JP3206672B2 - エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物Info
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Description
びエポキシ樹脂組成物に関する。
ノボラック型フェノール樹脂が用いられてきている。通
常のノボラック型フェノール樹脂の他に構造が似ている
ものとして、特公昭48−10960号公報に、フェノ
ールに1,4−ジ(メトキシメチル)ベンゼンを反応さ
せて得られる、フェノール核、メチレン基、ベンゼン
核、メチレン基がこの順に連結した構造を繰り返し単位
とする下記構造の合成樹脂が記載されている。
報に記載されている繰り返し単位からなる合成樹脂はエ
ポキシ樹脂硬化剤として用いた場合、得られるエポキシ
樹脂硬化物は吸水性が高く、耐水性が不十分であった。
鑑み鋭意検討したところ、フェノール性水酸基を含有す
る芳香族炭化水素の芳香環上の水素原子が、エチレン性
不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物のエチレ
ン性不飽和二重結合のα位炭素に付加しており、かつ化
合物の開裂したエチレン性不飽和二重結合のβ位炭素
が、前記化合物のエチレン性不飽和二重結合のα位炭素
への付加により空位となった芳香環上の炭素原子に付加
した構造の合成樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として用い
た時、得られる硬化物が、著しく耐水性に優れることを
見出し本発明を完成するに至った。
する芳香族炭化水素(A)の芳香環上の水素原子が、エ
チレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物
(B)のエチレン性不飽和二重結合のα位炭素に付加し
ており、かつ化合物(B)の開裂したエチレン性不飽和
二重結合のβ位炭素が、前記化合物(B)のエチレン性
不飽和二重結合のα位炭素への付加により空位となった
芳香環上の炭素原子に付加した構造の合成樹脂からなる
エポキシ樹脂硬化剤、及び、エポキシ樹脂と硬化剤とか
らなるエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、フ
ェノール性水酸基を含有する芳香族炭化水素(A)の芳
香環上の水素原子が、エチレン性不飽和二重結合を少な
くとも2個有する化合物(B)のエチレン性不飽和二重
結合のα位炭素に付加しており、かつ化合物(B)の開
裂したエチレン性不飽和二重結合のβ位炭素が、前記化
合物(B)のエチレン性不飽和二重結合のα位炭素への
付加により空位となった芳香環上の炭素原子に付加した
構造の合成樹脂を用いることを特徴とするエポキシ樹脂
組成物、を提供するものである。
る芳香族炭化水素にエチレン性不飽和二重結合を少なく
とも2個有する化合物が付加した構造の合成樹脂〔以
下、単に合成樹脂(I)という。〕は、フェノール系水
酸基を含有する芳香族炭化水素(A)と、エチレン性不
飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物(B)とを
付加反応させれば容易に製造できる。
含有する芳香族炭化水素(A)の芳香環上の水素原子
が、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する
化合物(B)のエチレン性不飽和二重結合のα位炭素に
付加してメチル基を生成する過程と、前記化合物
(B)の開裂したエチレン性不飽和二重結合のβ位炭素
が、前記化合物(B)のエチレン性不飽和二重結合のα
位炭素への付加により空位となった芳香環上の炭素原子
に付加する過程、の両方が生起することにより行われ
る。しかしながら、とのどちらの過程が先に起こる
かは特に重要ではない。
含有する芳香族炭化水素(A)としては、公知慣用のも
のがいずれも使用できるが、例えばフェノールや、ビス
フェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールAF
等のビスフェノール類、クレゾール、P−ターシャリー
ブチルフェノールのごときアルキル置換フェノール類、
ブロモフェノール等のハロゲノフェノール類、レゾルシ
ン等のフェノール性水酸基を2個以上含有する芳香族炭
化水素、1−ナフトール、2−ナフトール、1,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン等のナフトール類などが挙げられる。これらの芳香族
炭化水素は単独のみならず、2種類以上を混合して用い
ることも可能である。
結合を少なくとも2個有する化合物(B)としては公知
慣用のものがいずれも使用できるが、例えばジビニルベ
ンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト等の芳香族ジビニル化合物、グリセロールジアリルエ
ーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等の
脂肪族ジビニル化合物などが挙げられる。化合物(B)
としては、反応性や作業性等に優れる点で芳香族ジビニ
ル化合物、なかでもジビニルベンゼンが特に好ましい。
化合物(B)は単独のみならず、2種以上を混合して使
用することもできる。
の反応性第三成分も併用することができる。第三成分と
しては、例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチ
レン、モノブロモスチレン等の芳香族モノビニル化合
物、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アク
リル酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等の脂肪族モノビニル化合物
が挙げられる。なかでもこれら第三成分も単独のみなら
ず、2種類以上混合して使用することもできる。
の化合物(B)の使用量は、特に制限されるものではな
く、用いる芳香族炭化水素(A)によって適宜選択して
最適値を決定するべきであるが、通常芳香族炭化水素
(A)のモル数に対して通常0.3〜0.9モル、特に
好ましくは0.5〜0.8モルである。
反応温度は特に限定するものではないが、合理的に短時
間とするためには110℃以上にするのがよい。本発明
に係る合成樹脂(I)を製造するに当たっては、必要に
応じて触媒を用いてもよい。この際に用いられる触媒と
しては、例えば塩化アルミニウム、塩化第一錫のごとき
金属塩化物や、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸、ベン
ゼンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸のごとき
有機スルフォン類、酢酸、しゅう酸、マレイン酸のごと
き有機カルボン酸などが使用できる。これらの触媒は2
種類以上混合して使用することも可能である。
とともに、分子量分布の広がりが狭い合成樹脂(I)を
得ることができる点で、フリーデルクラフツ触媒である
金属塩化物や、無機強酸、有機スルフォン酸類を使用す
ることが好ましい。
く、その種類によっても異なるが、短時間で反応が完了
でき、しかもその反応が穏和で反応制御が容易な点で、
芳香族炭化水素(A)の100重量部当たり0.1〜
5.0重量部が好ましい。
機溶媒の存在下で行ってもよい。有機溶媒としては、公
知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばトルエ
ン、キシレン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ソルベッソ等が挙げ
られる。有機溶媒としては、芳香族炭化水素(A)、化
合物(B)及びそれらの反応生成物たる合成樹脂(I)
のいずれも溶解できるものが好適である。
物(B)のエチレン性不飽和二重結合が開裂し、そのβ
位炭素が芳香族炭化水素(A)の芳香環の空位の炭素原
子と結合することになり、側鎖にメチル基を有する合成
樹脂が得られるのである。
環を1つのみ有する芳香族炭化水素を(A)成分として
用いた時のものは、通常次の構造である。
異なっていてもよい水素原子、アルキル基、水酸基、又
はハロゲン原子であり、nは1〜6である。)尚、二価
の原子団Aは、置換基を有していてもよい芳香環結合で
あることが好ましい。置換基を有していてもよい芳香環
結合としては、例えば1,4−フェニレン、1,3−フ
ェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−ブロ
モ−1,4−フェニレン、4,4−ビフェニレン、1,
6−ナフチレン、2,7−ナフチレン等が挙げられる。
単環の結合に比べれば縮合多環結合のほうが耐熱性や耐
水性の絶対値は高くなる傾向がある。置換基を有してい
てもよい芳香環結合として一般的なものは、置換基を有
していてもフェニレン結合である。この場合の合成樹脂
(I)の構造は、次の通りである。
水素原子、アルキル基、水酸基、又はハロゲン原子であ
り、nは1〜6である。)例えば、芳香族炭化水素
(A)としてフェノールを用い、かつ化合物(B)とし
てジビニルベンゼンを用いた場合の合成樹脂(I)は、
次の構造のものである。
成樹脂(I)としては、例えば次の様なものが挙げられ
る。
発明に係る合成樹脂(I)は、単独でエポキシ樹脂硬化
剤として用いることができる。必要に応じて公知慣用の
エポキシ樹脂硬化剤と併用してもよい。公知慣用のエポ
