JPH09255758A - 新規エポキシ樹脂、その中間体及びそれらの製造法並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

新規エポキシ樹脂、その中間体及びそれらの製造法並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH09255758A
JPH09255758A JP8068603A JP6860396A JPH09255758A JP H09255758 A JPH09255758 A JP H09255758A JP 8068603 A JP8068603 A JP 8068603A JP 6860396 A JP6860396 A JP 6860396A JP H09255758 A JPH09255758 A JP H09255758A
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epoxy resin
resin
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Masashi Kaji
正史 梶
Takanori Aramaki
隆範 荒牧
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性等の機
械的特性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着
等の用途に有用なエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤
として有用な多価ヒドロキシ樹脂、さらに、それらの製
造法並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される新規エポキ
シ樹脂、 【化1】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
5の整数を示す。)及び下記一般式(2)で表される新
規多価ヒドロキシ樹脂。 【化2】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
5の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐湿性、耐熱性、耐衝
撃性等の機械的強度に優れた硬化物を与えるエポキシ樹
脂及びその製造法、さらに、それを用いたエポキシ樹脂
組成物並びにその硬化物に関するものであり、半導体封
止等の電気電子分野の成形材料等に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、特に先端材料分野の進歩に伴い、
より高性能なベースレジンの開発が求められている。例
えば、半導体封止の分野においては、近年の高密度実装
化に対応したパッケージの薄形化、大面積化、さらには
表面実装方式の普及により、パッケージクラックの問題
が深刻化しており、これらのベース樹脂としては、耐湿
性、耐熱性、耐衝撃性等の向上が強く求められている。
また、航空宇宙産業に利用される複合材マトリックス樹
脂としてのエポキシ樹脂については、よりいっそうの高
耐熱性、耐湿性が強く要請されている。
【0003】しかしながら、従来より知られているエポ
キシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知ら
れていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ
樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや
硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使
用されているが、他方、耐熱性、耐湿性の点で問題があ
る。また、耐熱性を改良したものとして、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性や耐
衝撃性に問題がある。
【0004】そこで、特開昭63−238,122号公
報には、耐湿性、耐衝撃性の向上を目的にフェノールア
ラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されているが、耐
熱性の点で十分でない。また、特開昭64−79,21
5号公報には、高耐熱性を目的に2価フェノールアラル
キル樹脂のエポキシ化合物が提案されているが、耐湿性
の点で十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性等の機械
的特性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等
の用途に有用なエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤と
して有用な多価ヒドロキシ樹脂、さらに、それらの製造
法並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)で表される新規エポキシ樹脂及び下記一
般式(2)で表される新規多価ヒドロキシ樹脂である。
【化3】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
5の整数を示す。)
【化4】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
5の整数を示す。)
【0007】また、本発明は、上記一般式(2)で表さ
れる多価ヒドロキシ樹脂とエピクロルヒドリンを反応さ
せることを特徴とする新規エポキシ樹脂の製造法であ
る。さらに、本発明は、置換基を有してもよいフェノー
ル類及びナフトール類から選ばれるフェノール性化合物
1モルに対し、0.05〜0.9モルのジビニルビフェ
ニル類を含有する架橋剤とを反応させることを特徴とす
る上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂を含
有する多官能ヒドロキシ樹脂の製造法である。
【0008】さらにまた、本発明は、エポキシ樹脂及び
硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ
樹脂成分として上記一般式(1)で表されるエポキシ樹
脂、硬化剤成分として上記一般式(2)で表される多価
ヒドロキシ樹脂の少なくともいずれか一方を必須成分と
して配合してなるエポキシ樹脂組成物であり、また、こ
のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。一般式
(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂は、フェノール性
化合物1モルに対し、0.05〜0.9モルのジビニル
ビフェニル類を含有する架橋剤を反応させることにより
得られる。
【0010】上記のフェノール性化合物とは、置換基を
有していても有していなくてもよいフェノール類又はナ
フトール類である。置換基を有する場合、置換基として
