの少なくとも片面に
銅箔やアルミ箔等の金属箔を置いて硬化成形して金属箔
張板としてもよい。
【0044】本発明の硬化性プリプレグを製造するに当
たり用いられる硬化性樹脂組成物は、一方では例えば、
各種成形材料、ガラス繊維集束剤、鋳物砂用結合剤、研
削砥石用結合剤、接着剤、摩擦材用結合剤、耐火材用結
合剤、断熱材用結合剤、フォーム材料、レジンコンクリ
ート、ゴム補強剤、各種用途向けの塗料、コーティング
剤等、従来ノボラック樹脂を利用していた分野だけでな
く、レゾール型フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等を使用してきた分野においても使用することが出
来、性能を向上させることが期待出来る。
【0045】上記した本発明で用いる硬化性樹脂組成物
は、組成物単独もしくは上記繊維基材や添加剤等との複
合によってプリプレグを予め製造して架橋硬化させ成形
するという方法のみならず、射出成形法、RIM法(リ
アクティブ・インジェクション・モールディング)、S
MC法、ハンドレイアップ法、引き抜き成形法等の方法
で硬化させても成形品を得ることができる。
【0046】このようにして得られた本発明の硬化性プ
リプレグは、硬化成形時にガス抜きが不要であり、有害
なガスは発生せず、硬化時の収縮も非常に少なく、得ら
れた成形品も吸水性が著しく小さいという効果がある。
それと同時にその成形品は、従来フェノール樹脂を用い
た成形品の長所である難燃性、低発煙性、耐熱性、強
度、歪、色調にも優れているものである。
【0047】
【実施例】以下にノボラック型フェノール樹脂の合成例
と、硬化性樹脂組成物の調製、さらには含浸後Bステー
ジ化して作製したプリプレグの特性と成形品の物性をあ
げて本発明を説明する。なお例中の部および%はすべて
重量基準とする。
【0048】合成例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び41%ホルムアルデヒド水溶液506g
(7モル)を加え攪拌を開始した。触媒としてしゅう酸
2水和物を4.7g加え、還流温度まで昇温した。5時
間還流下にて反応させた後、90℃まで冷却して、攪拌
を停止した。分離した上層である水層を抜き取り、さら
に、水を追加して同様な操作にて触媒であるしゅう酸を
洗浄分離した。その後、樹脂層を加熱して残留水分を除
去して150℃まで昇温した。150℃にて、減圧下で
遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出
し、融点(キャピラリー法)80℃の固形ノボラック型
フェノール樹脂を得た。
【0049】合成例2 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び80%パラホルムアルデヒドを281g
(7.5モル)、更にキシレンを470g加え攪拌を開
始した。触媒として酢酸亜鉛2水和物を4.7g加え、
還流温度まで昇温した。5時間還流下にて反応させた
後、蒸留を開始して水と溶剤であるキシレンを除去しつ
つ、130℃まで昇温した。130℃にて1時間保持し
た後、蒸留しながら150℃まで昇温した。さらに減圧
下で遊離フェノールを一部除去した後、析出した触媒を
濾過しながら取り出し、融点58℃の固形ハイオルソノ
ボラック型フェノール樹脂を得た。
【0050】合成例3 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口2リットルフラスコに、メタクレゾール1080
g(10モル)及び41%ホルムアルデヒド水溶液50
6g(7.5モル)を加え攪拌を開始した。触媒として
50%パラトルエンスルフォン酸水溶液を2.7g加
え、還流温度まで昇温した。3時間還流下にて反応させ
た後、50%水酸化ナトリウム水溶液を0.57g加え
中和した。その後、脱水を開始して水を除去しつつ、1
70℃まで昇温した。さらに減圧下で遊離メタクレゾー
ルを一部除去した後、反応容器より取り出し、融点75
℃の固形ノボラック型メタクレゾールタイプフェノール
樹脂を得た。
【0051】実施例1 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂の1
00部に対して、硬化剤であるジビニルベンゼン75部
を50℃にて溶解させて、粘度210cps(25℃)
の均一な黄褐色液を得た。これにキシレンスルホン酸
0.5部を添加して合成樹脂組成物を得た。上記の合成