キシ樹脂硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、ポ
リアルキレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、マン
ニッヒ生成物、フェノールノボラック樹脂、オルソクレ
ゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭
素化フェノールノボラック樹脂、
挙げられる。例えばこの硬化剤とエポキシ樹脂と混合し
て用いることにより硬化性エポキシ樹脂組成物を調製す
ることができる。
るに当たり用いるエポキシ樹脂は、特に制限されるもの
ではないが、例えばビスフェノールFやビスフェノール
A等のビスフェノール類を出発原料とするビスフェノー
ルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、通常のフェノ
ールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹
脂、臭素化フェノールノボラック樹脂、
発原料とするノボラック型多官能エポキシ樹脂、ジフェ
ニルメタンジアミンテトラグリシジルエーテル、シクロ
ヘキサンジアミンテトラグリシジルエーテル等のグリシ
ジルアミン型多官能エポキシ樹脂を始め、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、エポキシ化SBR、
エポキシ化大豆油等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
物によって異なるが、一般的に硬化剤たる合成樹脂
(I)のフェノール性水酸基と、エポキシ樹脂のエポキ
シ基の割合を当量比にて配合すべきものである。
際の硬化促進剤としては、一般的に用いられているもの
が使用することができるが、例えばN−メチルイミダゾ
ールのごときイミダゾール類、トリエチルアミンのよう
な3級アミン類、トリフェニルフォスフィンのようなリ
ン系化合物等が挙げられる。
は、本発明に係る合成樹脂(I)と、それにエピハロヒ
ドリンを反応せしめて得られるエポキシ樹脂とを組み合
わせることが好ましい。この組み合わせは、電気絶縁積
層板を製造するのに特に適した組成である。
ポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させた構造のい
わゆるエポキシアクリレートや、ジビニルベンゼン、ア
ルキルジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の芳香
族ジビニル化合物、グリセロールジアリルエーテルやト
リメチロールプロパントリアクリレート等の脂肪族ジビ
ニル化合物、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、モノブロモスチレン等の芳香族モノビニル化合物、
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル
酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等の脂肪族モノビニル化合物、並
びに必要に応じてこれらを重合しうる熱重合開始剤や光
重合開始剤を添加して、活性エネルギー線と熱とを併用
して組成物の硬化を行うこともできる。
剤として用いると、その硬化物は吸水性が従来のものに
比べ低く、耐水性に優れるばかりでなく、歪が少なく熱
収縮も少ない硬化物が得られる。
応じて充填剤、カップリング剤、難燃剤、滑剤、離型
剤、可塑剤、着色剤、増粘剤等の各種添加剤を添加して
用いてもよい。
ば銅張り電気絶縁積層板及びその前駆体たるプリプレ
グ、被覆材、コーティング剤、成形材料等、従来通常の
ノボラック系樹脂をエポキシ樹脂硬化剤として使用して
きた用途分野において性能を向上させることが期待でき
るものである。
えばヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤と組み合わせ
て鋳物用結合剤、研削砥石用結合剤、ガラス繊維や炭素
繊維用結合材、耐火物用結合剤、ブレーキライニング用
結合剤、クラッチフェーシング用結合剤、IC封止材、
家庭用航空機用壁装材、断熱材、フェノールフォーム用
原料、浴槽、防水パン、流し台、波板、貯水漕、プレジ
ャーボート用材料として使用できる。
する。なお例中の部および%はすべて重量基準とする。 合成例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び、触媒として塩化アルミニウムを4.7g
加え、90℃まで昇温した。滴下ロートよりジビニルベ
ンゼンを少量ずつ滴下して140℃まで発熱の利用によ
り昇温させる。135〜145℃に温度を保ちながら約
2時間かけて、ジビニルベンゼン(総計885g,6.