は、限定されるものではないが、炭素数1〜6(好まし
くは1〜4)のアルキル基、フェニル基が好ましいもの
としてあげられる。このようなフェノール性化合物とし
ては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、エチルフェノール類、イソプ
ロピルフェノール類、ターシャリーブチルフェノール
類、フェニルフェノール類、2,6−キシレノール、
2,6−ジエチルフェノール、1−ナフトール、2−ナ
フトール等があげられる。これらのフェノール性化合物
は、1種又は2種以上の混合物として使用される。
【0011】上記の架橋剤には、ジビニルビフェニル類
又はこれを含有するもの、好ましくはこれをを50%以
上含有するものが使用される。ジビニルビフェニルとし
て、例えば、4,4’−ジビニルビフェニル、2,4’
−ジビニルビフェニル、2,2’−ジビニルビフェニル
などがあげられ、これらは単独又は混合物として使用さ
れる。また、架橋剤には、ビニルビフェニル類、エチル
ビニルビフェニル類、ジエチルビフェニル類を含有して
いてもよいが、ビニルビフェニル類、エチルビニルビフ
ェニル類等のモノビニル体の含有量は、20%以下であ
ることが好ましい。これが20%より多いと樹脂を硬化
させた場合の架橋密度が低下し、耐熱性の低下をもたら
すおそれがある。
【0012】フェノール性化合物と架橋剤との反応にお
いては、架橋剤に対して過剰量のフェノール性化合物が
使用される。架橋剤の使用量は、フェノール性化合物1
モルに対し、0.05〜0.9モルであるが、好ましく
は、0.1〜0.7モルである。架橋剤の使用量が0.
9モルより多いと樹脂の軟化点が高くなり、成形作業性
に支障をきたす。また、架橋剤の使用量が0.05モル
より少ないと反応終了後、過剰のフェノール性化合物の
除去量が多くなり、工業的に好ましくない。
【0013】この反応は、酸触媒の存在下に行う。この
酸触媒としては、周知の無機酸又は有機酸から適宜選択
することができる。これらは、例えば、塩酸、硫酸、燐
酸等の鉱酸、例えば、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、例えば、塩化
亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等の
ルイス酸、例えば、活性白土、シリカ−アルミナ、ゼオ
ライト等の固体酸などがあげられる。
【0014】また、この反応は、通常、10〜250℃
で1〜20時間行われる。さらに、反応の際には、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチ
レングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等のアルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒とし
て使用することができる。反応終了後、必要により水洗
等による脱触媒処理、蒸留等による脱溶媒処理を行うこ
とにより、本発明の多価ヒドロキシ樹脂を得ることがで
きる。この多価ヒドロキシ樹脂は、原料が混合物である
と組成物として得られる。この多価ヒドロキシ樹脂は、
エポキシ樹脂中間体やエポキシ樹脂硬化剤等として有用
である。
【0015】上の一般式(1)で表されるエポキシ樹脂
は、前記多価ヒドロキシ樹脂とエピクロルヒドリンを反
応させることにより製造することができる。この反応
は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、多価ヒドロキシ樹脂を過剰のエピクロルヒドリ
ンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、
好ましくは、60〜120℃で1〜10時間反応させる
方法があげられる。この際、アルカリ金属水酸化物の使
用量は、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対し、
0.8〜2モル、好ましくは、0.9〜1.2モルの範
囲である。また、エピクロルヒドリンは、多価ヒドロキ
シ樹脂中の水酸基に対して過剰に用いられるが、通常、
多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対し、1.5〜
15モル、好ましくは、2〜8モルである。反応終了
後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトル
エン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過
し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去するこ
とにより、本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
このエポキシ樹脂は、注型用、トランスファ成形用樹脂
等として有用である。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂成分として本発明のエポキシ樹脂、硬化剤
成分として本発明の多価ヒドロキシ樹脂の少なくともい
ずれか一方を必須成分として配合してなるものである。
【0017】エポキシ樹脂成分として本発明のエポキシ
樹脂を必須成分とする場合、硬化剤は、一般にエポキシ
樹脂の硬化剤として知られているものを全て使用でき
る。このような硬化剤としては、ジシアンジアミド、多
価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン
類等がある。具体的に例示すれば、多価フェノール類と
しては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、
4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハ
イドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2
価のフェノール類、例えば、トリス−(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、
o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポ
リビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノー
ル類、フェノール類、ナフトール類若しくはビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオ
レンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,
2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナ
フタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−
ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコー
ル等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物
などがあげられる。また、本発明の多価ヒドロキシ樹脂
も硬化剤の一部又は全部として使用できる。
【0018】また、酸無水物としては、例えば、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無
水ナジック酸、無水トリメリット酸などがあげられる。
また、アミン類としては、例えば、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロ
パン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フ
ェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族
アミン類、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン等の脂肪族アミン類などがあげられる。本発明の樹
脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合
して使用することができる。そして、エポキシ樹脂成分
としては、本発明のエポキシ樹脂単独でも他のエポキシ
樹脂との併用でもよい。併用の場合、本発明のエポキシ
樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全体に対し5〜100%
である。
【0019】また、硬化剤成分として本発明の多価ヒド
ロキシ樹脂を必須成分とする場合、エポキシ樹脂として
は、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキ
シ樹脂を全て使用できる。このようなエポキシ樹脂は、
例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオ
レンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,
2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の
2価のフェノール類、例えば、トリス−(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラッ
ク、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノー
ル類、又はテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン
化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル
化物などの他、本発明のエポキシ樹脂も使用できる。こ
れらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を混合して用
いることができる。そして、硬化剤は、本発明の多価ヒ
ドロキシ樹脂単独でも他の硬化剤との併用でもよい。併
用の場合、本発明の多価ヒドロキシ樹脂の配合量は、硬
化剤全体に対し5〜100%である。
【0020】また、本発明のエポキシ樹脂又は本発明の
多価ヒドロキシ樹脂を必須成分とする本発明のエポキシ
樹脂組成物には、例えば、ポリエステル、ポリアミド、
ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、
インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー
又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填
剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流
動性向上剤等の添加剤を配合してもよい。無機充填剤と
しては、例えば、球状又は破砕状の溶融シリカ、結晶シ
リカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイ
カ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ
などがあげられ、顔料としては、例えば、有機系又は無
機系の体質顔料、鱗片状顔料などがあげられる。揺変性
付与剤としては、例えば、シリコン系、ヒマシ油系、脂
肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有
機ベントナイト系などをあげることができる。さらに必
要に応じて、公知の硬化促進剤、例えば、アミン類、イ
ミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを用い
てもよい。これらの硬化促進剤の添加量としては、通
常、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.2〜5重量
部の範囲である。さらに必要に応じて、本発明の樹脂組
成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型
剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の
カップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化
アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化
剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤などを使用でき
る。
【0021】本発明の硬化物は、本発明のエポキシ樹脂
組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法
により、成形加工することができる。成形温度は、通
常、120〜220℃の範囲である。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を
具体的に説明する。
【0023】実施例1 500mlの4口フラスコにフェノール性化合物成分と
してフェノール188g(2.0モル)と、4,4’−
ジビニルビフェニル57.5%、4−エチル−4’−ビ
ニルビフェニル17.8%、4,4’−ジエチルビフェ
ニル17.6%、4−エチルビフェニル3.8%、その
他3.3%よりなる架橋剤143.2g及びトルエン7
00gを仕込んだ。さらに、p−トルエンスルホン酸
1.0gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら還流下、
2時間反応させた。反応後、炭酸ナトリウムで中和し、
さらに過剰のフェノール及び架橋剤中の未反応分を減圧
留去し、褐色状樹脂165gを得た。得られた樹脂の軟
化点は、111℃、ICIコーンプレート法に基づく1
50℃での溶融粘度は8.8ポイズ、水酸基当量は28