樹脂組成物100部に、溶剤としてメチルエチルケトン
100部を加えて調整した溶液を、ガラス不織布(日本
バイリーン製;キュムラス5003)に樹脂付着量75
%になるように含浸させ、80℃の乾燥器にて10分乾
燥させて、硬化性プリプレグを得た。このプリプレグを
8枚重ね合わせ20Kg/cm2の圧力下、150℃に
て10分間圧縮成形してガラス繊維電気絶縁積層板を得
た。この積層板の性能を表−1に示した。
【0052】比較例1 合成例1にて得られたノボラック型芳香族炭化水素−ホ
ルムアルデヒド樹脂の100部に対して、硬化剤である
ヘキサメチレンテトラミンを10部を混合し、粉砕して
粉末樹脂組成物を得た。この組成物は80℃1時間では
反応が進行しないため、150℃で1時間反応させ、硬
化物を得た。しかしながら、硬化時には、臭気のあるガ
スの発生が著しく作業性が極めて悪かった。しかも硬化
物中には、気泡が多量に残留しており、その曲げ強度、
曲げ弾性率、吸湿性は、実施例1の組成物の硬化物より
かなり劣っていた。上記の粉末樹脂組成物100部に、
溶剤としてメチルエチルケトンを100部を加えて溶解
調製した溶液を用い、硬化時間を1時間とするようにし
た以外は、実施例1と同様にして電気絶縁積層板を得
た。この積層板の性能を表−1に示した。
【0053】実施例2 合成例2にて得られたノボラック型芳香族炭化水素−ホ
ルムアルデヒド樹脂の100部に対して、硬化剤のジビ
ニルベンゼン75部を50℃にて溶解させて、粘度15
0cps(25℃)の均一な黄褐色液を得た。これにキ
シレンスルホン酸を0.5部を添加して合成樹脂組成物
を得た。上記の合成樹脂組成物100部に、溶剤として
メチルエチルケトン100部を加えて調整した溶液をを
用いた以外は実施例1と全く同様な操作を行い、電気絶
縁積層板を得た。この積層板の性能を表−1に示した。
【0054】実施例3 合成例3にて得られたノボラック型芳香族炭化水素−ホ
ルムアルデヒド樹脂の100部に対して、硬化剤のジビ
ニルベンゼン75部を50℃にて溶解させて、粘度19
0cps(25℃)の均一な黄褐色液を得た。これにキ
シレンスルホン酸を0.5部を添加して合成樹脂組成物
を得た。上記の合成樹脂組成物100部に、溶剤としメ
チルエチルケトン100部を加えて調整した溶液を用い
た以外は実施例1と全く同様な操作を行い、積層板を得
た。この積層板の性能を表−1に示した。尚、実施例
1、2及び3のプリプレグは、いずれも硬化成形時にガ
スの発生がなかった。表中の*1)及び*2)はそれぞ
れ沸騰水2時間放置後、4時間放置後の重量増加率を表
わす。
【0055】
【表1】
【0056】表−1から明らかなように本発明の硬化性
プリプレグの硬化物たる成形品は、従来のものに比べて
それぞれ格段に吸水性が低いことがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明の硬化性プリプレグは、硬化性樹
脂組成物中の硬化剤として、エチレン性不飽和二重結合
を少なくとも2個有する化合物を用いているので、ガス
の発生無しに、しかも従来よりも低エネルギー量で硬化
させることが可能である。しかも得られたプリプレグを
硬化させた成形品は、極めて低吸水性であり、いわゆる
従来のノボラック型フェノール樹脂を用いて作製したプ
リプレグを成型した硬化物の長所である難燃性、低発煙
性、耐熱性、強度などを保つと同時に欠点である吸水
性、作業性、硬化性、成形性、収縮性、歪、色調等をも
解決するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材にノボラック型芳香族炭化水素
    −ホルムアルデヒド樹脂(A)と、エチレン性不飽和二
    重結合を少なくとも2個有する化合物(B)とを必須成
    分として含浸せしめて得られた硬化性プリプレグ。
  2. 【請求項2】 プリプレグが、ノボラック型芳香族炭化
    水素−ホルムアルデヒド樹脂(A)と、エチレン性不飽
    和二重結合を少なくとも2個有する化合物(B)とを繊
    維基材に含浸し、常温〜150℃で乾燥し、B−ステー
    ジ化したものである請求項1記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の硬化性プリプレグを所望
    の形状に保持し、熱硬化してなる成形品。
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