8モル)を滴下させた後、3時間反応させた。反応容器
より取り出し、融点(キャピラリー法)63℃、数平均
分子量990のノボラックタイプの黄色塊状の合成樹脂
を得た。
共鳴スペクトル(以下、13C−NMRという)、質量分
析器(以下、MSという)、赤外線吸収スペクトル(以
下IRという)、高速液体クロマトグラフ(以下、HP
LCという)等で確認した。
ンのビニル基のα位炭素がフェノール核に結合している
ピークは認められたが、β位炭素からの結合はみとめら
れないものであった。
0、1214などの位置にシグナルが認められた。これ
らのシグナルはそれぞれ、フェノール核が2、3、4、
5、6個含まれるものに対応していると考えられる。
核、メチルメチレン結合、フェニレン結合、メチルメチ
レン結合がこの順に結合した繰り返し単位nのメチルメ
チレン側片端にフェノール核が結合し、フェノール核側
片端にメチルメチレン結合、フェニレン結合、メチルメ
チレン結合、フェノール核がこの順に結合した合成樹脂
のn=1、2、3に相当すると考えられるピークがそれ
ぞれ観察された。n=4以上のものと推定されるピーク
が重なるが、ガスクロマトグラフィー質量分析器で分離
分析した結果より、n=4以上のものもそれぞれ確認す
ることができた。nの平均は3であった。
造を有していると考えられた。
4つ口3リットルフラスコに、メタクレゾール1080
g(10モル)及び、触媒としてパラトルエンスルフォ
ン酸を2.2g加え、100℃まで昇温した。滴下ロー
トよりジビニルベンゼン純品を少量ずつ滴下して150
℃まで発熱の利用により昇温させる。145〜155℃
に温度を保ちながら約2時間かけてジビニルベンゼン
(総計846g,6.5モル)を滴下させた後、2時間
反応させた。反応容器より取り出し、融点(キャピラリ
ー法)60℃、数平均分子量915のノボラックタイプ
の黄色塊状のノボラックタイプの合成樹脂を得た。
R、HPLC等で確認した。13CーNMRの結果より、
ジビニルベンゼンのビニル基のα位炭素がフェノール核
に結合しているピークは認められたが、β位炭素からの
結合はみとめられないものであった。
60、1298などの位置にシグナルが認められ、これ
らのシグナルはそれぞれ、フェノール核が2、3、4、
5、6含まれるものに対応していると考えられる。
するフェノール核、メチルメチレン結合、フェニレン結
合、メチルメチレン結合がこの順に結合した繰り返し単
位nのメチルメチレン側片端にメチル基を有するフェノ
ール核が、メチル基を有するフェノール核側片端にメチ
ルメチレン結合、フェニレン結合、メチルメチレン結
合、メチル基を有するフェノール核がこの順に結合した
合成樹脂のn=1、2、3に相当すると考えられるピー
クがそれぞれ観察された。n=4以上のものと推定され
るピークが重なるが、ガスクロマトグラフィー質量分析
器で分離分析した結果より、n=4以上のものもそれぞ
れ確認することができた。nの平均は2.4であった。
造を有していると考えられた。
4つ口3リットルフラスコに、レゾルシン1100g
(10モル)及び、触媒としてしゅう酸2水和物を5.
5gと、80%ジビニルベンゼンを1139g加えて攪
拌を開始した。150℃まで発熱の利用により昇温させ
る。145〜155℃に温度を保ちながら約4時間反応
させた後、反応容器より取り出し、融点(キャピラリー
法)62℃、数平均分子量1080のノボラックタイプ
の黄色塊状の合成樹脂を得た。
ノール核、メチルメチレン結合、フェニレン結合、メチ
ルメチレン結合がこの順に結合した繰り返し単位nのメ
チルメチレン側片端に水酸基を2個有するフェノール核
が結合し、フェノール核側片端にメチルメチレン結合、
フェニレン結合、メチルメチレン結合、水酸基を2個有
するフェノール核がこの順に結合した合成樹脂と推定さ
れ、nの平均は3であった。
造を有していると考えられた。
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び、硫酸ジエチルを1.9g加えた後、滴下
ロートよりパラキシリレングリコールジメチルエーテル
を少量ずつ、計1079g(6.5モル)滴下した。1
50〜160℃に温度を保ちながら約3時間反応させ、
その時間中に理論量のメタノールを遊離させた後、反応
容器より取り出し、融点(キャピラリー法)65℃のノ
ボラックタイプのフェノールアラルキル樹脂を得た。こ
の合成樹脂は、次の様な構造であり、nの平均は3であ
った。
に加温して溶融させた後、エポキシ樹脂の硬化促進剤で
あるN−メチルイミダゾール0.1部を加えて、高温下