8であった。得られた樹脂のGPCチャートを図1、赤
外吸収スペクトルを図2に示す。ここで、GPC測定の
条件は、装置がHLC−82A(東ソー株式会社製)、
カラムがTSK−2000を3本とTSK−4000を
1本(いずれも東ソー株式会社製)、溶媒がテトラヒド
ロフラン、流速が1ml/min、温度が38℃、検出器がR
Iの条件で行った。
【0024】実施例2 フェノール性化合物成分として2−ナフトール216g
(1.5モル)、架橋剤として実施例1と同じジビニル
ビフェニル類143.2gを用い、実施例1と同様に反
応を行い、褐色状樹脂187gを得た。得られた樹脂の
軟化点は、143℃、ICIコーンプレート法に基づく
150℃での溶融粘度は16ポイズ、水酸基当量は32
4であった。
【0025】実施例3 実施例1で得た樹脂100gをエピクロルヒドリン70
0gに溶解し、減圧下(約150mmHg)、70℃で
48%水酸化ナトリウム水溶液28gを3.5時間かけ
て滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリン
との共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリ
ンは系内に戻した。滴下終了後、さらに30分間反応を
継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さら
に水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、エポキシ
樹脂126gを得た。この樹脂のエポキシ当量は346
であり、軟化点は78℃であった。この樹脂のGPCチ
ャートを図3、赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0026】実施例4 実施例2で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム
水溶液25gを用いて実施例3と同様に反応を行い、エ
ポキシ樹脂127gを得た。この樹脂のエポキシ当量は
396であり、軟化点は115℃であった。
【0027】実施例5 実施例3のエポキシ樹脂を使用して、表1に示す配合で
樹脂組成物とした後、50℃、3分で成形し、硬化試験
片を得た。試験片は180℃で12時間ポストキュアを
行った後、種々の物性試験に供した。結果を表1に示
す。なお、ガラス転移点及び線膨張係数の測定は、熱機
械測定装置を用いて7℃/分の昇温速度で測定した。ま
た、吸水率は、不飽和型プレッシャークッカー装置を用
いて、133℃、3気圧の条件で96時間吸湿させて測
定した。さらに、破壊靭性は、A.F.Yee, R.A.Pearson,
Journal of Materials Science, 21, 2462(1986)に記載
の方法に従って測定した。
【0028】実施例6 実施例4のエポキシ樹脂を使用して、表1に示す配合で
樹脂組成物とした後、50℃、3分で成形し、硬化試験
片を得た。実施例5と同様に、種々の物性試験に供し
た。結果を表1に示す。
【0029】比較例 o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を使用して、
実施例7と同様に処理して、種々の物性試験に供した。
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂、本発明の多価ヒ
ドロキシ樹脂を使用して得られる硬化物は、耐湿性、耐
熱性に優れ、かつ耐衝撃性等の機械的特性に優れた性能
を有し、積層、成形、注型、接着等の用途に好適に使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で得られた本発明の多価ヒ
ドロキシ樹脂のGPCチャートを示す図である。
【図2】 図2は、実施例1で得られた本発明の多価ヒ
ドロキシ樹脂の赤外吸収スペクトル示す図である。
【図3】 図3は、実施例3で得られた本発明のエポキ
シ樹脂のGPCチャートを示す図である。
【図4】 図4は、実施例3で得られた本発明のエポキ
シ樹脂の赤外吸収スペクトル示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される新規エポキ
    シ樹脂。 【化1】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
    タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
    5の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される新規多価ヒ
    ドロキシ樹脂。 【化2】 (式中、Aは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
    タレン環を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜1
    5の整数を示す。)
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の多価ヒドロキシ樹脂と
    エピクロルヒドリンを反応させることを特徴とする新規
    エポキシ樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】 置換基を有してもよいフェノール類及び
    ナフトール類から選ばれるフェノール性化合物1モルに
    対し、0.05〜0.9モルのジビニルビフェニル類を
    含有する架橋剤とを反応させることを特徴とする請求項
    2に記載の多価ヒドロキシ樹脂を含有する多官能ヒドロ
    キシ樹脂の製造法。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキ
    シ樹脂組成物において、請求項1に記載のエポキシ樹脂
    又は請求項2に記載の多価ヒドロキシ樹脂の少なくとも
    いずれか一方を必須成分として配合してなるエポキシ樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物を
    硬化してなる硬化物。
JP8068603A 1996-03-25 1996-03-25 新規エポキシ樹脂、その中間体及びそれらの製造法並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Pending JPH09255758A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11158255A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Nippon Steel Chem Co Ltd 新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
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