で均一な溶液を得た。この溶液に予め加温(100℃)
しておいたエポキシ樹脂、エピクロン850(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製ビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂)を104部混合し、減圧下に
て脱泡処理した後に150℃にて1時間、さらに180
℃にて2時間熱処理してエポキシ樹脂硬化物を得た。 実施例2 上記合成例2にて得られた合成樹脂100部、エピクロ
ン850の98部を用いた以外は実施例1と全く同様な
操作を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。 実施例3 上記合成例3にて得られた合成樹脂100部、エピクロ
ン850の169部を用いた以外は実施例1と全く同様
な操作を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。 比較例1 ノボラック型フェノール樹脂バーカムTD−2131
(大日本インキ化学工業株式会社製)100部を120
℃に加温して溶融させた後、N−メチルイミダゾール
0.1部を加えて、高温下で均一な溶液を得た。この溶
液に予め加温(100℃)しておいたエピクロン850
を182部混合し、減圧下にて脱泡処理した後に150
℃にて1時間、180℃にて2時間熱処理してエポキシ
樹脂硬化物を得た。 比較例2 上記合成例4にて得られたフェノールアラルキル樹脂1
00部を100℃に加温して溶融させた後、N−メチル
イミダゾール0.1部を加えて、高温下で均一な溶液を
得た。この溶液に予め加温しておいたエピクロン850
を118部混合した。その他は比較例1と同様な操作を
行いエポキシ樹脂硬化物を得た。
られたエポキシ樹脂硬化物の吸水性等の性能をまとめて
表−1に示した。尚、曲げ強度、曲げ弾性率、吸水率及
び比重についてはJISK6911に準じ、熱変形温度
についてはJISK7207に準じ、ロックウェル硬度
はJISK7209(スケールM)に準じ測定を行っ
た。
は、それぞれ沸騰水2時間放置後、沸騰水4時間放置後
の硬化物の重量増加率を示す。
成樹脂をエポキシ樹脂硬化剤を用いて硬化したエポキシ
樹脂硬化物は、従来の硬化剤を用いて硬化した硬化物に
比べて耐水性に極めて優れている。
ン結合を有する合成樹脂であるので、単なるメチレン結
合を有する合成樹脂に比べて吸水性が著しく少ないとい
う格別顕著な効果を奏する。従って、本発明の合成樹脂
をエポキシ樹脂硬化剤として用いると耐水性に優れたエ
ポキシ樹脂硬化物を与える組成物が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】フェノール性水酸基を含有する芳香族炭化
水素(A)の芳香環上の水素原子が、エチレン性不飽和
二重結合を少なくとも2個有する化合物(B)のエチレ
ン性不飽和二重結合のα位炭素に付加しており、かつ化
合物(B)の開裂したエチレン性不飽和二重結合のβ位
炭素が、前記化合物(B)のエチレン性不飽和二重結合
のα位炭素への付加により空位となった芳香環上の炭素
原子に付加した構造の合成樹脂からなるエポキシ樹脂硬
化剤。 - 【請求項2】エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキシ
樹脂組成物において、硬化剤として、フェノール性水酸
基を含有する芳香族炭化水素(A)の芳香環上の水素原
子が、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有す
る化合物(B)のエチレン性不飽和二重結合のα位炭素
に付加しており、かつ化合物(B)の開裂したエチレン
性不飽和二重結合のβ位炭素が、前記化合物(B)のエ
チレン性不飽和二重結合のα位炭素への付加により空位
となった芳香環上の炭素原子に付加した構造の合成樹脂
を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキシ
樹脂組成物において、硬化剤として、下記一般式(A)
の合成樹脂を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成
物。一般式(A) 【化1】 (但し、Aは2価の原子団、Rは同一でも異なっていて
もよい水素原子、アルキル基、水酸基、又はハロゲン原
子であり、nは1〜6の整数である。)
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